おしかけおさなづま3
ブランド名 ROLL ジャンル ドタバタ同棲生活AVG
発売日 2005.02.18 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(165x230x40mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 ディスク1 : 590.6MB、CD-DAなし
ディスク2 : 635.2MB、CD-DAなし
原画 魚肉ん シナリオ 田中一郎
竹本みかん、鈴森はる香、
伊藤ヨシスケ、椎名恵水
音楽 18曲、猫野こめっと あり(2曲、OP・ED)、
理多佳織みちる
音声 あり、かわしまりの、桜坂かい夏川菜々美一色ヒカル理多
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 64箇所 CG枚数 123枚
おまけ CG、シーン回想、音楽
対象属性 ドタバタ、ラブコメ、学園物、純愛、女教師、女医、白衣、眼鏡っ娘、ヘアバンド、
ストッキング、幼なじみ、猫耳、尻尾、緑髪、スパッツ、お兄ちゃん、ピンク髪、
ツインテール、オーバーニーソックス、ウェディングドレス、黒髪、ストレートロング、
リボン、お嬢様、ボクっ娘、帽子、触角
1プレイ時間 3〜4時間 お奨め度 6

レビュー
概要
1年前に両親を亡くした主人公は、父方の叔母である辰子や、幼なじみの香織、
ほのかに支えられ、毎日を過ごしていた。そんなある日、祖父がやってきて、
1人の女性を紹介する。なんとその女性を、主人公の許嫁とすると言うのだ。
突然のことに戸惑う主人公に、祖父は1ヶ月の猶予期間を与え、その間に判断
しろという。しかも、その間はその女性と一緒に暮らせとまで言われる。
それを聞いた辰子達は、自分たちも主人公の家に住むと言い始め、結局4人の
女性が主人公の家で暮らすこととなる。かくして、ドタバタの毎日が始まるの
だった……という、ドタバタ同棲生活AVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

羽藍辰子(はあいたつこ)。(CV:一色ヒカル)
主人公の父親の妹、つまり叔母。両親を亡くした主人公の面倒を見てきた女性。
学園の保健医。おっとりぼけぼけマイペースな女性。しかし、やるべきことは
きっちりこなす。
# でも、2日酔いで学園は休む。←ダメなオトナ

赤城香織(あかぎかおり)。(CV:夏川菜々美)
隣の家に住む、妹のような存在の幼なじみ。明るく無邪気で元気いっぱい。
主人公のことは「お兄ちゃん」と呼び慕う。
自由自在に動くマニピュレーターを身に付けている。欲しい。

日隆ほのか(ひりゅうほのか)。(CV:かわしまりの)
主人公の幼なじみ。ほんわかした雰囲気の優しい女の子。料理が得意。
朝が苦手でなかなか起きられず、起きてもしばらくはぼーっとしている。
百戦錬磨の睡眠狂。

加賀忍(かがしのぶ)。(CV:桜坂かい)
主人公の許嫁(候補)。古風で生真面目な女性。礼儀正しく、やや頑固。
照れ屋で、素直じゃない一面も。いつも弓を持っている。

武蔵歩(むさしあゆむ)。(CV:理多)
主人公の親友。突然許嫁騒動に巻き込まれた主人公を、端から見て楽しんで
いる。というか、おもしろがっている。
# 帽子に「♂」型のアクセサリーを付けている(笑)

絵の方はシンプルでわかりやすい絵柄で、表情変化などがはっきりしており、
とても活き活きとしたアニメ調の絵柄です。ちょっと好き嫌いは分かれるかも
しれませんが、私はかなり好きです。
CGは明るく発色の良い色遣いで、絵柄に合わせたアニメ塗りになっています。
処理は綺麗で丁寧で、安心して見ていられます。
立ち絵はポーズ変化、表情変化共にあり。ポーズ変化はアクションが大きく、
表情変化もアニメチックで表情豊か。感情がストレートに伝わってきますし、
見ていて楽しいです。

キャラクターは個性豊かなキャラクター揃い。一癖も二癖もあるキャラクター
ばかりで、会話も非常に楽しいです。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技も良好。特に歩は、状況に
応じてきっちり演じ分けがされており、素晴らしかったです。

音楽は明るくほのぼのとした曲が多め。楽しい雰囲気の漂う曲が多いです。

ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
歌はスピード感のあるポップで可愛らしい歌。明るく元気でノリが良く、
とても聴きやすい歌でいいですね。結構お気に入り。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、演出がかなり
凝っていて動きもあり、とても見応えがありました。
曲とのシンクロ率も高く、かなりいい出来のオープニングだと思います。
歌のタイトルが「おしかけおさなづまのうた」というストレートなのも、
結構好きだったり(^^)

エンディングも歌あり。しっとりとした綺麗な曲で、聴いていて落ち着きます。
ラストの雰囲気を上手く包んでくれる感じですね。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。ただ、描画はやや遅めです。
スキップ動作はやや遅め。描画で引っかかる感じですね。

セーブ箇所は64箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、何日目かとシーンタイトル、そしてシーン
画像が保存されます。
数としては選択肢が少なめで、分岐もわかりやすいので、これだけあれば
充分かと思います。

システムは、オーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公の名前は「羽藍てとら」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公の元に4人の女の子が住むことになるところから始まります。
ドタバタの毎日を過ごすうちに、次第に誰かに惹かれていく……という、まあ
王道の展開ですね。

前半は面白おかしくコミカルに進みます。個性豊かなキャラクター達が織り
なす会話はとても楽しく、みんな活き活きとしていていいですね。
主人公は終始流されっぱなしな感じですけど。

後半は、誰か1人と心を通わせ合い、様々な問題を乗り越えるという、やや
シリアスな展開。シナリオによっては人間のドロドロした部分が出てきたり、
若干イタい展開もあったりとドキドキしますけど、それほどえげつない描写は
なく、比較的あっさり解決しますので、苦手な人でもまあ大丈夫でしょう。

ラストはすっきり爽やかな終わり方。ドロドロすることなく綺麗に終わって
くれるので、プレイ後は比較的爽快です。

特筆すべきはキャラクターの描写。個性豊かなキャラクターがとても魅力的に
描かれている作品ですが、さらに後半、個別シナリオに入ってもきっちり他の
キャラクターもストーリーに絡んできて、シナリオに幅が出ていると思います。
ある時はぶつかり合い、ある時は助け合って進む様は、見ていてほろりとする
ことも。人間ドラマもなかなか楽しいです。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回用意されており、尺の方はそこそこ。
描写も比較的濃いめです。ただ、内容は純愛系のごく普通のシーンが殆どで、
バリエーションはそれほどありません。

テキストは誤字も目立たず、テンポの良いテキストで読みやすいと思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は1ヶ月……ですが、2週間程度で終わります。1日ずつプレイして
いくタイプです。

ワンプレイは3〜4時間。最初の1週間は1日1日がやたら丁寧に描かれていて、
1ヶ月もあったらいったいどれだけプレイ時間かかるんだと心配していましたが、
後半になるとペースアップしてサクサク進み、結果的には比較的短く終わった
感じです。ちょっと拍子抜けかも。
共通部が結構多いため、スキップを使えば2周目からはかなり短縮できます。
総評
お奨め度ですが、ドタバタラブコメの好きな人にお奨め。
個性豊かなキャラクターが織りなすドタバタ劇は見ていてとても楽しく、
どのキャラクターも活き活きしていてとても魅力的です。
後半、ちょっと重い展開があったりもしますけど、最後にはすっきりと
終わってくれますし、プレイ後の気分も爽快です。

ストーリーもメリハリがあり、シナリオによって展開や構成がかなり違って
いたりと、バリエーション豊かに楽しめますし、なかなかいいですね。
ただ、前半はかなりスローペースで進むのですが、後半はかなり駆け足で、
ストーリーが動き始めたらあっという間にエンディングに突入してしまうので、
ちょっとあっけない感はありますね。
ただ、ドロドロした部分をあんまり引っ張られても辛いですし、私はこれで
充分かなー、と思いました。ただ、エンディングは、もう少し丁寧に描いても
良かったかなー、と思います。一山を越えたらいきなりエンディングで、
一瞬終わったことに気付きませんでしたし(^^;

あと、前半は共通部分がかなり多く、後半の個別ルートはかなり短いため、
全体的にややボリュームは少なめで、ちょっと物足りなさがあるかもですね。
ヒロインの数がそれほど多いわけでもないですし、もう少し個別ルートを
丁寧に描いても良かったのではないでしょうか。

絵柄も演出もストーリー展開も、全てアニメ調な印象のある作品で、ちょっと
人を選ぶかも知れませんけど、雰囲気やキャラクターが気に入った人なら
充分楽しめる作品だと思いますので、ドタバタラブコメ好きな人は是非どうぞ。

最後に。タイトルが「おしかけおさなづま3」で同居女性は4人。
……さらっとスルーされる辰子が不憫です……(笑)
# まあ、「おさなづま」とはよー言いませんが(^^;


歩シナリオ、バレバレですよね(笑)
わざわざ「♂」型のアクセサリーを帽子に付けているのが心憎い(笑)



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