パペット・プリンセス〜傀儡姫。わたしは、操り人形〜
ブランド名 ぷちぱじゃま ジャンル 純愛ADV
発売日 2005.08.26 定価 \3,980
パッケージ DVDタイプのトールケース(136x191x15mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 2.83GB(DVD-ROM)、Alpha-ROM
原画 モカモカ シナリオ 無頼寿あさむ
音楽 12曲、リバーサイドミュージック藤田淳平 あり(1曲、OP)、 Mika
音声 ヒロインフルボイス、大波こなみ、安玖深音、守田羽糸、青山ゆかり
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 48箇所+クイックセーブ4箇所 CG枚数 44枚
おまけ アルバム(CG鑑賞、シーン回想、MUSIC)
対象属性 メイド、学園物、館物、ご主人様、純愛、ミステリー、陵辱、妹、幼なじみ、ボブカット、
帽子、お兄ちゃん、ピンク髪、ストレートロング、リボン、オーバーニーソックス、体操服、
ブルマ、スクール水着、エプロンドレス、眼鏡っ娘、黒髪、お下げ、ヘアバンド
1プレイ時間 7〜10時間 お奨め度 6

レビュー
概要
世界的に有名な人形師・東馬恭二の養子である主人公は、誕生日に恭二から
プレゼントを贈られる。そのプレゼントとは、クラスメイトの織田穂香だった。
恭二いわく、穂香を人形として自由にして良いという。そしてその日から、
主人公と穂香は、恭二から送られてくるメールに従って、時と場所を選ばず
淫らな行為を繰り広げていく。果たして二人の運命は……という、純愛ADV。

……この紹介だけでは、とても純愛と思えないのですが(^^;
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

東馬奈緒(とうまなお)。(CV:安玖深音)
主人公の義妹で、許嫁。主人公のことを「兄さま」と呼び慕う。
明るく純粋な女の子。主人公のことを一途に想っている。
人形のガリ子を持っており、腹話術が得意。

織田穂香(おだほのか)。(CV:大波こなみ)
主人公のクラスメイト。誕生日の日に人形として主人公に贈られる。
その後、主人公の暮らす屋敷にメイドとしてやってくる。
無口で物静かな、ちょっとおどおどした女の子。

吉野利美(よしのとしみ)。(CV:守田羽糸)
屋敷で働くメイド長。主人公と奈緒の世話を担当する傍ら、恭二の仕事も
サポートしている優秀なメイド。奈緒のことをとても大事にしている。

間公子(あいだきみこ)。(CV:守田羽糸)
主人公のクラスメイト。穂香を虐めているグループのリーダー。

宮迫留衣(みやさこるい)。(CV:青山ゆかり)
屋敷で働くメイド。我が儘で自分勝手。主人公や利美にもほとんど敬意を
払わず接する。穂香に対しては意地悪な仕打ちをする。

絵の方は可愛らしい絵柄。幼い印象が漂います。ちょっと目の位置が低めで、
独特のバランスを持った絵柄ですので、人を選ぶかもですが。
CGはそこそこ綺麗に処理されていると思うのですが、一部線の処理が粗く、
アップになったとき、線の処理が粗いのが丸見えになってしまうことがある
のはちょっと残念。
立ち絵はポーズ変化、表情変化ともにあり。ポーズ変化のパターンはそんなに
多くはありませんが、表情変化はそこそこあって、会話に合わせて切り替わり、
アクションも大きくてわかりやすいです。
立ち絵の線の処理がちょっと粗い……というか、アナログっぽい感じで、
それが独特の雰囲気を出しているように感じます。まあ、それが、アップに
なったときに目立っちゃうんですけど。

キャラクターは明るく純粋な奈緒と、物静かで控えめな穂香という配置。
そこにサブキャラが絡んで来るという形になります。
どのキャラクターもやや控えめな印象で、ちょっとインパクトには欠けるかも。
まあ、奈緒はある意味めちゃめちゃ激しいですけど(^^;

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
特に奈緒は、シーンによって雰囲気が変わったり、腹話術の演技なども聴く
ことが出来て、なかなか聞き応えがありました。

音楽は静かな曲からハードな曲まで、バラエティ豊かに揃っている感じですが、
ややシーンと合っていないと思える曲があったり。日常の、ごく普通のシーンで
ハードな曲が流れるのはちょっと……。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はパンチの効いたハードな曲で、とても渋くて格好いいです。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、アップテンポな曲に
あわせて切り替わり、雰囲気も良く出ていてなかなか見応えがありました。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢の決定は
キーボードで出来ますが、その他のメニュー操作は出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。演出・エフェクトをOFFにすれば、マシかな? という感じ。
スキップ動作はそこそこ高速です。
何をするにも、いちいちレスポンスが悪い気がします。

セーブ箇所は48箇所+クイックセーブ4箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、章番号とタイトル、メッセージの一部が保存
されます。
数としては、それほど選択肢も多くなく、エンディングもさほど多くはないため、
これだけあれば足りるかと思います。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

このゲームにはAlpha-ROMによるプロテクトが施されており、初回起動時のみ
ディスクチェックが入ります。それ以降はディスクレス起動可。
バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公の名前は「東馬昴(とうますばる)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公の元に人形として穂香が届けられるところから始まります。
恭二に逆らえない主人公は、命じられるままに穂香を抱き、それ以降も命令が
あるたびに時と場所を選ばず淫らな行為を行います。

ストーリーは終始重々しい雰囲気で進みます。激しいシーンもあるにはあり
ますが、どこか静かで、控えめな印象がありますね。

前半で主人公と恭二や奈緒との人間関係を描き、中盤は人形となった穂香と
淫らな日々を過ごし、後半はミステリータッチの展開になります。

ラストはどこかもの悲しい、でも綺麗な終わり方。謎が謎を呼ぶ展開に、
きっちりカタを付けた、すっきりとした終わり方だと思います。
バッドエンドはかなりきっついのもありますけどね(^^;

特徴としては、独特の雰囲気が漂っていて、作品の世界に入りやすいこと。
現実離れした不思議な世界なのですが、きっちりと雰囲気が統一されていて、
感情移入はしやすいかと思います。

気になったのは全体的な描写。
まず、同じようなことを何度も言われるのが、ちょっと気になりました。
恭二が義理の父親で、奈緒の祖父で、主人公を屋敷に招いた人だとか。
一回聞けば解ることを、何度も何度も念を押すように聞かされるのは、やや
うざったく感じました。

また、各所に謎かけのようなセリフや展開があったり、中途半端なところで
言葉を止めたりと、全体的にやや難解なストーリーに思えます。
まあ、最後には綺麗に解決してくれるんですけど、途中の過程ではかなり
気持ち悪さ、もどかしさを感じました。

また、理不尽な要求とか、理不尽ないじめとかが多々あって、あまり見ていて
気持ちのいいものではありませんでした。

H度は高め。穂香に関しては数多く用意されていますが、他のキャラに関しては
ほとんど用意されておらず、全くHシーンのないキャラもいます。
ですので、穂香以外のHシーンには期待しない方がいいでしょう。
尺の方はそれなりに用意されており、描写の方もそこそこ濃厚。
内容は、基本的に言われたままに穂香を襲うものがほとんどで、陵辱チックな
雰囲気が漂うシーンが多いです。ただ、基本的に主人公はそんなに酷いヤツでは
ありませんので、言われるままに襲いますが、優しさもありますから、そんなに
キツいシーンはほとんどありません。
なので、陵辱的なシーンを期待している人には、ちょっと肩すかしかも。
ただし、1つだけちょっとキツい、寝取られ要素のあるシーンがあるので注意。
苦手な人にはダメかもしれませんね。
このシーンは入れて欲しくなかったな……と思いました。特に、他のルートで
穂香に手を出さない理由付けがされているだけに……。

テキストは、後半になるとやや誤字が目立ちます。また、一部意味が通らない
ような表現も見受けられます。抽象的な言い回しも多く、ちょっと読み辛いかも。
漢字を平仮名にひらいて書くポイントが、若干私の感性とは違っていたため、
一部やや読みづらく感じることがありました。
「きょうだい(兄妹)」とか「おひる(お昼)」とか「へいき(平気)」とか。
また、奈緒のことを「許嫁」と呼んだり、「昴くん」「昴さま」「ご主人さま」という
呼称が入り乱れたり、「織田」「穂香」という呼び方が混在したりと、やや読み
づらく感じることもありました。
プレイ時間・難易度
ゲームは章立てて進みます。
ゲーム期間は不明。基本的に1日ずつ進んでいるようですが、途中何日か飛ぶ
こともあります。

ワンプレイは7〜10時間。結構長いですが、1度クリアしてしまえば共通部分が
多いため、そんなに時間はかからないと思います。

難易度は低め。選択肢の数は少なめで、内容も比較的解りやすいので、それ
ほど苦労することはないかと思います。
ただ、1つ選択肢を間違えると、バッドエンドに直行することもあります。
まあ、バッドエンドにもCGがあったりしますので、コンプリートするためには
結局全部見ることになるんですけど。
総評
お奨め度ですが、独特の雰囲気が漂うミステリータッチの作品が好きな人に
お奨め。不思議な雰囲気の世界観に、非日常的な展開はなかなか面白く、
作品の世界に引き込まれていくような感じでした。
また、各所に謎や伏線が張り巡らされていて、それが解決されていくのは
気持ちよかったです。まあ、解決されるまではすっごくむずむずして気持ち
悪いんですけどね(^^;

ただ、全体的なストーリーは結構難解で、最後の最後まで何が何だかわから
ないまま進んでしまう可能性もあるので、置いてけぼりな印象を受けるかも
知れません。
何かを言いかけて途中でやめたり、抽象的な言い回しをされることも多く、
気持ち悪く思う部分が多々ありました。

そして、基本的にヒロインは穂香のみで、それ以外のキャラはおまけという
印象が強く、Hシーンもほとんどないので、穂香がお気に入りでない人に
とっては、物足りなさがあるかも知れません。

あと、システムもレスポンスが悪く、やや使いづらさも感じられて、ちょっと
ストレスが溜まるかも知れませんね。

しかし、設定はよく考えられていて雰囲気もよく統一されていますし、最後の
方の展開は引き込まれるものがありましたし、良くできていると思います。
ただ、ちょっと取っつきづらいのは勿体ないですけどね。

絵柄や雰囲気はちょっと独特ですが、それが受け入れられる、気に入った人は
是非どうぞ。価格も安めになっていますし、ボリュームはそこらへんの作品と
遜色ないぐらいありますから、充分満足できるかと思います。

最後に。各所に出てくる人形のカットイン、怖いから(^^;


ストーリーの根幹に関わる、重大なネタバレの叫び。
これからプレイする人は絶対見ないこと。


で、結局……
夢オチかよ!(笑)

いや、厳密には夢オチとはちょっと違うんですけど……ねぇ(^^;



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