Pure×Cure
ブランド名 CHUABLE SOFT ジャンル 保健室純愛アドベンチャー
発売日 2005.02.11 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(154x224x50mm) マニュアル A6ブックタイプ
DISC容量 DISC1 : 619.9MB、CD-DAなし、CD-ROM XA
DISC2 : 619.9MB、CD-DAなし、CD-ROM XA
DISC3 : 278.1MB、CD-DAなし、CD-ROM XA
原画 ぎん太 シナリオ 草壁よしお、
師がない弟子しみずぺと子
月下さがの博恵夏樹
音楽 23曲、けんせい(The Silver Seats) あり(3曲、OP・ED)、計名さや香
佐本二厘、おおたけしのぶ、奥山歩
小林和実古崎杏、藍川たまき
音声 フルボイス、
佐本二厘、おおたけしのぶ、奥山歩計名さや香小林和実古崎杏、藍川たまき、
山貴みず、永倉仁八松葉ひろあき、河村眞人
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 98箇所 CG枚数 121枚
おまけ CG、回想、音楽、MOVIE、キャラクター、成績表、診察、「先生の卒業式」
対象属性 純愛、学園物、ドタバタ、感動、幼なじみ、オーバーニーソックス、赤髪、ショートカット、
スパッツ、メイド服、エプロンドレス、女教師、ストッキング、眼鏡っ娘、青髪、お嬢様、
ストレートロング、お団子頭、ツインテール、ゴスロリ
1プレイ時間 12〜15時間 お奨め度 7

レビュー
概要
母校である姫奈学園へ養護教諭として赴任することになった主人公。男性の
養護教諭ということで奇異の目で見られるが、皆の憩いの場になる保健室を
目指そうと決意し、皆が怪我などをしないよう、見回りなどをして快適な
学園生活を送れるようにと努力する。しかし、学園には一癖も二癖もある
学生達がいっぱい。果たして主人公は、任期の間、無事に保健室を守って
いくことが出来るのか……という、保健室純愛アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

橘ゆずり(たちばなゆずり)。(CV:山貴みず)
主人公の幼なじみで、憧れの女性。おっとりとした物腰で、やや天然。

橘果林(たちばなかりん)。(CV:佐本二厘)
ゆずりの妹で、明るく元気いっぱいな女の子。強引なくらい天真爛漫で
人なつっこい。ドジで、よく転けている。誰にでもあだ名を付ける。

軍司都(ぐんじみやこ)。(CV:藍川たまき)
主人公の先輩で、腐れ縁。国語教師でキックボクシング部顧問。
明るくさっぱりとした性格。ただし、怒ると怖い。学生達からは「軍曹」と
呼ばれている。

吉野みずき(よしのみずき)。(CV:おおたけしのぶ)
果林のクラスメイトで、クラス委員長。しっかり者で面倒見がよい。
大家族の長女で、やや控えめ。

西原翔子(さいばらしょうこ)。(CV:小林和実)
キックボクシング部所属で、運動神経抜群。勉強もそつなくこなす。
サボり魔で、よく保健室のベッドで寝ている。

神楽坂月乃(かぐらざかつきの)。(CV:計名さや香)
西原のクラスメイトで、学園長の娘。身体が弱く、大事に育てられてきた
お嬢様。生真面目で頑張りやさん。

朱雪梅(チュ・シュエメイ)。(CV:古崎杏)
台湾からの留学生。奨学金で勉強に来ているが、生活費はアルバイトで稼いで
いる。マジメで努力家。ちょっと頑固で、思ったことはすぐ口に出る。
日本語はやや苦手で、ちょっとカタコト。

冠城遙南(かぶらぎはるな)。(CV:奥山歩)
街で出逢った不思議な女性。やや無口で感情表現も控えめ。マイペース。

絵の方は、ややクセはありますが、とても活き活きとした人なつっこい雰囲気の
ある可愛らしい絵柄。綺麗に整った絵柄……ではないと思うのですが、とても
暖かい感じで好感が持てます。
CGの処理はそこそこ綺麗です。ただ、色遣いがやや派手で、ちょっとけばけば
しく思えることも。やたら艶々していて、若干気になりました。まあ、好みの
問題だと思いますが。
立ち絵はポーズ変化、表情変化ともあり。会話に合わせてコロコロと切り替わり、
感情が良く伝わってきて、見ていて楽しいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。一癖も二癖もあるキャラクター達に、
主人公が引っ掻き回されるようなドタバタな展開になります。
どのキャラクターも魅力的なんですが、個人的には遙南LOVE。
月乃や雪梅もいいんですけどねー。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
どのキャラクターもとても活き活きしており、感情移入しやすいです。
特に西原の声は、こういったゲームではあまり聴くことのないハスキーな低音
なのですが、それがとてもキャラクターとマッチしていて素晴らしいです。
そして、雪梅のカタコトの日本語もとても自然で、違和感を感じることがなく
良かったです。……カタコトが自然というのも変な話ですが(^^;
それと、このゲームは男性キャラも含めたフルボイスになっているのも嬉しい
ですね。

音楽はほのぼのとした雰囲気の曲が多め。穏やかな気持ちになれるような曲が
多く、聴いていて落ち着きます。ストリングスの旋律が綺麗ですね。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌は清涼感溢れる爽やかな歌で、とても聴き心地がよいです。
絵の方はシーン紹介、キャラクター紹介的なもの。特筆すべき点はなし。

エンディングも歌あり。こちらはヒロイン達全員の合唱になっていて、穏やかな
しっとりした曲で、聴いていて落ち着く感じです。ラストの雰囲気を上手く盛り
上げてくれ、余韻が残るいい歌だと思います。

そして、特定の条件を満たすと、オープニングの別バージョンを聴くことが
できます。こちらは歌も絵も全く別になっています。
歌はこちらも爽やかな歌で、ちょっと切なさを感じるような、心に染み入って
来るようないい歌だと思います。かなり好きかも。
システム
インタフェースはマウスカーソルのキーボードエミュレーションによる、フル
キーボードサポート。
既読スキップ、シーンスキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。ただし、演出効果スキップがOFFだと、描画等でやや待た
されることがあるので、ちょっと気になるかも。
スキップ動作はやや重め。描画で若干引っかかる感じです。

セーブ箇所は98箇所。セーブ/ロードは診察モード以外で随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、章番号と章タイトルが保存されます。
同じ章ならどこでセーブしても同じタイトルになるので、やや見分けは付け辛い
ですね。
数としては、シナリオの分岐が比較的明確なため、これだけあれば充分かと
思います。

システムはマップ移動場所選択+選択肢決定型のアドベンチャー。
マップにはどこに誰がいるか表示されており、空振りすることはありません。
また、シナリオが先に進む所には「Next」という表示がされていて、解りやすく
なっています。
特徴としては、診察モード。これは、保健室にやってくる学生達の話を聞き、
適切なアドバイスをしていく、というものです。基本的には体調や怪我などの
質問ですが、たまにちょっと捻った質問もあります。
たいていは一般的な知識でなんとかなるような質問ですし、回答は三択です
ので、それほど身構えることはないでしょう。
ただ、ここでの正解・不正解は、その時に保健室にいるヒロインの好感度に
影響しているようですので注意。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「米倉広海」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が養護教諭として姫奈学園にやってくるところから始まります。
男性の養護教諭ということで色々な問題に巻き込まれつつも、個性豊かな学生
達と、毎日を過ごしていきます。

前半は明るく楽しいコメディタッチな展開。キャラクター同士の会話がとても
楽しく、ドタバタな日常が描かれています。
たまに、ちょっとホロリとするようなエピソードも入っていて、メリハリも
効いていてなかなかいいですね。

後半は、主人公の過去や、ヒロインの抱えた問題等を絡めた、ややシリアス
タッチの展開になります。ただ、それほど重くドロドロしているわけではなく、
優しく癒していくような雰囲気で、それほど身構えることはありません。

ラストはすっきりとした爽やかな終わり方がほとんどで、プレイ後の気持ちは
爽快です。ただ、最後の最後はちょっと……ですけど。

特筆すべきはキャラクター描写の丁寧さ。各ヒロインとも性格付けがはっきり
しており、感情表現も豊かで、気持ちがはっきりと伝わってきます。
気持ちの動きなども丁寧に描かれており、非常に感情移入がし易いです。

そして、個別のシナリオに入っても他のキャラクターがしっかり話に絡んで
来るため、ストーリーに広がりがあり、とても自然で入り込み易かったです。

H度は並。各ヒロインとも複数回用意されています。ただ、その複数回を一度に
まとめてやってしまうことも多いため、実質的には1回+αという印象もあります。
描写の方はそこそこ、尺もそれなりに長く、しかも連続してシーンが発生する
ことが多いため、ボリューム的にはそこそこあるように感じます。
内容的には純愛系のごく普通のHシーンが多いため、今ひとつ面白みに欠ける
かもしれませんね。

テキストは誤字もあまり見あたらず、丁寧で読みやすいテキストだと思います。
プレイ時間・難易度
ゲームは章立てて進みます。ゲームは全13章からなり、ゲーム期間は約4ヶ月。
基本的には1日ずつ進めていく形になりますが、途中たまに日が飛ぶことも。

ワンプレイは12〜15時間。かなり長めです。1章あたり1〜2時間といったところ
でしょうか。
ただ、共通部分がかなり多く、2周目以降は8章から始めることも出来ますので、
一度クリアしてしまえばかなり短縮できるかと思います。

難易度は低め。基本的に狙ったキャラクターと逢い続ければOKです。
診察モードもそれほど難しいものはないと思いますので、常識的に選んでいけば
大丈夫かと。
ただ、コンプリートしようとすると、おまけの50問連続診察に正解しないといけ
ないので、ちょっと大変かも。
総評
お奨め度ですが、ほのぼのドタバタ学園純愛物が好きな人にお奨め。
どのキャラクターも魅力的で、キャラクター同士の会話も楽しく、みんなとても
活き活きとしていて感情移入しやすいです。
シナリオのかなり後半までヒロインみんなが話に絡んでくるため流れが自然で、
テンポも良くサクサクとプレイできると思います。

ただ、ヒロインはみんな個性的なんですが、主人公は今ひとつ無個性で、周りの
女の子達にただ流されているだけ、という印象もあります。
あまり主人公がストーリーを動かしている、という印象がないんですよね。
主人公の夢や目的も、今ひとつはっきり表に出てきていない感があります。

それと、1周はかなり長いのですが、共通部分が多いために2周目以降はかなり
短縮出来ますし、ヒロイン何人かずつがグループになっていて展開が同じため、
ややストーリーの幅は狭めに感じました。

システム面でもやや使いづらい点があったり、絵柄もちょっとクセがあって人を
選ぶ感がありますが、しっかりとしたストーリーや個性豊かなキャラクター描写、
物語の構成もしっかりしていて、気合いが入っているのが伝わってくるような、
意欲的な作品だと思います。
突飛な設定や無茶な展開などは殆どないのですが、しっかりメリハリの効いた
シナリオは読み応えがありますし、絵柄に違和感を覚えない人であれば、是非
プレイして欲しい作品です。全体的にとても上手くまとまった、良作だと思います。

最後に。西原(さいばら)のあだ名、サイバー。……ちょっとツボ入った……(^^;
# みんなをあだ名で呼び、本名は忘れている果林萌え(笑)



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