夜明け前より瑠璃色な | |||
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ブランド名 | オーガスト | ジャンル | 蒼月の恋愛ADV |
発売日 | 2005.09.22 | 定価 | \9,240 |
パッケージ | 紙製パッケージ(170x233x55mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | GAME DISC : 2.33GB(DVD-ROM)、Alpha-ROM 初回特典BGMアレンジCD"BIOSPHERE 3" : CD-DA=359.2MB、CD-DA8トラック |
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原画 | べっかんこう | シナリオ | 榊原拓、内田ヒロユキ、 安西秀明、岡田留奈 |
音楽 | 43曲、Active Planets | 歌 | あり(3曲、イメージテーマ・OP・挿入歌)、 泉伶、榊原ゆい、手塚まき |
音声 | あり、手塚まき、成瀬未亜、安玖深音、海原エレナ、本山美奈、三咲里奈、 羽桜涼子、雅姫乃、辻宮春彦、巌蝉秋、山中荘一、重谷麻也、一一 |
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インタフェース | フルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 80箇所+クイックセーブ3箇所 | CG枚数 | 184枚 |
おまけ | CG鑑賞、回想、音楽鑑賞、おまけ | ||
対象属性 | 純愛、お姫さま、銀髪、ストレートロング、体操服、ブルマ、黒髪、メイド、エプロンドレス、 ショートカット、ストッキング、ガーターベルト、裸エプロン、幼なじみ、オーバーニーソックス、 ウェイトレス、妹、ツインテール、お兄ちゃん、金髪、ゴスロリ、眼鏡っ娘、帽子、緑髪 |
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1プレイ時間 | 6〜7時間 | お奨め度 | 8 |
レビュー |
概要 |
主人公は、父親が5年前に行方不明になり、母親は3年前に亡くなって、妹と 従姉の3人で暮らしていた。ある日、主人公の家に、月の王国のお姫様が ホームステイにやってくる。そして、にわかに主人公の周りはあわただしく なっていく。そんな中、主人公は、周りにいる女の子達に惹かれていく。 蒼い月が見守る地球で、主人公達は恋物語を紡いでいくのか……という、 蒼月の恋愛ADV。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 フィーナ・ファム・アーシュライト。(CV:手塚まき) 月にあるスフィア王国のお姫さま。冷静で凛としており、とても大人びた 女の子だが、ふとしたときに可愛らしい一面も見せる。甘い物が大好き。 月の王女として、責任感が強く、威厳もある。 ツンデレ……というほどツンツンはしてませんけど凛々しい感じです。 ミア・クレメンティス。(CV:成瀬未亜) フィーナに仕えるメイド。家事は何でもこなす、有能なメイド。性格は 控えめで恥ずかしがり屋。人のために働くことが大好きで、褒められると 照れまくる。いつもフィーナのことを第一に考えている優しい女の子。 鷹見沢菜月(たかみざわなつき)。(CV:海原エレナ) 主人公の幼なじみ。家が隣でクラスも同じ。父親が「トラットリア左門」 というイタリア料理店を開いており、主人公と共にアルバイトをしている。 明るく元気で一生懸命な女の子。人に頼られやすく、親身になって接する。 獣医を目指している。自他共に認める運の悪さを誇る(笑) 朝霧麻衣(あさぎりまい)。(CV:安玖深音) 主人公の妹。明るく健気で優しい女の子。主人公のことを「お兄ちゃん」と 呼び慕う。お兄ちゃん大好きっ子。吹奏楽部に所属しており、フルートの パートリーダーを務める。 穂積さやか(ほづみさやか)。(CV:本山美奈) 主人公の家に同居する従姉で、主人公と麻衣の保護者。月に留学したことが あり、その後、月王立博物館に勤めているエリート。おっとりぽややんとした 雰囲気だが、仕事はてきぱきとこなす有能な女性。主人公と麻衣をとても 大事にしており、可愛がる。 遠山翠(とおやまみどり)。(CV:雅姫乃) 主人公と菜月のクラスメイト。元気いっぱいな女の子。吹奏楽部所属で、 麻衣の先輩にあたる。教室で仲良くお弁当をつついてると奇声を発する(笑) リースリット・ノエル。(CV:三咲里奈) 月人の居住区で出会った女の子。無口で無愛想、ぶっきらぼう。 神出鬼没で、何を考えているのか解らない女の子。 カレン・クラヴィウス。(CV:羽桜涼子) 月大使館駐在武官。真面目でクール、物事に一切妥協しない厳しい女性。 しかし、情に脆く、優しい一面も。さやかの親友で、よく飲みに行く。 絵の方は柔らかいタッチのほんわかとした絵柄で、非常に可愛らしく魅力的な 絵柄。活き活きとしており、とてもいいですね。かなり好みです。 CGは明るく発色の良い色遣いで、丁寧に処理されており、見栄えがいいですね。 立ち絵はポーズ変化、表情変化共にあり。会話に合わせてころころと切り替わり、 アクションも大きく、コミカルな表情もあって、見ていてとても楽しいです。 特にミアは、アクションが大きくて見ていて楽しいです。 怯えてるミアがめちゃめちゃらぶりー(^^) 菜月のジト目も大好きです☆ キャラクターは明るく元気なキャラが多め。月の住人は、クールで厳しい印象が 強いですけど。(ミア除く) どのキャラもとても活き活きとしておりいい人ばかりで、人間的な魅力に溢れて いると思います。 どのキャラもお気に入りですが、中でも菜月がお気に入り。ええ娘や(T_T) 音声はキャラクターとのマッチングもよく、演技の方も問題なし。 麻衣の声は、最初もうちょっと高めの声を想像していたので、思ったより落ち 着いた印象がありましたけど、すぐに馴染みました。 フィーナの凛とした雰囲気とか、ミアの照れた姿とか、菜月の突っ込みとか(笑)、 とても上手く表現されていて、各キャラクターが活き活きとしており、感情移入 しやすかったです。 音楽は澄んだ音色の落ち着いた曲が多め。曲数もバリエーションも豊富に用意 されており、シーンにあった曲が使われていて作品を盛り上げてくれます。 ゲームを起動すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。 歌は渋めの格好いい歌で、力強く、聴いていて力が入る感じです。なかなかいい 歌だと思うのですが、作品の雰囲気に合っているかどうかは微妙です(^^; 絵の方は、キャラクター紹介、シーン紹介的なものに、文字でプロローグ的な ものが流れます。これといって目新しいところはなし。 さらに、ゲームを開始すると、プロローグの後に別のオープニングアニメーションが 流れます。 こちらの歌は、軽快なアップテンポの曲で、聴き心地がいいですね。ただ、最初の オープニングを聴いたあとだと、ちょっとパンチが足らなくて物足りなさもあったり しますけど。 絵の方は、こちらもキャラクター紹介、シーン紹介的なもの。軽快な曲に合わせて パタパタと切り替わっていくのはなかなかいいですね。 |
システム |
インタフェースはフルキーボードサポート。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。 通常のメッセージ送りもホイールで可能、ボイスリプレイも搭載されています。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作は比較的軽快。スキップ動作は比較的高速ですが、ちょっと描画で待た される感じです。 セーブ箇所は80箇所+クイックセーブ3箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像が保存されます。 数としては、選択肢の数はそれほど多くなく、効果も解りやすいため、それほど 悩むこともないでしょうから、これだけあれば充分でしょう。クイックセーブで 大抵事足りると思います。 システムは選択肢決定型のアドベンチャー。 条件を満たせば新たなシナリオのルートが開放される、シナリオ追加型の システムになっています。 このゲームにはAlpha-ROMによるプロテクトが施されており、初回起動時のみ ディスクチェックが入ります。それ以降はディスクレス起動が可能です。 バックグラウンドでの動作も可能です。 主人公の名前は「朝霧達哉(あさぎりたつや)」固定です。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは主人公の家にフィーナがホームステイの来るところから始まります。 忙しくドタバタな毎日を過ごしつつ、女の子達と心を通わせていく……という、 王道の純愛ストーリーが展開します。 前半は明るくちょっとコミカルな展開。キャラクター紹介的な意味合いが強く、 各キャラクターの魅力が良く出ていると思います。 中盤は各ヒロインと親密になっていくパートで、選択肢が多く出現し、それに よって攻略ヒロインが決まっていく形になっています。 イベント1つ1つが非常に短く、日付もぽんぽん飛ぶので、あっという間に過ぎて しまう印象が強いです。中だるみはあまりないですけど、ちょっと作業のような 印象を受けました。 後半は、各ヒロインと気持ちを通わせて、障害を乗り越えていくパート。 シリアスなシーンも多く、感動的なシーンも用意されています。 ラストはすっきりと綺麗に終わってくれるため、とても爽やかで清々しく、 プレイ後の気分は爽快です。余韻も残る、いい終わり方だと思います。 ストーリーは、王道の純愛ストーリーで、「月のお姫様との恋」とか、 「妹との恋」というキーワードを聞いて、多くの人が想像するであろう話が お約束のように展開されます。そのため、ストーリーが読みやすく、今ひとつ 目新しさや面白みはありませんけど、とても丁寧に描かれており、感情移入も しやすくて、安心してプレイすることも出来るので、好感は持てました。 また、個別シナリオに入っても他のヒロインはきっちりストーリーに絡んできて、 自然に話が展開するため、話に奥行きがあって、感情移入もしやすいと思います。 まあ、一部のシナリオでは、最後フィーナがないがしろにされたりはしますが(^^; まず気になったのは整合性。結構日付が飛び飛びになるのですが、日付が 飛んでいるにも関わらず、前日に何かあったような描写があったり、飛んだ 以上に前の出来事として描写されたりと、ちょっと気になる点がありました。 逢ったのは2週間前なのに、「1週間前」と言ったり。 # 「フィーナがカテリナ学園に通い始めて、最初の週末」……あれ? 先週は?(^^; そして、フィーナは留学生ということでホームステイに来るわけですが、その 学園生活はほとんど描かれず、主に土日や放課後を中心として話が進みます。 なので、学園物を期待していた人にはちょっと肩すかしかも。 H度はやや高め。各ヒロインとも複数回用意されており、尺もそこそこ長め。 2回戦も用意されていたりと、描写も濃いめです。どのヒロインも敏感なため、 初めてでも安心です(笑) 内容は、純愛らぶらぶなシーンばかり。たまに屋外とか、ちょっぴり無理矢理 風味なものもあったりはしますけど、基本的に合意の上なので、安心して見て いられるかと思います。 テキストは誤字等はほとんど目に付かず、クセもなく、テンポも良く、読み易い テキストだと思います。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲームは5月6日の土曜日……の1日前から始まります。 ゲーム期間は3ヶ月強。イベントのある日だけをつまんでプレイするような 感じで、ぽんぽんと日付は飛びます。 ワンプレイは6〜7時間。プレイ中はあまり時間を感じなかったのですが、思った より長いという印象です。また、2周目以降はスキップを使えば前半・中盤は かなり短縮できますが、個別シナリオに入ってからが結構長いため、トータルで 見てもそれなりに時間がかかります。 難易度は低め。シナリオ追加型のシステムで、ある程度クリア順が固定される ため、それに気付かず別のキャラを狙いに行ってしまうと失敗する可能性も ありますが、かなりフラグ管理は緩いようですし、まずクリアは出来るでしょう。 ただ、フラグ管理が緩すぎて、狙ったキャラ以外のシナリオには行ってしまう 可能性はありますけど。まあ、それほど悩むことはないでしょう。 |
総評 |
お奨め度ですが、王道純愛ストーリーが好きな人にお奨め。 まごう事なき、直球ど真ん中の純愛物で、甘く切なく、そして温かい恋物語を 楽しむことが出来ます。主人公がちょっぴりヘタレたり、重いシーンなんかも あったりはしますけど、最後はすっきり終わってくれますので、安心してプレイ 出来ると思います。まあ、あまりにもお約束過ぎて展開が読め読めだったり、 最後はご都合主義で終わったりもしますけど、それすらも心地いいです(笑) # 最後のシナリオは、かなり突拍子もないですけどね(^^; ただ、シナリオによってはちょっと強引な展開があったり、やや盛り上がりに 欠けるものもあって、整合性も含めて、ややばらつきがあるのは気になります。 ミアやさやかは、いつ主人公のことを好きになったのか、どうやって惹かれて いったのかが、かなり端折られていたような気がしましたし。 # てゆーか、さやかさん、あなたはそれを受け入れるのですか(^^; しかし、キャラクターは活き活きとしていて魅力的ですし、ストーリーも 王道ながら心温まるいいお話で、どのシナリオでもうるうる出来ましたし、 システムも比較的使いやすく、音楽や音声、映像もうまくまとまっていて、 何より絵も可愛らしく、高いレベルで良くまとまった作品だと思います。 今ひとつインパクトはないですが、安定していて、大はずしをすることは ないでしょう。 そして、お姫様、ウェイトレス、幼なじみなど、オーガスト作品のお約束とも いえるキャラ・展開がふんだんに盛り込まれており、ボリュームもたっぷり あって、集大成という印象を受けました。力作、という感じですね。 ゲーム紹介やパッケージを見て、想像したとおりの雰囲気・内容の作品だと 思いますので、好みの人なら安心してプレイできるかと思います。 お奨め度は 9 をつけようかどうしようか悩んだんですけど、今ひとつ心に残る ものが弱かったような気がするので、8 としました。 ただ、内容やクオリティ的には、充分 9 をつけてもいいぐらいだと思います。 まっすぐな純愛ストーリーが好きな人、ゲーム紹介やパッケージを見て雰囲気が 気に入った人は是非どうぞ。 最後に。初回封入特典の瑠璃色クロニクル、豪華すぎ(^^; ものすげーしっかりした冊子なんですけど……。 以下、ちとネタバレな感想。 どのシナリオも結構良くできているとは思うんですが、ミアシナリオは ちょっとご都合主義が過ぎる気がします(^^; 最後まで悩んで悩み抜いて出した結論を、そんなあっさり覆すなよと。 あのラストシーンはコケましたよ(^^; そして、その後のフィーナを想像して切なくなるわけですが。 切なくなると言えば、どのシナリオでも各ヒロイン、特にフィーナと麻衣、 菜月の設定(心境)が同じだと考えると、それ以外のキャラとくっついた 時ってすんごい切ないですよね。特にフィーナはすげぇショックなのでは……。 まあ、一番切ないのは遠山さんだと思いますけどねっ(T_T) なんて報われない娘だ……いい娘なのに……。遠山さんエンドきぼー(笑) |