戦国の妹 七人の妹
ブランド名 蛇ノ道ハ蛇ソフト ジャンル 戦国妹萌えアドベンチャー
発売日 2005.03.25 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(155x225x50mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 2.49GB(DVD-ROM)
原画 弾丸AI シナリオ シロたん、西田一、りりあん嬢
音楽 16曲、ギフトミュージック、影武者 あり(1曲、OP&ED)、RIKO
音声 女性フルボイス、
奥川久美子、石井李奈、森山葵、しまだかおり、比未子、百花ルナ、春野萌、森川明大
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 20箇所 CG枚数 91枚
おまけ 艶絵鑑賞、音楽鑑賞、濡れ場鑑賞、逸話
対象属性 時代物、妹、陵辱、ツインテール、リボン、幼なじみ、お兄ちゃん、ボブカット、ヘアバンド、
ストレートロング、巨乳、黒髪、ポニーテール、くノ一、レズ、着物、和服
1プレイ時間 4〜5時間 お奨め度 5

レビュー
概要
時は戦国。村の若い男はみな戦に駆り出され、体調を崩した主人公は、1人村に
残っていた。そこに、野盗達が攻め込んでくるという。主人公は村を守るため、
用心棒達を雇いに街に出る。そこで見つけた用心棒達を村に連れて帰るが、その
用心棒達はみんな女の子だった。よそ者をいぶかしがる村人を信用させるため、
主人公は用心棒達をみな自分の妹だと宣言する。かくして、用心棒達は主人公の
妹を演じつつ、野盗から村を守ることになる。果たして妹たちと、村の運命は……
という、戦国妹萌えアドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

小山内鈴(おさないすず)。(CV:比未子)
主人公の幼馴染みで。主人公のことを「お兄ちゃん」と呼び慕う。
明るく無邪気。お兄ちゃんの事が大好きで、いつもお兄ちゃんのそばにいる。
食べ物に弱い。お子様で、凶悪にあたま悪く、やかましい。

松元千(まつもとせん)。(CV:奥川久美子)
長剣を扱う凄腕の剣士。親の敵を討つため旅をしている。生真面目で堅物。
何事にも一生懸命の頑張りやさん。

円海(えんかい)。(CV:しまだかおり)
旅の虚無僧。主人公が用心棒を集めていると知り、同行を申し出る。
知識が豊富で、兵法にも詳しい。

古久保凛(ふるくぼりん)。(CV:石井李奈)
種子島(火縄銃)の職人で、射撃の腕も一流。真面目で潔癖性。職人気質な
一面も。

熊坂乙音(くまさかおとね)。(CV:奥山葵)
怪力を誇る女性。女らしさを磨くため、そして婿捜しのために旅をしている。
豪快でさっぱりした性格だが、女らしい恥ずかしがり屋な面もある。

霞(かすみ)。(CV:百花ルナ)
円海を狙って襲撃をかけてきた忍者。無口で無感情。綺麗なものが好き。

お蘭(おらん)。(CV:春野萌)
遊郭で働いていた女性。お色気たっぷりの女性で、ことあるごとに主人公を
誘惑してくる。

絵の方は、とても可愛らしく魅力的な絵柄。描き分けもきっちりされており、
動きもあって活き活きとした絵だと思います。
CGは丁寧に処理されており、雰囲気も良く出ていると思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。変化のパターンはそれほどありま
せんが、会話に合わせて切り替わるので、感情移入はしやすいです。

キャラクターは、個性豊かな面々揃い。みんな妹を演じていて、主人公の事を
それぞれお兄ちゃんと呼ぶようになります。

音声は、キャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
千の凛とした雰囲気や、乙音の豪快な雰囲気などはとても良く出ています。
ただ、キャラによってレベルの差があり、また、同じ人でもシーンによって
レベルがまちまちだったりと、ちょっと調整が甘い印象があります。
あと、「野盗」の発音がみょーに気になるんですが……。なんか、「野党」に
思えるんですけど(^^;

音楽は、和風な雰囲気の漂う、独特の曲が多め。和楽器が多用され、雅な
雰囲気の曲もあったりします。

ゲームを起動するとオープニングアニメーションが流れます。
歌はとても雰囲気のある和のテイストが漂う曲で、作品の雰囲気を上手く表して
いると思います。途中でセリフが入るのも、なかなか面白いですね。
絵の方は、キャラクター紹介的なもの。それほど凝った演出はありませんが、
ちょこちょこと動いていて、見応えはあるかと。
ただ、このムービーですが、再生中に他のウインドウにフォーカスを切り替えて
元に戻した場合、重なった部分の画像が再描画されないというステキな状態に。
いったい、どんな描画方法してるんですか……。

エンディングも歌あり。ただし、歌はオープニングと同じものです。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢の決定はキー
ボードでも可能で、メニューも出せますが、メニュー内の操作は殆どキーボード
では出来ず、スキップやバックログもキーボードでは出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応していますが、バックログのモードに
入るためにはボタンをクリックする必要があります。音声の再生は可能です。
通常のメッセージ送りはホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。
動作は比較的軽快。スキップ動作も高速です。
ただ、効果音が鳴っている時はメッセージ送りが出来ないようになっていて、
これが結構いらいらしました。

セーブ箇所は20箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーンタイトルが保存されます。
数としては、それほどセーブ/ロードは必要とは思えませんが、選択肢の効果が
解り辛いところもありますし、ちょっと数的には足りないように思います。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。野盗と戦うシーンも、誰をどこに
配置するか、どこを応援しに行くかを選択するだけです。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「平次郎」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、主人公が野盗達から村を守るため、用心棒を探しに行くところから
始まります。用心棒達を集め、村の設備を整えたりと、野盗の襲撃に備えます。

前半は、街に出て用心棒達を探します。お供の鈴がいろんなトラブルを巻き
起こしたり、個性豊かな面々に引っ掻き回されたりと、ドタバタな雰囲気で
進みます。

中盤から後半にかけては、村で野盗に対する備えをしつつ、妹たちと交流を
深めていく感じになります。
ラストは取って付けたような終わり方で、盛り上がりもへったくれもないような
感じですが(^^;

まず気になったのは、展開の強引さ。各ヒロインが仲間になるのも理由が弱く、
一部かなり無理矢理なキャラもいて、ちょっと閉口。
そして何より、用心棒を村に連れて行った時、村人は用心棒達を信用せず、
信用させるためにみんな主人公の妹ということにするんですが……お前ら、
ホントにそれで納得したのか?(^^; 無理ありすぎ……。
というか、そもそも用心棒を連れてこいと主人公に言ったクセに、いざ連れて
きたら疑ってかかるというのはどういう了見だ。こんな村滅んでしまえ。

他にも、財宝の話が2回出てきたり、一度聞いた話をさも初めてのように語る
シーンがあったりと、整合性にも欠けているように思えます。

H度は並。各ヒロインとも複数回用意されています。尺はやや短め。描写は
比較的濃いめです。ただ、主人公との純粋なHシーンはほとんど1回だけで、
悪戯、奉仕、あてこすり、レズなど、変則的なシーンが多いです。
また、結構ハードな凌辱シーンもあるため、苦手な人にはちょっと辛いかも。

テキストは、誤字がちらほら見受けられますが、それほど致命的なものはない
かと思います。まあ、名前が違ってるところがあったりはしますけど(^^;
ただ、同じセリフが2回繰り返されたりするところもあって、やや丁寧さには
欠けているかも。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。野盗の襲撃があるまでです。
時代は天正13年(1585年)と明言されています。

ワンプレイは4〜5時間。ストーリーは基本的に一本道のため、1度クリアすると
メッセージスキップを使えばかなり時間は短縮できます。

難易度は低め。狙ったキャラと会い続けていればOKです。ただし、誰がどこに
いるのかは表示されないため、セーブ/ロードしての確認などは必要になるかと
思います。また、コンプリートしようと思うと、戦闘に負けることも必要になるため、
ちょっと面倒です。
戦闘自体は、バランス良く配置すれば、それほど苦労する事もないでしょう。
総評
お奨め度ですが、歴史物が好きで、妹好きの人にお奨め。
時代がはっきりしており、本能寺の変などを絡めたストーリーが展開するのは
なかなか面白く、歴史を知っていればにやりと出来るようなところもあります。
また、用心棒を全員妹にするというのは、かなり強引ではありますが面白く、
一風変わった展開が楽しめます。

ただ、やはりその展開は強引で、みんなそれほど妹っぽく振る舞っているわけ
ではないため、妹に期待していると肩すかしを食らうことでしょう。

それと、野盗との戦いはシミュレーションモードで行うということで、どんな
システムかと楽しみにしていたら……ただ単に、どのキャラをどこに配置するか
決めるだけで、あとは主人公がどこの援護に回るかを決めるだけという、やや
お粗末な代物だったのにはがっかり。しかも、最後に1回しかないうえ、スキップ
等も出来ないので、繰り返しプレイ時は、たらたらと見続けるだけになります。
なので、戦いに期待するのも危険です。

本作は、戦国時代の「燃え」と、妹の「萌え」を前面に押し出した作品である
わけですが、戦いはショボく、妹も取って付けた設定のため、どちらも非常に
中途半端で、今ひとつインパクトに欠けます。

また、Hシーンは、数は多く内容もそこそこ濃いのですが、バリエーションを
重視したためか内容がバラバラで、純愛好きな人、凌辱好きな人、どちらにも
お奨めしづらい中途半端なものになってしまっているように感じます。
「萌え」を前面に押し出すなら、凌辱的な要素は排除しても良かったのでわ。

さらに、ストーリーの流れは1本で、最後の最後で個別エンドに分岐するだけの
ため、エンディングはどれも取って付けたように感じ、繰り返しプレイはもはや
作業になってしまいます。もう少し、途中の展開にも幅が欲しいところです。

「燃え」と「萌え」、「純愛」と「凌辱」など、色んな要素を盛り込もうとして、その
どれもが中途半端になってしまっている印象のある、ちょっと勿体ない作品だと
思います。絵柄はとても可愛らしいですし、キャラクターも魅力的ですので、
もう少しそれを活かした展開にして欲しかったなー、と思いました。
あと、ほとんどが共通イベントのため、ボリュームにもやや乏しいのは残念。

最後に。「誰かおるか」「お蘭です」「なんじゃ、おらんのか」という展開を期待
したのは私だけではない……と信じたい(笑)



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