To Heart2 XRATED
ブランド名 Leaf ジャンル ハートフルラブストーリー
発売日 2005.12.09 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(189x268x38mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 4.13GB(DVD-ROM)
原画 みつみ美里カワタヒサシ
甘露樹、なかむらたけし
シナリオ 三宅章介、菅宗光、
まるいたけし、枕流
音楽 40曲、松岡純也、石川真也、
下川直哉、中上和英、衣笠道雄
あり(3曲、OP・ED・挿入歌)、
中山愛梨沙、AKKO、草壁優季
音声 フルボイス
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 100箇所 CG枚数 188枚
おまけ CGモード、音楽モード、回想モード
対象属性 学園物、青春、純愛、ほのぼの、まったり、幼なじみ、黒髪、青髪、ショートカット、
ツンデレ、赤髪、オーバーニーソックス、ピンク髪、ツインテール、先輩、ボブカット、
後輩、黒髪、ストレートロング、ヘアバンド、スクール水着、メイド
1プレイ時間 8〜10時間 お奨め度 7

レビュー
概要
幼なじみ達とともに、平凡な学園生活を送っていた主人公。3月になって学園も
一区切り、4月からはまたちょっと違った環境での生活が始まる。そして、
主人公のまわりも、ちょっとずつ変わり始める。果たして主人公は、どんな
学園生活を送っていくのか……という、ハートフルラブストーリー。

この作品は「To Heart(以下、前作)」の続編という位置づけになっているよう
ですが、内容的にはほとんど独立しているため、知らなくても問題なくプレイ
できると思います。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

柚原このみ(ゆずはらこのみ)。
隣に住んでいる一つ年下の幼なじみ。明るく元気な女の子。やや言動が幼く、
主人公にもよく甘えてくる。主人公の面倒を見ようとするが、朝は弱く、
なかなか起こしに来たりは出来ない。身体を動かすのが好きで、体力はある。

小牧愛佳(こまきまなか)。
主人公のクラスの副委員長。しかし、実質的には委員長の仕事を行っており、
みんなからも「委員長」と呼ばれる。おっとりしていてドジっ子。要領が悪く
人に頼るのが苦手だが頑張り屋さんで、人の面倒をよく見る。

柚原春夏(ゆずはらはるか)。
このみの母親。普段は優しいけど怒ると鬼より怖い。おばさんと言うと怒る。
カレーが得意。通称「必殺カレー」。……殺してどーする……(^^;

向坂環(こうさかたまき)。
主人公の幼なじみで、クラスメイトである雄二の姉。姉御肌で面倒見のいい
女性だが、自分勝手で奔放。傍若無人が服を着て歩いている。成績優秀、
スポーツ万能で、家事もそつなくこなす。唯一、性格にのみ難あり(笑)
通称「タマ姉」。

十波由真(となみゆま)。
愛佳の友達で、ひょんなことから主人公と出会い、それ以来ことあるごとに
主人公に勝負を挑んでは玉砕する。勝ち気で強気で負けず嫌いな元気っ子。

まーりゃん。
前生徒会長。明るく元気いっぱい……というか、元気良すぎで破天荒な女の子。
見た目はかなり幼く、本人も永遠の14歳と言っている。本名不明(笑)

笹森花梨(ささもりかりん)。
主人公と同じ学年の女の子。「ミステリ研究会」の創始者で、主人公を騙して
入会させ、一緒に不思議を追いかける。どちらかというと「オカルト同好会」。
深く考えずとりあえず行動する、好奇心旺盛な女の子。

久寿川ささら(くすがわささら)。
主人公の先輩で、生徒会長。非常に優秀だが、やり方が厳しいため、副会長
時代は「副長」と恐れられていた。人とは距離を置いており、近寄りがたい
雰囲気を醸し出している。

るーこ・きれいなそら。
ひょんなことから主人公と出会った不思議少女。自分のことを宇宙人だと
言い張り、謎な言動が多い。突拍子もない言動を繰り返しているが、なぜか
周りの人間には受け入れられている。

姫百合珊瑚(ひめゆりさんご)。
主人公の後輩。おっとりのほほんとした性格で、緊張感ゼロ。コンピュータに
詳しく、かなりの技術を持っている。ネーミングセンスゼロ。

姫百合瑠璃(ひめゆりるり)。
珊瑚の双子の妹。珊瑚とは正反対に元気で意地っぱり。勉強はダメだが家事は
得意。珊瑚のことをとても大切に思っているため、主人公にはつっかかる。

草壁優季(くさかべゆうき)。
夜の学園で出逢った女の子。同じ学園に通っているはずだが、何故か昼間は
姿を見せない。

絵の方はとても可愛らしく活き活きとした絵柄。原画家さんが複数いて、やや
絵柄に差はありますが、まあそーんなに気にはならないかと。
むしろ、キャラによっては、ややシーン毎にややばらつきを感じることがあり、
そちらの方が気になりました。
CGは明るい発色のよく映える処理になっていて、見応えたっぷりです。
ただ、シーン毎にちょっと塗りの違いがあるように感じました。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話に合わせてコロコロと切り
替わり、見ていて楽しいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。一部のキャラクターはかなり突拍子もない
設定を持っており、独特のシナリオを楽しむことが出来ます。
まーりゃん先輩最強(笑)

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も文句なしです。
愛佳の声はとてもよく雰囲気が出ていて破壊力絶大。
キャスト非公開なのは残念ですね。

音楽はほのぼのとした曲が多め。ゲームの雰囲気を柔らかく包んでくれるような
感じです。前作(PC版、PlayStation版とも)の曲のアレンジバージョンが結構多く
使われており、知っている人はにやりと出来るかも。
ちょっと使い回しが多いような気もしますけど。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
以降は、ゲームを起動したときにも流れますが。
歌は軽快なテンポのすっきりとした爽やかな歌で、とても聴き心地がいいです。
絵の方は、テレビアニメのオープニングだと言われても納得できるぐらい、
とてもよく動いており、曲とも合っていて素晴らしいですね。見応えのある
オープニングだと思います。まあ、実際にアニメの制作会社が作っているみたい
ですけどね(^^;

エンディングも歌あり。落ち着いた雰囲気の曲で、力強さもあり、染み入ってくる
ようなとてもいい歌だと思います。作品の余韻もしっかり楽しめますし、ラストの
雰囲気を一層盛り上げてくれます。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定はキー
ボードで可能ですが、メニュー内操作や、そもそもメニューを出すことがキー
ボードでは出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はやや遅めです。
メッセージは全画面表示の、ビジュアルノベルタイプですね。

セーブ箇所は100箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とゲーム内日付、メッセージの
一部が保存されます。
数としては、やや選択肢(と移動場所選択)は多いですが、基本的にオンリー
プレイに徹すればいいため、これだけあればまあ足りるでしょう。

システムはマップ移動場所選択+選択肢決定型のアドベンチャー。
マップには誰がどこにいるのかが表示されているため、空振りすることはない
でしょう。
また、条件を満たせば選択肢が追加される、シナリオ追加型のシステムになって
いるようです。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は変更可能。初期状態では「河野貴明(こうのたかあき)」で、
その場合のみ呼びかけも音声ありになります。
シナリオ・プレイ感
ゲームは春休み間近の学園生活から始まります。幼なじみのタマ姉が戻ってきて、
4月からはまた新しい生活が始まっていく……という感じです。

ゲームは終始まったりほのぼのとした雰囲気で進みます。ゆったりとして、
ちょっとコミカルな日常を過ごしつつ、いろんな女の子と出会い、交流を持ち、
次第に距離を縮めていくという、王道の学園純愛ストーリーです。

主人公は女の子がちょっと苦手なため、とても初々しい恋愛模様が楽しめます。
まあ、ちょっと初々しすぎて、ウザく感じることもあるかも知れませんが……。
# そもそも、その設定を上手く活かしたシナリオがあんまりないですが(^^;

ラストは綺麗にすっきり終わり、プレイ後の気分も爽快です。
エンディングの相乗効果もあり、とてもいい終わり方だと思います。

特筆すべきはキャラクター描写。様々な設定を持ったキャラクターが多数出て
来るわけですが、みんな個性的で活き活きとしていて、シナリオもその個性を
活かして様々な展開を見せるため、飽きることなく楽しめると思います。

また、メイドロボとか、HMXX-12とか、緒方理奈とか、Leafの過去作に関する
ネタもちりばめられているため、知っていればにやりと出来るかと。

H度は並。各ヒロインとも1回で、尺の方はやや長め。描写はキャラによって
かなり差がありますが、比較的濃いめ。ほとんど初めてのキャラばかりですが、
いきなり2回戦に突入するなど、かなり無茶やってくれます(笑)
基本的に純愛系のシーンばかりですが、バリエーションはそこそこあるかと。

テキストは誤字等はほとんど目に付かず、テンポも良く読みやすいテキスト
だと思います。
プレイ時間・難易度
ゲームは3月1日(月)から始まります。
ゲーム期間は3ヶ月弱。基本的に1日ずつプレイするタイプですが、たまに
何日か飛ぶこともあります。

ワンプレイは8〜10時間。シナリオによってやや差があります。
1度クリアすると、2周目以降はスキップを使えばそこそこ短縮は出来ますが、
それでも結構な長さがある上、ヒロインの数が多いので、コンプリートする
には結構な時間がかかると思います。

難易度は並。基本的に狙ったキャラと会い続ければOKですし、選択肢もあまり
捻ったものはないため、悩むことはないでしょう。
ただ、条件を満たさないと出てこないキャラクターがいますし、どうやらPCの
時計の時間によって切り替わるイベントなどもあるようで、コンプリート
しようとおもったらかなり大変だと思います。
CGの回収なんかは、攻略に頼った方が無難かも。
総評
お奨め度ですが、ほのぼのとした学園青春純愛ストーリーが好きな人にお奨め。
個性豊かで魅力的なキャラクター達と織り成す恋愛劇はとても楽しく、プレイ
していて自然と頬が緩むようなシーンも多々。
ほろっと出来るようなシーンがあったり、萌え転がれるようなシーンもあり、
温かい気持ちになれると思います。

ただ、盛り上がり自体はあまりなく、大きなイベントはないままエンディングに
向かうようなシナリオもあるため、ちょっと物足りなさを感じることはあるかも。
それと、個性豊かなキャラクターが揃っているわけですが、その設定を活かし
きれていないように感じることもあって、ちょっと勿体ないですね。
特に、主人公が女の子が苦手という設定は、ほとんどのシナリオでうやむやに
されているのは残念です。確かに女の子を前にしてドギマギしたりうじうじする
のはウザいですけど(^^;、どうせやるならきっちりやって欲しいところです。

他にも、突拍子もない設定のキャラクターが結構いるわけですが、ほとんど
説明もなしに受け入れさせられるため、やや強引に感じました。
さすがにそんなキャラが平然と学園に来られても(^^;

そして、各シナリオは基本的にほぼ独立しており、他のキャラクターが絡んで
くることがあまりないため、ちょっとストーリーの幅は狭く感じました。
かなり前半から個別のイベントが続くため、独立したシナリオが何本か集まった
オムニバス形式の作品、という印象が強くなっている気がします。

シナリオがやや弱く感じたり、設定が強引な点はありましたけど、キャラは
魅力的で、絵や音声、音楽、アニメーションなんかはかなり高いレベルでよく
まとまった、クオリティの高い作品だと思います。
CG枚数も多く、シナリオもボリュームたっぷりでやりごたえもありますし、
充分満足できるかと思います。

最後に。ところでこれ、どこらへんが「To Heart」なんですか?(^^;
確かに、前作に出てきた設定(来栖川エレクトロニクスとか)は出てきますが、
別に「To Heart」である必要はなかった気が……。
# まあ、舞台が同じで、前作の数年後(3年後?)らしいですけど。


で、結局、まーりゃん先輩の名前ってなんだったの?(^^;
一度も本名が出てこないキャラっていったい……。
いや、「プリンセスうぃっちぃず」にも、最後まで「委員長」なキャラは
いましたけど(笑)



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