ななついろ★ドロップス
ブランド名 ユニゾンシフト:ブロッサム ジャンル 恋愛初心者どきどき★ADV
発売日 2006.04.20 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(232x191x43mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 2.74GB(DVD-ROM)
原画 いとうのいぢ、ぺろ シナリオ 市川環風間ぼなんざ
@ピース
音楽 25曲、水月陵 あり(2曲、OP・ED)、Akira、KIYO
音声 フルボイス、佐本二厘、安玖深音、宗川梗、永杜紗枝、
杉崎和哉、沖野靖広、野神奈々、本山美奈、ありす、笠原准、小林康介
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 80箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 95枚
おまけ エピソード&シーンセレクト、CGモード、スタンドCGモード、BGMプレイヤー
対象属性 純愛、学園物、青春、魔法少女、ショートカット、リボン、オーバーニーソックス、黒髪、
ストレートロング、スクール水着、お下げ、ポニーテール、眼鏡っ娘、ストッキング
1プレイ時間 9〜11時間 お奨め度 6

レビュー
概要
主人公はある日、誤って不思議なジュースを飲んでしまい、夜になると姿が
ぬいぐるみになる体になってしまう。元に戻るためには、「星のしずく」を
7つ集める必要があるという。しかも、正体がバレてしまうと、ぬいぐるみの
姿から戻れなくなってしまうという。果たして主人公は、無事に元の姿に
戻ることが出来るのか……という、恋愛初心者どきどき★ADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

深道信子(ふかみちのぶこ)。(CV:笠原准)
主人公のクラスメイト。さっぱりした気さくな性格で、仲間内のリーダー的
存在。世話好きで、主人公にもよく声をかけてくる。

小岩井フローラ(こいわいふろーら)。(CV:本山美奈)
主人公のクラスメイト。ほんわかした雰囲気の優しい女の子。世話好きで、
よく気が利く。

雨森弥生(あまもりやよい)。(CV:ありす)
主人公のクラスメイト。おっとりマイペース天然娘。しかし、物言いは
ストレート。

秋姫すもも(あきひめすもも)。(CV:佐本二厘)
主人公のクラスメイトで、園芸部所属。恥ずかしがり屋で、引っ込み思案な
女の子。人見知りが激しく、なかなか人と普通に話せない。

八重野撫子(やえのなでしこ)。(CV:宗川梗)
主人公のクラスメイトで、園芸部所属。すももの親友で、すもものことを
とても大切に思っている。やや古風で礼儀を重んじる。しっかりもので、
頼りがいがある。

麻宮秋乃(まみやあきの)。(CV:野神奈々)
主人公のクラスメイトで、三つ子の1人。兄妹みんな仲が良く、いつも三人
一緒に行動している。控えめでおとなしい女の子。

麻宮冬亜(まみやとうあ)。(CV:野神奈々)
三つ子の1人。明るく元気いっぱいな女の子。常にテンションが高い。

結城ノナ(ゆうきのな)。(CV:永杜紗枝)
主人公のクラスに転入してきた転校生。クールでプライドが高い女の子。
真面目で努力家。

絵の方はとても活き活きとした可愛らしい絵柄。やや線が太く、力強い印象の
ある絵ですね。
CGは輪郭線が太く存在感のある処理になっています。線の太さが、やや粗い
印象を与えているように思える部分もありますが。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともあり。会話に合わせてコロコロ切り替わり、
瞳がきらきら光ったり、目の幅涙が流れたりと、コミカルな表情も多くて、
見ていてとても楽しいです。

キャラクターはテンション高いキャラと控えめなキャラがはっきり分かれている
感じで、メリハリのある配置になっています。会話もとても楽しいです。
弥生の天然っぷりがステキです(^^)

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
弥生のほんわかしたしゃべり方は、めちゃめちゃ破壊力デカいです。
また、三つ子は全て1人の声優さんが担当なさっているのですが、きっちり
演じ分けが出来ていて、同じ人とは思えません。ブラボー。

音楽は綺麗な旋律の澄んだ曲が多め。とても貴着心地が良く、作品の雰囲気を
爽やかに包んでくれます。

ゲームを開始すると、プロローグ……というか、ナレーションの後にオープニング
アニメーションが流れます。
歌はとても澄んだ爽やかな雰囲気の歌で、流れるような綺麗な旋律が非常に聴き
心地がいいです。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、演出が凝っていて、結構
ちょこちょこと動いてますし、ナレーション的な文字が入ったり、コミカルな絵が
あったりと、見ていて楽しいです。

エンディングも歌あり。エンディングによって別の曲が用意されています。
歌はエンディングの雰囲気がしっかり出ていて、余韻もあっていいですね(^^)
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定はキー
ボードで可能ですが、それ以外の操作はキーボードでは出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイール度可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。描画やエフェクトで引っかかる感じです。画面効果を「なし」
にすればマシにはなりますが、そうすると章タイトル表示とかが一瞬で消えて
しまいますし、難しいところです。キスシーンとか台無しですし(^^;
スキップ動作はやや重め。描画で引っかかる感が強いですね。

セーブ箇所は80箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、話数と章タイトル、シーン画像が保存されます。
数としては、選択肢が片手で数えられる程度ですので、これだけあれば充分です。
まず使い切ることはないでしょう。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。選択肢によって
イベントが分岐する、シリー型の構造になっているようです。
エクストラモードのシーンセレクトで、ツリー構造も見ることが出来ます。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作は不可です。
主人公の名前は「石蕗正晴(つわぶきまさはる)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、主人公が謎のジュースを飲んでしまい、夜になるとぬいぐるみの
姿になる体になってしまうところから始まります。
元の姿に戻るため、正体を隠しつつ、すももと共に星のしずくを集めていく、
というお話です。

前半は、人付き合いが苦手で思っていることを伝えるのが下手な主人公と、
引っ込み思案で言いたいことの言えないすももを中心に、ちょっとぎくしゃく
した人間関係が描かれます。
不器用な2人が徐々にみんなとうち解けていき、その距離を縮めていくという、
初々しい展開が楽しめます。

後半は、主人公の体のことや、星のしずく集めのことなどを中心とした、やや
シリアスなストーリーになります。切なく、甘酸っぱい展開が多く、先がどう
なるのか気になる感じです。

ラストは綺麗にすっきり終わり、クリア後の気分は爽快です。

特筆すべきはなんと言っても初々しさ。不器用で思ったことを伝えるのが下手な
主人公や、言いたいことを言えない娘、素直になれない娘などが繰り広げる
恋物語はとても初々しく、微笑ましいです。
2人が距離を縮めていくところもよく描かれており、気持ちが良く伝わって来ます。

ただ、この初々しさはかなり強烈に描かれていて、受け取りようによっては
かなりウザく感じる可能性もあります。
特にすももは、うじうじしていて、へたれで、さりげなく自分中心で、泣き虫で、
見ていてイライラすることもありました。
主人公も、不器用で、鈍くさくて、うじうじしていて、へたれで、うっとうしく
感じることも多々ありました。
もうちょっと抑えめにしても良かったんじゃないかなー、と思いました。

H度は低め。回数は1〜3回、尺の方は短めで、描写もあっさりめです。
内容は純愛系のHばかりで、主人公もヒロインもウブですから、とても初々しい
シーンが楽しめます。どちらかというと、萌え重視な感じでしょうか。

テキストは誤字等はほとんど気にならないものの、やや読点が少なく、声優さんの
ブレスの位置と当店の位置が違うことが多々あり、ちょっと読みづらく感じました。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は約半年。イベントのある日だけをつまんでプレイするタイプで、
日付の経過はあまり気にする必要はありません。

ワンプレイは9〜11時間。やや長めですが共通部分が多いため、2周目以降は
スキップを使えばかなり短縮できると思います。

難易度は低め。選択肢は片手で数えられる程度で、内容も明確なため、悩む
ことはないかと思います。
総評
お奨め度ですが、切なく甘酸っぱくもどかしい、初々しい恋愛を楽しみたい人に
お奨め。不器用な二人が繰り広げる恋愛模様は、とても初々しくて微笑ましく
思えます。また、周りのキャラクターたちもいい味を出していて、2人を祝福
したり、手助けしたり、慰めたりと、ストーリーにしっかり絡んでくるため、
とても自然な展開が楽しめます。

また、星のしずく集めの中で、成長していくキャラクター達や、心を通わせ、
気持ちを確かめ合っていく過程もしっかり描かれていて、プレイしていて応援
したくなるような感じです。

そして、後半の展開はちょっと切なく、もの悲しく、引き込むような展開で、
ラストはすっきり終わるため、プレイ後の気分はなかなか爽快です。

……と、まあ、ここまでが出来るだけ客観的に見た、建前のレビュー(笑)

主観バリバリの感想は……純情というか、ウブというか……ウザいよ!(^^;
気持ちを知りながら、自分の気持ちを伝えられなくてうじうじしたり、
気持ちが伝わっているのにワザと突き放すようなことを言ったりと、見て
いてもどかしく、いらいらする展開が多いです。
特に前半は、もう、なんというか、助けてって感じ(^^;
殴りたい。グーで殴りたい、と思うことも(笑)

まあ、後半の展開はなかなか良かったのですが、どうにもキャラクターが
好きになれませんでした……。

なので、このキャラクターが受け入れられる人はどうぞ。後半の展開は
なかなかいいと思います。
演出は凝ってますし、ビジュアル面はなかなかいいですし、音声や音楽は
文句なしですし、クオリティは高いと思います。

最後に。赤い本の魔物……ガッシュベル!?(笑)
# どんどん新しい呪文が出てくるとか、まんまだー(^^;


以下、ちょいとネタバレなつぶやき。

すももって、半分はあっちの世界の血が流れているわけですし、撫子も
許しの印があるわけで、別にバレてもいいのでわ? と思ったのですが(^^;



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