春恋*乙女〜乙女の園でごきげんよう。〜 | |||
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ブランド名 | BaseSon | ジャンル | お嬢様学園純愛AVG |
発売日 | 2006.01.27 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(170x232x45mm) | マニュアル | B6ブックタイプ |
DISC容量 | 3.21GB(DVD-ROM) | ||
原画 | 片桐雛太、騎士二千 | シナリオ | 青山拓也、K.バッジョ、 尾之上咲太、中本穂積 |
音楽 | 32曲、Loser Kashiwagi、torapon、 bjoern、下地和彦(SoundUnion) |
歌 | あり(2曲、OP・イメージソング)、 Rita、h?m? |
音声 | 女性キャラフルボイス、榊原ゆい、手塚まき、日向裕羅、籐野らん、青山ゆかり、 本山美奈、成瀬未亜、まきいづみ、大波こなみ、北都南、海原エレナ |
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インタフェース | ややキーボード操作可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 99箇所+クイックセーブ1箇所 | CG枚数 | 165枚 |
おまけ | CGモード、回想モード、音楽モード | ||
対象属性 | お嬢様、学園物、純愛、妹、お兄ちゃん、ピンク髪、帽子、お団子頭、幼なじみ、 オーバーニーソックス、ボブカット、天然ボケ、スクール水着、金髪、縦ロール、 お姉様、銀髪、リボン、眼鏡っ娘、女教師、ツンデレ、ツインテール、シスター、 メイド服、ストレートロング、ウェイトレス、ストッキング、ガーターベルト、先輩、 黒髪、ポニーテール、レズ、ショートカット |
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1プレイ時間 | 10〜13時間 | お奨め度 | 7 |
レビュー |
概要 |
今まで通っていた学園が廃校になり、今年から共学となった聖フランチェスカ 学園に編入した主人公。そこはお嬢様の集まる学園で、クラスでただ一人の 男子である主人公は、居心地の悪さを感じながら、幼なじみでクラスメイトの 結衣佳や、妹の羽未とともに、毎日を過ごしていた。果たして主人公は、 どんな学園生活を過ごしていくのか……という、お嬢様学園純愛AVG。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 早坂羽未(はやさかうみ)。(CV:榊原ゆい) 主人公の妹。主人公のことが大好きで、いつもついて回っている。 我が侭を言わず、勉強もきっちりやる真面目な優等生。 主人公のことは「お兄ちゃん」と呼び慕う。牛が大好き 芹沢結衣佳(せりざわゆいか)。(CV:籐野らん) 主人公の幼なじみ。おっとりのほほんマイペース天然娘。周りを和やかに する雰囲気を持つ。主人公のことは「あきちゃん」と呼ぶ。 料理が好きで、腕前はいいのだが、好奇心旺盛で、いつもおかしな料理に 挑戦し、独創的な料理を生み出す。 御子柴夏子(みこしばなつこ)。(CV:成瀬未亜) 主人公のクラスメイト。バリバリのお嬢様。好奇心が強く、可愛いものや 珍しいものが大好き。人の話を聞かないマイペース唯我独尊娘。 新城冬子(あらきふゆこ)。(CV:まきいづみ) 主人公のクラスメイト。いつも夏子と一緒に行動している。性格や行動も 夏子と似通っている。丁寧な物腰ながら押しが強い。 大神千絵(おおがみちえ)。(CV:北都南) 主人公のクラス担任。真面目で堅物。規則に厳しく、きっちりとした教育を 目指している。 織戸莉流(おりとりる)。(CV:青山ゆかり) 主人公のクラスメイト。明るく元気でノリのいい女の子。ただし気分屋。 思ったことはそのまま口にする、ある意味とっても素直。可愛い子が大好きで、 ことごとくすり寄っていく。 主人公に対しても言いたい放題言ってくるが、今ひとつ憎めないいいヤツ。 水泳部所属。結構頑張り屋さん。 真宮璃々香(まみやりりか)。(CV:大波こなみ) 羽未のクラスメイト。生粋のタカビーお嬢様。丁寧な物腰だが、人を見下した ような態度が目立つ。如耶に憧れており、周りの人を押しのけて如耶に べったりしている。 桐生ソーニャ(きりゅうそーにゃ)。(CV:日向裕羅) 羽未の友達。大人しく控えめで、優しく思いやりのある女の子。 教会でシスターをやるかたわら、喫茶店黎明館でウェイトレスのアルバイトも やっている。イタリア人とのハーフ。 不動如耶(ふゆるぎきさや)。(CV:手塚まき) 剣道部に所属する先輩。成績優秀、スポーツ万能、眉目秀麗と、完璧な女性。 古風な話し方をする。プライドが高く、負けず嫌いな一面も。 楠原彩夏(くすはらあやか)。(CV:本山美奈) おっとりした雰囲気の優しい先輩。学園の寮ではなく、マンションで一人 暮らしをしている。 有瀬悠季(ありせゆうき)。(CV:成瀬未亜) 水泳部。さっぱりとした性格だが、周りの人に対する応対はキツい。 麗架に可愛がられている。 松原麗架(まつばられいか)。(CV:海原エレナ) あけすけで大雑把であっけらかんとした先輩。楠原先輩の友達で、水泳部所属。 誰にでも優しく接し、飄々とした態度を取る。 鳳皐月(おおとりさつき)。(CV:大波こなみ) 楠原先輩の友達で、クラス委員長。美術部所属。真面目でキツい印象の女性。 桐生舞衣(きりゅうまい)。(CV:北都南) 教会で働くシスター。優しくおっとりとした女性。たまに関西弁が出る。 ソーニャの育ての親。 那岐沢千砂(なぎさわちずな)。(CV:本山美奈) 黎明館で働くウェイトレス。さっぱりとした気さくな女性。面倒見が良く、誰に でも優しく接する。 絵の方は原画家さんが2人いて、やや絵柄に差はありますが、どちらも可愛く 活き活きとした絵柄。ただ、一部首が長くて頭が大きい、ちょっとバランスが 悪く感じる絵も見受けられます。頭が大きいと言うより、身体、特に肩幅や 足が小さい、という感じでしょうか。ややクセの強い、濃いめの絵ですね。 ただ、非常に活き活きとしていて、動きもあって、魅力的な絵だと思います。 目を輝かせたような顔とかは最高です(^^) また、ところどころに入るデフォルメ絵はコミカルで楽しいです。 CGは明るめの色遣いで綺麗に処理されており、キラキラとした明るい雰囲気を 醸し出してくれます。 立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話に合わせてコロコロと切り 替わり、立ち絵自体にも動きがあって、感情移入しやすく、見ていてとても 楽しいです。 キャラクターは個性豊かなキャラクター揃い。お嬢様学校だけに、我が侭で 世間知らずな感じのマイペースなキャラが多め。みんな好き勝手に動いて いる感じで、ドタバタな雰囲気を醸し出しています。 音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。 サブキャラにいたるまでかなり豪華な声優陣が起用されていて、とっても 贅沢に感じます。 音楽は明るい曲からしっとりした曲まで、バラエティ豊かに取りそろえられて おり、曲数も豊富で、シーンに良くあった曲が使われています。 クリアなサウンドで、単体で聴いても充分楽しめます。 ただ、剣道場での練習風景の効果音、なんだか木刀みたいな硬い音がして いるのですが(^^; というか、素振りでその音がしているのはどうかと……。 ゲームを開始すると、長めのプロローグの後にオープニングアニメーションが 流れます。 歌は軽快なテンポの明るい曲で、聴いていてうきうきするような感じですね。 クリアな歌声はとても聴きやすく、流れるような旋律が心地良いです。 絵の方はデフォルメ絵を多用した、コミカルで楽しい雰囲気です。演出もかなり 凝っていて、笑えるシーンもいっぱいあって、とても楽しいオープニングでした。 かなりお気に入りです。 |
システム |
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、基本的な メニュー操作などはキーボードで出来ますが、クイックセーブやバックログなどは キーボードで操作できないようです。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。 通常時も音声のリピート再生は可能です。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作は比較的軽快。ただし、CPU利用率は高いので、非力なマシンだと辛いかも。 スキップ動作はそこそこ高速。 セーブ箇所は99箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像が保存されます。 数としては、選択肢の効果は比較的明確ですし、これだけあれば足りるかな? という感じです。 システムは選択肢決定型のアドベンチャー。途中、誰に会いに行くかを選択 する場面もあります。 フラグで分岐するタイプのようですが、どうやらクリア順制御がかかっている らしく、一部のキャラは最初はクリアできないようです。 最初、見事にそのキャラに突撃して玉砕しました……。 ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作は不可です。 主人公の名前は「早坂章仁(はやさかあきひと)」固定です。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは主人公が聖フランチェスカ学園に編入し、新学年が始まるところから 始まります。 クラスの中に男子が1人という状態で戸惑いながらも毎日を過ごし、次第に 周りの人と打ち解け、惹かれ合っていく……という、王道純愛ストーリーです。 前半は、明るく楽しくコミカルな展開。個性豊かなキャラクター達が繰り広げる ドタバタストーリーはとても楽しいです。 ギャグもほどよくちりばめられていて、楽しい雰囲気が漂います。 デフォルメ絵を使用した演出や、立ち絵を動かした演出などもあって、さらに 盛り上げてくれます。 # ゆっくり支度をし、ゆっくりと食べ、ゆっくりと休むスローフードという習慣 # ……って、それ、スローフードの意味違いますからっ(^^; ##オトコの園でごきげんよう。(笑) 後半は、各ヒロインとの個別ルートに入り、そのヒロインが抱えた問題などに 直面する、かなりシリアスで重い展開。シナリオによっては、かなりイタい 展開もあって、引き込むような力のあるシナリオだと思います。 ただ、そんなにドロドロした感じではないので、嫌悪感を抱くようなことは ないかと。 ラストはすっきり綺麗に終わってくれるので、クリア後の気分は爽快です。 特筆すべきはキャラクターの描写と演出。個性豊かなキャラクターがしっかり 活かされており、各キャラクターの持つ設定も有効に使われていて、設定自体も 練り込まれており、深みのあるシナリオが楽しめます。 深みがありすぎて、ちょっと重苦しくなってしまっているのは仕方ないかと。 あと、どうだっていいような日常のシーンはサクッと端折ってくれるのが嬉し かったです。そういうのも必要だとは思いますけど、だらだらやられるとダレて しまいますしね。まあ、そういう部分を端折っても長いんですけど(^^; ちょっと気になったのは整合性。イベントの起こし方によっては、似たような イベントが続いたり、ちょっと不自然に思える部分がありました。 テレビ持ち込み禁止で大変だねという話をした直後に、テレビを持ち込んでは いけないというイベントが発生するのはさすがにどうかと思いました(^^; 寮の規則読んでないって言ったじゃん……。 あと、登場キャラクターがかなり多いのですが、個別ルートに入らないと ほとんど出てこないキャラクターも多く、個別ルートに入ってしまうと出てくる キャラクターも限られてしまうので、やや幅は巻く感じるかも。 それでも、何人かのキャラクターが絡み合ってシナリオは進むので、そんなに 気にはならないかも知れませんが。 H度は高め。各ヒロインとも複数回(2〜3回)用意されており、尺の方はそこそこ 用意されています。描写も比較的濃厚。 内容は基本的に純愛系のラブラブHですが、コスプレあり、変わったシチュエー ションありで、バラエティには富んでいます。 みんな初めてな訳ですが、ヒロインによって反応が違うのは面白いかも。 テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良く読みやすいテキストだと 思います。 ただ、「幼なじみ」と「幼馴染み」という表記が混在したり、やや表現の不一致は 見受けられました。 ところで、このゲームのシナリオ、文部科学省がまだ「文部省」だった頃に 書かれたんですかね? いや、ふつーに「文部省」って出てきますし……。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は……約1ヶ月半? 基本的に1日ずつ進むのですが、何日目かは 気にする必要はなく進みます。 ワンプレイは10〜13時間。思ったより長かったです。2周目以降はスキップを 使えばかなり短縮は出来ますが、そもそも個別ルートが長いため、コンプリート するためにはかなり時間はかかります。 難易度は低め。基本的に狙ったキャラクター寄りの選択をしていればOKです。 ただし、前述の通り一部のキャラはクリア順制御がかかっているようで、 最初はクリアできないので注意。……注意しようがない気もしますけど(^^; |
総評 |
お奨め度は、ちょっとシリアスな純愛ストーリーが好きな人にお奨め。 前半は明るく楽しい雰囲気ですが、後半はかなり重くシリアスで、読み応えの あるシナリオを楽しむことが出来ます。設定も結構しっかりしていて、 バラエティに富んだシナリオが楽しめますし、個性豊かなキャラクターも 魅力たっぷりで、とてもやりごたえのある作品だと思います。 ただ、一見明るくポップな雰囲気の作品に見えますが、後半のストーリーは かなり重く、キツいものがありますので、明るくライトな作品を期待している 人は注意。のほほんとプレイしていると、結構ダメージ喰らうかも。 いや、寝取られとか陵辱とかそういうのはありませんけど。 やや整合性に不安があったりはしますが、共通パートはそれほど凝っている わけでもないですし、そんなに気にはならないでしょう。 シナリオ毎にやや盛り上がりに差があったり、そもそも長さに差があったり しますけど、全体で見れば、そこそこまとまった作品だと思います。 ただ、ややインパクトには欠けるかな? という気はしましたが。 キャラクターは活き活きしていて絵も綺麗で魅力的ですし、読み応えのある シナリオとしっかりした設定は、充分楽しめると思います。 雰囲気やシナリオの展開はやや人を選びそうですが、シリアスで重い展開に 嫌悪感がなく、絵柄や雰囲気に馴染めそうな人は是非。 最後に。大神先生が「ざます」と言わないのは反則だと思う(笑) ちゅーか、大神先生、反則(^^; まさか最後にそんなオチを持ってくるとわ……(笑) 結衣佳が羽未のことを「ウミちゃん」と呼ぶのも、意味があったんですね……。 細かいところまできっちりしているのは好印象(^^) ……で、お嬢様組曲? ←それは言っちゃダメ |