陽だまりのはな
ブランド名 霜楓 ジャンル ほのぼの日常ラブコメAVG
発売日 2006.03.10 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(154x224x50mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 DISC1 : 632.4MB、CD-DAなし
DISC2 : 633.2MB、CD-DAなし
DISC3 : 584.3MB、CD-DAなし
初回特典オリジナルサウンドトラック : CD-DA=675.3MB、CD-DA17トラック
修正パッチDISC : 306.7MB、CD-DAなし
原画 美月冬弥 シナリオ 安藤大樹
音楽 17曲、茂木浩次、CHOIR、
def、lolipop cioccolata
あり(3曲、OP・ED)、
安保さゆり、水瀬えるも、
lolipop cioccolata loves 佳織みちる
音声 あり、山貴みず、奥山歩、成瀬ゆら、櫻井ありす計名さや香、佐藤千幸、
土方総司、葉月海音
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所 CG枚数 114枚
おまけ 声優コメント、音楽鑑賞、シーン回想、CG鑑賞、サブシナリオ
対象属性 純愛、ラブコメ、ドタバタ、幼馴染み、紫髪、ボブカット、黒髪、先輩、ショートカット、
後輩、緑髪、保母さん、青髪、ストレートロング
1プレイ時間 10〜12時間 お奨め度 4

レビュー
概要
東京で就職をした主人公は、上司とけんかをして会社をやめてしまう。なかなか
再就職も出来ず、仕方なく故郷の町に戻り、母が経営している花屋で働かせて
もらえるよう頼み込む。しかしその店は、いつの間にかハーブティーの専門店に
なっており、さらに母親から今日から主人公が店長だと言い渡される。かくして、
主人公の新しい人生が幕を開ける……という、ほのぼの日常ラブコメAVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

伊吹撫子(いぶきなでしこ)。
主人公の母親で、フラワーショップ「セルフィーユ」のオーナー。
意志を持った天災。傍若無人の権化。一緒に暮らしていられるのは偉業(笑)
# 九郎寺の人間核弾頭(笑)

柚代鈴蘭(ゆずしろすずらん)。(CV:山貴みず)
主人公の幼馴染。人を疑うことを知らず、常に人に尽くす善意の人。
面倒見がよく、頑張りやさん。しかし、運動神経は切れている。

竜崎千鳥(りゅうざきちどり)。(CV:計名さや香)
バーで働く女性。クールでかっこいい大人の女性。家は金持ちだが、あまり
そのことには触れたがらない。

月下沙雪(つきしたさゆき)。(CV:成瀬ゆら)
九郎寺学園の三年生。主人公に思いを寄せ、いつも主人公のことを見ている。
清楚でおとなしいお嬢様っぽい女の子だが、ちょっぴり夢見がちの妄想気味。

千本桜彩音(せんぼんざくらあやね)。(CV:奥山歩)
沙雪の後輩。沙雪のことを慕っており、常に沙雪のことを一番に考える。
落ち着きがなく、いつもわたわたしている。

野々原ひまわり(ののはらひまわり)。(CV:桜井ありす)
保育園で働く保母さん。明るく元気な女の子。何もないところでよくコケる。
迂闊さは九郎寺周辺でもトップクラス(笑)

柚代薫子(ゆずしろかおるこ)。
鈴蘭の母親。主人公のことを気に入り、欲しがっている(笑)

水名蘭子(みずならんこ)。(CV:佐藤千幸)
主人公が東京にいたとき、いろいろと相談に乗ってくれていた相手。

絵の方はすっきりとした可愛らしい絵柄。やや面長ですが、元々人間の顔の
バランスってこんなもんだと思いますし、そーんなには気になりませんでした。
ただ、シーンによっては特に面長でない絵も見受けられ、安定していないよう
には感じました。
CGはややべたっとした重い塗りで、やや大味な印象があります。
立ち絵はポーズ変化、表情変化ともにあり。目パチや口パクもあり。
口パクがセリフにぴったり合っているのはなかなか凄いです。
また、目線の移動なんかも丁寧に処理されていて、感情移入はしやすいかと。

キャラクターは普通っぽいキャラが多め。個性はあるのですがそれほど飛び
抜けておらず、ややインパクトには欠けるかも。
そんな中、主人公の母親・撫子は、かなり無茶苦茶です(^^;

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も特に問題なし。
ややメリハリに欠けるように思えることもありましたが、まあそーんなに気に
ならないかと。
ただ、擬音の扱いは気になりました。首を振るとき「ふるふる」とか「こくり」
とかをしっかり発音してたりしますし、「………」を「てんてんてん」と発音
するゲームはなかなかないと思います(^^;

音楽は明るくちょっとコミカルな雰囲気の曲が多め。軽快なテンポで聞きやすい
曲が多いのですが、似たような雰囲気の曲が多いのはちょっと気になりました。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はポップで爽やかな雰囲気の曲。ちょっとウィスパーっぽい声が印象的ですが、
ややパワー不足で、物足りなさを感じました。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点はあまりない
ですが、曲に合わせて切り替わっているのはなかなかいいです。

タイトルメニューでも歌が流れます。こちらはアップテンポでノリのいい、
聴きやすい曲ですね。……これをオープニングにしたらいいのに……。

エンディングも歌あり。歌はすっきり爽やかでとても聴きやすい歌。
優しく透き通った歌声が心地よく、プレイ後の気持ちを包んでくれる感じです。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。CPU利用率は高めですね。特に、画面効果がかなり遅いです。
エフェクト省略をOnにして、やっとストレスなく遊べる程度でしょうか。
スキップ動作も重め。画面の切り替えで引っかかる感じです。

ちなみに、初期状態ではメッセージウインドウが白背景に白文字で、かなり
見づらいのですが、背景色や透過度は自由に設定できますので問題なし。

セーブ箇所は50箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と章タイトルが保存されます。
数としては、結構選択肢があり、エンディングもそこそこあるるので、もう
ちょっと欲しいかな? と思いました。

システムはマップ移動場所選択型+選択肢決定型+クリックポイント型。
マップ移動場所選択では、移動できる場所がわかるだけで誰がどこにいるのか
わかりません。しかもセーブも出来ないのはちょっとつらいですね。
そして、仕事をしている中で、たまにクリックポイント型のイベントが発生する
ことがあります。何かあるところにカーソルを合わせればカーソルの形が変わる
など比較的わかりやすいとは思いますが、それでもちょっと面倒かも。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「伊吹耕作(いぶきこうさく)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が故郷の町に帰ってきて、母親がオーナーの店で働き始める
ところから始まります。
いきなり店長に任命され、何もわからずわたわたしながらも、何とか仕事を
こなしていき、その中でいろんな人と出会って、自分のやりたいことを見つ
けていく……という感じです。

前半は、明るくコメディータッチのドタバタストーリー。
いきなり無茶な条件で店長に任命されたり、撫子のわがままに振り回されたり
しつつ、いろんな女の子と出会っていきます。
コミカルな展開も多く、各所にギャグもちりばめられています。
# 「キャンセル料は規定の料金の5倍ですよ?」……それ、もうキャンセル料とは
# 言わない気がします(^^;

後半は、ヒロインとの距離が近づき、ヒロインの抱えた問題と向き合ったり、
主人公の本当にやりたいことを見つけていくという、ちょっとシリアスな展開。
ヒロインによって展開が全く異なり、様々ストーリーが楽しめます。

ラストは綺麗にすっきり終わりますが、やや強引で、ご都合主義な感は拭え
ません。

H度は低め。各ヒロインとも複数回用意されています。尺はそれなりに用意されて
いますが、描写の方はやや薄め。
内容は基本的に純愛系のシーンばかりですが、バリエーションはそこそこあって、
2回目でいきなりお尻に挑戦したりなど、なかなか無茶やってくれます。
ただ、Hシーンのテキストはかなり独特で、どうしてもそれが気になって、どう
にもシーンに集中できませんでした。
とりあえず、Hシーンで「んっしょっ」言い過ぎ(^^;

テキストは誤字満載。単純な変換ミスから、日本語としておかしいものまで、
かなりトリッキーなテキストになっています。
「一挙手一動」……それって、「一挙手一投足」と「一挙一動」が混ざって
ませんか……(^^;
「焼くなり煮るなり」……普通は「煮るなり焼くなり」じゃないですか?(^^;
「もろともしない」……普通は「ものともしない」なのでわ……。
「挿し木なる主砲にチャレンジした」……主砲て……(笑)
「元気付け様として」……元気づけようとして、でいいんじゃないかな(^^;
「歳の甲」……って(^^;
こんな感じの、ステキテキストがたっぷり楽しめます。
他にも、「野々原先輩」を「ひまわりせんぱい」と読んだり、服の色など絵と
テキストが違うことがあったりと、テキスト周りではかなり粗さが目立ちます。
それと、「おまじない」を「お呪い」と書くのは、字面悪いと思います(^^;
# 間違ってはいませんけど……。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。日付の経過は特に意識することもなく、平然と何日も飛ぶ
ことも多々あります。

ワンプレイは10〜12時間。結構長かったです。6割ぐらいは共通パートですが、
個別パートも長さはそれなりにありますし、エンディングの数もそこそこある
ため、コンプリートするにはかなりかかると思います。

難易度はやや高め。マップ移動場所選択では移動できる場所がわかるだけで
誰がどこにいるのかはわからない上セーブも出来ませんし、選択肢も効果が
よくわからないものが多くすぐに結果がわからないものも多々あり、クリック
ポイント探しなんかもあるため、結構難しいです。
また、条件を満たすとサブシナリオが見られるのですが、これがかなり数が
あり、すべてを見るのは大変だと思います。
総評
お奨め度ですが、ほのぼのドタバタの純愛ストーリーが好きな人にお奨め。
就職に失敗し、故郷に帰ってきた主人公が、いろんな女の子と出会う中で、
自分の本当にやりたいことを見つけていくという、成長ストーリーが楽しめ
ますヒロインによって様々な展開が楽しめ、ラストは綺麗に終わってくれる
ので、プレイ後の気分も爽快だと思います。

そして、不思議な日本語や、面白い表現、独特のHシーンも楽しめます。
これだけいろいろ出てくると、いっそすがすがしいです。

他にも、同じシーンなのに突然服の色が変わったり、音声とテキストが微妙に
違っていたりと、かなりちぐはぐな点が見受けられます。

口パクや目線の移動など、細かい演出は非常に優れているのですが、その
反面テキストと絵が合っていなかったり、大きなところでミスが目立ちます。
細かいところにこだわる前に、もっと全体的な、基本的なところのチェックを
しっかりやって欲しいところです。

絵柄もシステムもテキストも、かなり人を選ぶ作品だと思いますので、ちょっと
お奨めはしづらいですけど、雰囲気が気に入って、絵柄が受け入れられる人で
難読テキストを解読できる人なら是非どうぞ。

また、このゲームは「修正DISC」が付属しており、それを入れないとゲームを
開始することが出来ません。私はこれに気付かず(修正DISCがパッケージに
ぴったりくっついていたので)、プレイできずに叩き割りそうになりました(^^;
プレイする際はご注意を。しかし、修正DISCを入れないと、開始すら出来ない
というのはいったい……。

最後に。インストール進捗度、102%とか出た気がするのは気のせいですか?(^^;



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