初恋撫子-こいおとめ-
ブランド名 Carri'ere ジャンル 笑って泣けるラヴコメADV
発売日 2006.08.25 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(163x230x39mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 1.96GB(DVD-ROM)
マキシシングルCD : CD-DA=169.0MB、CD-DA6トラック
原画 MA@YA、igul シナリオ 雪乃府宏明、そら、JUN
音楽 26曲、猫野こめっとAngel note あり(2曲、OP・ED)、榊原ゆい、中山マミ
音声 主要キャラのみあり、榊原ゆい、安玖深音、北都南、金田まひる、
文月かな、芹園みや涼森ちさと、Yuki-Lin、中澤アユム
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 64箇所+クイックセーブ3箇所 CG枚数 81枚
おまけ CG鑑賞、シナリオ回想、音楽鑑賞
対象属性 学園物、ドタバタ、コメディ、純愛、ご主人様、メイドさん、エプロンドレス、お兄ちゃん、
黒髪、ショートカット、獣耳、ボクっ娘、オーバーニーソックス、黒髪、ストレートロング、
幼馴染み、赤髪、リボン、金髪、眼鏡っ娘、ポニーテール
1プレイ時間 7〜9時間 お奨め度 7

レビュー
概要
日本を裏から操る倭家。その家系に生まれた主人公は、ある日一族の長が
理事長を務める天凜学園に呼ばれる。そこで、幼い頃に一緒に過ごしていた
幼馴染みの娘達と再会する。しかしそれは、倭家の次期当主を決めるために
計画された「ミス・乙女撫子コンテスト」のためだった。乙女撫子であることを
示し、主人公を心を射止めた者が次期当主になる。こうして学園や国までも
巻き込んだドタバタ劇が今始まる……という、笑って泣けるラヴコメADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

高御蘇芳(たかみすおう)。(CV:涼森ちさと)
主人公の付き人で、コンテストの運営委員。中性的な印象の少年。
姉にいろいろなことを仕込まれ、いじられている。

高御千歳(たかみちとせ)。(CV:芹園みや)
桔梗に仕えるメイドで、蘇芳の姉。いつも笑顔を絶やさないが、その裏では
何を考えているのか解らない、謎の女性。
ぶっこ抜きジャーマンスープレックスが持ち技(笑)

倭萌黄(やまともえぎ)。(CV:金田まひる)
主人公とずっと一緒に暮らしてきた妹分。倭家現当主の実の孫で、瑠璃の妹。
神狼の力を宿している。引っ込み思案で控えめ、主人公のことを一途に想う。

倭瑠璃(やまとるり)。(CV:北都南)
萌黄の姉で、倭一族本家の正当な後継者。主人公にとっても姉代わり。
寮母にして生徒会長。おっとりボケボケしたお姉さんだが、文武両道で優しく
気の利く女性。霊を操り、強大な力を誇る。

倭真空(やまとまそら)。(CV:榊原ゆい)
倭一族の武を司る家系の生まれ。天凜警備部隊『森羅』隊長。肉弾戦車娘。
世界屈指の格闘家で、あらゆる戦闘術に長けている。明るく元気いっぱいな
女の子だが、気が強い。ぶっきらぼうだが面倒見はいい。

倭桔梗(やまとききょう)。(CV:安玖深音)
世界規模の大企業のお嬢様。防衛部隊の司令官でマッドサイエンティスト。
プライドが高く、人と素直に接することが出来ないが、根は優しく照れ屋。

倭菖蒲(やまとあやめ)。(CV:Yuki-Lin)
総理大臣にして、日本を裏から支配する倭一族の当主。
おっとりとした見かけと裏腹に、派手好き、悪戯好きな女性。

クー。(CV:文月かな)
主人公の守護精霊。しかし、主人公は霊的な力は弱いため、その姿を見る
ことが出来ない。何事にも一生懸命な頑張りやさんで、素直ないい子。
穏やかでとても優しい娘。

絵の方は可愛らしく活き活きとした絵柄。基本的にほんわかした柔らかい
タッチの絵なんですが、戦闘シーンなどは凛々しく、メリハリの効いた絵を
楽しむことが出来ます。ただ、一部やや安定感に欠ける絵もありましたが、
まあそれほど気にはならないでしょう。
CGは丁寧に処理されており、原画も活かされていていいですね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。ポーズ変化のパターンはそれ
ほど多くないですが、表情は活き活きとしており、コミカルな表情もあって、
見ていて楽しいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。激しいキャラからおとなしいキャラまで
幅広く用意されており、サブキャラにいたるまで魅力たっぷりです。
蘇芳萌え。←男です(^^;
クーが、とっても健気で可愛らしくてステキですー。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も文句なし。
クーの元気いっぱいなところ、千歳のいたずらっぽいところ、蘇芳ののほほんと
したところなど、とても良く出ていていいですね。……あれ? サブキャラのこと
ばっかり書いてる気がする(^^;
桔梗の凛としたところとか、瑠璃のほんわかしたところなんかもいいですよ〜。

音楽は静かでゆったりとした綺麗な曲が多め。ただ、明るくちょっとコミカルな
雰囲気の曲の方が頻繁に流れていて印象も強いですね。他にもいろんな曲が
用意されていて、シーンに合わせて使われており、作品を盛り上げてくれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
タイトルメニューで放置していても流れますが。
歌はスピード感のある爽やかで軽快な歌。とても聴き心地がいいですね。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点はありませんが、
曲とのシンクロはなかなかいい感じですね。

エンディングも歌あり。歌は力強く伸びのある歌で、未来に希望を抱かせるような
爽やかで心地よい歌ですね。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、各種
メニューの呼び出しまではキーボードで出来ますが、肝心のメニュー内操作は
キーボードでは出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。ただ、たまに無意味に引っかかります(^^;
スキップ動作はそこそこ高速です。

セーブ箇所は64箇所+クイックセーブ3箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と章タイトルが保存されます。
数としては、選択肢が片手で数えられるほどしかないため、これだけあれば
充分でしょう。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。ただ、選択肢は
非常に少なく、ほとんどシナリオを読み進めるだけのため、どちらかと言えば
ノベルタイプですね。
また、条件をクリアすると新たなシナリオをプレイできるようになる、シナリオ
追加型のシステムになっています。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「倭和(やまとかず)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が天凜学園に呼ばれ、そこでミス・乙女撫子コンテストが開か
れるところから始まります。グランプリに輝いた娘は倭家の当主になり、
主人公と結婚するということが決められてしまっています(笑)

前半は女の子達と色々話をしつつ、コンテストについて考えていく展開。
基本的に明るくコミカルに進み、ギャグも満載です。まあ、どちらかと言うと
小ネタを連発しているような感じですが。
# コシアンルーレット(笑)

後半は各ヒロインの抱えた問題を絡めたややシリアスな展開。と言っても、
終始シリアスなわけではなく、メリハリの効いた展開になっています。

ラストはすっきり綺麗に、ややあっけなく終わります。でも、しっかりと
まとまっており、クリア後の気分は爽快です。

特筆すべきはキャラクターの描写。各キャラクターの心情がとても丁寧に
描写されており、変にヘタレたりもせず、すっきりプレイしやすくなっていると
思います。

また、個別ルートに入っても他のキャラクターもしっかりとシナリオに絡んで
きて、自然で感情移入しやすい感じで進みます。

逆に気になったのは説明不足。まず、主人公達は日本を牛耳る倭家の家系で、
このコンテストの結果で日本の未来を左右するぐらいの大事件なわけですが、
ぜーんぜんそういう緊迫感もないままのほほんと進みます。
また、各ヒロインは様々な設定を持っており、主人公と過去にいろんなことが
あったわけですが、それが語られるのはかなり後半になってからで、しかし
それが前提で話が進むため、プレイヤーは完全に置いてけぼりです。
クーは主人公の守護精霊で、瑠璃姉が作ったと言われても、なんでそういう
ことになったのかとか、どうやって作ったのかとか、そのあたりが全然語られ
ないまま進むので、実感が掴めません。もう少し事前に情報を与えてくれれば、
もっとストーリーに入り込めたと思うのですが……。

それと、このゲームの最終目的はコンテストで優勝した人と結ばれることな
わけですが、かなり早い段階でヒロインと気持ちを確かめ合ってしまうため、
コンテストがどうにも茶番に感じられて仕方なかったです。
さらに、コンテストにはヒロイン近づいたらダメとか、最終日まで告白したら
ダメとか、いろいろなルールがあるわけですが……1つとして守っていない
ような気がするんですけど(^^;
勝手にデートに行くわ、抱きつくわ、告白するわ、あまつさえHまでしたりと、
お前らホントに真面目にコンテストする気あるのか? って感じです(^^;

H度は低め。メインヒロインは各ヒロインとも複数回(3回)用意されています。
尺の方はやや短め、描写も比較的あっさりしています。
内容は純愛系のらぶらぶHがほとんどで、バリエーションもそれほどなく、
やや単調に感じました。

テキストは誤字等は特に目に付かず、あまりクセもなく読みやすいテキスト
だと思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。一応夏休み前から始まって、夏休み最終日までみたいです
ので、1ヶ月半ぐらいでしょうか。日付の経過は描写されないので気にする必要は
ありませんが。

ワンプレイは7〜9時間。やや長めでしょうか。共通部分も多いのですが、
個別ルートも結構長いため、2周目以降もそれなりに時間がかります。
また、条件を満たすとシナリオが増えるため、結構時間がかかります。

難易度は低め。選択肢は片手で数えられるほどで、ほとんどのシナリオが
ルートの分岐になっているような感じで、悩むことはないでしょう。
総評
お奨め度ですが、メリハリの効いた純愛ラブコメが好きな人にお奨め。
随所にギャグがちりばめられつつ、シリアスな展開あり、バトルあり、
切ない展開ありと、様々な要素が詰め込まれた作品です。
そして、キャラクターはみんな活き活きとしており、心情描写も丁寧で、
演出も凝っているため感情移入しやすく、様々なストーリーを楽しむことが
出来ます。
結構軽いノリなんですが、背景はかなり壮大で、シナリオによっては日本は
おろか、人外の領域まで影響を及ぼすようなデタラメな展開になります(笑)
……なのに、なんでだろう。すっごいちっちゃい話に思えるのは……(^^;
# 神様とか庶民的すぎです(^^;

ただ、メインであるハズのコンテストがかなり取って付けたような茶番で、
別になくてもいいんじゃね? と思ったり。
コンテストなんかやらなくても、主人公とヒロインの結びつきは描かれて
いますし、何のためにあるのか全く不明です。
後から追加されるシナリオに至っては、もはやコンテスト関係なしですし。

そして、設定がかなり小出しにされるため、最初はなかなかストーリーに
ついて行けなかったり、理解しづらかったりと、実感が持てずに進むため、
どうにもシナリオに集中できませんでした。
もう少し主人公とプレイヤーの情報格差はなくして欲しいところです。

でもまあ、壮大なストーリーをテンポ良く読みやすく描いてあって、
キャラクターも魅力的で演出も凝っていて活き活きしていますし、
いろんなストーリーも楽しめて、盛りだくさんな作品だと思います。
ボリュームも結構ありますしね。
ジャンルに記されている通り、笑って、泣けて、萌えられる作品だと思い
ますので、雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。

最後に。蘇芳エンドきぼー(笑)
# 最初、マジで女の子かと思った(^^;


元々結構長めのお話しなんですが、やっと全キャラクリアしたと思ったら
タイトルメニューにシナリオが増えていて愕然としました(^^;
なんか、「つづきから」と「おまけ」の間が無駄に空いてるなー、と思って
たんですよね(^^;
でも、エクルーシナリオがあって良かったです。エクルー可愛いよエクルー。



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