めいどさんすぴりっつ!〜わたしの中にいるあなた〜
ブランド名 Sirius ジャンル ホーム&メイドラブADV
発売日 2006.01.27 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(164x238x37mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 4.15GB(DVD-ROM)
原画 ミヤスリサ シナリオ 保住圭
音楽 17曲、ナータリオン、kangarou あり(1曲、OP)、Kuniko Miyashita
音声 あり、佐倉凛、紬叶慧天天、あさり☆、春野萌
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 256箇所 CG枚数 96枚
おまけ CG&音楽モード、回想モード、研究Hモード
対象属性 メイド、純愛、ファンタジー、ほのぼの、まったり、黒髪、ストレートロング、ガーターベルト、
ストッキング、ご主人様、母乳、触手、赤髪、ツインテール、着物、魔法少女、帽子、銀髪
1プレイ時間 12〜15時間 お奨め度 6

レビュー
概要
魔法屋で、浴室管理の魔法を専門とする主人公は、王都で家を購入した。
そして、その家に行ってみると、1人のメイドが主人公を出迎える。
なんでもそのメイド・フィエナは、館の精霊だという。まだ生まれたてで
能力も低く、記憶も曖昧な彼女だが、絶頂に達することで機能が拡大し、
記憶も戻ることが判明する。そして主人公は、研究と称して、フィエナと
Hを繰り返す。その傍ら、広い屋敷を利用して下宿を開くことにする。
集まった店子はみんな若くて可愛らしい女の子。こうして主人公達の新しい
生活が始まる……という、ホーム&メイド・ラブADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

フィエナ。(CV:佐倉凛)
館の精霊で、主人公に仕えるメイドさん。下宿では管理人として働く。
素直で優しくて控えめで従順なメイドさん。感激屋ですぐに泣く。

リーチェ・ベッセン。(CV:あさり☆)
王都警護隊の入隊試験を受けに田舎から出てきた、刻神門の剣士。
身長が高く格好いい系の女性だが、無邪気で素朴。脳天気で屈託なく笑う。

アヤリ・アヤリエ。(CV:紬叶慧)
コンフラット料理競技会にやってきた、コモト出身の料理人。
面倒見が良く、人の世話を焼くのが大好き。みんなの母親のように振る舞う。
出身地であるコモトを愛しており、誇りに思っている。
意地っ張りで、素直になれない。

シャロ・プルチーニ。(CV:天天)
主人公に弟子入りしようとやってきた魔導師見習い。
身体が小さいことにコンプレックスを持っており、子供扱いをされるのを
嫌がる。本当は着やせするだけらしい(笑)

クオレリア・ルティエ。(CV:春野萌)
樽に入って流れてきた吟遊詩人。口調は丁寧で礼儀は正しいが素っ気ない。
やや人との距離は置いているが、根は素直でいい娘。葡萄酒が大好き。
# 「一応申し上げますが、わたしの隣は開いていません」(笑)

絵の方は可愛らしく活き活きとした非常に魅力的な絵柄。表情が豊かで、
アップの絵も多く、見応えたっぷりです。
CGはほんわかとした柔らかいタッチの処理になっていて、独特の雰囲気が
とても良く出ていると思います。ただ、ちょっと色遣いが派手かも。
立ち絵は表情変化・ポーズ変化ともにあり。会話に合わせてコロコロ切り
替わり、ぱっと見て感情が伝わってきて、感情移入しやすいです。
また、CGの枚数としては並ですが、差分が非常に多いため、印象としては
かなり多く感じます。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。フィエナは従順なメイドさんですが、
店子達は一癖も二癖もあるキャラ揃いで、会話はとても楽しいです。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
リーチェののほほんとした声は、かなり破壊力デカかったです。
1つだけ気になったのが、『研究』の内容選択時の「はい、かしこまりました」
というセリフ。これがどんな状況でも常に同じトーンで流れるため、みょーに
浮いているように感じました。
淫語にはピー音が入るのですが、音が低音で長いため、ちょっと聞き慣れて
いないからか違和感を覚えました。
# 「ピー」じゃなくて「ブー」とか「ポー」という感じ。

音楽はほのぼのゆったりした曲が多め。作品の雰囲気を柔らかく包んでくれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はゆったりとした中にも力強さのある曲で、独特の雰囲気をもったボーカルが
なかなかいい感じです。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、演出がなかなか凝って
いて、絵も綺麗で見応えはありますね。
システム
インタフェースはマウスカーソルのキーボードアニメーションによるフルキー
ボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は重め。画面やシーンの切り替えでやたら待たされます。特に日付の
切り替えの時は、最初フリーズしたかと思いました(^^;
また、絵が書き換わるとき、一度メッセージウインドウが画面下にスクロール
して消え、絵が書き換わってからまたスクロールして出てくるのですが、これが
かなりウザかったです。
「画面暗転時、アニメーションしない」の設定にするとスクロールはしなくなるの
ですが、書き換えの時に画面がちらつくのでこれも気になります……。
なお、スキップ動作は高速です。

セーブ箇所は256箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、ゲーム内日付とシーンタイトルが保存されます。
数としては、これだけあれば充分でしょう。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。
日曜日のみマップ移動型のシステムとなります。マップにはどこに誰がいるのか
表示されるため、空振りすることはないのですが、同じ場所で2人のイベントが
発生する場合、先に1人目の方を見ておかないと2人目のイベントが見られない
ので、注意が必要です。
そして、日曜の夜は、フィエナの『研究』があり、ここではメニュー選択型の
システムになります。3つの行為の組み合わせを自由に選択し、その通りに
研究を進めていきます。3つの行為はそれぞれ段階があり、回を重ねると
どんどん選べる行為のバリエーションが増えていきます。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「ペック・スパージュ」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が家を買い、その館の精霊であるフィエナと出逢うところから
始まります。そして、開いた部屋を下宿にするため店子を集め、ほのぼのとした
毎日を送っていきます。

ストーリーは終始まったりほのぼのとした雰囲気で進んでいきます。
ゆったりとした中にもコミカルな雰囲気が漂い、心地良い感じですね。
もちろん、ただまったりしているだけでなく、シリアスなイベントもありますし、
それなりにメリハリも付けられています。

ラストもほのぼのとした終わり方で、プレイ後の気持ちも爽快です。

とにもかくにもキャラクターの描写が素晴らしく、どのキャラクターも非常に
魅力的に描かれています。ほのぼのとした雰囲気も心地良くて、気楽にプレイ
出来ていいですね。また、ヒロイン同士の掛け合いも多く、個別ルートに入って
からもストーリーに上手く絡んでくるので、ほのぼのとした雰囲気がより一層
際立っていると思います。

ただ、主人公が何故か江戸っ子口調なのはかなり気になりました。
「やっておくんない」だの「すまねぇなあ」だの、およそファンタジーな雰囲気
からはかけ離れた口調のため、雰囲気ぶちこわしな上に、感情移入もし辛い
ように思います。

それと、日付の経過がかなりでたらめなのも気になりました。
日曜の昼にヒロインが泣くイベントが発生して、火曜日に泣きやんだという
イベントが発生したり、日曜の夜に部屋に泊まっていって、水曜日に起きた
ようなイベントが発生したり、もう時系列無茶苦茶です。

さらに、『研究』パートでは3つの行為の組み合わせを自由に選べるわけ
ですが、その選び方によってはやや内容に食い違いが見られます。
まあ、これはそんなに気にはならないかもですけど。
# 3つの行為、全て同じにすることも出来ます(^^;

H度は高め。各ヒロインとも複数回用意されており、描写は比較的濃厚。
尺の方もそれなりに用意されています。2回戦もあります。
フィエナに関しては『研究』パートがありますので、他のキャラに比べて
圧倒的に多くなっています。
ただ、フィエナの『研究』以外はストーリーの後半に一気にまとめてという
感じのため、ちょっと詰め込みすぎな印象を受けました。
というか、延々と口でのシーンを見せ続けられるのはちょっと引きました(^^;
まあ、フィエナの『研究』はまんべんなくありますけど。
ただ、この『研究』、パターンこそ多いものの、組み合わせによって変化する
わけでもないので、ちょっと作業感は強いかも。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良く読みやすいテキスト
だと思います。ただ、前述の通り、主人公の江戸っ子口調はちょっと気に
なりました。
プレイ時間・難易度
ゲームは4の月1の週月曜日から始まります。
ゲーム期間は9ヶ月。ゲームは週単位で進み、その週の中でイベントの発生する
曜日だけをつまんでプレイしていく形になります。

ワンプレイは12〜15時間。かなり長く感じました。ただ、フィエナの『研究』は
どのシナリオでも共通なうえ、それ以外の共通パートもそこそこ多いので、2周目
以降はスキップを使えばかなり短縮できます。

難易度は低め。基本的に狙ったキャラと会い続けていればOKです。
ただ、前述の通り、マップ移動画面では、同じ場所で2人のイベントが発生する
こともありますので、そこだけは注意が必要です。まあ、そんなにシビアでは
ないので大丈夫とは思いますが。
総評
お奨め度ですが、まったりほのぼのとした純愛系作品が好きな人にお奨め。
個性豊かで魅力的なキャラクター達が繰り広げる、ほのぼのとしたストーリーは
とても心地良く、キャラクターの可愛らしさも前面に押し出されていてとても
楽しめると思います。

ただ、ライトな雰囲気ながら、1周はかなり長く、全体的にまったりしている
ことも相まって、実際よりも長く感じるため、ちょっと気軽にはプレイし辛い
印象もあります。ノリとしては気軽にプレイできる感じなのですが……。

さらに、画面切り替えの遅さや日付のでたらめさ、研究パートの不整合など、
システム的・スクリプト的な問題が気になります。

そして一番のネックは主人公のキャラクター。江戸っ子口調な上、いまいち
掴みづらいキャラで、おちゃらけていると思ったら突然拗ねてみたりと、
やや感情移入はし辛かったです。

やや盛り上がりに欠け、システム的に気になる部分もありますが、描写が
丁寧でキャラクターも魅力的で、ゆったりとした雰囲気はとても心地良く、
まったり和みながらプレイできる作品になっていると思います。
特に後半の、気持ちを許し合ったときのベタ甘な描写はプレイしていて頬が
緩む感じですので、主人公のキャラクターが受け入れられる人は是非どうぞ。

最後に。「着やせ」という言葉の概念を覆す意欲作ですね(笑)
# 身長まで縮むんだ……(^^;



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