みこ×もの
ブランド名 パティスリー ジャンル 巫女ものADV
発売日 2006.01.27 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(152x216x32mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 535.4MB、CD-DAなし、StarForce
原画 陽之星照 シナリオ 阿風梨々亜、平一平
音楽 15曲、SALAD あり(1曲、OP)、後藤真由実
音声 フルボイス、飯田空、彩世ゆう緒田マリまきいづみ、金田まひる、萌木唯、
ルーシー、児玉さとみ、事務台車
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所 CG枚数 108枚
おまけ CG閲覧、シーン回想、音楽鑑賞
対象属性 巫女さん、巫女装束、純愛、義妹、お兄ちゃん、ショートカット、ボクっ娘、ボブカット、
浴衣、黒髪、ストレートロング、神様、巨乳、ツインテール、オーバーニーソックス、
リボン、狐耳、尻尾、しましま、姉妹丼、ハーレム
1プレイ時間 約3時間 お奨め度 6

レビュー
概要
大学4年生の主人公は、卒業後に田舎に戻るか、都会で就職するかを家族に
相談するため、夏休みを利用して田舎に戻っていた。そこには主人公の家族
である5人の巫女さん姉妹がいた。家族と言っても血のつながりはなく、
それどころか人間ですらない人が4人もいる。でもみんな仲良く暮らして
いたのだが、主人公の進路問題でみんなとの関係が変わっていく。果たして
主人公は、どういう道を選ぶのか……という、巫女ものADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

叢雨志乃(むらさめしの)。(CV:金田まひる)
叢雨家の五女で、主人公の妹。ただし、血のつながりはない。
明るく元気いっぱいな体育会系の女の子。陸上部所属。姉妹の中では唯一の
人間。主人公の事は「アニキ」と呼ぶ。

叢雨真名(むらさめまな)。(CV:緒田マリ)
叢雨家の三女。隣の山の守り神、大天狗様の娘。無口で引っ込み思案。
主人公に好意を寄せているが言い出せず。しかし、今回の進路問題で、
勇気を振り絞ろうとする、一途で健気な女の子。

叢雨園子(むらさめそのこ)。(CV:飯田空)
叢雨家の長女。家事はなんでもこなすが、ちょっとドジ。
叢雨神社のご神体である龍神様本人。かれこれ千百年は生きている。正確な
年齢は不明。
# 「女性の年齢を聞くものじゃありません」(笑)

叢雨東亜子(むらさめとあこ)。(CV:彩世ゆう)
叢雨家の二女。蛇神様。大雑把であけすけな性格。主人公をからかうのが趣味。
酒飲みで、隙があれば朝っぱらからでも平然と酒を飲む。

叢雨あゆ(むらさめあゆ)。(CV:まきいづみ)
叢雨家の四女。稲荷神、狐神様。見た目は幼く、中身も世間知らずのお子様。
ただ、子供扱いされるのを嫌い、主人公に対してお姉さんぶろうとする。
トリアタマで、忘れるのが得意(笑)

真矢(まや)。(CV:萌木唯)
森で見かけ、村で出会った謎の少女。クールで達観した雰囲気があるが、
実は純粋で世間ズレしている。

絵の方は、ほんわかとした柔らかい雰囲気の可愛らしい絵柄。優しい雰囲気が
にじみ出ている絵がステキです。
CGは丁寧に処理されていると思うのですが、ちょっと塗りが濃くて重たい
印象があって、ほんわかした雰囲気の原画を今ひとつ活かし切れていない
ような気もします。もう少し淡い感じに塗っても良いのでわ。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。目パチ・口パクもあって、会話に
合わせてコロコロと切り替わり、見ていて楽しいです。

キャラクターは、みんな特殊な設定を持っていて、個性豊かな面々。
基本的にヒロインはみんな家族なのですが、血の繋がりはなく、バラエティに
富んだキャラクターが集まっています。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
あゆの無邪気な演技は破壊力絶大。真名のもじもじした演技もいいですね(^^)

音楽はほのぼのとした曲が多め。次いで、静かでゆったりした曲、でしょうか。
激しい曲や緊迫した曲はほとんどなく、作品の雰囲気をゆったりと包んでいる
感じです。

ゲームを開始すると、短いプロローグの後にオープニングアニメーションが
流れます。
歌は静かでゆったりとした、広がりのある曲。穏やかで、それでいて力強い
歌は、雰囲気もあってなかなかいいですね。
絵の方は、キャラクター紹介・シーン紹介的なもの。背景絵がとても綺麗で、
そこにキャラ絵がカットインしたりして、演出的には凝っていると思うの
ですが……入ってくる絵がことごとくHシーンの絵なので、折角の雰囲気が
ぶち壊しです(^^;
もうちょっとなんとかならなかったんですかねぇ……。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定など、
基本的な操作は出来ますが、設定メニューなどは操作できないようです。
既読スキップ、強制スキップ、ヒストリー、オートモード搭載。
ヒストリーはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールに対応、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はそこそこ高速です。
ただ、システムがやや不安定で、マウスカーソルがどこかにいっちゃったり、
たまーに落ちたりしました。

セーブ箇所は50箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像が保存されます。
数としては、選択肢の数は両手で足りる程度で、これだけあれば充分かと
思います。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
選択肢によってイベントが分岐する、ツリー型の構造になっているようです。

このゲームはStarForceによるプロテクトが施されており、初回起動時に
シリアルキーコードの入力を要求され、ディスクチェックが入ります。
その後はディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「叢雨直人(むらさめなおと)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が実家である叢雨神社に帰ってくるところから始まります。
久しぶりに家族に囲まれて楽しい毎日を過ごしつつ、卒業後の進路について
悩み、相談したりしつつ、家族との交流を深める……という感じ。

前半はコミカルでドタバタな日常が描かれます。祭りのための準備をしたり、
あゆ姉ちゃんと遊んだり、あゆ姉ちゃんのお守りをしたりしながら進んで
いきます。……あゆ姉ちゃん、とてもお姉さんには思えません(^^;

後半は、家族であること、血の繋がりがないこと、そもそも人間じゃないこと
などを絡めた、ちょっとシリアスなストーリーになりますが、それほど重く
なるわけではなく、さらっと流されてエンディングに入りますから、ドロドロ
した雰囲気はほとんどありません。

ラストは唐突に終わることが多く、クライマックスの盛り上がりからの切り
替えが異常に早いため、あっけにとられることもしばしば。
ご都合主義も満載で、取って付けたような印象が強いです。

特筆すべきは個性豊かなキャラクター。血のつながりのない家族、しかも
ほとんどが人外という設定はなかなか面白く、各ヒロインは特殊な設定を
持っていて、ストーリーにもそれが活かされています。
まずキャラクターありき、という感じで、とても魅力的で会話も楽しくて
良かったです。
# みんな人外というのは村の人にはバレていないらしい(^^;

逆に気になったのは圧倒的な描写不足。無駄な描写は極力省き、ひたすら
Hしまくっているだけという印象が強いです。そこに至るまでの過程は
ほとんど端折られており、唐突に、衝動的にHシーンになだれ込んでいる
感じで、やや情感には欠けますね。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回用意されており、描写は比較的濃いめ
です。ただ、尺は短めで、回数は多いものの、やや物足りなさを感じました。
内容は、基本的に純愛ラブラブ系のものばかりで、一部無理矢理襲われる
ような雰囲気のものもありますが、別に緊迫しているわけではありません。
複数人が絡むシーンも用意されていたり、バラエティは豊かです。

テキストは誤字等はほとんど目に付かず、テンポ良く読みやすいテキスト
だと思います。やや描写があっさり目で淡泊に感じる部分もありましたが。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。最後の方は豪快に日が飛びますし、シナリオによって
終了時点が違います。日付の経過も意識する必要はありません。

ワンプレイは約3時間。盛り上がってきたと思ったら唐突に終わるような
感じで、かなり短く、物足りなさも感じました。

難易度は低め。エンディングの数はそこそこあって、選択肢も効果が解り
づらいものもあるのですが、選択肢の数は少なく、選択肢1つでルートが
変わったりしますので、総当たりでプレイしてもそれほど時間はかから
ないかと思います。
総評
お奨め度ですが、ほのぼのドタバタな人外巫女さん純愛ストーリーが好きな
人にお奨め。……幅、狭すぎ(^^;
血の繋がらない家族、しかもほとんど人外という設定はなかなか面白く、
個性豊かなキャラクター達が織りなす会話は楽しいですし、どのキャラも
魅力的で、活き活きとしていていいですね。

ただ、全体的に描写が非常に淡泊で、あれよあれよという間にストーリーが
進んでいき、あっけなく終わってしまう感じで、物足りなさが強いです。
せめて、クライマックスぐらいは、もうちょっとじっくり描いても良かったの
ではないでしょうか。
「ずっと待ち続ける」と言った次のシーンでもう帰ってきているのは、いくら
なんでも早すぎですよ(^^;

余計な描写を省いて1周が短くなるのは別にいいですし、その分エンディングは
多めになっているとは思うのですが、もうちょっと盛り上げる所は盛り上げて
欲しいなー、と思いました。
メッセージスキップを使えば10時間ちょいでコンプリート出来る程度ですし、
やや物足りなさを感じます。

でもまあ、設定はなかなか面白いですし、キャラクターは魅力的だと思います
ので、雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。

最後に。自分を奉る祭りを自分で開くっていったい……(笑)
# 園子は自分自身がご神体ですし、他の人も神様とかそれに近い人たちな訳で、
# そんな人たちが祭りの準備をしているというのはなかなかシュールですね(^^;



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