なつぽち
ブランド名 ALcot ジャンル ハートウォーミング恋愛御伽草子
発売日 2006.11.22 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(163x230x39mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 1.92GB(DVD-ROM)
Original Sound track DISC1 : CD-DA=660.5MB、CD-DA33トラック
Original Sound track DISC2 : CD-DA=343.1MB、CD-DA13トラック
原画 中村和泉、蒼魚真青、コミズミコ シナリオ 宮蔵、時乃、空下元
音楽 30曲、ManackMANYO(LittleWing) あり(3曲、OP・ED)、真理絵
KIRIKO霜月はるか
音声 主人公以外フルボイス、金田まひる、涼森ちさと、風華、松永雪希
青山ゆかり、広島よしの、一条和矢、浜風敏太、芹澤ちせり、中澤アユム、倉田まりや
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 80箇所 CG枚数 79枚
おまけ CG鑑賞、音楽鑑賞、シーン鑑賞
対象属性 純愛、ほのぼの、黒髪、ポニーテール、巫女さん、巫女装束、義妹、ショートカット、
お兄ちゃん、赤髪、ウェイトレス、金髪、狐耳、尻尾、スクール水着、銀髪、和服、着物
1プレイ時間 8〜9時間 お奨め度 6

レビュー
概要
退魔師の家系に生まれた主人公は、父親に反発して家を継ぐのを嫌がり、
教師を目指して、家から離れた大学に通っていた。そして、母校での教員
採用が決まり4年ぶりに故郷に帰ってきた主人公は、父親を嫌がりながらも
実家で暮らし始める。そこに、昔の彼女や自称神様、妖(あやかし)までも
加わってドタバタな毎日が展開する。果たして主人公の未来は……という、
ハートウォーミング恋愛御伽草子。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

鏑木千歳(かぶらぎちとせ)。(CV:涼森ちさと)
ひとつ年上の先輩で、教師としても先輩になる。学生時代主人公とつき合って
いた、実家が神社の巫女さん。明るく気さくで大雑把な性格。お酒大好き。

相楽美咲(さがらみさき)。(CV:松永雪希)
主人公の妹。お兄ちゃん子で、いつも主人公にべったり。家事が得意で、
主人公の家の家事を一手に引き受ける。基本的に素直ないい子だが、怒ると
物を投げてくる。しかも正確で、破壊力抜群。

日比野かりん(ひびのかりん)。(CV:青山ゆかり)
主人公の家の隣に住んでいる女の子。明るく元気いっぱいのハイテンション娘。
活発で行動的で好奇心旺盛。美咲のことが大好き。

霧絵(きりえ)。(CV:金田まひる)
主人公が道ばたで拾った子狐。実はこのあたり一帯を治める神様。
霊力が弱っていて子供の姿をしている。言動も子供っぽい。ゲーム大好き。
食欲魔神。

綺沙羅(きさら)。(CV:風華)
霧絵の妹分である狼の妖(あやかし)。人間嫌いだったが、主人公達と一緒に
暮らすようになり、馴染んでいく。やや思いこみが激しく、自分よりも他人を
優先するきらいがあるが、控えめでおしとやかで器量よし。

絵の方はやや個性的でちょっと人を選ぶかも知れませんが、素朴な感じの
ほのぼのとした絵柄だと思います。個人的には結構好き。
サブキャラやデフォルメ絵は別の方が担当なさっているようですね。
CGは原画の雰囲気をよく活かした塗りになっていて、処理は丁寧だと思います。
立ち絵はポーズ変化はなし、表情変化はあり。立ち絵の表情も変化しますが、
メッセージウインドウ横にフェイスウインドウがあり、その表情も変化するように
なっています。ただ、立ち絵とフェイスウインドウの表情が食い違っていることも
多いですが。

キャラクターは基本的に明るく元気なキャラが多め。唯一綺沙羅だけがやや
大人しい感じですね。どのキャラも素朴でほのぼのとした雰囲気を醸し出して
いて、田舎の雰囲気が良く出ていると思います。

音声はキャラクターとのマッチングは良し。演技の方も問題なし。
霧絵は大きくなったりもするのですが、演じ分けも問題なしです。

音楽はほのぼのとした雰囲気のゆったりした曲が多め。作品の雰囲気を優しく
包み込んでくれる感じです。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はスピード感のある爽やかな、それでいて力強さも感じさせる歌。ちょっと
作品の雰囲気とはズレているような気がしないでもないですが、曲自体はいいと
思います。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特に目を引く点はありません
けど、演出はなかなか凝っていていいかと。

挿入歌……というか、中オープニングもあり。こちらは完全にイメージムービー
という感じです。
歌は切なさと力強さを感じさせる静かで落ち着いた雰囲気の歌。なかなかいい
歌ですね。

エンディングも歌あり。ゆったりとした落ち着いた曲で、ほのぼのとした柔らかい
雰囲気が漂っていて、優しい気持ちになれる感じです。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作もそこそこ高速です。

セーブ箇所は80箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、章番号とタイトル、シーン画像が保存されます。
数としては、選択肢がそれほど多くなく、効果もわかりやすいため、これだけ
あれば充分でしょう。使い切ることはないかと。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「相楽仁(さがらじん)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が4年ぶりに故郷の町に帰ってくるところから始まります。
昔付き合っていた千歳や、妹の美咲と再会し、霧絵や綺沙羅が転がり込んで
きて、ドタバタな毎日を過ごしていく……という感じです。

ゲームは章立てて進んでいきます……が、あんまり意味を感じませんでした(^^;
というか、1章と2章は、いつ切り替わったのかすら気付きませんでした……。
1章である程度ヒロインを絞り込んで、2章で確定して、その後は個別ルートと
いう感じでしょうか。

前半はほのぼのまったりとした展開。コミカルで楽しい毎日を過ごします。
……まあ、綺沙羅に殺されかけたりとかはしますけど(^^;

中盤は、各ヒロインから好意を示され、その中から誰か1人を選んでいくという
展開。誰から言い寄られるかは、前半の行動で決まるようです。
三角関係のような展開もあり、ちょっとドロドロしたりもしますけど、そーんなに
キツい描写はされていませんので、苦手な人でもまあ大丈夫かと思います。

後半は、各ヒロインの抱えた問題を乗り越えていくという展開。各ヒロインは
何らかの不思議設定を持っていて(神様とか妖とか)、それを認めて受け入れて
行くという感じです。
結構シリアスで、追い詰められたような展開もあったりしますけど、最後は
なんとかすっきりまとめてくれます。多少強引でご都合主義で力業な気が
しないでもないですが(^^;

特筆すべきは自然さ。ストーリー自体はかなり突拍子もない展開だったり
するんですが、個別ルートに入っても各キャラクターが自然にストーリーに
絡んできて、展開に深みが出ているように感じます。
演出もなかなか凝っていて、感情移入はし易くなっていると思います。

H度はやや低め。各ヒロインとも複数回用意されています。尺の方はやや短め、
描写も比較的ライトです。
基本的に純愛系のほのぼのHで、内容的にもごく普通。ほとんど特筆すべき
ことがありません(^^;

テキストは誤字等はほとんど気にならず、クセもなく読みやすいテキストだと
思います。ちょっとあっさりしすぎな感もありますが。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は1ヶ月強? 日付の表示はありませんので、気にする必要はないかと。

ワンプレイは8〜9時間。あまりメリハリなく進むため、やや長く感じました。
2周目以降は半分ぐらいはスキップできますので、結構短縮できるかと。

難易度は低め。選択肢が両手で数えられる程度しかないため、特に苦労する
こともないでしょう。
総評
お奨め度ですが、まったりほのぼのとした素朴なハートフルストーリーが
好きな人にお奨め。とか言いつつ、三角関係とかバトルとか、結構修羅場な
展開もあったりするんですけど(^^;
でも、基本的にはのどかな田舎の心温まる物語、という感じですので。

各キャラクターはとても自然で、突飛な設定を持ちつつも、あまりそれを
感じさせないような描写がされていて、ストーリーには入り込みやすいと
思います。逆に言うと、ややインパクトには欠けるんですけど。

全体的にほのぼのとしたちょっといい話という感じなんですが、どうにも
最後の方の展開は強引で、「え? それでOKなの?」と思ってしまうことも
しばしば。ちょっとご都合主義が過ぎるような気がします。

でもまあ、まったりほのぼのした雰囲気は心地よいですし、田舎の素朴な
感じはとても良く出ていると思いますし、最終的には温かい気持ちになれる
いい話だと思います。ややインパクトやメリハリには欠けますけど。
絵柄がちょっと独特なので、拒否感のない人であれば是非どうぞ。

最後に。かりんエンドきぼー。てか、ヒロインじゃなかったんだ(^^;
# ある意味、ヒロインよりインパクトあるんですが(笑)


綺沙羅シナリオ、そんなんでマスコミが諦めるだなんて到底思えません(^^;
どうせなら、秀真あたりがとっとと圧力かけるとかした方が、まだ自然
だったような気がするのですが……。最後は霧絵がなんかやってますけど。
町の人達はなかなかいい感じだったんですけど、ちょっと受け入れすぎ(笑)
懐深いな……(^^;



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