プリズム・アーク〜プリズム・ハート エピソード2〜
ブランド名 ぱじゃまソフト ジャンル SRPG style ADV
発売日 2006.08.25 定価 \12,800
パッケージ プラスチックケース(165x255x60mm) マニュアル B5ブックタイプ
DISC容量 PRISM ARK GAME DISC : 6.20GB(DVD-ROM)、Alpha-ROM
アークスーパーアレンジCD : CD-DA=434.8MB、CD-DA14トラック
プリズム・ハートDVD GAME DISC : 1.13GB(DVD-ROM)
プリズム・ハートアレンジサウンドトラック : CD-DA=445.3MB、CD-DA13トラック
原画 大野哲也娘太丸 シナリオ 亜麻矢幹
音楽 73曲、OdiakeSI've Sound、C.G mix あり(13曲、OP・ED・挿入歌)、
桃井はるこKOTOKO中原涼
榊原ゆい
音声 あり
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 96箇所+クイックセーブ1箇所+
バトルセーブ1箇所
CG枚数 151枚
おまけ CG鑑賞、シーン鑑賞、音楽鑑賞、ムービー鑑賞
対象属性 ファンタジー、戦争、バトル、純愛、コメディ、ギャグ、学園物、妹、メイド、お兄ちゃん、
エプロンドレス、オーバーニーソックス、金髪、お姫様、ストッキング、ガーターベルト、
眼鏡っ娘、女教師、ツインテール、魔法少女、ピンク髪、アホ毛、長耳、巫女装束、
黒髪、ストレートロング、巫女さん、ポニーテール、リボン、シスター、ボブカット
1プレイ時間 15〜18時間 お奨め度 7

レビュー
概要
主人公の住むヴィントラント王国は、戦争で国土の半分を失っていた。
都から離れた田舎に住む主人公は、国を守る騎士になるためローゼンベルグ
騎士養成学校に入学する。そこで主人公は、様々な人と会い、色々な経験を
積んでいく。果たして主人公は、どんな未来を描いていくのか……という、
SRPG style ADV。

この作品は、2000年10月6日に発売された「プリズム・ハート」以下、前作)の
続編にあたる作品で、世界観や一部の登場人物は引き継がれています。
ただ、ストーリーにはあまり絡んでこないので、前作をプレイしていなくても、
特に問題はないと思います。
# やべぇ、前作のレビュー書いてねぇ。いちおープレイはしたんですけど。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

フィーリア。
主人公の妹。明るく元気な女の子。主人公らぶらぶで、主人公の近くにいたい
ために、学校で働くことに。ヤキモチ焼きで、主人公が他の女の子と仲良くして
いると邪魔をしてくる。

プリーシア。
主人公のクラスメイト。凄腕の剣士でプライドが高く短気で攻撃的なお嬢様。
城に住んでおり、護衛が付いたり、何者かに狙われたりしているため、この国の
王女ではないかと噂されている。

リッテ。
学校の教師で、主人公達のクラスの担任。天才的な頭脳と知識を持ち、魔術も
強力だが、背が小さく幼児体型のために子供と間違われることが多々。
子供扱いされることを嫌い、泣いたり怒ったり拗ねたりする。充分子供じゃん。

フェル。
主人公のクラスメイト。明るく元気いっぱいで人懐っこい女の子。情報通で
あちこちに顔を出す。説明ギャル(笑)
強大な魔力を持っているが、精度が低いため失敗ばかり。
# 「本物かーっ! 本物のロリかーっ! ときめくのかーっ!!!」(笑)

神楽(かぐら)。
プリーシアの護衛のためにやってきた女の子。無口で無感情。必要最低限の
言葉しか口にしない。でも、案外お茶目。強力な治癒魔法の使い手。

壬生華鈴(みぶかりん)。
ヴィントラント王国の隣国、ヴィエーラ王国で最強と言われるテンペスト騎士団に
所属している騎士。実技指導のため、学校にやってきた。
レリヒオン教の敬虔な信者で、曲がったことが大嫌い。間違ったことは徹底的に
指導する熱血教官。凄腕の剣士。
# 「人を斬る感触……たまらない。……うそうそ」(笑)

シスター・ヘル。
ヴィントラント王国の敵国であるサブルム軍の傭兵。その強大な力から、
サブルムの悪魔と呼ばれている。元は敬虔なレリヒオン教信者だったが、
今は信仰を捨てている。

テレサ。
メディアードの街で出逢った女性。孤児院に差し入れをしている優しい女性。
正体バレバレとか言うの禁止。

絵の方は可愛らしく、表情豊かで活き活きとした絵柄。キャラクターがかなり
多いにも関わらず、描き分けはしっかりされていていいですね。
立ち絵とイベント絵でやや印象が違ったりすることもありますが、まあ許容
範囲かと。
CGは明るめの発色で綺麗に丁寧に処理されており、とてもよく映えます。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。目パチもあります。耳やアホ毛が
ぴょこぴょこ動いたりもします。……すげぇ気になります。
また、各所にデフォルメ絵も使用されるのですが、こちらも可愛らしくていい
ですね。動きもあって、見ていて楽しいです。

キャラクターは個性豊かで活き活きしたキャラクター揃い。キャラクターの
数が多く、いろんな方向性のバラエティ豊かなキャラクターかせ揃っており、
会話はとても楽しいです。特にフェルはかなり個性的……というかやかましい。
ウェル萌え。ごめん、嘘。シーラ萌え。←大差ねーよ
# じゃあ、パルティでどうだ! ←黙れよ

音声はキャラクターのマッチングは良く、演技の方も文句なし。どのキャラ
クターも非常に活き活きとしており、とても自然で感情移入もしやすいです。
キャストは非公開ですが、ちょっと声優に詳しい人なら声を聴けばわかる
ぐらいの豪華声優陣が起用されています。
ただ、音声が途中で途切れたり飛んだりすることがあるのは残念。

音楽は豊富に用意されており、シーンに合わせた曲が使われています。
どの曲もクリアでとてもクオリティが高く、作品を盛り上げてくれます。
ただ、ムービー再生のタイミングでたまに初期化に失敗して設定の音量調節が
クリアされるのか、初期状態の音量で流れているような気がします。
# 数値は変わってませんが、設定し直すと戻ります。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
……えーっと、プロローグはすっごいシリアスで重苦しい展開で、オープニングの
イントロもハードで格好いい感じだったので、どんな歌が乗ってくるのかと
思ったら……なんか、すっごい可愛らしい歌声が流れてきたんですけどっ(^^;
歌を聴いた瞬間コケましたよ……。こ、これはミスキャストじゃないかな……。
もっと低音でハスキーでパンチのある歌声、なんなら男性ボーカルでも良かった
んじゃないかなーと思うんですが……。さすがにこれはちょっと(^^;
まあ、曲自体は渋くて格好良くていいですし、歌自体も悪くはないんですけど、
ちょっと雰囲気ぶちこわしな気がします。
絵の方も、すっごくよく動いてますし、やってることは格好いいんですけど、
絵は可愛らしい感じの絵で、なんだか締まりがない気もしますし。
1つ1つのパーツを見るとどれもクオリティが高いんですけど、全てが合わさる
ことによって、何とも言えないミスマッチ感の出ているオープニングですね(^^;
ちなみにこのオープニング、前半各話の最初に毎回流れます。その時は、
話の内容に合わせたナレーションが入ります。

エンディングも歌あり。2種類用意されているのですが、どちらも余韻の残る
いい曲で、ラストの雰囲気をしっとりとまとめてくれます。
たまに、どうでもいいようなシーンで挿入歌が流れたりしますからね(^^;

また、各所に挿入歌が使用され、作品を盛り上げてくれます。使いどころは
とても上手いものもあれば、なんでここで歌が流れるの? と思うものもあり。

他にも随所にアニメーションがふんだんに使用されており、静止画も常に
どこか動いているような状態です。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定はキー
ボードで可能ですが、それ以外の操作はできないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートラン搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はかなり重め。特に戦闘シーンのロードは、コンシューマゲームかと思う
ぐらいに待たされます。
スキップ動作もやや重め。

セーブ箇所は96箇所+クイックセーブ1箇所+バトルセーブ1箇所。セーブ/ロードは
随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、何話目かとシーン画像、シーンタイトルが保存
されます。
数としては、選択肢はかなり多いものの、内容は比較的判りやすいものが多く、
元々繰り返しプレイが前提の作品のため、これだけあれば大丈夫かと。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー+戦略型のシミュレーションRPG。
「魔法石(プリズム)」と呼ばれるアイテムを装備することによって、戦闘時に
様々な効果を得ることが出来、それによって敵と戦います。
各キャラクターはLP(ライフポイント)とTP(テクニックポイント)の2つのパラ
メータを持っており、LPが0になるとリタイアとなって戦闘不能になります。
魔法石によってはTPを使用して効果を現すものもあります。
魔法石は様々な条件で手に入れることが出来ます。
また、このゲームはクリアしてもレベルと魔法石を持ち越すことが出来るように
なっており、周回を重ねれば重ねるほど強くなっていきます。
さらに、条件を満たすと選択肢が増える、シナリオ追加型のシステムになって
います。周回を重ねることが前提のシステムですね。

このゲームにはプロテクトが施されており、初回起動時のみディスクチェックが
入ります。その後はディスクレス起動可能です。バックグラウンドでの動作も
可能です。
主人公の名前は「ハヤウェイ」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公がローゼンベルグ騎士養成学校に入学する所から始まります。
いろんな仲間達と勉強し、修行をしつつ、楽しい毎日を送っていきながら、
次第に戦争に関わっていき、世界の運命を左右することになる……という感じ。

前半は明るく楽しくコミカルな展開。個性豊かなキャラクター達に囲まれ、
ドタバタな毎日を繰り広げつつ、随所で戦闘を行っていく感じです。
メリハリの効いた展開で、テンポも良くサクサクと進むので楽しいです。

後半は、戦争の根幹に関わるシリアスな展開になり、戦闘の連続になったり、
緊迫感溢れるストーリーが楽しめます。

ラストは「え? そこで終わりなの?」と思うような、あっけない終わり方が
多いのがちょっとアレですが、まあ綺麗に終わっているとは思います。
謎や設定が投げっぱなしになって終わっているシナリオもありますけど。

特筆すべき点はなんと言っても演出。特に視覚的な演出はピカイチで、
CGの出し方、見せ方や、アニメーションの使い方、デフォルメキャラの使い
方など、とてもよく考えられており、非常に凝っています。
立ち絵からしてパターンがかなり多く、常にどこかが動いているような
状態で、とても見応えがあります。
……シリアスなシーンでアホ毛や耳がぴょこぴょこ動いているのはご愛敬。
# すげぇ気になります(^^;

逆に気になったのはシステムの重さ。普段もレスポンスが悪くてちょっと
イライラするのですが、何よりも酷いのは戦闘シーン。
戦闘に入るときや戦闘が終わったとき、ロードしているのか何なのか解り
ませんが、やたらめったら待たされます。
また、戦闘中もアニメーションを待たされたり、通常シーンでも各所の
アニメーションで待たされます。まあ、CTRLキーを押せば飛ばすことは
出来ますけど。
他にも、音声の再生がおかしかったり、気になる点がちらほらと。

H度は並。各ヒロイン1〜3回で、Hシーンなしのキャラもいます。
尺はそこそこ長めで、描写は並。一応2回戦の用意されているキャラもいます。
内容は基本的に純愛系のらぶらぶHですが、シチュエーションは様々で、
いろんなシーンを楽しむことは出来ます。

テキストは誤字等はそれほど気になりませんが、一部『。』が行頭に来る
ことがありました。ただ、シナリオによっては全然そういうことはなかったり
するんですけどねー。あとは、テンポ良く読みやすいテキストだと思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。日付の経過はあまり気にする必要はなく、平然と数ヶ月
経っていたりします。
ゲームは1話完結型のストーリーを次々にプレイしていくようになっています。
1話完結といっても、全体のストーリーとしては続いていますので、オムニバス
という感じではありません。

ワンプレイは15〜18時間。かなり長いです。半分ぐらいは共通シナリオなの
ですが、周回を重ねると新たなイベントが出てきたりするため、思ったほど
スキップは効かず、2周目以降も5〜8時間ぐらいはかかるので、コンプリート
しようと思ったら、かなり時間がかかります。
パッケージに「全50話」と書いてありますが、1話1時間だとしたら、全部で
50時間かかるわけで(^^;
まあ、最後の方は、1話30分程度で終わったりしますけど。
# 逆に、2時間ぐらいかかる話もあるわけですが(^^;

難易度は並。戦闘はきっちりレベルを上げて適切な魔法石を選んで装備して
いれば、ほとんどの戦闘は勝てると思いますが、一部結構厳しいバランスの
戦闘もあるので気は抜けません。
総評
お奨め度ですが、やりごたえのあるSRPGが好きな人にお奨め。
周回プレイが前提になっていて、主人公は魔法石によっていろんなタイプに
なることが出来るため、キャラクターを育てていく楽しみがあり、ゲーム性も
高いです。ストーリーもなかなか壮大で、キャラクターも多く、様々な展開が
楽しめたりと、ゲームとしてかなり完成度は高いと思います。
また、演出が非常に凝っており、音楽も多彩に用意されていて、絵も綺麗で、
非常にクオリティが高いです。
また、1周目は絶対に勝てないけど2周目なら勝てるような敵がいたり、
周回を重ねて強くなれば勝てるような敵も用意されているので、繰り返し
プレイも楽しく、最後まで楽しめるのがいいですね。

ただ、ほとんどのシナリオでストーリーの基本的な流れは同じため、最後は
似たような展開になるものが多く、ちょっとかったるく感じることも。
何より、最後が中途半端なところで終わったりもするので、ちょっともやもや
した感じがあるかも。
そして、このゲームはクリア順制御がかかっているわけですが、最後の方の
シナリオになればなるほどチープになっていってるような気がして、ちょっと
もったいないなーと思ったりもしました。

でもまあ、それを差し引いても充分楽しいですし、主人公をいろんなタイプに
育てたり、周回を重ねても戦闘は楽しめたり、良くできたゲームだと思います。

しかし、せっかくのいいゲームを、システムがめちゃくちゃ足を引っ張って
しまっている感じですね。
まず、なんと言っても重い。何をするにも待たされる感じで、特に戦闘は
PCゲームではありえないぐらいの待ち時間があり、テンポも悪くて萎え萎え。
元々プレイ時間は長いゲームなのですが、これによってさらに長くなっている
ような気がします。
一応、修正ファイルを適用すれば、一度クリアした戦闘はスキップできる
ようになるのですが、スキップすると経験値が入らなかったり、戦闘の中で
条件を満たして手に入れることの出来る魔法石が手に入れられなかったり、
戦闘と戦闘の間にあるアドベンチャーパートまで飛ばされてしまったりする
ため、あーんまりスキップすることもないですし。

他にも、修正ファイルを適用しないと問題が発生したり、適用しても音声
まわりで気になる点があったりと、システム的には結構酷いです。
これさえなければ、もっと高い評価が出来たと思えるだけに残念です。

でもまあ、ゲームとしては純粋に面白いですし、絵も綺麗で音声も抜群で
音楽も豊富で演出は凝っていてアニメーションも効果的でストーリーも
面白く戦闘も楽しめる、とてもクオリティの高い、力の入った作品で、
「大作」「力作」と呼ぶに相応しい作品だと思います。
コンプリートには時間がかかりますが、飽きずに最後までプレイすることは
出来るかと思いますし、とてもやりごたえのある作品だと思います。
クリアに時間がかかっても気にしないという人は是非どうぞ。
私の一番最初の感想は、「金と時間かかってんなぁ」でした(笑)

なお、この作品は一応「プリズム・ハート」の続編となっていて、前作を
プレイしていればより楽しめますが、プレイしていなくても特に問題は
ないかと思いますので、お奨め度はそのままで。
# 初回版には、前作も同梱されていますしね。……高いですけど。
##普通に買うなら通常版がいいでしょう。ぶっちゃけ、剣、邪魔。

ちなみに、お奨め度は 7 としていますが、システムが軽くて、プロテクトが
誤爆しなければ、間違いなくお奨め度は 8 を付けたと思います。
内容的には、そのぐらい良かったということで。

最後に。キザーロフが摂政……ヴィンセント王国も長くねーな……(笑)


以下、ネタバレなつぶやき。

このゲームをプレイして一番びっくりしたこと。それは……。
キザーロフって、結婚出来たんだ!?(笑)
# いや、単に孕ませただけという可能性(以下略)
##プリーシアの正体なんかより、よっぽどびっくりしたよ(笑)

それと、エインの話、すっごいしんみりしたのに、しんみりしたのに……
そんなオチか!(^^;
# 私の涙を返せ(^^;

あと、フィーリアエンドあったー(^^)
でも、Hシーンなかったー(T_T)

ところで、キャストが非公開なのは、コンシューマ移植を狙っているから
なのかなー、と思ったり。



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