Triptych-トリプティック- | |||
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ブランド名 | ALcot | ジャンル | アンサンブルAVG |
発売日 | 2006.04.28 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(188x264x42mm) | マニュアル | A5ブックタイプ |
DISC容量 | 1.83GB(DVD-ROM) | ||
原画 | 仁村有志、蒼魚真青 | シナリオ | JUN、ERI |
音楽 | 41曲、折倉俊則(I.L.C)、 MANYO(LITTLE WING) |
歌 | あり(4曲、OP)、真理絵、 kaya、結月そら |
音声 | フルボイス、夏野こおり、みる、佐々留美子、一色ヒカル、文月かな、楠鈴音、如月葵、 青山ゆかり、韮井叶、一条和矢、櫻井真人 |
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インタフェース | ほぼフルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 100箇所 | CG枚数 | 94枚 |
おまけ | Graphics、Music | ||
対象属性 | ファンタジー、学園物、ミステリー、ゴスロリ、黒髪、ストレートロング、リボン、 ストッキング、ボブカット、お嬢様、メイド、エプロンドレス、金髪、眼鏡っ娘、 オーバーニーソックス、ボクっ娘、ツインテール、銀髪、しましま |
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1プレイ時間 | 15〜17時間 | お奨め度 | 6 |
レビュー |
概要 |
過去の記憶を持たない主人公は、探偵まがいの仕事をやっており、依頼を受けて 島にある学園と、その中にある「鏡の塔」の調査を行っていた。その中で、3人の 少女たちと出会い、不思議な事件に巻き込まれていく。果たして事件の真相は。 主人公の運命は……という、アンサンブルAVG。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 マヤ。(CV:夏野こおり) 鏡の塔で出会った謎の少女。無口で感情表現に乏しい。 ミウ。(CV:みる) 川原で出会った少女。ややのんびりしていてちょっぴりドジ。しかし真面目で 優しく、ほんわかした雰囲気をまとっている。 ハノン。(CV:一色ヒカル) ミウと一緒に暮らしている男装の麗人。ミウに近づく主人公に対し、敵意を 持っている。短気で直情的。 レイ。(CV:文月かな) ミウと一緒に暮らしているメイド。いつも笑顔を絶やさないが、何を考えて いるのかわからない。 カレン。(CV:佐々留美子) 街で出会った明るく元気いっぱいな女の子。教会で暮らしており、一緒に 暮らしている子供たちのお姉さん的存在。思い込んだら一直線の突撃娘。 ナツキ。(CV:如月葵) 教会で暮らしている女の子。生意気で、主人公に対しては敵意を抱いている。 リオナ。(CV:楠鈴音) 教会で暮らしている女の子。ナツキの双子の姉。人見知りをする性格だが、 主人公に対しては何故かすぐに懐く。素直で優しい女の子。 絵の方は繊細で可愛らしい、ちょっと儚い雰囲気のある絵柄。 CGは丁寧に処理されていて、線の細い原画の雰囲気を活かしていると思います。 立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。目バチ・口パクもあり、会話に合わ せて切り替わるため、感情移入もしやすいです。 キャラクターはやや控えめなキャラが多め。落ち着いた雰囲気が漂います。 そんな中、カレンは弾けた感じですが。 音声はキャラクターとのマッチングもよく、演技の方も文句なし。 レイの柔らかく落ち着いたクールな感じや、カレンの元気なところはとても よく表現されていると思います(^^) そして、マヤは前半と後半のギャップがしっかり演じられていて、同じ人が 演じているとは思えないぐらいでした。 音楽はピアノをメインに使った、どこかもの悲しい雰囲気の漂う切ない曲が 多め。作品の雰囲気をしっとりと包んでくれます。 ゲームを起動すると、オープニングデモが流れます。 歌はスピード感のあるカッコイイ系の曲。流れるような旋律が心地よいです。 絵の方はシーン紹介……というか、イメージムービー的なもの。 結構良く動いていて、見応えはあります。 そして、ゲームを開始すると、導入部の後にオープニングアニメーションが 流れます。こちらはややゆったりした切ない感じの曲で、独特の雰囲気を 持っていますね。 絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介と、プロローグ的なテキストが流れ ます。動きはそれほどないですが、演出はなかなか凝っていていいですね。 さらに、プロローグが終わって、本編を開始するときに、また別のオープ ニングアニメーションが流れます。 歌はこちらもやったりとした広がりのある曲で、さわやかな印象の漂う歌 ですね。 絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものです。 さらにさらに、次のストーリーを始めるときも、別のオープニングアニメー ションが流れます。やりすぎです(^^; 要するに、各キャラクターのシナリオを始めるとき、それぞれ別のオープ ニングが用意されているんですね。凄いです。 こちらは勢いのある元気な感じの曲で、その後の激しい展開を予感させる ような歌ですね。 絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもので、特筆すべき点はなし。 |
システム |
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。ほとんどの操作はキーボードで 可能ですが、タイトルメニューやおまけメニューなど、一部のメニューは操作 出来ないようです。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートプレイ搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作はやや重め。描画が遅く、演出でもいちいち引っかかる感じです。 設定で「画面表示を素早く表示する」のチェックを入れても、そんなに早くは ならないのがちょっと。 スキップ動作は比較的高速。システムの設定で速度を指定できるのですが、 最高速度にしてもそーんなには早くならないのが残念。 なお、テキストは瞬間表示は出来ないようです。 セーブ箇所は100箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、シーンタイトルが保存されます。 数としては、選択肢はあまり多くなく、エンディングも少ないため、これだけ あれば充分だと思います。 システムは選択肢決定型のアドベンチャー。シナリオは章立てて進んでいき、 1つの章をクリアすると、次の章がプレイできるようになる、シナリオ追加型の システムになっています。 ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。 主人公の名前は「ナユタ」固定です。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは主人公が依頼を受け、学園の調査に乗り出すところから始まります。 そこでマヤと出会い、そこから不思議な事件に巻き込まれていく……という 感じです。 ストーリーは章立てて進み、3人のヒロインそれぞれシナリオが用意されて います。とはいっても、ストーリーは繋がっていますけど。 マヤ→ミウ→カレンとストーリーは進んでいきます。 ストーリーは基本的に静かで落ち着いた雰囲気で進みます。ところどころ コミカルな展開もありますが。主にカレンシナリオですけど。 # 「悪気はあったんだ。許さなくていい」……男らしい……(笑) どのシナリオも、最後はちょっと切なくもどかしい、不思議な雰囲気で 終わります。シナリオそれぞれでは基本的にストーリーは完結せず、次の シナリオへの布石になっています。 最後は全ての謎を解明してすっきり終わる感じですが、やっぱりどこか切なさ、 もの悲しさはありますし、どうしてもご都合主義な印象は残りました。 # でも、ちょっと「主人公頭いいな」と思いましたけど(笑) プレイしていて気になったのは、描写不足。全ての謎が最後に明かされる タイプのシナリオなため、プレイ途中で謎が残るのはいいのですが、 ベースとなる設定……というか、そもそも何故そこにいるのかとか、 一緒にいる理由なんかはうやむやのうちに進むため、どうにも消化不良な 印象が強かったです。 また、伏線が各所にちりばめられているのですが、かなり解りやすい伏線の 張り方のため、かなり序盤でストーリーが読めてしまう感もありました。 そして何より気になったのは、主人公のふらふら加減。 大きく3人のヒロインのストーリーがあるのですが、それぞれは独立ではなく 連続したシナリオですので、ヒロインと結ばれるということは、その前の ヒロインを裏切っているような気がして、あまりいい感じがしませんでした。 しかも、ストーリー上は前のヒロインの事も忘れていないのでなおさらです。 まあ、作品のテーマが三つの想いで、タイトルも「Triptych」ですし、仕方 ないのかも知れませんけどね……。 H度は並。ヒロインによって回数は違いますが、シーンとしては一応複数回 用意されています。まあ、本番は1回だけというキャラがほとんどですが。 ただ、各シナリオをクリア後に見られるようになる「APPENDIX」にもHシーンが あり、それも加えれば数は結構あります。 尺の方はやや短め、描写は比較的濃いめです。 内容的には純愛系のノーマルなHが多いのですが、複数人プレイがあったり、 2回戦が用意されていたりと、なかなか楽しめると思います。 テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポのいいテキストで読みやすい と思います。ただ、先述の通り、やや描写不足なのは気になりますが。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は不明。日付の経過を気にすることはほとんどありません。 ワンプレイは14〜16時間。結構長いですが、基本的に1回クリアしたら終わり ですので、トータルで考えれば普通かと。 難易度はやや高め。選択肢の数はそれほど多くないのですが、1つ間違えた だけでクリアできなくなり、また似たような選択肢ばかりで効果、正解が わかりづらく、結果がわかるのがシナリオの後半になってからで、しかも 間違った選択をしていると必要な選択肢が出なくなったりするなど、 間違いに気づきにくくなっています。なので、なかなかすんなりはクリア できないかもですね。 |
総評 |
お奨め度は、ミステリアスでファンタジックな雰囲気の、不思議ストーリーが 好きな人にお奨め。 様々な事件や謎が浮かび上がってきて、それに巻き込まれ、なんとか解決する ためにあがくストーリー展開はなかなか面白く、先が気になるシナリオで、 どんどんと読み進めていけると思います。 最後に全ての謎が解明するような構成で、クリア後はすっきりとした気分に なれますし、読み応えもあり、力のあるいいシナリオだと思います。 ただ、前述の通り、細かな設定はほったらかしにされたまま話が進んだり、 主人公が女の子をとっかえひっかえしているように見えたりと、やや感情移入 しづらいのは残念です。 # まあ、ある意味、一途とも言えるんですけど(^^; そして、ストーリーは1本道で、1度クリアしたらほぼ終了ですので、やや 物足りなさがあるかも知れません。 まあ、ミステリー作品ですから、謎がわかってしまったら終わりなので、 繰り返しプレイが必要になってくると、それはそれでつまらない気もします けど。難しいところですね。 あと、テキストが瞬間表示できないというのも、結構ストレスに感じました。 テンポ良くサクサクと進めたいシーンもありますからねー。 独特の雰囲気はうまく世界観を演出していますし、先が気になるストーリーは 面白く、キャラクターも魅力的で、なかなかいいと思いますので、雰囲気が 気に入った人は是非どうぞ。 各ストーリーに別のオープニングを用意するなど、なかなか力の入った作品だと 思います。 最後に。アンケート葉書が手書き風なのが可愛いです(笑) このゲーム、ストーリーの中身に触れると、それだけでネタバレになって しまうので、すげぇレビュー書きづらかったです(^^; まあ、ミステリー作品の宿命ではありますが……。 なので、以下に、ネタバレなつぶやきを。 冷静に考えると、ミウやあの後、平穏に暮らすなんてこと不可能でしょうから、 消えて正解だったかもですね(^^; まあ、マヤもカレンもそうなんですけど。 で、ラストはいちおーハッピーエンドなんですが……やっぱり個人的には、 マヤやミウ、カレンをみんな幸せにしてあげたかったな、と。 いや、あれで幸せなのかも知れませんけど、やっぱ切ないですよ……。 ところで、レイやハノン、ナツキにリオナって、人形の片割れなわけですが…… つまりアレですか。主人公は人形とヤッちゃったってことですか?(笑) 鏡の儀式シーンで、「鏡の向こうのみんな、オラに少しずつマナを分けてくれ!」 とか思ったのは私だけではない……と信じたい(^^; # ドラゴンボールかよ!(笑) |