ぼくの巫女は、小さな恋妹〜寵愛〜
ブランド名 覇王 ジャンル 育成AVG
発売日 2006.08.04 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(168x282x42mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 612.5MB、CD-DAなし
原画 光星 シナリオ たいらひとし、萌木一路、津久間一裕、
遊真一希、虹色林檎、ぴよみず、Tone
音楽 12曲、Y-NRG SYSTEM なし
音声 一部あり、ヒマリ、文月かな、芹園みや、小倉結衣、春奈有美、谷井あすか
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 80箇所+自動セーブ1箇所 CG枚数 102枚
おまけ CGを見る、シーン回想、BGMを聞く
対象属性 巫女さん、義妹、病弱、純愛、義姉、黒髪、ストレートロング、リボン、お兄ちゃん、
体操服、ブルマ、金髪、縦ロール、メイド服、ご主人様、ボブカット、幼馴染み、
巫女装束、眼鏡っ娘、女医、白衣、ストッキング、ボクっ娘、先輩
1プレイ時間 5〜8時間 お奨め度 6

レビュー
概要
主人公は兄嫁である義姉を愛し、関係を持っていた。しかしある日、義姉は
兄と共に事故で亡くなってしまう。傷心の主人公だが、義姉には1人の妹が
おり、心臓の病のため山奥の病院に入院していた。その病院は特殊な病院で
治療費も高く、その娘もまもなく退院できるとのことで、その娘に義姉の
面影を見た主人公は、その娘を引き取って兄妹として暮らすことを決意する。
果たして主人公達にはどんな未来が待っているのか……という、育成AVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

神無月桐子(かんなづききりこ)。(CV:春奈有美)
主人公の兄嫁。主人公とも好き合っており、兄に隠れて関係を持っている。
そのため、二人とも兄に対しては後ろめたい気持ちを持っている。
交通事故で亡くなってしまう。

北山紫音(きたやましおん)。(CV:ヒマリ)
桐子の妹。桐子がなくなったため、主人公の実家である神社に引き取られ、
一緒に暮らすことになる。心臓を患っており、入退院を繰り返す。
引っ込み思案で大人しく控えめな女の子。しかし、周りの人に迷惑をかけて
いないかと気を遣う優しい娘。裁縫や編み物は得意だが、料理は壊滅的。

藤吉香里(ふじよしかおり)。(CV:小倉結衣)
主人公の家に雇われているメイド。……神社にメイド?(^^;
あっけらかんとした性格で、どこかのほほんとしているが、家事に関しては
一流で、家のことから紫音の面倒まできっちりこなす。

神子芝葵(みこしばあおい)。(CV:文月かな)
主人公の幼馴染みで婚約者。明るくさばさばした性格。実家が神社で巫女の
勉強もしており、巫女不足の主人公の神社を頻繁に手伝ってくれる。
主人公と同じ大学に通っている。

織笠朋夜(おりかさともよ)。(CV:芹園みや)
紫音の主治医。お色気たっぷりの大人の女性。病気に関することに対しては
厳しいが、本来は優しく思いやりのある女性。

三ノ宮碧(さんのみやみどり)。(CV:春奈有美)
紫音の学校の先輩で、演劇部所属。紫音の裁縫の腕を見込み、演劇部に
勧誘してくる。主人公のことを気に入っており、ちょくちょく神社に顔を出す。

神子芝紅葉(みこしばもみじ)。(CV:谷井あすか)
葵の母親。紫音に巫女の修行をしてくれる。とても若々しく、とても葵の
母親には見えない。いたずら好きでお茶目だが、修行は厳しい。

絵の方はキャラ毎に絵柄を変えてあり、きっちり描き分けが出来ていていい
ですね。紫音の成長もちゃんと絵で表現されているのが素晴らしいです。
CGはちょっと絵によってばらつきがあるのが気になりました。葵の立ち絵
なんかは結構粗く見えますね。イベントCGはだいたい綺麗だとは思います。
立ち絵はポーズ変化はなし、表情変化はあり。ただ、服装のパターンは結構
ありますし、リボンがぴょこぴょこ動いたりします。

キャラクターは控えめな紫音、元気な葵、マイペースな香里、大人の色香な
朋夜という感じの配置。碧はやや葵とキャラ被ってる気もしますが。

音声はキャラクターとのマッチングも良く、演技の方も問題なし。
朋夜がめちゃめちゃ色っぽくてステキでした。
あと、紫音はどんどん成長するわけですが、それに合わせて演技も変化して
いるのがなかなかいいですね(^^)
淫語はテキストでは伏せ字になっていますが、音声ではそのまま発音されます。
ただ、この作品はフルボイスではなく、一部イベントのみ音声ありなのがちょっと
残念です。

音楽は和の雰囲気が漂う、静かで落ち着いた曲が多め。舞台が神社で、巫女
なんかが出てくる作品ですから、その雰囲気がよく出ていますね。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は軽快。スキップ動作も高速です。

セーブ箇所は80箇所+自動セーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とメッセージの一部が保存されます。
数としては、それほどセーブ/ロードが必要なゲームとも思えませんし、これだけ
あれば充分かと思います。ただ、ゲーム期間は長いので、マメにセーブすると
足りなくなるかもですが。

システムはスケジュール選択型のSLG+選択肢決定型のAVG。
1ヶ月単位で主人公の毎日のスケジュールを決定し、選択した行動によって
各ヒロインの親密度と、紫音の知力が上がります。紫音は体力のパラメータも
持っていて、これが低くなると病気が悪くなりますし、体力の伸びが少なくなって
しまうので注意が必要です。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「神無月ひかる(かんなづきひかる)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が紫音を引き取るところから始まります。
体の弱い紫音を気遣い、病気と闘いつつ成長していく紫音を見守っていく
というストーリー。

前半は紫音が成長していくところが描かれます。病気のために入院したり、
中学・高校と進学していき、女性として成長していくところが描かれます。
また、他のヒロインとの仲も深めていきます。

後半は、成長した紫音と生活していくところが描かれます。紫音がどんな
ふうに育ったか、他のヒロインとどんな関係を築いたかで、ストーリーが
変化していきます。

ラストは基本的にすっきり綺麗に終わりますが、上手く進めないと紫音が
死んでしまったりするので注意。かなりヘコみます。

まずプレイしていて気になったのは密度の薄さ。
年単位のゲーム期間が用意されているわけですが、起こるイベントの数は
期間に比して少なく、3ヶ月ぐらい何もイベントが起こらないまま進むことが
あったりと、ちょっとだらだらした印象がありました。
また、イベントが飛び飛びになるため、違和感もありました。付き合い始めた
というのに、1年に2回しかHしてなかったり。いきなり倦怠期かよ(笑)

また、親密度によっていきなり恋愛関係のイベントが発生するようで、今まで
そんなそぶりが全然なかったのに、突然Hシーンになだれ込んだりすることも
あって、ちょっと面食らいました。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回用意されています。香里や碧は少なめ
ですが。尺は短め、描写はそこそこ濃いめです。
内容は基本的に純愛系のHですが、シチュエーションは様々で、バリエーション
豊かです。ただ、Hシーン1つ1つはかなり短いので、今ひとつ物足りなさが
残りますが……。
あと、男性器と女性器がそれぞれ『男性』『女性』と表記されているのですが、
これはちょっと好みが分かれるところかも知れませんね。

テキストは誤字等はあまり目に付かず、テンポも良く読みやすいテキストだと
思います。まあ、イベント自体が飛び飛びでしか起こらないため、サクサク
進んでいくわけですが。
ただ、葵の名前は「御子芝」なのか「神子芝」なのかどっちですか?
# スタッフロール、母娘で姓が違っているのですが(^^;
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は8年+α。最長12年です(^^;
1ヶ月単位で毎日のスケジュールを決定し、1日ごとに進むのですが、イベントの
発生しない日はそのままさらっと流されます。

ワンプレイは5〜8時間。どういうエンディングを迎えるかでかなり変わって
きます。前半が5時間程度、後半はエンディングによってまちまち、という
感じでしょうか。紫音と最後まで一緒に暮らせば、8時間程度かと。
バッドエンドの場合、5時間もかからずに終わりますが、それは除外で。

難易度はやや高め。前半のメニュー選択によってパラメータが決まり、後半の
展開に影響します。パラメータとメニューの対応はわかりやすいので、狙った
キャラに関係するメニューを選び続けていればOKですが、イベントの発生には
ランダム性があるようで(条件に気付いていないだけ?)、全てのイベントを回収
するのは結構大変です。
また、紫音の体力には気を付けておく必要があります。知力にも気を付けて
おいた方がいいような気がします。他のキャラの親密度も関係あるっぽい?
総評
お奨め度ですが、女の子の成長をじっくり描いた作品が好きな人にお奨め。
ヒロインの紫音は最初10歳で、それを育てて行きつつ、病気とも闘うという
話になっていて、闘病生活や成長がよく描かれていますし、どういう行動を
取るかで後半の話が変わってくるため、いろんなストーリーが楽しめます。
まあ、トゥルールートは1つだけのようですけど。

どういう行動を取るかで親密度などパラメータの変化が左右され、それに
よって発生するイベントやエンディングが変わってくるため、ゲーム性は
高く、どういう行動をするか考えながらプレイできるようになっています。
ただ、やや条件が判りづらかったり、なかなか思うようにイベントが起こせ
なかったりと、ちょっと難易度も高くなっていますけど。

また、紫音は最初小学生ですが、中学生、高校生と成長していき、それが
絵や音声でも表現されているのがいいですね。
ただ、他のキャラは全然変わらないのはご愛敬ですか(笑)

反面、ゲーム期間が非常に長く、ともすれば中だるみをしてしまいかねません。
まあ、ゲーム開始時点では紫音は小学生なわけで、そのままではHシーンには
入れませんから、どうしても成長させる必要があるわけですが(笑)
しかし、イベントの密度が薄く、1ヶ月に2〜3回程度、何もイベントが発生しない
月もあったりと、ちょっと作業感が強いです。

何より、同じ行動でも内容が複数あり、それによってもパラメータの変化が
左右されるため、毎月いちいちメニューを変更しなくてはいけないため、
ちょっと面倒です。どの行動を取るかは固定することが出来るのですが、
その内容までは固定できないので、ちょっと辛いですね。このあたりまで
固定できれば良かったのですが。

やや間延びした感があり、難易度も高めでストーリーに集中しづらい感は
ありますが、紫音の成長はしっかり描かれていますし、H度も高めで、なか
なか楽しめるようになっていると思います。
雰囲気が気に入った人なら是非どうぞ。

最後に。1回も大学に行かなくても卒業できるんだ……(笑)


しかし、紫音の病気が治るところ、いくらなんでも端折りすぎじゃね?(^^;
まあ、あんまりだらだら描写されてもだれるだけですけど、いくらなんでも
ご都合主義が過ぎるような気がします(^^;

あと、巫女の修行、そんなんばっかりか(笑)



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