この青空に約束を― | |||
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ブランド名 | 戯画 | ジャンル | ハートフル学園ADV |
発売日 | 2006.03.31 | 定価 | \9,240 |
パッケージ | 紙製パッケージ(194x265x33mm) | マニュアル | B5ブックタイプ |
DISC容量 | GAME DISC : 2.15GB(DVD-ROM)、Alpha-ROM オリジナルサウンドトラック Disc1-青空- : CD-DA=616.6MB、CD-DA20トラック オリジナルサウンドトラック Disc2-約束- : CD-DA=572.0MB、CD-DA19トラック |
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原画 | ねこにゃん | シナリオ | 丸戸史明 with 企画屋 |
音楽 | 44曲、I've sound、ave;new、 C.G mix、a.k.a.dRESS(ave;new) |
歌 | あり(3曲、OP・ED・挿入歌)、 KOTOKO、大咲美和、 つぐみ寮寮生会合唱団 |
音声 | あり、河合春華、石川乃奈、篠崎双葉、草柳順子、北都南、紫苑みやび、涼宮琉那、 空野太陽、大福子、眞嶋リョウ、植木亨、三毛猫仙人、宮林康、立花伊織、秋山樹、 小林康介、小次郎、佐々木大輔、杉原茉莉、由貴恵、櫻井りな、福井信介、斉藤ミサ |
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インタフェース | ややキーボード操作可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 99箇所+オートセーブ10箇所 | CG枚数 | 124枚 |
おまけ | CGモード、音楽モード、回想モード | ||
対象属性 | 学園物、純愛、ほのぼの、ハートフル、感動、萌え、幼なじみ、金髪、ヘアバンド、 ツインテール、銀髪、ストレートロング、リボン、オーバーニーソックス、黒髪、女教師、 ボブカット、浴衣、ショートカット、体操着、ブルマ、ツンデレ |
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1プレイ時間 | 8〜10時間 | お奨め度 | 8 |
レビュー |
概要 |
本州から離れた島に暮らす主人公。島に唯一存在する学園に在籍する 主人公は、旧校舎を利用した学生寮で日々を過ごしていた。しかし、島の 産業をほぼ占める大企業が来年島から撤退することになっており、ただで さえ少ない学生が更に減り、寮からも人がいなくなるため、取り壊しが 決まっていた。高見塚学園つぐみ寮。残り少ない学園生活を、主人公達は どのように過ごしていくのか……という、ハートフル学園ADV。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 羽山海巳(はやまうみ)。(CV:石川乃奈) 主人公の幼なじみ。容姿以外全て地味で、目立つことが苦手な恥ずかしがり屋。 いつも主人公のことを大事に思っている。要領が悪く、若干ドジ。何でもないこと でもすぐに「ごめんね」と謝る。 考え方がややネガティブで、相手を沈ませる話術を展開する。 六条宮穂(ろくじょうみやほ)。(CV:草柳順子) 高見塚学園理事長代理。今年の春、新たに寮に入ってきた純粋培養のお嬢様。 ややどんくさく、不器用。 最初は素直で純粋な娘だったが、徐々に洗脳され、朱に交わって黒くなる(笑) 笑顔で罵詈雑言を言い放つ、口先女(笑) 浅倉奈緒子(あさくらなおこ)。(CV:篠崎双葉) 高見塚学園生徒会長。外面はとても良いが本当は真っ黒で傍若無人で利己 主義な、メリハリの利きすぎた性格(笑) 自分の利益にならないことにはとことん冷淡な、裏表のありすぎるとんでもない 女性。見栄っ張り。 桐島沙衣里(きりしまさえり)。(CV:紫苑みやび) つぐみ寮の寮長にして、高見塚学園の教師。とても親しみやすく、みんなから 愛され、からかわれている先生。ぐーたらでめんどくさがりやで怠け者だが、 涙もろく優しい一面も。熱血泣き虫先生(笑) 藤村静(ふじむらしず)。(CV:北都南) 主人公が保護し、寮に連れてきた女の子。そのため、主人公にはとてもよく 懐いている。無口で感情表現には乏しいが、自分の意見ははっきりしている。 おっとりのほほんとした外見だが、器用で運動神経もいい。 自由気ままで欲望に素直な女の子。二段蹴り肩車が得意技(笑) 紀子(のりこ)。(CV:大福子) 主人公のクラスメイト。……1学年1クラスしかないわけですが。 さっぱりした性格の付き合いやすい女の子。 三田村茜(みたむらあかね)。(CV:涼宮琉那) 今年になって転校してきた女の子。明るくて元気いっぱいでいつもテンション 高くて早口。無呼吸で3分以上話す(笑) ちょっとシャイで気になる男の子にろくろく話し掛けることもできない三つ編みと 眼鏡が似合う、どこにでもいる転校生。嘘(笑) 沢城凛奈(さわきりんな)。(CV:河合春華) この春に寮にやってきた女の子。気が強く、負けず嫌いで、素直になれない。 出来る限り人と関わらないよう、ツンツンして生きている。 絵の方はとても可愛らしく魅力的な絵柄。活き活きとしており、表情だけで 気持ちが読み取れるぐらいです。ただ、シーンによってやや雰囲気が違う ところも見受けられました。 CGはやや淡い色遣いで綺麗に処理されており、安定していると思います。 背景も綺麗でいいですね。 立ち絵はポーズ変化・表情変化ともあり。パターンはそれほど多い印象はない ものの、会話内容に合わせて切り替わり、とても活き活きしていて感情移入 しやすいと思います。表情が心理状態を絶妙に表していていいですね。 キャラクターはみんな結構重い設定を持っており、ストーリーもそれを活か したものになっています。キャラクターの性格自体はバラエティに富んで おり、個性豊かなキャラクター揃いです。そんな中、飛び抜けた明るさと やかましさを誇る茜萌え(^^) 音声はキャラクターとのマッチングはばっちりで、演技の方も文句なし。 かなり有名で個性的な声優さんを使っているため、キャラクターから浮いて しまわないかなーと心配していたのですが、そんなことは全くなく、ばっちり ハマっていてとても良かったです(^^) 音楽はほのぼのとした感じの澄んだ綺麗な曲が多め。作品の雰囲気を穏やかに してくれます。 ゲームを開始すると、やや長めのプロローグの後にオープニングアニメーションが 流れます。 歌はミディアムテンポながらビートの効いた曲で、力強さと広がりを感じる、 なかなかいい歌だと思います。 絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的な物。所々アニメーションが入っている ところもあるのですが、1カット1カットが短すぎてあまり楽しめません。 もうちょっとじっくり見せてくれてもいいのになー、と思いました。 第2部が始まるときもアニメーションが流れます。こちらは歌はなしで曲のみ。 絵の方はまたキャラクター紹介・シーン紹介的な物で、あんまり見所はないかも。 エンディングは特定の条件を満たした時のみ歌あり。それ以外は同じ曲の 歌無しです。ゆったりとした曲で、余韻の残るいい曲ですね。歌が入ると結構 印象変わりますが。 挿入歌もあり。ただ、ちょっと控えめすぎて、あまり印象には残らないかも。 落ち着いた静かな歌で、なかなかいい歌だとは思うのですが……。 |
システム |
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや行き先選択はキー ボードで出来ますが、細かいメニュー操作等は出来ないようです。 ただ、キーの機能割り当てはある程度自由に変更できますので、そこそこの 操作はキーボードで可能です。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。 通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600。 動作はそこそこ軽快。スキップ動作もそこそこ高速です。ただ、描画でやや 引っかかる感がありますね。 セーブ箇所は99箇所+オートセーブ10箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、シーンタイトルとシーン画像、メッセージの 一部が保存されます。 数としては、それほど選択シーンが多いわけではないですし、これだけあれば 充分かと思います。 システムは移動場所選択型のアドベンチャー。誰と会いに行くのかを選択する のみです。選択シーンでは誰がどこにいるのかが表示されるため、誰に会いに 行くのかを選ぶような感じですね。 また、条件を満たすと新たなシナリオが読めるようになる、シナリオ追加型の システムになっています。他にも、条件を満たすとエンディングが変わったり、 ゲームをプレイする時間によって、タイトルメニューの絵が変わるというのは なかなか面白いですね(^^) このゲームはAlpha-ROMによるプロテクトが施されており、初回起動時のみ ディスクチェックが入ります。それ以降はディスクレス起動可。 バックグラウンドでの動作は設定で可能です。 主人公の名前は「星野航(ほしのわたる)」固定です。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは4月になって新たな寮生やクラスメイトを迎えて新学期が始まるところ から始まります。取り壊しが決まっている寮での最後の一年を、大切な仲間達と 精一杯楽しく過ごしていく、ほのぼの青春ストーリーです。 前半から中盤にかけては、明るく楽しくコミカルな展開が続きます。個性豊かな キャラクター達が繰り広げるドタバタな毎日が面白おかしく描かれます。 ややテンション高めでギャグもちりばめられており、会話もとても楽しいです。 # やり方が正々堂々汚い生徒会(笑) 後半は、ヒロインの抱えた問題や、立ちはだかる壁を乗り越えていくという、 青春一直線な感じの展開。ややシリアスなところもありますが、それほど ドロドロ重いわけでもないので、プレイしていて嫌な感じではないと思います。 ラストはかなりご都合主義全開だったり、大胆に端折られたりしますけど、 ほのぼのとしてじんわりとくる終わり方で、プレイ後の気分は爽快です。 まず、プロローグをプレイした時点で、ちょっと震えが来ました。 すんごい感情移入しやすくて、先が気になる描き方ですね。「うわー、これは ハマるかも」と思いながらプレイしていて、第一部の最後でやられました(^^; 各ヒロインは何か設定を抱えているわけですが、それを克服していく展開に なるのは目に見えているのに、それでもぐいぐいと引き込むようなストーリーが 繰り広げられ、とても読み応えがありました。 もうこれは、キャラクターデザイン、設定の勝利、という感じですね。 こんなストーリーを持ってこられたら、感動するしかないじゃないですか。 もう、プロットの時点で成功? みたいな。 そして、どのシナリオも、サブキャラまで含めたみんながストーリーに絡んで 来るため、とても自然で広がりのあるストーリーが楽しめます。 逆に気になったのは、前半・中盤・後半でキャラの性格が微妙に違っていたり、 「生徒」と「学生」という表現の混じりがあったりとか、やや統一感に欠けている 部分が見受けられたこと、でしょうか。 特に宮穂は、前半はお嬢様扱いされるのを嫌がっていたのに、中盤ではやたら お嬢様ぶっていたりとか、そもそも性格がかなり黒く染まっていたりとか(笑)、 ちょっと掴みづらかったです。まあ、性格に関しては狙いでしょうけど。 H度はやや高め。各ヒロインとも複数回用意されており(1人除く)、尺はそこそこ 長め。描写も純愛物にしては比較的濃いめです。……平然とお尻を奪ったり、 奴隷プレイを楽しむのが純愛かどうかはやや微妙ですが……(^^; 2回戦が用意されていたり、様々なシチュエーションが用意されていたり、 結構頑張っていると思います。 雰囲気もよく出ていて、展開も比較的自然で、Hシーンの中にも萌える会話が あったりなど、なかなか良くできたHシーンだと思います。 テキストは誤字等はほとんど目に付かず、テンポも良く、とても読みやすい テキストだと思います。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲームは4月5日から始まります。 ゲーム期間はシナリオによってかなり差がありますが、半年〜1年。 イベントのあるところだけをプレイする感じですし、日付の経過も気にする 必要はありません。 ワンプレイは8〜10時間。やや長めですが、テンポ良くサクサク進むため、 全く時間を感じませんでした。 2周目以降は、スキップを使えばそこそこ短縮できます。 難易度は低め。基本的に狙ったキャラに会い続けていればOKです。 ただ、条件を満たしたときに、シナリオが追加されたり、エンディングが 変わったりするのですが、それがちょっと解りづらいかも。 |
総評 |
お奨め度ですが、ほのぼのとした純愛青春ストーリーが好きな人にお奨め。 個性豊かで、重い設定を抱えたキャラクター達が繰り広げる、明るく楽しく、 ちょっと切なくて甘酸っぱい、真っ直ぐな純愛ストーリーが楽しめます。 キャラクターはみんな活き活きとしており魅力的で、設定を活かした展開と 全てのキャラクターが絡み合って織り成すストーリーはとても自然で奥深く、 非常に感情移入しやすいです。 それほど大きな盛り上がりはないですが、まったりした中にも充分メリハリは 利いており、プレイしていて退屈になったり中だるみすることはありません でした。 ただ、ラストがやたら駆け足だったり、ご都合主義だったり、尻切れトンボで 「え? そこで終わりなの!?」と思うことが結構あったのは残念。 ストーリーのメインだと思っていたことが「なんとかした」の一言で片付け られていたのはコケました(^^; せめて、どうやってなんとかしたのかを教えてください……。 しかし、それを差し引いてもとても雰囲気が良く自然で感情移入し易い展開は 心地良くプレイできますし、キャラクターも魅力的でその設定を活かした展開は 面白いですし、演出も凝っていて最後まで飽きることなくプレイできました。 理不尽と戦い、障害を乗り越えていくという真っ直ぐな青春ストーリーは プレイしていてワクワクしましたし、どのシナリオも高いレベルでまとまって いて、非常にクオリティの高い作品だと思います。 エンディングの問題などでちょっと減点してお奨め度は 8 にしていますが、 もうあと一押しあれば間違いなく 9 を付けたであろう、限りなく 9 に近い お奨め度 8 だと思ってください。 雰囲気や設定が気に入った人なら、迷わずお奨めできる作品です。 最後に。沙衣里、あんたホントに先生か?(笑) # いちばんだらしないキャラのような気が……(^^; ##てゆーか、お笑い担当?(^^; 「茜エンドきぼー」……と書こうと思ってたんですが、茜エンドあった(^^; すげぇ、至れり尽くせりですね(笑) # いや、なんか終わり方は中途半端でしたけど(^^; |