あかね色に染まる坂
ブランド名 feng ジャンル ドラマチックツンデレ許嫁&妹AVG
発売日 2007.07.27 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(168x232x40mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 2.09GB(DVD-ROM)
原画 和泉つばす涼香
なちゅらるとん澤野明
シナリオ サイトウケンジ
音楽 27曲、景家淳、MSJ、
野中"まさ"雄一、冨田暁子
あり(2曲、OP・ED)、
橋本みゆき、ちかちゃん
音声 あり、風音、水沢光、本山美奈、みる、森谷美園、佐本二厘、真南六実、
空乃太陽、青島刃、加賀ヒカル、青山ナガレ、馬並硬太
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 136箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 100枚
おまけ CG回想、シーン回想、音楽鑑賞
対象属性 学園物、純愛、ツンデレ、お嬢様、ストッキング、ガーターベルト、エプロンドレス、
メイド服、妹、お兄ちゃん、サイドポニーテール、触角、リボン、オーバーニーソックス、
幼なじみ、ポニーテール、巨乳、巫女装束、先輩、帽子、裸エプロン、ボブカット、
眼鏡っ娘、ショートカット、アホ毛、ゴスロリ、ボクっ娘、ツインテール
1プレイ時間 10〜12時間 お奨め度 7

レビュー
概要
平凡な毎日を送っていた主人公。そんな2年生の2学期、1人の女の子が転校して
くる。主人公は転校してくる前にその女の子と出会っていたが、その出逢いは
最悪なもので、女の子との関係は悪くなっていた。しかしその女の子は、なんと
主人公の許嫁だという。関係が改善しなければ、許嫁を撤回してもいいという
約束を取り付けた主人公達。そして、ドタバタの学園生活が始まる。果たして
2人の関係はどうなるのか……という、ドラマチックツンデレ許嫁&妹AVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

片桐優姫(かたぎりゆうひ)。(CV:風音)
主人公の許嫁で、片桐財閥のお嬢様。主人公のクラスに転入してくる。
強気で勝ち気。やや人付き合いは苦手。得意技は姫ヘッドバッド。

長瀬湊(ながせみなと)。(CV:水沢光)
主人公の妹。しっかりもので家事全般をそつなくこなす。一見クールだが
可愛いものが好き。

霧生つかさ(きりゅうつかさ)。(CV:本山美奈)
主人公のクラスメイトで腐れ縁。明るく気さくに話せる女の子。シモネタOK。
新聞部で放送委員。得意技はつかさクラッシュ。

椎名観月(しいなみづき)。(CV:森谷実園)
学生会会長。学園のアイドル的存在で、ファンクラブまで出来ている。
明るく可愛らしく愛嬌のある女の子。いつもにぱにぱ笑っている。
一見ほんわかした女の子だが、結構色んな事に気が回る。

二条亜矢(にじょうあや)。(CV:真南六実)
学生会書記。無口で感情表現に乏しく存在感が薄い。眼鏡寡黙属性。

白石なごみ(しらいしなごみ)。(CV:みる)
主人公の1つ下の後輩。自称・不思議系。人の話を聞かず、自分の思ったこと
だけを押し通す。口調は丁寧だが言っていることはめちゃくちゃ。毒舌家。
めんどくさがり。片目隠し系ツンデレヒロイン(笑)
もしくは、霊能お茶目魔法少女片目系ヒロイン。なごみストレート(笑)

絵の方は可愛らしく活き活きとした絵柄。比較的すっきりとしていて、
健康的な魅力という感じです。原画家さんが複数いますが、それほど絵柄は
かけ離れておらず、全く気にならないレベルでした。
CGは丁寧に処理されており、見応え充分です。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話に合わせてコロコロ切り替わり、
アクションも大きいため、感情移入はしやすいかと。ただ、一部若干感情と表情が
食い違っているように思えることもありましたが、まあ許容範囲。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。ツンデレから不思議系、寡黙属性まで
いろんな属性を持ったキャラクターが揃っています。メインの2人よりも、
まわりのヒロイン達の方が強烈な個性を持っているような気が。
なごみがいい味出し過ぎです。観月先輩もかなり好きですが。
# つかさの扱いのひどさはちょっと泣けました(^^;

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題ありません。
一部テキストと音声でニュアンスが違うように感じることもありましたが、
音声の方が自然に入ってくる感じで、声優さんが解りやすいようにアレンジ
しつつ読んだのかな? と思えることも。

音楽はほのぼのとした曲が多め。学園生活を明るく演出してくれるような
感じです。もちろん、緊迫したシーンでは激しい曲や静香に張り詰めた曲が
流れたり、切ない曲なんかもあって、シーンを盛り上げてくれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
また、各話の最初にも流れます。
歌はポップで爽やかな聴き心地のいい歌。何度も聴くことになるのですが、
飽きの来ない綺麗な歌だと思います。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特に気になる点はないの
ですが、最後までずっと同じ絵なので、こちらはちょっと飽きるかも。

エンディングも歌あり。こちらもアップテンポで力強い、ラストの雰囲気を
爽やかに感じることの出来る、なかなかいい歌だと思います。
……唐突なエンドを、この歌で誤魔化されることもしばしば(^^;
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、一部
メニュー内の操作はキーボードで可能です。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はそこそこ高速です。

セーブ箇所は136箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と話数、章タイトルが保存されます。
数としては、それほど選択肢は多くなく、効果も比較的解りやすいため、これ
だけあれば充分でしょう。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。各話の最後にザッピング的なものが
ありますが、これも誰の話を見るか選択する形になっています。
また、条件を満たすと選択肢が追加される、シナリオ追加型のシステムになって
います。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「長瀬準一(ながせじゅんいち)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が優姫と出会い、そして優姫が転校してくるところから始まり
ます。最悪な出逢いをした許嫁同士が、学園生活の中で徐々に関係を変えて
いく……という、真っ直ぐな学園純愛物です。

前半は主人公の周りの人達との関係を描きつつ、優姫が学園に溶け込んでいく
ところを描いたドタバタな展開。
優姫はお嬢様で、主人公との許嫁関係を快く思わない人達からの嫌がらせ等も
あったりしつつ、それほどドロドロはせずコミカルに進んでいきます。
というか、基本的にはギャグやパロディが多めで、明るく楽しい感じです。

中盤は、その主人公と優姫との関係に対する嫌がらせが前面に押し出される
ような感じで、様々な困難を乗り越えていくという展開。
結構ハードな展開があったりしますが、あっさりすんなり乗り越えてしまったり
するので、そんなにキツくはないかと。

後半は、ヒロイン達の抱えた問題や障害を乗り越えて、結ばれるという展開。
むしろ、結ばれてから障害を乗り越えていく、という感じですね。

ラストはやや駆け足で強引でご都合主義ながらも、まあすっきり終わってくれ
ますので、プレイ後の気分は爽快かと。ただ、ちょっと謎が残ったりします
ので、完全にすっきりというわけではありませんが。

まず特筆すべきはゲームの構成。
前半は、各話の冒頭でその章のメインとなる出来事が描かれ、その後、そこに
いたるまでの展開を描くという、ちょっと変わった作りになっています。
そして最後は、その時各ヒロインはどういう行動をしていたのか、何を思って
いたのかを、ヒロイン視点で見ることが出来るようになっています。

そして、個別ルートに入っても、他のヒロイン達がストーリーにうまく絡んで
きて、とても自然で、しかもみんなで問題に立ち向かっていくといった友情や
絆がよく描かれていて、なかなか良かったです。

また、主人公は妹の湊と一緒に暮らしており、そこに優姫が許嫁としてやって
くる形になるので、どちらかを選べばどちらかとの関係が壊れるといった
葛藤もあったりと、心情描写もなかなか丁寧に描かれていると思います。

1つ気になったのは次回予告。各話の最後に次回予告があるのですが、これが
音声だけでテキストは出ず、クリックしないと先に進まないところがあり、でも
クリックするタイミングは表示されず、途中でクリックしてしまうとその音声は
飛ばされてしまうなど、ちょっと不便に感じました。一応、バックログでテキスト
でなら確認出来るようにはなっていますけど、次回予告はクリックなしで最後まで
流しても良かったんじゃないですかねぇ。

H度は並。各ヒロインとも複数回(3回+α)用意されています。尺の方はシーンに
よってまちまちですが、やや短め。描写の方は比較的ライトです。
基本的に純愛ラブラブ系のHがほとんどで、会話が多めの、気持ちを確認しあう
ような内容になっています。

テキストはちらほら誤字等は見受けられますが、まあそれほど致命的なものは
ないかと思います。前夜祭の次回予告、テロップ間違ってますけどね(^^;
プレイ時間・難易度
ゲームは章立てて進みます。
ゲーム期間は半年? 日付の経過は明示されず、ぽんぽん飛びますので、あまり
気にする必要はないでしょう。

ワンプレイは10〜12時間。やや長めですが、章立てて進む上、1話は30分程度で
区切りよく話が進められるので、プレイはしやすかったです。
また、共通部分がかなり多いため(7割ぐらい?)、2周目以降はスキップを使えば
かなり短縮出来るかと思います。

難易度は低め。基本的に狙ったヒロイン寄りの選択をしていればOKです。
ただ、一部若干引っかけ的な選択肢がありますが、まあ判定はそんなにシビア
ではないようですので、大丈夫でしょう。
総評
お奨め度ですが、ちょっと陰謀の臭いが漂う学園純愛ストーリーが好きな人に
お奨め。……陰謀の臭いが漂うとか言うと物騒ですが、主人公と優姫の許嫁と
いう関係を快く思わない人達の妨害や、それに関わる大人の事情なんかが出て
くるだけではありますが。……でも、冷静に考えたら、国を左右するぐらいの
大事になってたような気がするのですが、すんごいさらっと流されましたね(^^;

各キャラの気持ちがよく描かれていて、特に優姫と湊の主人公に対する気持ちは
きっちりと描かれているため、感情移入はしやすく、話の流れも自然で、読み
やすかったです。
まあ、話の展開が王道で、情報も各所にちりばめられているため、別の意味でも
読みやすいんですけど(^^;

ストーリーが章立てて進むためテンポが良く、主人公のテンションがやや高めで
ギャグやパロディもちりばめられており、メリハリも効いていてプレイはしやす
かったです。
まあ、シリアスなシーンに、ギャグっぽいセリフが入るのは、人によっては
気になるかも知れませんけど。
また、主人公が結構落ち着き払っていて、めちゃめちゃヤバいシーンでも平然と
演技していたり、プレイヤーが頭に来ているのに主人公はいやに冷静だったりと、
若干温度差があるように感じることがありました。

あと、かなり後半まで共通シナリオが続き、個別ルートに入ってからは展開が
かなり駆け足で、ご都合主義と力業で無理矢理終わらせているような感じで、
ちょっと最後が尻切れトンボになっていたのは残念です。
まあ、一応ちゃんとまとまってはいるんですが、色んなものをほったらかしに
したまま終わっているような感じで。

でもまあ、全体的に丁寧に作られていると思いますし、ヒロイン達はみんな
魅力的で、心情描写も自然で入りやすく、各キャラクター達との繋がりも感じ
られる、よくまとまった作品だと思います。
ちょっと生成緒が弱めでキャラ重視な感はありますが、雰囲気が気に入った人は
是非どうぞ。

なお、この作品には前作の「青空の見える丘」のキャラクターが唐突に登場
しますので、前作をプレイしていればにやりと出来るかと思います。
……というか、何のために出てきたのか、全く意味不明なんですが(^^;

最後に。選択肢で「上から来るぞ!」と「下から来るぞ!」があったら、迷わず
上からを選びますよね? 普通。
# いや、まあ、どうでもいいんですけど(^^;


観月先輩のベースには、田村ゆかりさんのイメージがあるような気がして
ならないのですが(^^;
なごみはかないみかさんっぽいですけど。



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