お嬢様の為に鐘は鳴る
ブランド名 あてゅ・わぁくす ジャンル 新感覚執事AVG
発売日 2007.09.28 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(152x227x44mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 2.52GB(DVD-ROM)
あるじなるサウンドトラック : CD-DA=525.6MB、CD-DA81トラック
原画 天河慊人 シナリオ 玉城琴也
音楽 18曲、ミリオンバンブー
歌恋、ロドリゲスのぶ
あり(2曲、OP・ED)、歌恋、
みゅうか(内山美裕・辻優香)
音声 主人公以外の全キャラクターフルボイス、香澄りょう水純なな歩奥山歩瑠月未来
MI-KO、比留間京之介、渡会ななせ、フレバリーティ、古崎杏、竹田彬夫、永倉仁八
滝沢アツヤ、吉月昴一、クボタハルカ、原田友貴
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 60箇所 CG枚数 84枚
おまけ CG MODE、音楽MODE、回想MODE、声優コメント
対象属性 学園物、純愛、執事、ラブコメ、ドタバタ、ギャグ、パロディ、コメディ、エプロンドレス、
メイド服、ボクっ娘、赤髪、ツインテール、ドリル、しましま、ツンデレ、着物、和服、
お嬢様、黒髪、ストレートロング、ご主人様、ロボット、天然ボケ
1プレイ時間 6〜8時間 お奨め度 8

レビュー
概要
平凡な毎日を送っていた主人公はある日、謎の2人組に連れられて、とある学園に
やってくる。そこは私立鳳翼学園。執事やメイドなど、主に従事する者を育てる
学園だという。知らないうちに両親がこの学園に編入手続きを行い、立派な執事に
なって帰ってこいと言われる。突然のことに戸惑う主人公。果たして主人公は、
立派な執事になることが出来るのか……という、執事とメイドとお嬢様学園AVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

芥葉鞠音(あくたばまりね)。(CV:水純なな歩)
学園の従事科に在籍するメイドさん。伝説のメイドと言われている。
おっとりのほほんとした優しい女性だが、非常に有能で、仕事は正確に
てきぱきとこなす。

疾瀬凜(はやせりん)。(CV:香澄りょう)
主人公のルームメイトである執事候補生。従事科に在籍。無愛想で潔癖症。
部屋の真ん中にカーテンを引き、主人公と生活空間を分けるほど。
成績は優秀。小食だが、チーズケーキには目がない。

天王寺レイカ(てんのうじれいか)。(CV:奥山歩)
天王寺グループのお嬢様。学園の上級科に在籍する。生意気で高飛車だが、
人を見る目はあり、案外優しい一面も持っている。でも、基本的には気が強い。
ドリルヘアーがトレードマーク。

亀梨るるみ(かめなしるるみ)。(CV:渡会ななせ)
学園の従事科に在籍し、主人公のクラスメイト。疾瀬とは昔からの友達。
いつも明るく元気で、おしゃべり大好き。
鳳翼のニュースサイト、絶体絶命の拡声器、闊歩する情報漏洩(笑)
78のメイド技のひとつ、メイドイヤーが使える。マヨネーズ大好き。
部屋の掃除と、つっまんねぇーバラエティ番組と、無視されることが嫌い。

藤堂彩姫(とうどうあやめ)。(CV:瑠月未来)
学園の上級科に在籍する、藤堂グループのお嬢様。いつも執事の守崎が
そばに控えている。やたらマニアックでひたすらマイペース。マンガなどで
仕入れた知識をすぐに実行に移す。

ウラヌス。(CV:フレバリーティ)
天王寺グループが生み出した、最新鋭メイドロボットのクマのぬいぐるみ。
即座に「クマ」に改名させられた。人懐っこく、誰とでも明るく接する。
低油圧で朝が弱い。……いや、油圧上げてもらえよ。

スズ。(CV:???)
深夜の学園で出会ったメイドさん。バレバレとか言うの禁止。

絵の方はすっきりとした、それでいて活き活きとした絵柄で、とても魅力的だと
思います。CGは明るい発色ではっきりとした判りやすい塗りになっていて、
綺麗で丁寧で見応え充分です。
原画は結構繊細なんですが、それをきっちり活かしてあっていいですね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。会話に合わせてコロコロ切り替わり、
アクションも大きくて見ていて楽しいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。大きく従事科と上級科に分かれていて、
立場が違ってきます。基本的に明るく元気なキャラが多めで、会話がとても
楽しいです。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
特に疾瀬は、いろんなタイプの演じ分けがきっちりされていて、とても聞き応えが
ありました。ブラボー。

音楽は軽快なテンポのコミカルな曲が多め。作品の雰囲気を明るくしてくれる
感じで、なかなかいいですね。聴いていて楽しいです。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はポップで聴きやすく、素直な歌い方に好感が持てます。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、構図や演出が結構
凝っていて、なかなか見応えがありました。

エンディングも歌あり。歌は明るく楽しい雰囲気の曲で、ちょっとラストの
雰囲気とは合っていない気もしますが、まあ可愛らしい歌で合いの手なんかも
入って楽しいですし、こういうのもありかな、と。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定などは
キーボードで可能ですが、バックログやセーブ/ロードのページ切り替えなど、
細かい操作はキーボードではできないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。
次の選択肢にジャンプしたり、1つ前の選択肢に戻ったりすることも出来ます。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。描画のエフェクトでちょっと待たされたりします。
画面効果をOFF出来ないのがちょって……。
スキップ動作はそこそこ高速。

セーブ箇所は60箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とメッセージの一部が保存されます。
数としては、選択肢はそれほど多くなく、効果も比較的解りやすいので、これだけ
あれば大丈夫でしょう。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作はオプションで可能です。
主人公の名前は可変です。初期値は「立花一也」で、名字は変更不可です。
初期状態では呼びかけは音声付きですが、変更すると無音になります。

インストールの時に「デモを再生する」にチェックを入れると、インストール中
クマがずっと踊ってます。すごい無駄な労力(笑)
# でも、こういうの大好きです(^^)
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が鳳翼学園に連れてこられるところから始まります。いきなりの
ことに戸惑いつつ、両親の策略にはまらないためにも、立派な執事を目指して
頑張る……という話。

……えーっと、出だしが、あからさまに某執事アニメを意識しているとしか思え
ないんですが……(^^;
# ナレーションが反則過ぎます(^^;
##そして、「バトラーフィーバーJ」に噴いた(笑)

前半は、突然執事になれと言われて戸惑いつつ、いろんな人と出会っていく、
ドタバタでコミカルな展開。
とてもテンポ良く進み、各所にパロディや小ネタがちりばめられていて、それが
地味に面白いです。あんまりあからさまに狙い澄ました感じじゃなくて、不意に
ぽんっと出てくるので、結構にやりと出来ました。
結構私の好みとかツボに入るネタも多かったです。
# 「割と前向きに検討させてもらいます」「直訳すると『期待するな』ですね」
# 「意訳すると『待っていてくれ、マイハニー』ですね」(笑)

後半は、各ヒロインが抱えた問題を乗り越えつつ、立派な執事を目指したり、
主候補といい関係を築いていくという感じ。
ちょこちょこシリアスな展開もありますが、そんなにドロドロするわけではなく、
結構あっさりと終わったりしますので、それんなにキツくはないかと。
むしろ、すっきり綺麗に解決してくれるので、気持ちいいぐらいです。

ラストは予想通りというか、お約束な展開満載ではありますが、綺麗にまとめて
くれますし、安心してプレイできました。

まず特筆すべきは、キャラクター同士の関係。学園は従事科と上級科にはっきり
分かれていて、上下関係もあるわけですが、そういうのを乗り越えた絆が良く
描かれていて、プレイしていてほのぼのと出来ました。
また、個別ルートに入っても各ヒロインが話しに絡んできたり、とても自然に
ストーリーに入っていけました。

気になった点というのはそんなにないんですが、タイトルにもなっている「鐘」の
扱いがちょっと弱いとか、あとは主人公鈍感過ぎとか、そのぐらいでしょうか。
まあ、鈍感なのはお約束ですしね(^^;
あとは、ライバル校の白羊学園の黒服が、主人公を狙ってくる理由なんかは
やや弱いかな? という感じはありましたが。

H度は並。各ヒロインとも複数回(3回)用意されており、尺の方はそこそこ。
描写はややあっさりめです。
基本的に純愛系のラブラブHで、会話が多めの、気持ちを確かめ合うような
シーンが多いですね。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良く、読みやすいテキスト
だと思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。一応日付の経過は表示されますが、「数日後」なんていう
のがしょっちゅうありますし、意識する必要はないかと。

ワンプレイは6〜8時間。とてもテンポ良く進むので、全然長さを感じません
でした。前半部分は結構共通部もありますが、大きく3つに分岐して、その後
さらに個別ルートに分岐するような形になっており、全てのルートをプレイ
すると、結構時間はかかります。

難易度は並。基本的に狙ったヒロインよりの選択をしていればOKです。
直接そのヒロインの選択肢じゃないけど影響する場合もあるんですが、まあ
どう影響するかはゲーム中でわかりますし、大丈夫でしょう。
総評
お奨め度ですが、ちょっとコミカルでドタバタなラブコメ調の純愛ストーリーが
好きな人にお奨め。舞台となる学園はちょっと変わってますが、基本的に普通の
学園ラブコメといった感じです。
まあ、金持ちが多いので、ちょっとスケールはデカいですが。

キャラクターもみんな個性的で活き活きとしていますし、いたるところに
ギャグやパロディがちりばめられていて、それがあんまりあざとさを感じない
絶妙なバランスで配置されていますし、テンポも良く、感情移入もしやすくて、
とてもプレイしやすかったです。
大きい山はあんまりないんですけど、小さい山が連続して起こるような感じ
ですので、中だるみせず、最後まで楽しんでプレイできました。

これといった欠点も見あたらず、よくまとまっていて、なかなかよく出来た
作品だと思います。まあ、特に突き抜けた点もなく、すっごい感動できるとか、
大笑いできるとか、そういうことはあんまりなくて、インパクトはやや弱いかも
知れませんが、何も考えず、安心してプレイできるかと思います。
ノリが気に入った人は是非どうぞ。
ただ、あんまり「執事」に期待すると、肩すかしかも。

最後に。よーするに、「疾瀬のごとく!」と言いたいわけですね?(笑)
# これをきっかけに、ここまでのゲームを作れるのはある意味凄いです(^^;


「ダンスを成功させる為、俺に足りない物、
 それは情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!
 そして何よりも―――疾瀬が足りない!」……やりすぎ(^^;
# すみません。3秒では読めませんでした(^^;



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