ひとゆめ
ブランド名 StarLink ジャンル 学園恋愛アドベンチャー
発売日 2006.04.27 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(185x260x27mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 1.36GB(DVD-ROM)
原画 まっぴーらっく. シナリオ 騎西ソアラ、神堂劾橘ぱん
衆堂ジョオ、黒崎智美
音楽 17曲、milktub
藤田淳平Elements Garden
あり(3曲、OP・ED・挿入歌)、橋本みゆき
音声 あり、成瀬未亜、安玖深音、青山ゆかり、金田まひる、三園あすか、
櫻井ありす蓮香、本山美奈、緒田マリ、金山業、坂本正吾、永倉仁八
平山丈史、伊藤瞳子、田中公二、ひろにー
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 93枚
おまけ Picture、Sound、Scene
対象属性 学園物、純愛、幼なじみ、ショートカット、後輩、金髪、ツインテール、着物、和服、
委員長、ボブカット、ヘアバンド、エプロンドレス、メイド服、ウェイトレス、女教師、
巫女さん、巫女装束、お下げ、黒髪、ストレートロング、オーバーニーソックス、浴衣
1プレイ時間 10〜12時間 お奨め度 6

レビュー
概要
ごく普通の学園生活を送っていた主人公。ある日、学園の木の上で見知らぬ
少女を見かけ、カメラに収めていた。その少女は主人公のクラスに転校して
くる。そして物語が動き出す……という、学園恋愛アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

榊原美玖(さかきばらみく)。(CV:安玖深音)
主人公の隣の家に住んでいる幼なじみ。やや内気だが、主人公に対しては
遠慮無く接してくる。絵を描くのが好きだが、最近は彩色まではしなくなって
いる。どんな料理もカレー味にする特技を持つ。

高瀬川ヒカル(たかせがわひかる)。(CV:蓮香)
高瀬川写真館の看板娘で、主人公の後輩。独特の軽い口調で話す。
マヨネーズ好き。マイマヨネーズを持ち歩く。

梢有音(こずえありーな)。(CV:青山ゆかり)
学園の先輩で、学生会長のお嬢様。茶道部所属。物腰柔らかく落ち着いた
大人の女性。懐が深く、味覚の幅も広い。

高寺茉莉(たかでらまり)。(CV:金田まひる)
主人公のクラスの委員長。しっかり者でハキハキとした女の子。主人公に
対してはいつも突っかかってくる。ちびっこなのを気にしている。

真金灯子(まかねとうこ)。(CV:櫻井ありす)
主人公の親友・健治の妹で、自然科学部の後輩。いつも明るく元気で、
誰とでもすぐにうち解ける。動物のことに詳しく、いろんなペットを飼う。
ヒカルの親友。真金軟膏の継承者。一子相伝らしい(^^;

道上佐和子(みちがみさわこ)。(CV:本山美奈)
主人公のクラスの担任で、自然科学部の顧問。プラモデル好き。
自主性を重んじるという名目の放任主義だが、面白そうなことには首を
突っ込む。聖果の面倒を見ている。

比企瑞樹(ひきみずき)。(CV:三園あすか)
比山神社の巫女さん。茉莉の親友で、猫好き。身体が弱く、いつも保健室で
寝ているため、保健室の主と呼ばれる。朝は極めて弱い。
無口で控えめ。にぼし好き。

榊原唯(さかきばらゆい)。(CV:安玖深音)
美玖の母親。おばさんと言われると締められる。
娘にまで「唯さん」と呼ばせている(^^;

秦聖果(はたせいか)。(CV:成瀬未亜)
主人公のクラスに転校してきた女の子。古風な独特の話し方をする。
世間知らずで好奇心旺盛なお子様。主人公のことを気に入っており、いつも
一緒に行動しようとする。何をするにも主人公にお伺いを立てるという
自分ルールを持っている。

笛吹しのぶ(うすいしのぶ)。(CV:緒田マリ)
主人公の隣のクラスの担任で、国語教師。茶道部顧問。
佐和子とはライバル関係で、定期的にバトルを行っているが、全敗中。
チョーク投げが得意。
教育熱心で真面目な先生。真面目な先生が学園内でバトルすんな(^^;

絵の方はとても可愛らしく活き活きとした絵柄。ほんわかとした柔らかい
雰囲気の漂う絵柄で、見ていてほのぼのします。
CGはアニメ調のコントラストの強い塗りになっており、綺麗に丁寧に処理
されており、見応え充分です。
背景もとても綺麗で鮮やかでいいですね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。表情豊かでアクションも大きく、
会話に合わせてコロコロ切り替わるので、見ていてとても楽しいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。傍若無人な聖果を筆頭に、いろんな
タイプのキャラクターが揃っていて、ドタバタな展開が楽しめます。
キャラクター付けが独特で、非常にわかりやすいです。
娘にまで「唯さん」と呼ばせる唯さんはやりすぎです(^^;

音声はキャラクターとのマッチングはばっちりで、演技の方も問題なし。
ただ、しのぶだけはみょーに薄っぺらい印象がありました。なんだか声だけ
浮いていて、キャラクターの声として聞こえないというか。
また、音量のバランスがキャラによってまちまちで、ちょっと勿体ないなーと
思いました。

音楽はほのぼのとした雰囲気の曲が多め。作品の雰囲気を明るくコミカルに
包んでくれるような感じです。もちろん、静かなしっとりした曲なんかも用意
されています。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はポップで爽やかな歌で、とても聴き心地が良くていいですね。
絵の方はヘタなテレビアニメなんかよりも動いていると思えるぐらい、活き活き
していていいですね。歌ともよく合っていて、とても爽やかな雰囲気です。
それだけ動いているにも関わらず、絵は本編の絵からそれほど崩れておらず、
とても完成度の高いオープニングだと思います。
……ただ、歌の音量小さすぎ。BGMか音声か、どっちかに合わせて下さいよ……。

エンディングも歌あり。しっとりした中にも力強さのある、広がりのある心に
染み入ってくるような歌で、ラストの余韻も味わえる、なかなかいい歌ですね。

挿入歌もあり。なかなか格好いい歌なんですが、ちょっと演奏と歌のバランスが
悪いように感じました。使いどころも微妙というか、シーンと歌があまり合って
いないような気が。「そんなシーンに使わなくても……」と思ったり。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りと選択肢決定、バック
ログはキーボードで操作できるようですが、それ以外のメニュー操作等はキー
ボードでは出来ないようで。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。主に描画で待たされるんですが、画面効果をOFFにしても
フェード処理は残るようで、あーんまり改善されませんね。
スキップ動作はそこそこ高速。
なお、画面下にメニューボタンがあるんですが、その反応が悪いのがちょっと
気になりました。セーブしようと思ってボタンを押すと、セーブ画面に入らず
メッセージが1つ進んでいるということがしばしば。

セーブ箇所は50箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とゲーム内日付が保存されます。
数としては、それほど選択肢が多くないため、これだけあればまあ足りるかと。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「三岳隆一(みたけりゅういち)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公のクラスに聖果が転校してくるところから始まります。
ドタバタな毎日の中で、ヒロイン達との距離が近づいていく……という、
王道の学園恋愛ストーリーです。

前半はキャラクター達が徐々に主人公の元に集まってきて、みんなで一緒に
行動するようになっていく、出会いと日常が描かれています。
個性豊かなキャラクター揃いのため、会話は非常に楽しく、ドタバタな毎日が
描かれています。

後半は、ヒロイン達の抱えた問題などと向き合うシリアスな展開。
キャラクターによっては、かなり突拍子もない、ファンタジーな展開になったり
もします。

ラストは結構力業で強引なご都合主義全開の終わり方が多いですが、すっきり
綺麗には終わってくれるので、プレイ後の気分は爽快です。

特筆すべきはキャラクター達の描き方。かなり多くのキャラクターが一緒に
行動することが多いのですが、それぞれのキャラクターをきっちりと描いて
あって、あまり偏りがないため、感情移入しやすく、自然に入り込みやすい
と思います。
また、個別ルートに入っても他のキャラクターもしっかり話に絡んで来るのも
いいですね。
ただ、どのキャラクターもまんべんなく描写されるため、サブキャラも結構
いい味を出していて感情移入できるので、エンディングがないのはちょっと
寂しく感じることも。
それと、シナリオによって、各キャラクターの思いの重みが違うというか、
「そこでそんな意地張らなくても……」と思うこともしばしば。
# 有音先輩は、それで激しくポイントを落としている気がします……。

他に気になったのは、キャラクターの個性の出し方。個性的なキャラクターが
多いわけですが、その個性を強調するためか、くどいぐらいに同じ事を何度も
描写されているのがちょっと気になりました。
たとえば美玖の「ごーだよ、ごー」とか、聖果の「入ってもよいのか?」とか、
唯さんの「唯さん」強要とか。有音先輩の正座とかもそうかしら。
ちょっと、あまりに何度も同じようなシーンが出てくるので、さすがにプレイ
していてうんざりしました。

あと、結構特殊な設定を持ったキャラクターが多くて、それらが伏線として
序盤からほのめかされているのですが……あからさますぎ(^^;
もう、もはや伏線というレベルじゃなく、バレバレなキーワードが出てくる
ため、その後の展開が容易に予想できてしまうことも。
もう少し、情報は小出しにしてもいいと思うのですが……。

H度は並。各ヒロインとも複数回(2回)用意されています。尺の方はやや短め、
描写の方はそこそこ濃いめです。2回戦も用意されていたりします。
内容的にはごく普通の純愛的なシーンが多いのですが、設定が突飛なため
背景を考えるとなかなか独特の雰囲気が漂うことも。
どちらかというと、気持ちを前面に出したシーンという感じです。

テキストは誤字等はそれほど気にならず、テンポも良く読みやすいテキスト
だと思います。
プレイ時間・難易度
ゲームは8/31から始まります。
ゲーム期間は1ヶ月弱。基本的に1日ずつ進みます。最後は盛大に飛んだりは
しますけど。

ワンプレイは10〜12時間。結構長く感じましたが、前半は共通部が多く、個別
ルートに入っても結構共通イベントがあったりするので、2周目以降はスキップを
使えばかなり短縮できるかと。

難易度は低め。基本的には狙ったキャラ寄りの選択をしていればOKです。
総評
お奨め度ですが、ちょっぴり不思議な学園恋愛物が好きな人にお奨め。
ヒロインのうち半分ぐらいはかなり突飛な設定を持っていて、ファンタジーと
いうか伝奇的な雰囲気のシナリオになったりします。
そのため、ちょっと置いて行かれたような気持ちになることも。
まあ、前半のかなり早い段階からバレバレの伏線がありますので、突然変な
設定がわいてくる、という印象はあまりありませんけど。
むしろ、「やっぱりか」と思うことが多々(^^;

キャラクターはとても個性的で活き活きとしていて魅力的なのですが、描き方が
ちょっと極端なので、人によってはウザく感じるかも知れませんね。
また、特異な設定を持ったキャラも、どうしてそうなったのかという説明が
かなり端折られていたり、細かいところが気になる人は、結構気持ち悪く感じる
かも知れません。
また、イベントの取っ掛かりは描写されるのですが、その後どうなったのかが
放置されることが結構あるので、それも気持ち悪さを助長している気がします。

でもまあ、前半の明るく楽しい雰囲気はとてもよく出ていると思いますし、
後半もシリアスながらそれほどドロドロせず、ちょっぴり不思議な雰囲気の
シナリオもあったと、なかなか幅広く楽しめていいと思います。
キャラクターの描き方等、ちょっとクセがあって好みが分かれるかも知れま
せんが、絵や演出はとても綺麗で凝っていて活き活きしていると思いますし、
絵柄や雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。

最後に。にぼしの風味が広がるケーキ……(笑)
# それにマヨネーズは合うのか!?(^^;


瑞樹がネコと普通に会話しているのを、当たり前のように受け入れている
主人公達がステキです(笑)

ところで、主人公の家の玄関に置いてある自転車、荷台が付いてないように
思うんですが……荷台に人乗せて走るの、無理じゃないかな?(^^;
あ、もしかして、別に自転車あるのかしら。そういえば、玄関に置いてある
自転車はドロップハンドルで、自転車に乗ってる絵では普通のお買い物自転車
通称ママチャリっぽいですね。

あと、主人公達は真美を探しに行ったわけですが、その後聖果絡みのイベントが
あって次のシーンになるんですけど……真美、ほったらかしですか?(笑)



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