恋する乙女と守護の楯
ブランド名 Axl. ジャンル AVG
発売日 2007.06.29 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(167x231x41mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 3.17GB(DVD-ROM)
原画 瀬之本久史 シナリオ 長谷川藍
音楽 27曲、PELVISMUSIC Inc.、iyuna あり(4曲、OP・ED)、Rita
真理絵茶太、iyuna
音声 あり、青山ゆかり、風音、北都南、松田理沙、如月葵、
茶谷やすら、このかなみ、一色ヒカル、先割れスプーン、岡崎優、
かのこ、林ひな子、フィールド花子、町田あみ、木☆まこと、ナイルはるえ、吉田はるか、
奈良鹿子、ダイナマイト関東、メイルサン、向前あおい、ハイセル=エイシーエ
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 230枚
おまけ Picture、Music、Memory
対象属性 学園物、女装物、金髪、ショートカット、ツンデレ、お嬢様、オーバ−ニーソックス、
ヘアバンド、青髪、ボブカット、シスター、女教師、ストレートロング、ストッキング、
リボン、ツインテール、緑髪、ボクっ娘
1プレイ時間 10〜12時間 お奨め度 7

レビュー
概要
主人公は警備会社アイギスに勤める新人エージェント。ある日主人公に
新たな要人警護の任務が下る。その任務とは、女子校に学生として潜入し、
2人の要人を護衛するというものだった。小柄で中性的な顔立ちをしている
主人公だが、男性。しかも女性に対する免疫がなく苦手にしている主人公は
断ろうとするも、任務だからと押し切られてしまう。かくして、女装をして
「山田妙子」としての学生生活が始まる……という、学園護衛アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

春日崎雪乃(かすがざきゆきの)。(CV:青山ゆかり)
私立セント・テレジア学院三年生。学生会(撫子会)会長。責任感が強く面倒見が
よく、全学生の憧れの的だが、やや高飛車で高圧的なお嬢様。

椿原蓮(つばきはられん)。(CV:風音)
主人公のクラスメイトで副会長。男っぽくさっぱりとした性格で、勉強は
ダメだがスポーツ万能。正義感が強く、不正が大嫌い。

シスター・リディア。(CV:一色ヒカル)
教会から学園に派遣されてきたシスター。優しく包み込むような大人の女性。
でも、結構お茶目で大食い(笑)

星野麗美(ほしのうるみ)。(CV:このかなみ)
主人公の担任で、国語教師。子供っぽく純真で、優しい女性。

真田設子(さなだせつこ)。(CV:松田理沙)
主人公のクラスメイトで隣の席。清楚でお淑やかな大和撫子。誰にでも優しく
接する、学園一の淑女との誉れも高い。

新城鞠奈(しんじょうまりな)。(CV:北都南)
撫子会の会計で理事長の孫娘。みんなから可愛がられるマスコット的存在だが、
本性はわがままたいずらっ子。

穂村有里(ほむらゆうり)。(CV:如月葵)
主人公のクラスメイトで、寮では隣の部屋。主人公とは別の組織から学園に
派遣されてきたエージェント。明るく人懐っこい性格で、誰とでもすぐに
うち解けられる。

桜庭優(さくらばゆう)。(CV:茶谷やすら)
主人公にあこがれる下級生の女の子。明るく元気いっぱいで、主人公のことを
お姉さまと呼び慕う。

絵の方はすっきりとして可愛らしい魅力的な絵柄。若干バランスが悪く思える
絵があったり、シーンによってややバラツキがあったりしますが、たまに凄く
可愛らしい絵もあったりします。動きもあっていいですね。
CGは明るい発色で丁寧に処理されており、見栄えもいいです。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。会話に合わせてコロコロ切り替わり、
コミカルな表情もあったりと、見ていて楽しいです。
また、所々にデフォルメ絵も使われていて、コミカルな雰囲気を醸し出してくれます。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。基本的にみんなお嬢様で、表向きは清楚
なんですが、仲間内だけだと本性丸出しになります(笑)
そんな感じで、みんな二面性を持っているのですが、それが会話にもうまく
利用されていたりと、なかなか面白いです。
やっべ、有里可愛すぎる。見栄張り有里LOVE(笑)
雪乃のツンデレっぷりとか、蓮の漢っぷりとか(笑)もいい感じです。
設子さんのヤンキー口調は萌えすぎる(笑)
でも、やっぱり山田妙子萌え(笑)

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方もばっちり。
先述の通り、みんな二面性を持っているのですが、それもきっちり演技で表現
されていますし、とても聴き応えがあります。

音楽はゆったりとした落ち着いた曲が多め。コミカルな曲や緊迫感のある勇ま
しい曲、静かな曲など、幅広く用意されていて、シーンにぴったり合った曲が
使われており、作品を盛り上げてくれます。とても綺麗な旋律の曲が多く、
単体で聴いても充分楽しめるぐらいだと思います。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
1度プレイ後は起動後に放置しても流れるようです。
歌はポップで聴きやすい歌。流れるような旋律が心地よいですね。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点はなし。

エンディングも歌あり。歌はヒロインによって別の曲が用意されており、
ラストの雰囲気ととても良くあった曲が使われています。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定はキー
ボードで出来ますが、細かいメニュー操作はできないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600。
動作はやや重め。Effect Speedを最速にしてなんとか、という感じです。
スキップ動作はそこそこ高速。また、シーンスキップの機能があり、1度見た
シーンはシーンの最初にあらすじが表示されて、そのシーンをスキップするか
どうかを聞いてくるようになっています。
スキップをしても、途中に選択肢がある場合は表示されるようになっています
ので、さくさくスキップして問題ありません。まあ、さほど重要でない選択肢
の場合は、スキップ後に未読のシナリオがあっても飛ばされますが。

セーブ箇所は50箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とメッセージが保存されます。
数としては、選択肢が結構多いので、マメにセーブすると足りないかも。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「山田妙子(やまだたえこ)」固定です。
……いや本名は「如月修史(きさらぎしゅうじ)」なんですけど(^^;
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公がターゲットを警護するため、セント・テレジア学院に女装して
潜入するところから始まります。女性が苦手な主人公が、女性だらけの中で
なんとか頑張って警護をしていき、次第に女性にも慣れて心を通わせ合っていく
……という感じ。

前半から中盤にかけては主人公の四苦八苦する様を描いたドタバタな展開。
たまに敵の襲撃があったりもして、メリハリも効いていていいですね。

後半はヒロインの抱えた問題を絡めつつ、敵との最終決戦をするという、やや
シリアスな展開。シナリオによってはちょっと重い展開になったりもします。

ラストはすっきり綺麗に終わり、プレイ後の気分も爽快です。

特筆すべきはシナリオの構成・バランス。ドタバタな日常を描きつつ、随所に
敵の襲撃を挟んでメリハリを付けて中だるみしないようにしたり、ヒロインに
よって様々な展開が用意されており、最後まで飽きずに楽しめるようになって
います。まあ、撫子会の3人は似たような流れではありますが。

H度はやや低め。各ヒロインとも複数回(2〜3回)用意されています。尺の方は
やや短め、描写も比較的ライトです。
内容的には純愛系のラブラブHがほとんどです。お嬢様学校が舞台ということも
あってか、落ち着いた雰囲気のシーンが多いですね。元々女性として主人公に
接してきていた女の子がほとんどというのも大きいかもです。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良くメリハリの効いた読み
やすいテキストだと思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。基本的に1日ずつ進んでいるようですが、日付の経過はあまり
描写されませんし、さりげなく数日活かしていることがあるため、あまり気にする
必要はないでしょう。

ワンプレイは10〜12時間。結構長いですが、テンポが良くメリハリもあるため
あまり長く感じませんでした。
共通部分が結構多く、シーンスキップ機能もあるため、2周目からはかなり短縮
することが可能です。

難易度は並。基本的に狙ったキャラ寄りの選択をしていればいいのですが、
ちょっと選択を間違うと他のキャラのシナリオに入ってしまったりするため、
ちょっと注意が必要です。
総評
お奨め度ですが、女装学園潜入物が好きな人にお奨め。
ただ女装して学園に入り込むだけでなく、ターゲットの護衛をしなければなら
ないということで、緊迫感もあり、キャラクターの魅力もあいまって、最後まで
飽きることなくプレイできるようになっていると思います。

動作は若干重いものの、シーンスキップなどプレイしやすい配慮もされていて、
ゲームの構成や展開などもよく考えられていて、これといった欠点の見当たら
ない、とてもよくまとまった作品だと思います。

唯一の問題は、登場キャラクターがあまり多くないため、敵の正体が比較的解り
やすいということでしょうか。かなり早い段階で犯人バラシがされることもあり、
謎解きに関しては特に力は入れられていないようです。

でも、それを差し引いてもとても楽しめる作品だと思いますし、やや高飛車で
わがままなヒロイン達に拒否反応さえなければ、充分楽しめるかと思います。

最後に。「喧嘩上等でしてよ」……お前ら、絶対お嬢様じゃないだろ(^^;


笹塚先生の発言が一番衝撃的でした(^^;
「実は僕、女性が恋愛対象に見えないんですよ」……いきなりカミングアウト!?(^^;
# フェイクかと思ったら、ホントかよ!(笑)

ところで……主人公、実はあんまり役に立ってなくないですか?(^^;
結局、ほとんど有里がなんとかしているようにも見えるんですが……。



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