メイドと魔術師
ブランド名 Waffle ジャンル ファンタージーADV
発売日 2007.06.29 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(163x232x39mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 2.69GB(DVD-ROM)
原画 しかげなぎ シナリオ 無頼寿あさむ
音楽 20曲 なし
音声 あり、成瀬未亜、かわしまりの、神村ひな、風音、榊原ゆい
星乃あずみ、深井晴花、風見健、東かりん、マグナムJ、片岡一郎、
どぶ六郎、ルネッサンス山田、Back麗男、KIN肉男
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所 CG枚数 129枚
おまけ 映像鑑賞、思い出鑑賞、音楽鑑賞
対象属性 メイド、ファンタジー、ご主人様、ツインテール、オーバーニーソックス、ウェイトレス、
ボブカット、スパッツ、リボン、エプロンドレス、ピンク髪、眼鏡っ娘、お下げ、黒髪、

ロボット、幽霊
1プレイ時間 6〜7時間 お奨め度 6

レビュー
概要
記憶を失った主人公は、自分が何者かを知る手がかりを探して、ミタ=ハの国に
やってきた。そしてそこで1人のメイドと出会う。そのメイドは、主人の帰りを
待って屋敷で1人で暮らしているという。泊まる場所がなく困っていた主人公は、
その屋敷に泊めてもらうことになる。そして、物語が動き出す……という、
ファンタージーADV。……ファンタジー、じゃないのかな?(^^;
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

ブリット。(CV:風音)
酒場で働いているウェイトレス。無口で無表情、無感情。まるで機械のように
接客をこなす。腕っ節が非常に強く、用心棒的役割も担っている。

ミナ。(CV:神村ひな)
街で出会った少女。不思議な喋る草・タンポポを連れている。動植物と心を
通わせ合うことが出来る。

ラピスラズリ。(CV:成瀬未亜)
主人の帰りを1人待っているメイド。泊まりところのない主人公を、屋敷に
招いてくれる。世間知らずだが純粋でまっすぐな女の子。通称・ラピス。

ティリオ。(CV:かわしまりの)
屋敷に現れるメイド。その姿は主人公(と鶯姫)にしか見えない。悪戯好きで、
明るい女の子。ちょっと浮いている(笑)

鶯姫・本堂=クリミア(おうき・ほんどう=くりみあ)。(CV:榊原ゆい)
主人公のことを父上と呼ぶ少女。レベルの高い魔術師で、知識も豊富で頭も
良い。ただし、態度が高圧的で生意気なのが玉に瑕。

絵の方はほのぼのとした雰囲気の漂う、可愛らしい絵柄。見ていて和めます。
CGは原画の雰囲気を活かした柔らかく淡いタッチの塗りになっていて、とても
雰囲気が良く出ていると思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話に合わせてコロコロと切り
替わり、感情もよく伝わってきていいですね。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。不死の体を持った主人公を筆頭に、
マトモじゃないキャラクターオンパレードで、なかなか面白いです。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
ただ、効果音がちょっとやり過ぎというか、どうにも現実離れした音がする
ため、ちょっと引いてしまいました。

音楽はゆったりとした落ち着いた曲が多め。ファンタジックな雰囲気を持ち、
作品の雰囲気を上手く醸し出してくれています。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、自動送り搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はそこそこ軽快。スキップ動作も比較的高速です。

セーブ箇所は126箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と章タイトルが保存されます。
数としては、それほど選択肢も多くないですし、これだけ有れば大丈夫かと。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
条件を満たすと選択肢が追加される、シナリオ追加型のシステムになって
います。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「アクト」固定です。

インストーラ中、画面ではキャラクター紹介がされているのはなかなかいい
ですね。インストール作業中も楽しめますし。
シナリオ・プレイ感
ゲームはミタ=ハの国に主人公がやってくるところから始まります。そこで
ラピスと出会い、探している人と会えるまで泊めてもらうことになり、
そこから様々なストーリーが生まれていく……という展開。

前半はキャラクター紹介的な展開ですが、そんな中、早くもHシーンがあったり
なかなかの急展開っぷりです。主人公が探している人のこともあっさりと判明
したりとか、各キャラの設定も比較的早い段階でバラしたりとか。

後半は、主人公が自分の記憶を探しつつ、ヒロイン達と絆を深めていくという
展開。雰囲気的には前半と大差なく、若干シリアスになりつつものんびりと進む
感じです。

ラストは結構あっけなく終わる場合が多いです。特に、エピローグ直前で怒濤の
ネタバラシ攻勢があったりと、最後が凄い駆け足な印象が。
また、ほとんどのシナリオで謎が謎のまま残ったり、ちょっとすっきりしないかも。

特筆すべきはキャラクターの特異性。登場人物のほとんどが何らかの変わった
設定を持っていて、それがストーリーにも絡んできます。
そもそも主人公が不死の体で記憶がなかったりと、マトモじゃないわけで。
ただ、そういった変わった設定も、比較的すんなりと受け入れられていて、説明も
さらっとされるだけなので、プレイしていても結構すんなり入って行けました。

H度は並。各ヒロインとも複数回用意されており、尺の方はそこそこ。描写は
比較的ライトかも。
内容的には、基本的に純愛系のシーンが多いのですが、一部いたずら的な
ものがあったり、無理矢理という感じのシーンも(未遂も含めて)あったりと、
いろんなシーンが楽しめるようになっています。
そもそもヒロインが一癖も二癖もあるキャラだったりするので、その関係自体が
面白かったりもしますし。

テキストはちらほら誤字・脱字は見受けられますが、まあさほど気にはなりま
せんでした。テキスト自体は、漢字が連続しないように程良くひらいて平仮名も
交えられていたり、結構丁寧に書かれているな、と感じました。
ただ、全体的にやや硬いようにも感じましたが。
# 「彼女にとってトリーシャは子ども同然なのだろう」……いえ、本人ですが(^^;
プレイ時間・難易度
ゲームは章立てて進みます。
ゲーム期間は不明。一応4週で終わり? 1週が何日かはわかりませんが(^^;
日付の経過等は特に意識する必要はありません。

ワンプレイは6〜7時間。結構あっさり終わるため、実際よりも短く感じました。
さらに、共通部分が結構多いため。2周目以降はスキップを使えばかなり短縮
することが出来ます。なので、トータルではそんなに時間はかからないかと。

難易度は低め。狙ったキャラ寄りの選択をしておけば大丈夫でしょう。
ただし、クリア順制御がかかっているシナリオもあるので注意が必要ですが。
総評
お奨め度ですが、落ち着いた雰囲気のファンタジックな作品が好きな人にお奨め。
ゆったりまったりした雰囲気の中に、シリアスなシーンがちりばめられていて
メリハリもありますし、設定が結構深くてしっかりしているため、最後まで飽きずに
プレイできると思います。
プレイ時間も比較的短めなので、プレイしやすいと思いますし。

ただ、ほとんどのシナリオで謎が解明されず、あっけなく終わってしまうため、
やや達成感や満足感は薄めなのが残念です。
もちろん、謎が綺麗に解明されるシナリオもありますが、それだけではやや
インパクトが弱く、やや物足りなさを感じました。

また、クリア順制御はかかっているものの、比較的早い段階で謎を解明する
シナリオを読めるため、それを読んでしまうと、後のシナリオがちょっと
つまらなくなってしまう感もありますね。
どうせなら、最後まで引っ張っても良かったかも? まあ、そうするとちょっと
あざとい感じもしますけど……。

ややインパクトの弱い地味な作品に思えますが、全体的に丁寧に作られていて、
よくまとまった作品だと思います。謎は結構よく考えられていて、予想を裏切る
ような展開が用意されていたり、テンポも良く充分に楽しむことは出来ました。

作品の雰囲気や絵柄が結構独特で人を選ぶかも知れませんが、雰囲気が気に
入った人は是非どうぞ。

最後に。タンポポエンドきぼー。←ねーよ(笑)



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