Purely〜その狭い青空を見上げて〜
ブランド名 Rune ジャンル 純粋混じりっけなし源泉100%ADV
発売日 2007.08.24 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(168x231x40mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 4.23GB(DVD-ROM)
ORIGINAL SOUND TRACK : CD-DA=379.1MB、CD-DA17トラック
原画 むにゅう シナリオ 燕人おるごぅる座敷猫
音楽 17曲、安瀬聖 あり(1曲、ED)、Duca
音声 あり、まきいづみ、桜木ハルキ、風音、楠鈴音、
文月かな、荒川太朗、如月葵、川崎ハレ、高木もも、城崎彦太、柴田秀勝
森巧至、比留間狂ノ介、左高蹴、枝本勇介、月代妃音、光田まさよし、花代銀蔵、
新堂豊、平林正、守桜かさね、ビスコ、蒼海翠、ぷるるん、本藤子
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所+クイックセーブ1箇所+
オートセーブ1箇所+履歴
CG枚数 70枚
おまけ CG、イベント、音楽
対象属性 純愛、学園物、幼なじみ、赤髪、ヘアバンド、緑髪、ポニーテール、リボン、ウェイトレス、
メイド服、エプロンドレス、ツインテール、義妹、お兄ちゃん、ショートカット、アホ毛、
ボブカット、黒髪、ストレートロング
1プレイ時間 8〜10時間 お奨め度 6

レビュー
概要
のどかな温泉の街で平穏に暮らしていた主人公。ある日、友人の悠から温泉部の
復興のために手を貸してくれと頼まれる。そしてそんな中、実家の温泉旅館に
1人の女の子がやってくる。そして、それを境に、主人公のまわりの運命が動き
はじめる。果たしてこの街に眠る伝説とは。主人公はどんな未来を描いていく
のか……という、 純粋混じりっけなし源泉100%ADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

秋里愛歌(あきさとまなか)。(CV:桜木ハルキ)
主人公のクラスメイト。主人公とは生まれた時からの幼なじみ。おっとり
のほほんとした女の子。主人公より1日早く生まれたためお姉さんぶり、
世話を焼こうとする。

翠川悠(みどりかわゆう)。(CV:風音)
主人公の元クラスメイトの顔なじみ。温泉部部長。明るく親しみやすい女の子。
いつも元気いっぱいで、あちこち走り回っている、バイタリティの塊。押しが
強く自分勝手に見えるが、頼まれると断れない、優しい女の子。

葛城恋鳥(かつらぎことり)。(CV:楠鈴音)
悠のクラスメイトで、温泉部部員。無口で無表情、ぶっきらぼうな女の子。
主人公に対しては冷たく接する。毒舌娘。

墨崎千紗(すみさきちさ)。(CV:文月かな)
主人公の義妹。明るく元気なお兄ちゃんっ子。基本的に家事は得意だが、料理
だけは壊滅的。

墨崎日向(すみさきひなた)。(CV:風音)
主人公の義弟。おっとりほんわかした素直で純粋な男の子。お兄ちゃん大好き。
料理が得意なため、墨崎家の料理を一手に引き受ける。

雫色つむぎ(しずくいろつむぎ)。(CV:まきいづみ)
主人公の父親が経営する温泉旅館で働く女の子。物静かで控えめであがり症。
やることなすこと裏目に出る不幸少女。機械との相性がすこぶる悪い。

紫藤明日香(しどうあすか)。(CV:高木もも)
主人公の親友・大和の妹で、千紗の友達。落ち着いた物腰で礼儀正しく丁寧な
女の子。とても頭が良く、大人びている。

絵の方はほんわかとした柔らかいタッチの可愛らしい絵柄。正面から見た時と
斜めから見た時でやや雰囲気が違っている事がありますが、まあ許容範囲。
CGは丁寧に処理されていると思いますが、やや影の付け方がキツいかも。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。パターンはそれほど多くはないと
思いますが、とても活き活きとしていていいですね。
あと、デフォルメキャラもすんごい可愛らしくてステキです。

キャラクターは元気キャラ、おっとりしたキャラ、静かなキャラに大きく
わかれているような感じ。特に、メインキャラとサブキャラで、結構キャラが
被っているような印象も。
墨崎姉弟が、猛烈に可愛いです。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
悠や千紗のテンション高めの演技や、恋鳥の毒舌など、とても雰囲気が良く
出ていていいですね。
ただ、私の環境だけかも知れませんが、一部音声が再生されないことがあり
ました。他のキャラは喋ってるのに、1キャラだけ突然音声がなく事が。
# 「部費を部員から徴収しない限り」……「てっしゅう」と読みましたか?(^^;
# たぶん、「ちょうしゅう」じゃないかな……。いや、字は似てますがっ。

音楽はゆったりとした落ち着いた曲が多め。ほのぼのとした雰囲気が漂う、
なかなかいい曲だと思います。

エンディングは歌あり。こちらもやや落ち着いた雰囲気の曲で、聞き入ってしまう
ような、なかなかいい歌ですね。ラストの余韻をしっかり味わえると思います。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、
メニュー操作等はキーボードで可能なんですが、キャラクター選択やバック
ログ中のメニュー操作などはキーボードで出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートプレイ搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作は高速です。
ただ、私の環境依存の問題だと思いますが、起動すると画面が崩れている
ことが多々あって、10回に1回ぐらいしかマトモに表示されませんでした。
まあ、起動時にちゃんと表示されれば、後はずっと問題ないんですけど。

セーブ箇所は50箇所+オートセーブ+履歴。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とメッセージが保存されます。
数としては、選択肢が少なく、これだけあればなんとかなると思います。
ただ、キャラクター選択シーンでメニュー操作ができないのはちょっと。
一番セーブ/ロードしたいシーンだと思うんですが……。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
条件を満たすと選択肢が追加される、シナリオ追加型のシステムになって
いるようです。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能。
主人公の名前は「墨崎優哉(すみさきゆうや)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が温泉部に誘われるところから始まります。温泉部の立て直しに
協力していくうち、女の子たちと距離が近づいていって……という、真っ直ぐな
純愛ストーリーです。

前半は、温泉部存続のために走り回るドタバタな展開。部員が2人だけのため、
まずは部員を集めるところから始まります。
明るく楽しくテンポのいい展開で、会話もとても楽しく、せっぱ詰まった状況で
あるにも関わらず、どちらかというとほのぼのとした雰囲気が漂います。

後半は、ヒロイン達の抱えた問題と向き合いつつ、絆を深めていくという展開。
ちょっと切ないシリアスな展開が多いんですが、それほどダークになる事もなく
プレイはしやすいでしょう。

ラストはちょっとしんみりとした、でも綺麗な終わり方が多め。
盛り上げ盛り上げて終わるというよりも、静かに幕を下ろすような感じで、
余韻の残る、いい終わり方だと思います。

特筆すべきは、キャラクター達の関係。温泉部を中心として、みんなの絆が
よく描かれていますし、個別ルートに入っても他のキャラがしっかり話に
絡んできたりと、自然で無理のない展開になっていて、プレイしやすいです。
まあ、設定にはかなり無理があるというか、突拍子もない展開が多かったり
するんですけど。

逆に気になったのは整合性の甘さ。つむぎのことを何も知らない状態で、
ロクに話もしたことがなかったハズなのに、いつの間にか名前は知ってるし、
普通に喋っていたりとか、かと思えば、悠とも旅館で会っているはずなのに、
つむぎが旅館で働いていることを知らないような口ぶりだったりとか。
他にも、いつもは千紗の方が主人公より先に出てるのに、千紗よりも先に
出発した時に限って遅刻スレスレだったりとか、
今までずっと店の手伝いは露天風呂の掃除しか頼まれたことがないのに、
「今日は露天風呂の掃除か」などと言ってみたり、愛歌とつむぎ、どちらを
説得するか決める場面で、一度決めたはずなのに、もう一度決めるシーンが
出てきたりとか、挙げていくとキリがありません。
個別ルートに入ってからはそういうことはほとんどないのですが、もう少し
きっちり整合をとって欲しいところです。

H度はやや薄め1人を除いて各ヒロインとも複数回(2回)用意されており、尺の
方はそこそこ。描写はややあっさりめ。ただし、恋鳥だけはやたら濃いです(^^;
内容的には純愛系のラブラブHがほとんど。気持ちを確かめ合うような、
会話が多めの雰囲気のシーンになっています。

テキストは若干誤字は見受けられますが、それほど気にはならないかと。
ただ、1行の文字数が想定と違ったのか、改行が変なところに入っていることが
結構ありました。
# 一部、テキスト枠から次の行にはみ出ているものも……。これは酷い。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。日付が結構ぽんぽん飛ぶので、意識する必要はないかと。

ワンプレイは8〜10時間。そこそこ長かったです。雰囲気がまったりしている
ため、実際よりも長く感じたかも。
スキップ動作は高速なんですが、共通イベントはそんなに多くないため、
2周目以降も結構時間がかかります。

難易度は低め。基本的に狙ったキャラと会い続けていればOKです。ただし、
クリア順制御がかかっているキャラがいるので、注意が必要です。
総評
お奨め度ですが、まったりほのぼのとした純愛ストーリーが好きな人にお奨め。
ちょっと不思議要素は入りつつも、基本的に真っ直ぐな純愛ストーリーで、
それほど大きなメリハリもなく、淡々と進むような感じです。
雰囲気重視のストーリー、という感じですね。
その分、キャラクターの心情描写なんかはよく出来ていて、感情移入はし易い
かと思います。

ただ、後半はいいのですが、前半は整合性の問題もあって、ちょっと話に入り
こみづらかったのは勿体ないですね。
まあ、個別ルートに入ってしまえば気にならなくなりますので、終わり良ければ
全て良し、かも知れませんが。

キャラクターはみんなとても魅力的で、キャラクター同士の絆もよく描かれて
いて、落ち着いた雰囲気のほのぼのとした作品で、最後はちょっといい話で
終わったりと、プレイしていて癒される感じです。
むしろ、サブキャラの方が魅力的に感じる事も多々ありましたが。
ともあれ、ゆったりとプレイしたい人は是非どうぞ。タイトル通り、ピュアな
ストーリーを楽しむ事が出来るかと思います。

ただし、プレイする前に、必ず修正ファイルを適用しましょう。そうでないと、
音声が出なかったり、テキストが溢れたりということが……。
盛り上がっている肝心なところでテキストが読めないとか、違う意味で泣けます。
# 修正ファイルを入れても、完全には直りきっていないんですけど。(Ver.1.01)

最後に。食べたら1機増えるホットケーキ……(笑)


日向エンドがないというのは何事ですかっ!?
……おほん。えーっと、せめて千紗エンドだけでも……(^^;
# つむぎのかませ犬なのが不憫すぎる(T_T)



ロビーに戻る  レビュートップに戻る