ソルティアンジュ魔法倶楽部
ブランド名 micro ジャンル 女の子は恋の魔法で世界の果てまで
飛んでいけちゃうのADV
発売日 2007.09.28 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(167x232x40mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 Game Disc : 3.75GB(DVD-ROM)
初回限定版オリジナル特典 ボーカル曲マキシCD : CD-DA=150.9MB、CD-DA4トラック
Go! Go! プリコム生徒会!!〜聖プリコム殺人事件編〜 : CD-DA=141.4MB、CD-DA1トラック
原画 大浜あきひと、此方駕たまただ シナリオ 姫ノ木あく和泉万夜、bridge
音楽 30曲、Team RF、six-notes あり(2曲、OP・ED)、Rita、Karin
音声 フルボイス、香澄りょう、佐本二厘、理多榎津まおヒマリ
民安ともえ藤咲ちまこのえゆずこ永倉仁八、河村眞人
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 100箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 106枚
おまけ グラフィック、シーンリプレイ、ミュージック
対象属性 魔法少女、学園物、幼なじみ、ボブカット、ヘアバンド、天使、羽根、眼鏡っ娘、
ストレートロング、リボン、オーバーニーソックス、お兄ちゃん、タカビー、先輩、
ストッキング、赤髪、ショートカット、体操着、ブルマ、緑髪
1プレイ時間 6〜7時間 お奨め度 5

レビュー
概要
ごく普通の学園生活を送っていた主人公は、ある日、学園内で見たことのない
女の子と出会う。そして、主人公には魔法の力があると言われ、魔法倶楽部に
参加しないかと誘われる。少し興味を持った主人公は、魔法倶楽部に参加する
ことにする。そして、学園にある謎の光の柱をなんとかするべく、魔法の練習を
する……という、女の子は恋の魔法で世界の果てまで飛んでいけちゃうのADV。

……なんだ、このジャンルわ(^^;
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

千石アスカ(せんごくあすか)。(CV:佐本二厘)
主人公の幼なじみ。気が強く、思ったことはすぐ口にする。主人公に対しては
そっけなく接するが、いつも気にかけている。

逆瀬七(さかせなな)。(CV:藤咲ちま)
主人公のクラスメイトで、生徒会書記。学年トップの成績優秀者。
物静かでクール。頭が良く、常に冷静な判断を行う。

久遠寺一葉(くおんじかずは)。(CV:香澄りょう)
主人公を魔法倶楽部に誘った謎の女の子。いつの間にかクラスメイトとして
学園に現れる。優しくほんわかとした雰囲気の女の子。

久遠寺真央(くおんじまお)。(CV:榎津まお)
一葉の妹。明るく無邪気で天真爛漫な女の子。人なつっこく、主人公のことを
お兄ちゃんと呼び慕う。好奇心旺盛で、すぐに行動に移す。

伏見瀬里(ふしみせり)。(CV:民安ともえ)
生徒会長。気が強く、プライドが高く、高飛車な女の子。生徒会長は生徒の
模範であるべきと、冷静に振る舞おうとするが、アツくなりやすく、ちょっと
からかわれただけですぐにキレる。

早狩冴子(はやかりさえこ)。(CV:ヒマリ)
主人公の先輩で、瀬里の親友兼ライバル。本人は、瀬里のことをからかって
遊んでいるだけ。魔法倶楽部の部長に就任し、部員達とを引っ張り回す。
傍若無人、やりたい放題。人をからかうのが生き甲斐。

真琥・バルヒェット(まこ・ばるひぇっと)。(CV:理多)
主人公に襲いかかってきた謎の女の子。気が強くてアツくなりやすい。
真央とは仲が悪く、いつもいがみあっている。

万乗鹿子(ばんじょうかのこ)。(CV:このえゆずこ)
生徒会会計。瀬里に憧れを抱き、瀬里の言うことにはなんでも従う。
瀬里と同じくアツくなりやすく、よくからかわれている。

絵の方はややバラつきが多く、ちらほらバランスの崩れている絵も見受けられ
ますが、逆にとても可愛い絵もあり、ちょっともったいないですね。
絵柄的にも、ちょっと人を選ぶかも知れませんし。
CGはややべたっとした塗りになっていて、やや見栄えが悪い気がします。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。変化はそれほど大きくないですが、
表情は会話に合わせて変わるため、感情移入はしやすいかと。

キャラクターは、基本的に気が強くてアツくなりやすいキャラが多め。
そんなにキャラが被っているという印象は内のですが、行動がみんな似た
ような感じなので、やや幅は狭いように感じました。
メタトロン萌え。

音声はキャラクターとのマッチングはよく、演技の方も特に問題なし。
ただ、魔法を使うときに技の名前を叫んだりするのですが、そこがちょっと
物足りなさを感じるキャラが何人か見受けられました。
淫語はテキスト上は伏せ字になっていますが、音声ではそのまま発音されます。

音楽はゆったりとした落ち着いた曲が多め。作品の雰囲気をほのぼのとさせて
くれる感じです。次いで、激しく勇ましい曲が多め。こちらはあまり使われ
ませんが、使われた時はなかなか盛り上がります。

ゲームを開始すると、短いプロローグの後にオープニングアニメーションが
流れます。歌はアップテンポで軽快な爽やかな曲。伸びやかな歌声がなかなか
いいですね。ちょっとハスキーですけど。
絵の方は、キャラクター紹介・シーン紹介的なもの。それほど動くわけでは
ないのですが、演出はなかなか凝っていて、見応えはあります。

エンディングも歌あり。こちらはやや落ち着いた、色気のある歌で、なかなか
雰囲気はいいですね。

挿入歌もあり。曲はオープニングと同じものですが、歌っている人が違います。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。
1つ前の選択肢に戻ることも可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。スキップ動作はそこそこ高速です。

セーブ箇所は100箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と話数、章タイトル、メッセージの
一部が保存されます。
数としては、選択肢は少なめで、効果もわかりやすいですから、これだけあれば
充分かと思います。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「森川小太郎(もりかわこたろう)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が魔法倶楽部に入るところから始まります。そして、中庭に
浮かんでいる不思議な光の柱の謎を解き明かすための活動をしていく……と
いう話。

前半は、魔法倶楽部設立に関するドタバタや、部員勧誘のドタバタや、学園祭の
ドタバタなどが描かれます。……ドタバタしかないのか。
基本的に明るく楽しくコミカルな展開で、キャラクター同士の掛け合いも面白く、
特に冴子さんが絡むといつもしっちゃかめっちゃかになります。

後半は、一葉達の真の目的に絡んだ、ややシリアスな展開。それほどドロドロ
することはないのですが、結構大風呂敷を広げた展開になります。
まあ、それでも冴子さんはやっぱりおちゃらけているわけですが。

プレイしていて気になったのは、展開が早く、ご都合主義が過ぎること。
主人公がいきなり魔法を使えてしまうのはまあいいとして、いつの間にか
すごい力を上げていたり、気合いと根性だけで窮地を乗り切ったりと、
もう細かいことを気にしていたら負け、という勢いです。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回(3〜4回)用意されており、尺の方は
そこそこ長め。描写は比較的濃いめです。
前半は、魔力を上げるためのいたずら的なシーンが多く、いろんなタイプの
シーンが楽しめます。
後半は、気持ちを確かめあうというか、絆を深めるためのシーンになって、
内容的には純愛系のシーンとなります。
ただ、2回戦が用意されていたりと、なかなか頑張っているとは思います。
サブキャラに関しては、1回だけHシーンのあるキャラもいますが、基本的に
Hシーンはありませんので、期待はしない方がいいでしょう。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良く、読みやすいテキスト
だと思います。テンポが良すぎて、あっという間に終わる印象もありますが。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。2ヶ月程度でしょうか? 日付の経過は表示されませんので
気にする必要はありません。
# 学院祭を一週間前に控えたシーンでまだ衣装は一着目を仕上げたばかり
# だったハズなのに、完成したのは学院祭一週間前なんですか?(^^;
# 残りを1日で仕上げたってこと? 明らかに日付経過してましたけど(笑)

ワンプレイは6〜7時間。テンポ良くサクサク進むので、かなり短く感じました。
また、全体の7〜8割ぐらいは共通部なので、2周目以降はスキップを使えば
かなり短縮できます。ほとんど、最後の一山だけ個別ルートという感じです。

難易度は低め。選択肢の数は少なく、シナリオの分岐は誰と過ごすかの選択で
決まっているようなので、悩むことはないかと。
総評
お奨め度ですが、ちょっとコミカルな魔法少女物が好きな人にお奨め。
前半はひたすらドタバタストーリーが続き、後半はややシリアスになりつつも
やっぱりコミカルに締める感じで、気軽にプレイできると思います。

ただ、設定的にはかなり大風呂敷を広げた壮大なお話なんですが、それを
全く感じさせない、狭くて浅い展開は、ちょっとどうかと思います(^^;
魔法の扱いも、あまりにも都合良すぎて、全く重みがありませんでしたし。

そして、似たようなタイプのキャラが多く、話の展開も似たようなものが
多いため、やや盛り上がり・面白味に欠ける気がします。
なんというか、一本道のシナリオを、各ヒロイン視点で描いただけ、という
感じで。展開の幅がほとんどないんですよね。
また、ヒロインの中で、アスカだけは非常に扱いが悪かったのがちょっと気に
なりました。確かに設定上、他のヒロインとは全く異質ではありますけど、
途中全然出てこなかったり、後半も全く別行動だったりと、いくらなんでも
可哀想すぎます(^^;
ヘタすると、サブキャラよりもインパクト薄いんじゃないでしょうか……。
なので、アスカが気に入っている人はご注意を。

共通部が多く、ややボリュームにも乏しい感がありますし、ストーリーも
似たようなものが多く、キャラクターの傾向も似通っていて、ちょっと
面白味に欠けるもったいない作品だと思います。
ストーリー重視にしては展開が早すぎ・軽すぎで、エロ重視にしては数は
少なめで、どうにも中途半端な印象が強いです。
もう少し方向性をきっちり定めて、その上で設定やキャラクターを活かした
作品になっていれば、また印象も違ったと思えるだけに残念です。

最後に。一生効果が残る魔法薬とか、微妙に怖いな(^^;
# 薬で肉体改造される主人公(笑)


ちっちゃっ。世界樹ちっちゃっ!(笑)
創造界もなんかやたら俗っぽくて、全く神々しさとかないですね(^^;



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