HimeのちHoney
ブランド名 ASa project ジャンル 大逆転ラブコメADV
発売日 2008.08.29 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(190x270x40mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 1.05GB(DVD-ROM)
初回特典オリジナルサウンドトラック「ハニトラ」 : CD-DA=638.1MB、CD-DA22トラック
原画 夕凪セシナ燵成
都桜和、亜立秀
シナリオ 天都、藤井リルケ、優樹
音楽 22曲、rian、
山下こうせい(doubleeleven)
あり(4曲、OP・ED・挿入歌)、
真優、rian、民安ともえ遠野そよぎ
音声 あり、青山ゆかり、一色ヒカル、遠野そよぎ雪都さお梨、クボタハルカ、
貴坂理緒、琥遥ひより、本多しの舞春河あかり永倉仁八、中里圭太、北都南
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 120箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 89枚
おまけ cg mode、music mode、memory mode
対象属性 お嬢様、学園物、純愛、ラブコメ、ピンク髪、ヘアバンド、オーバーニーソックス、
裸エプロン、ストレートロング、帽子、ストッキング、スクール水着、ブルマ、金髪、
ボブカット、青髪、眼鏡っ娘、関西弁、ツインテール、ボクっ娘、アホ毛、メイドさん、
ロボット、黒髪、リボン
1プレイ時間 4〜5時間 お奨め度 6

レビュー
概要
平凡な不良学生だった主人公は、ある日、柄の悪い人に絡まれている老人を
助ける。その老人は、お礼に何か欲しい物がないかと聞き、主人公は人生の
転機が欲しいという。そして翌日、主人公の元に名門・聖堂学園への転入書
一式が届く。そして、貧乏人の主人公は、超お金持ち学校に通うことになる。
果たして主人公を待っているのは……という、大逆転ラブコメADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

藤間理緒(とうまりお)。(CV:貴坂理緒)
主人公のクラスメイトで、ノリのいい娘。金持ちのお嬢様だが、とてもそうは
見えない、下品でおバカな女の子。序盤専門、エアーヒロイン。キャラコン
セプトは『絶対恋したくない女』。サブキャラからメインキャラへの昇格を
目論んでいる(笑) 通称・マリオ。

鳳きよら(おおとりきよら)。(CV:青山ゆかり)
主人公が転入初日に見かけた女の子。日本屈指の大金持ちの令嬢。表向きは
人当たりが良く、家柄もあって信頼されているが、負けず嫌いで意地っ張りで
高圧的な女の子。しかし、根は優しく、自分を省みず人のことを気遣う。

聖堂恵理栖(せいどうえりす)。(CV:遠野そよぎ)
ひょんな事から知り合った不思議な女の子。無口で大人しいが、計算高い。
主人公のことを気に入っており、お兄ちゃんと呼びからかったりすることも。
何をやらせても完璧にこなしてしまう。

聖堂鶴未(せいどうつるみ)。(CV:一色ヒカル)
聖堂学園管理部会長。学園理事長の娘。生徒達に抜群のカリスマ性を持つ。
気が強く、冷徹。誰に対しても厳しいが、気に入った人はさらにこき使う。
主人公を独断で管理部に引き入れる。

深山早紀(みやまさき)。(CV:琥遥ひより)
管理部の会計。明るく人当たりのいい、いつも笑顔のフレンドリーな女の子。
イケメン大好き。アルコールに弱く、少量のアルコールでも暴れ出す。

天宮心愛(あみまやこいと)。(CV:雪都さお梨)
ひょんな事から知り合った女の子。いつもセシリアーナと一緒にいる。
明るく無邪気で天真爛漫、お子様っぽい女の子。
学園のアイドルで、常に大量の取り巻きに囲まれている。

セシリアーナ。(CV:本多しの舞)
通称・セシル。心愛専属のメイドロボット。無表情、無感情で、淡々と話す。
知識が豊富で洞察力も高い。心愛の世話を全て引き受ける。

結城芹(ゆうきせり)。(CV:クボタハルカ)
お嬢様学校、聖・ローレンス女学院の3年生。ほんわかとした雰囲気の優しい
女の子。後輩達からもお姉様と慕われる。男性が苦手。小説を書いている。

朝霧舞子(あさぎりまいこ)。(CV:春河あかり)
聖・ローレンス女学院の執行部部長。芹とは非常に仲が良く、いつも一緒に
いる。冷めた口調で淡々と話す。主人公に対しては何故か冷たく当たる。

ななみ。(CV:北都南)
主人公の妹。お兄ちゃんのことが大好きで、聖堂学園に転入した主人公を
心配している。

絵の方はほんわかとした可愛らしい絵柄。ただ、原画家さんが2人いて、
鶴未や心愛など、キャラによってはかなりシーンによってバラツキがある
のが気になりました。特に鶴未は、ちょっとヤバいぐらい崩れていることが
ちらほら見受けられました。
CGは明るめの発色で丁寧に処理されており、見栄えもいいと思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。ポーズ変化は少なめで、キャラに
よっては全くありません。表情変化は多彩で、コミカルな表情もあり、見ていて
楽しいです。ただ、表情変化も、キャラによって数に差があるように思います。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。聖堂学園のヒロイン達は、みんな気が
強くて黒いのが印象的です。学外のキャラは、素直なキャラが多いんですが。
舞子萌え。早紀もかなり好きです。マリオもユカイでステキです。
……なんだろう、全部サブキャラのような気がする……(笑)
いや、メインキャラでも、恵理栖やきよらはめっちゃくちゃ可愛いですが!
あと、マイケルのあまりの胡散臭さに惚れそうです。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
マリオや早紀、心愛の明るく屈託ないところや、恵理栖や舞子、セシルの
淡々と喋るところなんかは、とてもよく雰囲気が出ていて良かったです。
まあ、マイケルの胡散臭さがぶっちぎってますが。

音楽は明るくコミカルな曲が多め。作品の雰囲気を明るく楽しくしてくれます。
あと、格調高い広がりのある曲も多くて、お嬢様っぽい雰囲気も良く出ている
と思います。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌は爽やかで聴き心地のいい歌。軽快なテンポに伸びやかな歌声で、清々しさ
する感じます。そして、各所に合いの手が入っていて、楽しく可愛らしい雰囲気も
醸し出しています。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。デフォルメ絵がふんだんに
使われており、明るく楽しい感じです。

エンディングも歌あり。明るく伸びやかな歌で、ラストの雰囲気を爽やかに締め
くくってくれる感じです。ただ、ちょっと歌い方にクセがあるのはちょっと気に
なりました。この歌は、もっと真っ直ぐ素直に歌っても良かった気が。

挿入歌もあり。やたら勇ましく格好いい歌で、なかなか聴き応えがあります。
ただ、非常に自己主張の強い歌ですので、挿入歌として使うにはよよ不向きな
気がします。なので、ちょっと使いどころに疑問が。

そして、何故か恵理栖のみキャラクターソングが用意されています。
……なんで恵理栖だけ? なんでキャラクターソング?(^^;
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定はキー
ボードで可能ですが、それ以外の操作はできないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はそこそこ軽快。スキップ動作もそこそこ高速ですが、シーンの切れ目で
やたらと待たされます。

セーブ箇所は120箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とメッセージの一部が保存されます。
数としては、それほど選択肢は多くなく、効果も比較的わかりやすいため、
これだけあれば充分でしょう。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
基本は放課後にどこに行くかを選ぶだけです。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「巻信太郎(まきしんたろう)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が聖堂学園にやってくるところから始まります。そこで事件を
起こして追い詰められるが、なんとか救われ、管理部で働きつつ、学園生活を
送っていく……という感じ。

前半は主人公が学園にやってきて、問題を起こして、復活して、なんとか
学園でやっていくところを描いています。基本的にはコミカルですが、やや
シリアスなところをちょこちょこ挟む感じです。

後半は各ヒロインとの距離が近づき、困難を乗り越えて結ばれていくという
感じ。大抵のシナリオは困難を乗り越えた瞬間エンディングだったりしますし、
一部ほとんど困難もないシナリオもあったりしますけど。

ラストはすっきり綺麗に終わっていると思うのですが、一山越えてすぐエン
ディングという感じなので、ややあっけなく、唐突な感があります。

プレイしていてまず気になったのが、ヒロインの配置と関係。
各ヒロインの活動場所はみんなバラバラで、ヒロイン同士の掛け合いという
ものがほとんどありません。(サブキャラとの掛け合いはありますが)
また、放課後どこに行くか(=誰と会うか)を選択するシステムのため、選んだ
キャラ以外はほとんど出てこず、ほぼずっと選んだキャラとだけ話が進んで
いくような感じで、広がりが全くありません。
個別ルートに入るとそれが顕著で、もはや他のヒロインは全くと言っていい
ほど出てこなくなったりします。
なんだか、オムニバスのシナリオを読んでいるような感じでした……。

あと、ほとんどのヒロインが最初は主人公との関係が余り良くなく、印象の
悪い状態から始まるのは面白かったです。ただ、ちょっとしたイベントで
あっさり心を許したりするのはやや拍子抜けでしたが。

H度は並。各ヒロインとも複数回(3〜4回)用意されています。1回だけの
キャラもいますが。尺はやや短め。描写はそれなりです。
基本的に純愛系のラブラブHで、会話が多めの、気持ちを確かめ合うような
シーンが多いです。内容的にはごく普通。場所は屋外とかありますけど。
みんな初めてなんですが、最初から平然と2回戦をやったりします。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良く読みやすいテキスト
だと思います。ただ、一部、言葉の使い方が不自然(本来の使い方と違う)
ように感じる部分もありました。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。日付の経過も特に明示されず、平気で1週間とか1ヶ月
立っていたりするため、気にする必要はありません。

ワンプレイは4〜5時間。テンポの良さもあって、あっさりあっけなく終わる
印象が強いです。共通部分はそんなに多くありませんが、個別ルートも短い
こともあって、コンプリートにもそれほど時間はからないかと。

難易度は低め。基本的に狙ったキャラに合い続けていればOKです。
1人だけ、ちょっとイリーガルな出方をするキャラもいますけど。
総評
お奨め度は、可愛らしいキャラ満載のいちゃいちゃラブコメ好きな人にお奨め。
主人公が最低の状態から這い上がり、身分の差がありすぎる女の子達と結ば
れるサクセスストーリーという感じで、キャラクターの魅力もあって、プレイして
いて頬が緩むことも多々。基本的にドタバタラブコメなんですが、ちょっぴり
ほろりと出来るようなシーンもあったりと、なかなか良かったです。
特に、最初関係が悪かったキャラとの関係が改善し、ラブラブになっていく
ところなんかは、心温まるものがありました。

ただ、基本的に狙ったヒロインと1対1、もしくはサブキャラも含めた3人程度で
話が進んでいくため、閉じた狭い世界でのストーリーに感じ、やや物足りなさが
ありました。せっかく面白いキャラクターが揃っているんですから、もう少し
キャラ同士の絡みも見てみたかったです。
また、ヒロインによって扱いに差があるのも気になりました。きよらや恵理栖は
立ち絵パターンが多かったりキャラソンがあったり、やたら優遇されている気が。
鶴未や心愛は、絵柄的にもバラツキが大きかったりと、ちょっと残念でした。

また、シナリオによってはほとんど起伏なくあっさり終わり、そうでなくても
最後にひと盛り上がりしてすぐ終わりなので、これも物足りなさを助長している
ように感じました。特に、ヒロインと結ばれて終わりなので、学園生活やその
後がどうなったのかなどは投げっぱなしになっているのも気になりました。
身分違いの恋だと、普通はそれを乗り越えるシーンがありそうなものですが、
付き合ったらハイ終了、みたいな感じなのはちょっと。
1周も短めで、ボリューム的にもやや寂しいですね。

そして、所々に感動的なシーンがあるのですが、それもあっさり終わってしまう
ため、泣ききれないということが多々ありました。いいシーンは、もうちょっと
引っ張って欲しかったなー、と思いました。

でも、キャラクターはとても可愛らしく、特にサブキャラはみんないい味を出して
いて、ヘタするとメインヒロインを喰いかねないぐらいで、そういうキャラを見て
いるだけでも楽しめました。
また、ヒロインとのイチャイチャラブラブっぷりは見ていて頬が緩みますし、
結ばれてからの関係の変化なんかも心温まるものがあり、充分楽しめました。
キャラクターメインのゲームとしては、とても良くできていると思います。
これでもう少しストーリー性やキャラ同士の掛け合いがあれば良かったんですが。

ともあれ、キャラクターは非常に魅力的なので、絵柄やキャラが気に入った人は
是非どうぞ。

最後に。「このままマリオルートに直行しないか、不安が残った」……直行すれば
いいのに(笑)


ところで、マリオって、前作「めいくるッ!」のキャラ、藤間陣の妹ですよね(^^;
兄妹そろって濃いな!(笑)

あと、毎晩ラジオを聞くかどうかの選択肢が出てきて、いったい何の意味が
あるのかと思ったら、まさかナナが攻略対象とは思いませんでした(^^;



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