かみぱに!
ブランド名 Clochette ジャンル ADV
発売日 2008.03.28 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(166x232x41mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 6.90GB(DVD-ROM)
原画 しんたろー シナリオ ヤマグチノボル、秋史恭、
北川晴、Hatsu
音楽 29曲、マッツミュージックスタジオ
五十嵐芳樹、たくまる、dai
あり(3曲、OP・ED)、Rita、癒月
音声 あり、風音、佐本二厘、安玖深音、桜川未央、楠鈴音、
まきいづみ、一色ヒカル、京都鉄、日村バナナ
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 90箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数
おまけ CG、Scene、Chara、Sound
対象属性 純愛、学園物、ドタバタ、妹、赤髪、アホ毛、幼なじみ、黒髪、ストレートロング、
巫女さん、巫女装束、先輩、巨乳、神様、金髪、ボブカット、ヘアバンド、着物、
和服、スクール水着、ツインテール、リボン、オーバーニーソックス、未亡人
1プレイ時間 7〜8時間 お奨め度 6

レビュー
概要
幼い頃に過ごした田舎町でひとり暮らしを始めた主人公。幼なじみや妹達と
平和な毎日を過ごしていた。しかしある日、主人公の前に、自分のことを
神様だと言い張る女の子が現れる。そして主人公の家に居着いてしまう。
果たして、主人公の生活はどうなってしまうのか……という、神様同棲ADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

香原瑞希(かはらみずき)。(CV:佐本二厘)
主人公の妹。ひとり暮らしを始めた主人公のお目付役として、主人公の元に
やってくる。乱暴で、主人公のことを毛嫌いしており、すぐ暴力に訴える。
主人公の前以外では、明るく元気な普通の女の子。

片瀬恵(かたせめぐみ)。(CV:風音)
主人公の家の隣に住む幼なじみ。子供の頃はずっと一緒に遊んでいた。
家事が得意で、主人公の家の家事をよく手伝っている。ほんわかとした雰囲気の
面倒見のいい優しい女の子。

霧島乃々香(きりしまののか)。(CV:楠鈴音)
主人公の先輩で、町に古くからある神社の娘で、巫女として家業を手伝う。
おっとりのんびり天然娘。ドジで、押しに弱い。

天泉森雨古依命(あまいずみもりあめこよりのみこと)。(CV:安玖深音)
自称・神様の女の子。見た目は小さく幼いが、それを言われると怒る。
天罰と称して電撃を喰らわせる。気が強く、我が儘な女の子。

九条天音(くじょうあまね)。(CV:桜川未央)
学園の生徒会長。真面目で責任感の強い女の子。主人公とは幼い頃から付き
合いがある。恋愛には疎く、無防備・無警戒に主人公と接する。

道満寺ヒカル(どうまんじひかる)。(CV:まきいづみ)
学園経営者の息子。三年生。風紀委員長。自他共に認める変態で、小さい
女の子が大好き。女装癖あり。自分勝手で人の話を聞かない。

北里愛梨(きたざとあいり)。(CV:一色ヒカル)
主人公がよく通っている喫茶店のオーナー。未亡人。面倒見のいいお姉さん。
料理の腕は確かだが、ネーミングセンスは最低。愛情に飢えている。

絵の方はほんわかした雰囲気の可愛らしい絵柄。
黒目がかなり大きい……というか、目の中ほとんど黒目という感じなので、
ちょっと気になる人もいるかも。
CGは明るく発色のいい色遣いで、彩度が高く、キラキラとした雰囲気の塗りに
なっています。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。アクションがとても大きく、会話に
合わせてコロコロ変わるので、見ていてとても楽しいです。

キャラクターはおっとり系のキャラとちゃきちゃきしたキャラがはっきり
分かれている感じですね。特にそのちゃきちゃき系のキャラは、自分勝手で
すぐに暴走してみんなを引っかき回すので、人によっては気になるかも。
さらに、輪を掛けて引っかき回すヒカルは、ヘタするとウザいです。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
瑞希の怒ったところや、乃々香の焦った所なんかはとても雰囲気が良く出て
いて感情移入もし易いです。天音の照れた時の演技は可愛すぎ。

音楽は明るく楽しい雰囲気の曲が多め。コミカルな曲も多く、作品の雰囲気を
明るく盛り上げてくれます。もちろん、静かでしっとりした曲も用意されて
おり、メリハリがしっかり付いています。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はポップでスピード感のある爽やかな歌。明るく晴れ晴れとした感じで、
わくわくするような感じですね。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、演出がなかなか凝って
いて、何より背景がとても綺麗で見応えがありました。

エンディングも歌あり。ゆったりとした優しい歌で、しっかりと余韻を楽しめる、
とてもいい曲だと思います。

そして、クリア順制御のかかっているシナリオでは、別の歌が用意されています。
こちらもしっとりとした感じの曲なんですが、力強さがあって、未来に希望を
抱かせるような曲になっています。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能。音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快、スキップ動作はやや遅めです。描画で引っかかる感じです。

セーブ箇所は90箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とシーンタイトル、メッセージの
一部が保存されます。
数としては、選択肢はそれなりにあるものの、効果は分かりやすく、ほとんど
個別ルートのため、あまり迷うことはないですし、これだけあれば充分かと。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。序盤で誰のルートに入るかを決定し、
そこからはずっと個別ルートになるという潔いシステムです。
また、条件を満たすと選べるルートが増える、シナリオ追加型のシステムに
なっています。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「香原智之(かはらともゆき)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が財布を落とし、それを自称・神様の少女が拾うところから
始まります。その女の子・古依は、行くところがないと主人公の家に居着き、
様々なトラブルが発生する……という感じ。

前半はキャラクター紹介的な感じで、明るく楽しい会話主体で進みます。
前半の最後にそこまでの選択の結果で選べるシナリオが決まり、その中から
誰のルートに進むかを選択します。

中盤以降は個別ルートになります。基本的にはほのぼのとした学園生活や
夏休みを過ごしつつ、ヒロインの抱えた問題や、古依の巻き起こすトラブルを
乗り越えつつ、お互いの気持ちに気付いていく……という感じ。

最後はすっきり綺麗にまとめてくれるので、プレイ後の気持ちは爽快です。
さりげなく、色々投げっぱなしな終わり方が多いんですけどね(^^;

特筆すべきはキャラクター同士の関係。各キャラクターはいろんな接点が
あり、個別ルートに入っても他のキャラクターがしっかりストーリーに
絡んで来ます。それによって、自然で幅の広い展開を楽しむことが出来、
作品を盛り上げてくれます。

逆に気になったのは各キャラクターの性格。
まず主人公ですが、直情的で人の気持ちを考えず、また自分の行動が正しいと
押し通す頑固なところがあって、ちょっと馴染めませんでした。
なんというか、悩んだり、世話を焼いたりしている自分に酔ってる感じ?
好意の押しつけにしか思えませんでした。

そして、さらに上を行くのがヒカル。このウザさは異常です。
最初の頃はまだ良かったんですけど、後半になってエスカレートすると、
さすがに辟易します。トラブルメーカーというレベルを超えているような。

他にも、瑞希の乱暴さや、天音のいざというときの暴走っぷり、古依の癇癪
など、ちょっと度を越えている言動が気になりました。

H度はや高め。各ヒロインとも複数回(3〜4回)用意されており、尺の方は
そこそこ長め。描写も比較的濃いめです。
みんな初めてなのですが、最初からいきなり2回戦に突入したり、純愛物に
してはかなり頑張っていると思います。
内容的には純愛系のラブラブHですが、シチュエーションは様々で、結構
色々と楽しめました。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良く読みやすいテキスト
だと思います。主人公やヒカルのウザさを除いては(^^;
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は2ヶ月ぐらい? シナリオによって若干幅があります。
日付の経過は特に描写されないため、気にする必要もないかと。

ワンプレイは7〜8時間。それほど長くはないのですが、共通ルートが少なく
個別ルートが長いため、コンプリートしようとするとかなり時間はかかります。

難易度はやや低め。基本的に狙ったキャラクター寄りの選択をしていればOK
です。ただし、クリア順制御がかかっているようで、最初はどうしても個別
ルートに入れないキャラがいますので注意。
総評
お奨め度ですが、ドタバタラブコメが好きな人にお奨め。
基本的にはほのぼのまったりした雰囲気なのですが、一部強烈な個性を持つ
キャラターのおかげで、作品が引っかき回され、ドタバタ奈雰囲気になります。

基本的には真っ直ぐな純愛ストーリーなのですが、そこに神様である古依が
入ることによって、ちょっとアクセントになっています。
逆に言えば、アクセント程度にしかなっておらず、あまり神様がいることに
よる独特の展開というのは少なかったりするのですが。天罰ぐらい?

キャラクターはみんな活き活きしており、とても魅力的だとは思うのですが、
いかんせん個性が強くて、さらに突っ走るキャラが多いために、どうしても
振り回されるような感じになって、落ち着いてプレイ出来ずに疲れます。
そのおかげで、恵や乃々香といった控えめなキャラはかなり印象が薄く、
ともすれば空気のようになってしまうのが残念でなりません。
実際、乃々香さんはストーリーに絡まないことが多いですし。

とにもかくにもキャラクターが気に入るか、受け入れることが出来るかが
全ての作品で、ノリについて行けないと、なかなか楽しみづらいです。
そして、個別ルートが長く、コンプリートするのは結構大変なのもあって、
プレイするのにかなりパワーを要する作品に思えます。
雰囲気が気に入って、キャラクターが受け入れられそうで、最後までクリア
するバイタリティの有る方はどうぞ。
ちなみに、プレイするなら、最後までプレイしないと、作品の面白さを
きっちり体感できないのでご注意を。
# いや、まあ、たいしたことない、と言ってしまえばそれまでなんですが(^^;
##序盤で、だいたい想像ついちゃいますしね……。

最後に。愛梨さんとイチローのめくるめく愛のストーリーきぼー(笑)


以下、ちょいとネタバレ含むつぶやき。

「これがそなたに見せる最初で最後の奇跡じゃ」……天罰とか、犬が喋るのは
奇跡じゃないんだ(^^;

しかし、ヒカルがとっとと金出して神社を修復したら、あっさり解決する話の
ような気がしたのですが……(笑)



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