ノストラダムスに聞いてみろ♪
ブランド名 Lime ジャンル コミカルドタバタ恋愛ADV
発売日 2008.02.29 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(281x186x30mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 1.24GB(DVD-ROM)
原画 あきら シナリオ あごバリア
音楽 29曲、アッチョリケ、エムクリエイト あり(2曲、OP・ED)、のみこ、jina
音声 あり、風音、一色ヒカル、金田まひる、青山ゆかり、井村屋ほのか、神村ひな、北都南、
風華、野上奈々、先割れスプーン、壬申乱
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 96箇所+クイックセーブ3箇所 CG枚数 172枚
おまけ CGギャラリー、シーン鑑賞、音楽鑑賞、立ち絵ギャラリー
対象属性 学園物、純愛、ドタバタ、ラブコメ、紫髪、ポニーテール、リボン、ピンク髪、ヘアバンド、
お嬢様、先輩、黒髪、ストレートロング、メイド服、エプロンドレス、金髪、ツインテール、
オーバーニーソックス、義妹、ツンデレ、しましま、放尿、後輩
1プレイ時間 6〜7時間 お奨め度 7

レビュー
概要
明るく楽しい学園生活を送っていた主人公。ある日、主人公の前に変な女の子が
現れる。彼女は自分のことをノストラダムスの予言書だと言い、主人公に予言の
素晴らしさを知らしめるために無理矢理同棲を始める。こうして、ドタバタな毎日が
始まる……という、コミカルドタバタ恋愛ADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

浅間咲耶(せんげんさくや)。(CV:青山ゆかり)
主人公とは前の学校から付き合いのある腐れ縁。成績優秀、運動神経抜群、
家事もお任せ。気さくでノリが良くシモネタもOK。人当たりも良く見た目も
抜群で、学園でトップの人気を誇る。しかし、中身はかなりアバウトでオヤジ。
アニメ・漫画大好きっ子。キャッチャーマシンの女帝・とるとるさっちゃん(笑)
# 「お前達には友情という言葉はないのか」「いくら出す?」(笑)

ストラ。(CV:風音)
主人公の元に押しかけてきた、歌って踊れてご飯も作れるマルチな予言書。
いつも元気でポジティブ。口の硬さは伝言板並み。主婦くさい予言書。
無邪気で屈託がないが、おかげでキツいことを平気で言い放つ。
朝は非常に弱く、いつも寝坊する。

白山菊理(しらやまくくり)。(CV:金田まひる)
主人公の学園にやってきた転校生。白山財閥の一人娘で、理事長の姪。
予言書ティアの所有者。身体は子供、頭脳は大人。主人公を婚約者と言い、
つきまとう。権力の力で何でも可能に出来ちゃう魔法の携帯電話を持っている。

……それ、魔法でも何でもねぇ。

ティア。(CV:一色ヒカル)
菊理の従者で、アガスティアの葉の予言書。物静かでマイペースで毒舌。
人をからかうのが好き。好奇心旺盛。メイドの達人。

秋葉穂ノ香(あきはほのか)。(CV:井村屋ほのか)
主人公の母親の再婚相手の娘。つまり義妹。しかし、主人公は妹であることを
認めようとしない。ファザコン兼マザコン兼ブラコン。基本的に人当たりは
いいが、嫌な人相手には一言も口をきかない天秤穂ノ香ちゃん。
# ツン1、デレ9ぐらいのツンデレ。ほとんどツンがねぇ(笑)

丹生川上水波(にうかわかみみずは)。(CV:神村ひな)
穂ノ香の友達であるオタク娘。三次元の男に与える興味なんて微塵もないと
言い切る。ちょっとおっとりマイペース。

梅宮智瑠(うめみやちる)。(CV:風華)
Cafe・Cloudの女店長。明るく優しく人当たりのいい女性。一人で店を切り盛り
している。まったり空気の裏に黒いノリの良さを隠している。

秋葉那美(あきはなみ)。(CV:北都南)
主人公の実の母親。見た目は非常に幼いロリっこ。年齢詐称動物。馬鹿力で、
かなりの乱暴者。
# 「謝れ! ダーウィンに謝れ!」(笑)

白山媛(しらやまひめ)。(CV:野上奈々)
菊理の母親。白山財閥総帥。威厳があり高圧的だが、結構お茶目な一面も。

絵の方はすっきりとしていて可愛らしく、活き活きとしていてとても魅力的な
絵だと思います。
CGは明るく発色がよくて映え、丁寧に処理されていて交換が持てます。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。立ち絵がぴょこぴょこ動いたり、
会話に合わせてパタパタと切り替わり、変化のパターンも多く、アクションも
大きくてとても活き活きしていて、見ていて楽しいです。

キャラクターはマイペースなキャラがほとんど。みんな好き勝手に動くので
ドタバタで楽しいストーリーが展開されます。
那美さんがすんごいらぶりーです☆ ……ロリじゃない……よ……ね?
あとは、咲耶がすんごい可愛らしくてよかったです。穂ノ香も大好きですがっ。

音声はキャラクターとのマッチングはばっちり、演技の方も文句なしです。
明るく元気なノリと勢いで突っ走るキャラが多いんですが、みんなとても
活き活きと演じられていて、とても感情移入しやすかったです。

音楽は明るくほのぼのとした曲が多め。明るく楽しい日常を盛り上げてくれ
ます。ポイントポイントで使われる、静かな曲も印象的ですね。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌は明るくアップテンポなノリのいい曲。スピード感があって、聴き心地のいい
歌ですね。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。演出がなかなか凝っていて、
明るく楽しい雰囲気が漂います。
一部、歩くシーンとかがアニメーションするのですが、どこのロボットが歩いて
いるのかと思いました(^^;

エンディングも歌あり。しっとりと落ち着いた歌で、じんわりと心に染み入って
くるようないい歌だと思います。しっかりと余韻が楽しめていいですね。
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。基本的な操作はほとんどキー
ボードで可能ですが、マップ移動画面のみ操作出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。CPU利用率がかなり高く、しかも優先度が高いのか、他の
アプリケーションの動作も著しく重くなります。
スキップ動作はそこそこ高速。描画で若干ひっかかりますが。
ただ、メッセージスキップが頻繁に止まるのはちょっと。読んだことのある
メッセージでも止まっているような気が。ちょっと使いづらいです。

セーブ箇所は96箇所+クイックセーブ3箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーンタイトルとルート名とシーン画像が保存
されます。
数としては、それほどセーブ/ロードが必要な作品とも思えませんし、これだけ
あれば充分かと思います。

システムはマップ移動場所選択+選択肢決定型のアドベンチャー。
マップ移動画面はどこに誰がいるか表示されるのですが、これがちょっと
変わっています。
「予言レベル」というものがあり、これが上がると予言の内容が明確になったり、
マップ移動画面で誰がどこにいるのか表示されるようになります。
まあ、最初の方でもシルエットは表示されてますから別に気にする必要はない
かも知れませんけど。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「筑波那岐(つくばなぎ)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公のところにストラがやってくるところから始まります。
ノストラダムスの予言の素晴らしさを知らしめるために、同棲生活を送ることに
なり、ドタバタな毎日を繰り広げる……という感じ。

前半は、ひたすら明るく楽しくコミカルでドタバタな展開。テンポがよく
キャラクターもみんな活き活きしていて、ギャグも各所にちりばめられて
いてとても楽しいです。
キャラクター同士の掛け合いがとても楽しく、ノリが良くて、どんどん進め
られる感じでした。
# 「うわー、マスターかっこいいです。言ってる内容無視すれば」
# 「言ってる内容加味すると最低だけどねえ」(笑)
##「あなたの欲望を爽やかにエスコート、白山邸はあなたをジト目で待って
##いる」……ジト目なんだ……(^^;

公務員として安定感のある生活を続けていくという熱い魂をもった担任(笑)
……それは、アツいのか?(^^;

後半は、各ヒロインとの距離が縮まり、ヒロインの抱えた問題を乗り越えて
いく感じ。若干シリアスになりますが、それほどドロドロすることもなく、結構
あっさりと解決するので、プレイはしやすいかと。

ラストはすっきり綺麗に終わってくれるので、とても気持ちいいです。
いろんなこと投げっぱなしにされているのも気になりません(笑)

まず特筆すべき点としては、キャラクターの魅力。
ヒロインが魅力的なのは当然として、主人公もかなり好感が持てました。
主人公は、昔はかなり悪いことをしていたのですが、今は考え直してマトモに
生きており、約束と、家族と、父親の言葉を大事に生きていて、信念を持って
前向きに生きていて、とても受け入れやすかったです。
あまりうじうじ悩まず、いざとなったらズバッと動ける行動力を持ったキャラで、
感情移入しやすく好感が持てました。
また、周りのキャラクターもそんな主人公を支えてくれたり励ましてくれたりと、
プレイしていてとても気持ちよかったです。
個別ルートに入っても、他のキャラクターがしっかりストーリーに絡んで来たり、
自然で入り込みやすい展開でした。

プレイを開始して全ヒロインが出そろった時点で、みんないろんな設定や過去を
抱えているのがわかっていて、それぞれの話をちゃんと見てみたいと思いました。
これって大事なことですよね。

また、立ち絵の演出とか、効果音の使い方が上手いです。
カップを投げて、鏡に当たって割れるところとか、ちゃんと表現されてますし。
喜んだ時は立ち絵がぴょこぴょこと動き回ったりとか、とても臨場感があって
シーンを盛り上げてくれます。

ただ、この作品の特徴でもあり、最大の売りでもあると思われる「予言」ですが、
正直あまり有効に機能しているとは思えませんでした。
マップ移動場所選択が発生する日に予言が入るのですが、別に予言がなくても
問題なく進められますし、個別ルートに入るとマップ移動場所選択がなくなる
ため、予言自体もなくなってしまいます。
シナリオ上も、ストラなど一部のキャラを除いては、最後に1度だけ予言に頼る
とか、予言ですらないアドバイスを貰うだけなど、ほとんど機能していないように
思えます。

また、後半はかなり駆け足でポンポン進むため、話しについていくのがやっとで
若干感情移入しづらく感じました。また、溜めや引きがちょっと少ないため、
やや盛り上がりに欠けるようにも思えました。
もう少しじっくり丁寧に描いて欲しかったなーと思いました。

それと、一部展開がちぐはぐに感じることもありました。
一人暮らしを始めたはずの穂ノ香を、めっちゃ自宅に送り届けたりとかいう
お茶目さんをやったりとか、穂ノ香とてっきり恋人になったかと思ったら
まだのような発言をしたり、咲耶との関係をみんなの前で言ったのに、昔の
ことはまだ当分教えないでおいた方がいいなと言ったり。まあ、そんなに
気にはなりませんでしたが。

H度は並。各ヒロインとも複数回(2〜4回)用意されており、尺の方はそこそこ
長め。描写はややあっさりめです。
2回戦が用意されたりもするのですが、2回戦に突入したところでフェード
アウトしたりなど、あまり濃厚には描かれていません。
また、後半にまとめて立て続けにHシーンが入ることが多いため、実際よりも
ややボリュームは少なめに感じました。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポがよくて読みやすいテキスト
だと思います。
プレイ時間・難易度
ゲームは4月19日(木)から始まります。厳密には、その前々日でしょうか。
ゲーム期間は1ヶ月強。基本的に1日ずつ進みますが、後半は結構飛んだり
しますし、あまり気にする必要はないかと思います。

ワンプレイは6〜7時間。テンポよくサクサク進むので、全然長さは感じません
でした。共通部はそこそこあるため、2周目以降はスキップを使えばそれなりに
短縮は出来ますが、前述の通りスキップがよく止まるので、ちょっと使いづらい
のは残念です。どうも、周回や予言レベル、その他の条件で、一般のイベントも
内容が微妙に変わったりしているようですし。まあ、ゲームの進行に合わせて
ちゃんと内容が変わるのは、本来喜ばしいことですが。ちょっと細かすぎ(^^;

難易度は低め。基本的に狙ったキャラクターと会い続けていればOKです。
予言レベルが上がれば、誰がどこにいるかはっきり表示されるようになりますし。
総評
お奨め度ですが、明るく楽しくコミカルなドタバタ純愛ストーリーが好きな人に
お奨め。
主人公も含めて、キャラクターはみんな魅力的で、個性豊かで掛け合いも
楽しく、また前向きで嫌みのないキャラばかりで、とても好感が持てて、
感情移入もしやすかったです。
テンポがよくて読みやすく、メリハリもあって飽きずに最後までプレイすることが
出来ましたし、困難にも挫けずめげずに立ち向かっていく、とても爽快感のある
ストーリー展開を楽しめます。
演出も凝っていて、より感情移入しやすくなっていますし。

売りである「予言」にはあまり意味は見いだせませんでしたし、ノストラダムスの
存在意義も感じませんでしたが、それを差し引いても、とても楽しめるストーリー
だったと思います。

とにもかくにもキャラクターの魅力が第一の作品で、キャラクターとノリと
雰囲気が気に入った人なら、安心して楽しめる作品だと思います。
そんなに大感動とかはないですけど、楽しくて、温かい気持ちになれる、いい
作品だと思います。クオリティも高いですし。

最後に。「少なくとも一桁の年齢に興味はない」「二桁ならいいのかよっ」(笑)
# 「もちろん、いい」……いいんだ……(^^;
##なんだろう、このすっごく共感できる主人公(笑)


よーするに、デモンベインのバカゲー版? ←どちらにも謝れ

しかし、ストラシナリオ以外、ストラやノストラダムスほったらかし!?(笑)
まあ、菊理やティアもいい放置のされっぷりですが(^^;

ところで、ノストラダムスの予言を覆した主人公の行動、たしかにちっぽけで
アレでしたけど、あの予言なら主人公に頼らなくても覆せた気が。
そう、主人公を事前に亡き者にしてしまえば、簡単に(笑)
# もしくは、その物理学者を亡き者にする、でもいいですけど……。

しかし、絶望ともう一つの意味と言われたら、普通は迷わず一つの答えに
辿り着くと思うんですけど(^^;



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