オトメスマイル
ブランド名 あてゅ・わぁくす ジャンル おとめちっく学園ラブコメAVG
発売日 2008.11.28 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(168x232x41mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 1.95GB(DVD-ROM)
原画 天河慊人 シナリオ 玉城琴也、月下語
音楽 13曲、SNOW、深雪まな あり(1曲、OP&ED)、本田サラ
音声 主人公以外フルボイス、中家志穂、松永雪希、桜川未央、緒田マリ、クボタハルカ、
ヒマリこのえゆずこ秋葉モモ代古崎杏、藤宮もな、春河あかり、雪村とあ、
若月Riko、菅生詩音、奥川久美子、涼屋スイ、かがみもえ、月島よつば、竹沢由依
深山藍歌、真菜、福田純、一色、鉤村創二、吉村昴一、ノッチ、凍牙嵐
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 60箇所 CG枚数 70枚
おまけ CG MODE、音楽MODE、回想MODE、声優コメント
対象属性 学園物、純愛、ドタバタ、ラブコメ、幼なじみ、ピンク髪、ヘアバンド、アホ毛、ボブカット、
ツインテール、しましま、体操服、ブルマ、黒髪、先輩、緑髪、ショートカット、ボクっ娘、
後輩、ストレートロング、リボン、女教師、眼鏡っ娘、オーバーニーソックス
1プレイ時間 6〜7時間 お奨め度 7

レビュー
概要
父親の転勤で生まれ育った街を離れていた主人公。しかし、父親が海外に転勤
することになり、日本で学校を卒業するため、1人生まれ育った家に戻る。
その家は祖母の持ち家で、学園も祖母が理事長を務める学園に通うことになる。
しかし、学園に行ってみると、なんとそこは女子校だった。なんでも、将来の
共学化に向けて、試しに主人公を通わせてみるということらしい。慣れない
学園、しかもまわりは女子ばかり。果たして主人公の学園生活はどうなって
いくのか……という、おとめちっく学園ラブコメアドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

天城雛乃(あまぎひなの)。(CV:中家志穂)
主人公の幼馴染みで、パティスリー・アマギの一人娘。お菓子作りは親譲りの
腕前。両親は各地を飛び回っているため、現在は1人で暮らしている。
慣れない学園で戸惑う主人公をフォローしてくれる。控えめで優しい女の子。

樫ノ木まちか(かしのきまちか)。(CV:ヒマリ)
主人公のクラスメイト。明るくノリのいい女の子。主人公とも気さくに接して
くる。一見のーてんきだが、人を見る目は確かで、細かいことにも気がつく。
いつも前向きなムードメーカー。

藤間睦月(とうまむつき)。(CV:松永雪希)
主人公のクラスメイトで、執行部副会長。男性が嫌いで、主人公が学園に来る
ことも認めていない。そのため、主人公にはいつも冷たくあたり、ことある
ごとに言い争いになる。しかし、根は優しくて真面目で妹・友達思いの女の子。

藤間唯(とうまゆい)。(CV:緒田マリ)
主人公の後輩で、睦月の妹。執行部のマスコット。助手兼掃除番。
男性に対する免疫がなく、主人公にもあまり近寄ってこない。ちょっと天然の
入ったおっとりさんだが、優しく思いやりがある。

九重琴音(ここのえことね)。(CV:桜川未央)
主人公の先輩で、執行部会長。あっけらかんとしていて大雑把。ノリと勢いで
生きている。しかし、見るべきところはちゃんと見ている侮れない女性。
からかえる時に人をからかうのが美学。機械が苦手。

七星一菜(ななほしかずな)。(CV:このえゆずこ)
主人公の後輩で、唯の親友。明るく親しみやすい女の子。主人公のことを
「兄ちゃん」と呼ぶ。好奇心旺盛でいたずら好き。

東條紫苑(とうじょうしおん)。(CV:クボタハルカ)
執行部会計。無口で真面目で堅物なクールビューティー。主人公のことは
毛嫌いしており、そっけなく接する。機械に強く、ノートパソコンを使い
仕事をこなしていく。

神谷栄美(かみやえいみ)。(CV:秋葉モモ代)
主人公の婆ちゃんで、学園の理事長。茶目っ気たっぷりでいたずら好き。
主人公をからかって楽しんでいる節もある。おおらかで、細かいことは気に
しない。

辛島照子(からしまてるこ)。(CV:古崎杏)
主人公のクラスの担任教師。真面目で堅物。学園に男子が通うことを快く
思っておらず、主人公に対して厳しく接する。

絵の方はすっきりとした絵柄ながらも、ほんわかとした雰囲気の可愛らしい
絵柄。表情豊かで活き活きとしていて魅力的だと思います。
CGは明るめの発色で丁寧に処理されており、見栄えもいいですね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。会話に合わせてコロコロ変わり、
表情豊かでアクションも大きく、コミカルな表情もあったりと、見ていて
とても楽しいです。また、振り向いたり焦ったりというシーンは立ち絵が
それっぽく動いたりと、演出もなかなか凝っていて見応えがあります。

キャラクターは主人公を受け入れているキャラと認めていないキャラの2つに
わかれます。唯は単にどう接したらいいかわからないだけという感じですが。
各学年の賑やかしキャラ(琴音、まちか、一菜)がいい味を出しています。
特にまちかはテンション高くて賑やかなキャラなんですけど、嫌みはなく、
ウザくもなくて、とてもいい友達という感じで良かったです。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
エキストラに凄い数の声優さんが参加していますが、もはやどのキャラが
誰だかわかりません(^^;
ちなみに、「世迷言」を「よまよいごと」と読んでたりするのはご愛敬。
# そもそも、「世迷い言」と書いてないのが悪いんです。きっと。

音楽は明るくほのぼのとした曲が多め。作品の雰囲気を柔らかく包んでくれる
ような感じです。静かで切ない、緊迫感のある曲なんかも用意されています。
曲数は決して多くはないのですが、シーンとよく合った曲が使われているため
曲数については全く気になりませんでした。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポで可愛らしい感じの曲なんですが、エフェクトがキツくて
ちょっと気になりました。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。結構ネタバレチックな絵が
あったような気がしますが。

エンディングも歌あり。歌はオープニングと同じですが、エンディングで使った
方が、作品に合ってるような気がします。

なお、Hシーンなんかで、局所的にアニメーションが使われます。そんなに派手な
動きではありませんけど、なかなか雰囲気が出ていて効果的かと。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、セーブ
ロード画面等の操作はキーボードで可能ですが、細かいメニュー操作等は出来
ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。
前の選択肢に戻ったり、次の選択肢に飛ぶことも出来ます。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作は高速です。まあ、大抵は次の選択肢まで
飛ぶでしょうけど。

セーブ箇所は60箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と自由記述のコメント(無入力だと
メッセージの一部)が保存されます。
数としては、選択肢の数が片手で数えられる程度ですので、これだけあれば
足りるかと。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「神谷裕樹(かみやゆうき)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が女子校に通うことになるところから始まります。
周りが女子ばかりで、主人公のことを快く思っていない人もいる中で、戸惑い
ながらも学園生活を送っていく……という感じ。

前半は、各キャラの主人公に対するスタンスを明確にしつつ、主人公はどう
いう方向に進むのか決めていく感じ。具体的には、執行部を手伝うのか手伝わ
ないのか、ですが。

後半は、学園祭などを通じてヒロインとの距離を縮め、障害を乗り越えて
気持ちを通わせあっていくという感じ。キャラクターによって色んな障害が
用意されています。

ラストはすっきり綺麗に終わり、クリア後はとても爽やかです。

まずプレイしていて感じたのは、キャラクターの配置の絶妙さ。
大きく分けて、主人公寄りのキャラとそうでないキャラがいるわけですが、
それぞれ主張ははっきりしていてわかりやすく、また、誰かが冷たく接して
来たときは他のキャラがフォローに入ってくれるなど、よく考えられていて
プレイしやすかったです。
個別ルートに入っても、しっかり他のキャラクターもストーリーに絡んで
来たりと、とても感情移入しやすかったです。
また、主人公も前向きで、うじうじせず、素直なので、好感が持てました。
まあ、鈍感なのはお約束ですけど。

また、演出も凝っていて、見応えがありました。振り返ったり立ち上がったり
するときの視線移動が表現されていたり、詰め寄ってくるところがしっかり
描写されていたり、またポイントポイントでアニメーションを入れてみたり、
とても雰囲気が出ていたと思います。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回(2〜3回)用意されていて、尺はそこそこ
長め。描写も比較的濃いめです。2回戦も用意されています。
内容は基本的に純愛系のラブラブHで、最初はみんな初めてなのでおっかな
びっくりという感じなのですが、慣れてくると大胆になってきて、結構色んな
プレイが楽しめます。コミカルなシーンもあったりと、バラエティ豊かで、
純愛物としてはかなり頑張っていると思います。

テキストは誤字等はあまり気にならず、テンポも良く読みやすいテキストだと
思います。若干、テキストと音声に違いがあるところが目立ちましたが、そん
なに数は多くないと思いますし、まあ許容範囲。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。3ヶ月ぐらいでしょうか。前半は1日ずつ進んでいきますが、
途中からかなり飛ぶようになり、日付も表示されないため、特に気にすることは
ないでしょう。

ワンプレイは6〜7時間。手頃でプレイしやすい長さだと思います。テンポも
いいので、サクサクと進められました。全体の半分ぐらいが共通部なので、
2周目以降はスキップを使えばそれなりに短縮は可能です。

難易度は低め。選択肢の数が片手で足りる程度で、そんなに悩むことはない
でしょう。ただ、最初はいつの間にか個別ルートに入っちゃっているような
印象を受けるかも。狙っていたキャラと違うキャラのルートにいつの間にか
入っていてびっくりしました。
総評
お奨め度ですが、学園純愛ストーリーが好きな人にお奨め。
学園生活を通して、主人公がヒロインに惹かれていくところ、気持ちに気付く
ところが丁寧に描かれていて感情移入しやすく、またキャラクターも魅力的で
とても良かったです。個別ルートに入っても、周りのキャラクターががさりげ
なくサポートしてくれたりと、とても自然で入り込みやすいシナリオでした。
また、タイトル通り、女の子の笑顔に注目した作品で、笑顔がとても魅力的に
描かれているのが印象的でした。

女子校に男子が1人放り込まれるという設定はもはや珍しくもないですし、
突飛なキャラクターや展開があるわけでもない、ごく普通の学園恋愛ストーリー
です。しかし、キャラクターはしっかり立っていますし、演出も凝っていて、
突飛な展開がないこともあってストーリーに入り込みやすく、プレイヤーとの
情報格差やプレイストレスもなくて、とてもプレイしやすかったです。

これといって目新しいことはない、飛び抜けた所はない作品ですけど、これと
いった欠点もなく、どこをとってもクオリティが高く安定していて、安心して
プレイ出来る作品でした。
甘酸っぱい学園純愛ストーリーが好きな人は是非どうぞ。

最後に。婆ちゃんエンドきぼー。←ありえない(笑)
# なんか、みょーに可愛らしいんですけど(^^;


まちかエンドきぼー……と言いたいところですけど、なんかまちかはあんまり
ヒロインっぽくないというか、友達感覚なので、別にいいや(笑)



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