Princess Frontier
ブランド名 Axl. ジャンル AVG
発売日 2008.03.28 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(160x232x40mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 3.30GB(DVD-ROM)
原画 瀬之本久史 シナリオ 北側寒囲
音楽 29曲、PELVISMUSIC inc.、iyuna あり(5曲、OP・ED)、Rita茶太
音声 あり、七原ことみ、松田理沙、青山ゆかり、芹園みや、事務台車、空乃太陽、
ヘルシー太郎、茶谷やすら、川角一本松、胸肩腎、このかなみ、韮井叶
三園あすか、泉水コト、紫陽花、まきいづみ、城崎彦太
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 177枚
おまけ Picture、Scene、Music
対象属性 ファンタジー、純愛、コメディ、ほのぼの、黒髪、ストレートロング、修道女、ツンデレ、
シスター、帽子、赤髪、ツインテール、金髪、王女様、お姫様、ボクっ娘、お嬢様、タカビー
1プレイ時間 11〜13時間 お奨め度 8

レビュー
概要
騎士候補生の主人公は、騎士任官式典の際に階段でつまづいてお姫様の胸を
わしづかみにしてしまう。不敬罪での処刑は免れたが、辺境の村の国境警備
という任務を与えられ、実質左遷される。主人公の任地は人口83人のポルカ村。
のどかで緑が多くて空気の美味しい土地で、主人公は女の子1人と老人1人と
いう警備隊の隊長として日々を過ごす。ある日そこに、1人の王族と近衛騎士が
やってくる。なんでも、伝説にある幻の花を探しに来たとのこと。その王族は、
なんと主人公が左遷人生を送るきっかけとなったお姫様だった。果たして
主人公の運命は……という、ほのぼのドタバタアドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

ロコナ。(CV:松田理沙)
国境警備隊の隊員。明るく素直な女の子。とても純粋で騙されやすい。
自分のことよりも人のことを第一に考える優しい女の子。警備隊の家事を
一手に引き受ける。主人公のことを隊長と呼び慕う。

レキ。(CV:青山ゆかり)
ポルカ村にある教会で暮らす神官。真面目でお堅い雰囲気だが、とても優しく
責任感が強く面倒見がいい。村人からも頼りにされている。

ミント・テトラ。(CV:芹園みや)
ポルカ村にやってきた商人。ひょんなことから借金を抱えてしまい、兵舎に
済ませてもらう代わりに経理などを引き受けつつ、借金返済のために働く。
明るく元気な女の子。商魂はたくましい。

アルエミーナ・リューシー・テクスフォルト・ゼフィランス。(CV:七原ことみ)
王国のお姫様。通称・アルエ。幻の花を求めて村にやってきた。強気で負けず
嫌い。自分は本当は男だと言い張り、女の子扱いされるのを嫌がる。
主人公が左遷人生を送るきっかけとなったが、それを申し訳なく思っている。

絵の方は活き活きとした可愛らしい絵柄。慌てたときや怒ったときの動きの
ある絵がとても魅力的です。ただ、シーンによって、ちょっと目が縦長になり
違和感があることも。そんなに気になりませんが。
CGは明るく発色のいい色遣いで、丁寧に処理されていて見やすいです。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。アクションが大きく、会話に合わ
せてコロコロ切り替わるので、見ていて楽しいです。
たまに入るデフォルメ絵も可愛らしくていいですね。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。基本的にみんな明るく元気で、楽しい
雰囲気を醸し出してくれます。
女性キャラもいいですが、男性キャラがいい味を出していて作品を盛り上げて
くれます。中でもジンがすんごいいい味を出しててお気に入りです。
……最初はかなりウザかったんですけど(^^;
# でも、一番好きなのはエドワール様ですけどねっ(笑)

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
ジンはとても表情・表現が豊かで、いろんな演技を聴くことが出来て、しかも
どれもハマっていて凄かったです。
逆にアルエは、ちょっと一本調子な感もありました。
あと、アロンゾは暑苦しいです(笑)

音楽は基本的にほのぼののんびりした感じの曲がよく使われているのですが、
数としては激しい曲や勇ましい曲の方が多いです。総じて厚みのある音が使わ
れていて、荘厳な雰囲気も漂いますね。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポでポップな明るい曲。スピード感があって爽やかでなかなかいい
ですね。ただ、歌声がちょっと重く力強い感じなので、やや曲とは合っていない
ように感じました。歌ももっと軽く歌っていいんじゃないでしょうか。
絵の方は、キャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点は特になし。

エンディングも歌あり。ただし、ハッピーエンドでなかった場合は歌はなく、
曲のみになります。キャラ毎に別の曲が使われています。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定などは
キーボードで操作可能ですが、それ以外の操作はほとんどできないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。
シーンスキップ機能も搭載されており、あらすじだけを見てシーンを飛ばす
ことが可能です。もちろん、選択肢がある時はちゃんと出てきます。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はそこそこ高速です。

セーブ箇所は50箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とメッセージの一部が保存されます。
数としては、選択肢はそこそこあるものの、シーンスキップなどもあり繰り返し
プレイがやりやすいこともあって、そんなに多様はしなくてもすむかも。
なので、これだけあれば何とかなるかなー、といったところです。
もうちょっとあるに越したことはないですが。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「リュウ・ドナルベイン」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が式典で事件を起こし、ポルカ村に左遷されるところから
始まります。最初は村に受け入れられず四苦八苦し、ようやく慣れてきたと
思ったらお姫様がやってきてさらなる騒動が起こる……という感じ。

前半は、村でのドタバタながらもほのぼのとした毎日が描かれます。
いろんな小さな出来事が起こり、それを1つ1つ解決していきながら、みんなの
絆が深まっていくという感じ。とても自然でプレイしやすかったです。

後半は、ヒロインの抱えた問題を乗り越えつつ結ばれる(逆もありますが)と
いう展開。結構シリアスになったりはしますが、そーんなにキツくはなく、
またみんなで力を合わせて問題を乗り越えていくような感じで、むしろ温かい
気持ちになれました。

エンディングは各キャラ複数あって、ハッピーエンドはすっきり綺麗に終わり
温かい気持ちになれる感じ。ノーマルエンドは全てが綺麗に解決したわけでは
ないけど、でもとりあえずは幸せ、という感じでしょうか。
まあ、ハッピーエンドでも、色々と問題を抱えていたりしますけど……。

特筆すべきは、キャラクター達の関係と描写。
小さな村ということで、住んでいる人みんな知り合いで、助け合いながら
生きているという感じなのですが、それがとてもよく描かれていて、ほのぼの
とした温かい気持ちになれるストーリーが展開されます。
また、各ヒロインの個別ルートに入っても、他のキャラクター達がしっかりと
ストーリーに絡んで来て、むしろみんなで力を合わせて困難を乗り越えていく
という感じで、とてもいいお話でした。
そして、各キャラクターはとても活き活きと描かれており、個性もしっかり出て
いて、かけあいもいい感じです。

H度は並。各ヒロインとも複数回(3回)用意されています。尺の方はそこそこ。
最初の方はやや短めかも。描写はややあっさりめです。
内容的には、気持ちを確かめ合うような純愛系のシーンがほとんど。
あまり突飛なシーンはなく、バリエーションもそんなにないかも。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良く読みやすいテキストだと
思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。シナリオによっても結構違ってると思います。
日付の経過は描写されないので、気にする必要は無いかと。

ワンプレイは11〜13時間。そこそこ長いですが、全体の7〜8割ぐらいが共通
ルートなので、2周目以降はメッセージスキップ・シーンスキップを使えばかなり
短縮出来ます。

難易度は並。基本的に狙ったヒロイン寄りの選択を続ければいいのですが、
結構わかりにくい選択肢があったり、1つ外すだけでクリアできなくなったり
することがあるので、コンプリートするのはそこそこ大変かも。
総評
お奨め度ですが、ほのぼのとした心温まるストーリーが好きな人にお奨め。
のどかな雰囲気の中でゆったりと、しかしドタバタとコミカルに進むお話は
とても心地よく、キャラクター同士の掛け合いや連帯感がとても良く描かれて
いて、しっかりとお話を楽しむことが出来ます。

共通ルートが多く、個別ルートはやや短めではありますが、それでも充分に
ボリュームはありますし、エンディングも複数あることもあって、充分満足
出来るかと思います。

これといった欠点もなく、とてもよくまとまったいい作品だと思います。
何より、キャラクターの魅力と、キャラクター同士の繋がり、支え合いは
見ていてとても微笑ましく、心温かくなれるかと思います。

ややのんびりした展開ではありますが、それでもメリハリはありますし、
テンポもいいのでプレイはしやすいかと思います。
雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。

最後に。叔父さんの名前が「オジーさん」というのはダジャレですか(笑)
# お爺さんならさらに良かったのに。


以下、ちょっとラストに絡むネタ。

「次に会えた時には、結婚しよう!」……ナイス死亡フラグ(笑)
# 「城を無事に抜けたら結婚しよう」も可(笑)

しかし、密入国者抱え込んでハッピーエンドとか、かなり無理があるような
気がするんですけど(^^;

そもそも、近くの森にドラゴンの巣穴があるようなところで平和に暮らして
いけるものなのでしょうか……。



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