プリマ☆ステラ | |||
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ブランド名 | アトリエかぐや | ジャンル | お嬢様学園留学AVG |
発売日 | 2008.06.27 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(192x270x45mm) | マニュアル | B6ブックタイプ |
DISC容量 | 3.78GB(DVD-ROM) | ||
原画 | choco chip | シナリオ | 神無月ニトロ、近江達裕、速水漣、 玉沢円、須永成人、春日森 |
音楽 | 24曲、 Gion-syojya BY Rock'N'Banana、 不知火つばさ(Angel note)、 北沢のぶぞう(Angel note)、 くど(ピクセルビー)、 meis Clauson |
歌 | あり(4曲、OP・ED)、 Riryka(Angel note)、yuiko |
音声 | 女性キャラフルボイス、みる、草柳順子、まきいづみ、茶谷やすら、 かわしまりの、深井晴花、広野大地 |
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インタフェース | ほぼフルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 100箇所+クイックセーブ1箇所 | CG枚数 | 110枚 |
おまけ | CGモード、回想モード、音楽モード、秘密の小箱 | ||
対象属性 | 純愛、学園物、お嬢様、女教師、シスター、ストレートロング、オーバーニーソックス、 リボン、先輩、帽子、ピンク髪、触角、サイドポニーテール、ウェイトレス、後輩、 ショートカット、アホ毛、ボクっ娘 |
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1プレイ時間 | 13〜15時間 | お奨め度 | 8 |
レビュー |
概要 |
陶山学園水泳部に所属している主人公は、大会の予選に出場するため会場に 向かっていた。その途中、暴走車から子供と少女を守るため身を挺し、大怪我を 負って昏睡状態に陥る。意識を取り戻したものの、筋力は落ち、怪我も残るため、 大会への出場は絶望的だった。そこに、超お嬢様学校・聖エトワール女学院の 教師が現れ、交換留学生として学院に来て、豪華な施設と優秀なドクターの下で リハビリとトレーニングをしないかと申し出る。なんでも、主人公が助けた少女は 学院の生徒であるという。申し出を受け入れた主人公は、女の子ばかりの学院で、 再び水泳を始めるのだった。果たして主人公は、どんな学生生活を送るのか…… という、お嬢様学園留学AVG。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 小早川美雪(こばやかわみゆき)。(CV:深井晴花) 聖エトワール女学院の教師。主人公を学院に誘いに来る。 主人公の担任かつ水泳部顧問で、常に主人公のことを気遣う。 真面目で落ち着いた雰囲気の女性だが、結構お茶目でフランク。 東方院静歌(とうほういんしずか)。(CV:みる) 主人公が助けた少女。責任を感じ、主人公の復帰を全力でサポートする。 学院一のお嬢様で、みんなから一目置かれている。やや気が弱く控えめ。 自分のことを悪い方に悪い方に考えるネガティブ思考。 苧島久住(おのしまくすみ)。(CV:草柳順子) 主人公の従姉。通称・くすねぇ。学園では星令会(生徒会)会長として毅然と しており、みんなから慕われているが、主人公に対してはひたすら甘く見境の ない、ダメ姉になる。天然ボケ。並列処理ができない。 テンションが上がると何でもかんでも力いっぱい抱きしめてしまう。 高鷲雅(たかすみやび)。(CV:まきいづみ) 静歌の友達で、主人公のクラスメイト。お嬢様系タレント・モデルとして 芸能界で活躍している。頭の回転が速い。ちょっと意地悪。一見クール だが、優しく思いやりがあり気遣いの出来る女の子。テニス部のエース。 日秀巴(ひびりともえ)。(CV:茶谷やすら) 主人公の1年下の後輩で、雅とはコンダクトと呼ばれるお世話係の関係。 無邪気で明るく屈託のない素直な女の子。健気で頑張り屋。 家柄はそれほどよくない庶民に近い女の子で、生活費を自分で稼ぐ。 テニスのスポーツ奨学生。 桐島悠(きりしまゆう)。(CV:かわしまりの) 星令会副会長で、水泳部部長。さっぱりしたかっこいい女性で、ファンも 多い。久住を的確にサポートする。むしろ、裏の会長と呼ばれる。 絵の方はすっきりとした可愛らしい絵柄で、とても活き活きしていて魅力的 だと思います。 CGは明るめの発色で丁寧に処理されており、見栄えもいいと思います。 立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。会話にあわせてころころと切り 替わり、コミカルな表情もあり、見ていて楽しいです。 また、各所にデフォルメ絵も用意されていて、可愛らしいです。 キャラクターは基本的にみんなお嬢様ですが、純粋お嬢様、従姉、芸能人、 庶民派と、様々なタイプのキャラがおり、あまりお嬢様お嬢様した感じは ありません。 巴が素直で健気で可愛くてたまりません(T_T) 自分勝手なキャラが多い中、一服の清涼剤でした。 悠も好きなんですが、あまりにも扱いが悪すぎです(T_T) まあ、あまりにも完璧なキャラすぎるのかも知れませんが。 音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。 巴は細かい感情の変化をしっかり演技で表現されていて、とても感情移入 しやすかったです。 淫語は、テキストでは一部「●」で伏せられており、音声でもピー音が入る のですが、申し訳程度にちょっとピー音が入るだけで、丸聞こえです。 ただ、「大事(だいじ/おおごと)」「騎士(きし/ナイト)」など、キャラによって 読み方が違うのはちょっと気になりました。 また、「コンダクト」のアクセントもキャラによって違ってましたし。 このあたりはしっかり統一して欲しかったところです。 音楽はほのぼのゆったりした曲が多め。落ち着いた雰囲気で、作品を柔ら かく包んでくれるような感じです。もちろん、激しい曲もあり、緊迫感もよく 出ていますし、しっかり作品を盛り上げてくれます。 ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れ ます。というか、各話の冒頭に流れます。 歌はアップテンポでビートの効いた曲で、力強くパンチのある歌声は、それで して聴き心地が良く、希望を抱かせるようないい歌だと思います。 ただ、終わり方がちょっと唐突で、尻切れトンボな印象はありましたけど。 絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点はなし。 各話の最後にはエンディングが流れます。 歌はゆったりとした落ち着いた曲で、綺麗に各話を締めてくれるような感じです。 そして、個別ルートに入ると、別のオープニングが流れます。 こちらは明るくポップな歌で、優しい柔らかい歌声はとても聴きやすく、ゆったりと した雰囲気でいいですね。 絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもので、最初のオープニングと大差 ないのがもったいないです。 そして、各ヒロインをクリアすると別のエンディングが流れます。 こちらもゆったりとした曲ですが、力強さのある歌で、最後をしっかりとまとめて くれる感じです。 |
システム |
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。バックログの操作だけが キーボードで出来ませんでした。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。 通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作はそこそこ軽快。スキップ動作もそれなりに高速ですが、描画でやや 引っかかる感があります。 また、一度クリアすると、章を丸ごと飛ばせるようになります。 セーブ箇所は100箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブ日時の他、話数とシーンタイトル、シーン画像が保存 されます。 数としては、選択肢の数はそこそこあるものの、効果は明確で、2周目以降は 章自体を飛ばせるため、これだけあれば充分でしょう。 システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。 クリア後に手に入る鍵を使用して、おまけシナリオが読めます。 ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。 主人公の名前は「榊晃輔(さかきこうすけ)」固定です。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは主人公が聖エトワール女学院にやってくるところから始まります。 慣れないお嬢様学園なうえに唯一の男子学生ということで戸惑いつつ、 周りの人に支えられながら水泳に打ち込んでいく……という感じ。 前半は、各ヒロインそれぞれに問題が起こり、それを乗り越えていきながら 女の子たちとの絆を深めていくという感じ。 この中で、各ヒロインと関係も持ってしまいます。どんだけ節操なしかと(^^; 後半は、女の子たちの抱えている問題に向かい合い、より絆を深めていく ような感じ。シリアスな展開が多いのですが、それほど長くもないため、 あっさりと終わり、あまりドロドロすることはありません。 ラストはややご都合主義な感もありますが、すっきり綺麗に終わってくれる ので、プレイ後の気分は爽快です。 プレイしていてまず気に入ったのは主人公。しっかりした意志と周りの人への 心配りを持っており、状況に戸惑いつつも前向きに努力していく姿勢はとても 好感が持てました。 庶民の主人公が、お嬢様学校に入ってわたわたするところがよく描かれており、 でも、わからないことはちゃんと認めて聞くし、周りの人もちゃんとフォローして くれるので、見ていて気持ちよかったです。 また、ヒロイン達もそんなにお嬢様お嬢様した感じではなく、結構フランクに 接してくるため、親しみが持てます。もちろん、要所要所ではきっちりお嬢様 してますので、雰囲気は損ねていませんし。 さらに、絵もない、名前すらないサブキャラまでも、ストーリーにしっかり 絡んで来て作品を盛り上げてくれるのがなかなかいいですね。 H度は高め。各ヒロインとも複数回(7〜10回)あり、尺はかなり長め。描写も 濃厚で、2回戦も用意されています。 内容は純愛系のラブラブHがほとんどで、内容的にはオーソドックスなものが 多いのですが、シチュエーションは様々で描写も濃く、純愛系としてはトップ クラスだと思います。サブキャラにもしっかりHシーンがあります。 また、かなり早い段階からヒロインと結ばれるのですが、導入は結構自然で、 違和感なくすんなり入っていけました。 ただ、あらかじめ射精場所を選択しておくんですが、シーンの流れでどちらか 選択したいなーと思いました。まあ、最初に選択しておいて、その後はシーンに 集中出来るようにという配慮なんだとは思いますけど。 Hシーンへの導入が自然なだけに、これが気になりました。 あと、保健室とかプールとか大浴場とか、もうちょっと場所は選ぼうぜ、な?(笑) # いつ誰に見られてもおかしくないだろう……。 テキストは誤字等はあまり気にならず、テンポも良く、読みやすいテキスト だと思います。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲームは章立てて進んでいきます。 ゲーム期間は不明。半年ぐらいでしょうか。イベントのあるところをつまんで プレイする感じなので、日付の経過は意識する必要はありません。 ワンプレイは13〜15時間。かなり長いですが、全体の8割ぐらいが共通部なうえ、 2周目以降は共通部をすっ飛ばしてプレイ出来るため、かなり短縮出来ます。 難易度は低め。基本的に狙ったキャラ寄りの選択をしていればOKですすし、 2周目以降は最初から狙ったキャラのシナリオに入れますので、苦労することは ないでしょう。 |
総評 |
お奨め度ですが、純愛ストーリーと濃厚Hを両立したい人にお奨め。 お嬢様達との恋愛を描く萌え系の純愛ストーリーでありながら、純愛系作品とは 思えないぐらいの濃厚なHシーンが展開され、内容のたっぷり詰まった作品だと 思います。主人公をはじめ、キャラクターはみんな好感が持てて(くすねぇは ちょっと微妙ですが(^^;)、とても活き活きとしていて魅力的で、支え合いが とても微笑ましかったです。 ストーリーも、各話毎にしっかり描かれており、何度もうるうる出来る、いい お話が多かったです。不慣れな主人公をみんなで支えてくれたり、女の子の 抱えた問題をみんなで協力して乗り越えたりと、仲間との関係や絆、一体感が よく描かれており、心温まるいいお話が多かったです。 Hシーンへの導入も自然で、雰囲気を損ねることなく楽しむことが出来ました。 ただ、個別ルートが短く、個別ルートに入ったらあっという間に終わりという 感じで、1つ山を越えるだけなので盛り上がりに欠け、ちょっと尻切れトンボな 印象もありました。また、展開も読みやすいので、意外性にも乏しいです。 さらに、共通ルートでは全ヒロインがしっかりお話に絡んで来たのに、個別 ルートに入ると途端に全く絡んでこなくなったりと、雰囲気ががらっと変わり 残念でした。最後まで、みんなとの絆を持っていて欲しかったです。 個別ルートより、むしろ共通ルートの方が泣けて笑えて、面白かったような 気がしました。 # 印象に残るシーンが、3話の演説とか、5話の模擬試合&決勝戦でしたし。 また、共通ルートでヒロインみんなと結ばれるのですが、その時点では恋人と いうわけではなく、関係を保留している感じなので、人によってはちょっと 不快感を抱くかも知れません。ちょっと流されすぎかなー、という気はします。 主人公が前向きで思いやりがあるので、そんなに気になりませんでしたが。 そして、Hシーンの前に、射精場所を選択するのは、作品の流れをぶった切り 異様に浮いているのでいただけませんでした。せっかくHシーンへの導入が 綺麗なのに、こんな選択肢が出てきたらがっかりです。せめて、事前に選ぶか どうかを切り替えられたら良かったんですが……。 ともあれ、個別ルートはやや物足りなさはあるものの、キャラクターはみんな 活き活きとしており魅力的で、主人公も好感が持てて感情移入しやすく、 ヒロインとの関係もよく描かれており、Hシーンも濃厚でたっぷりと用意されて おり、非常に高いクオリティでよくまとまった作品だと思います。 もう少し個別ルートがしっかりしていて、事前の射精場所選択がなかったら、 お奨め度 9 を付けてもいいかな? と思えるぐらいの作品でした。 キャラクターや雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。ただし、悠が気に入った 人にはちょっと物足りないかも……。 # 本編でも、秘密の小箱でも、扱いが悪すぎる(T_T) 最後に。カテキンパワーで煩悩退散。←関係ない(^^; コンダクト……ようするにスール?(笑) そして巴シナリオは、よーするに「テニスのお嬢様」って言いたいんですか?(笑) |