The Rising Sun | |||
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ブランド名 | SGP Software | ジャンル | 海洋サスペンスAVG |
発売日 | 2008.07.25 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(163x230x49mm) | マニュアル | B6ブックタイプ |
DISC容量 | GAME DISK : 2.29GB(DVD-ROM) Music Disk : CD-DA=195.2MB、CD-DA5トラック |
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原画 | 吉田創、日向悠二 | シナリオ | 立花志郎、yhmt |
音楽 | 27曲、ARM(IOSYS)、 MUSIC(C)IOSYS、Megus |
歌 | あり(3曲、OP・ED・挿入歌)、 ジェーニャ |
音声 | あり、アヤ、市野平太、micoC、乾玉三郎、このかなみ、ヒガシバヤシヒロシ、 海原エレナ、楠鈴音、金松由花、津積役人、ジェーニャ |
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インタフェース | ほぼフルキーボードサポート | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 10箇所 | CG枚数 | 71枚 |
おまけ | CGモード、サウンドモード、フリージア・マリア号の歴史、ソフィアの追憶、ルージュの過去 | ||
対象属性 | サスペンス、ミステリー、お嬢様、ガーターベルト、メイドさん、エプロンドレス、銀髪、 ストレートロング、金髪、ストッキング、ドジッ子、ツインテール |
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1プレイ時間 | 4〜5時間 | お奨め度 | 2 |
レビュー |
概要 |
保険会社員の主人公は、仕事でイギリスに向かうため、叔父の伝手で豪華客船を 利用していた。その船の中で事件が起こり、主人公は叔父からその調査を依頼 される。その間にも次々と起こっていく事件。果たして主人公は事件を解決し、 無事イギリスにたどり着けるのか……という、海洋サスペンスAVG。 なお、このレビューは、CGが2枚埋まっていない状態で書いています。 エンディングはたぶん全部見ていると思うのですが、いくつかのイベントは見て いないことになると思いますので、その点はご了承下さい。 # 1ヶ月近く頑張ってみたけど見つからなかったんです……(T_T) |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 ミリア・ストレングス。(CV:アヤ) 甲板で出会った画家志望の女性。イギリスの学校に絵の勉強に行く。 一応貴族だが、堅苦しいことを嫌い、自由奔放に生きている。好奇心旺盛で 何にでも首を突っ込むお転婆娘。 ユフィ。(CV:海原エレナ) バッフェル・イークラム卿に仕えるメイド。優しくおしとやかで控えめな 女性。ちょっと気が弱い。 # ユフィなのかユフィアなのかどっちですか。 ソフィア・ミハイロブロナ。(CV:ジェーニャ) 船に雇われた歌い手。英語は余り得意ではなく、たどたどしい。 ミステリアスな雰囲気を持つ女性。 ルージュ・カールセン。(CV:このかなみ) 船に乗り込んでいる娼婦。色気たっぷりのお姉さん。ことある毎に主人公を 誘惑してくる。 アイリン。(CV:楠鈴音) 今回の航海から雇われた給仕。ドジでよく失敗をしては怒られている。 明るく元気な女の子。 ミューリ。(CV:海原エレナ) 船の中で出会った女の子。言ったことは理解するが、言葉は話さない。 でもキャストはついている不思議。 エクレア。(CV:金松由花) 給仕長。真面目で素直な女性。やや気が弱く恥ずかしがり屋。 レシュ。(CV:アヤ) 船の中で出会った女性。一見普通だが、どこか影のあるキャリアウーマン。 絵の方は柔らかいタッチの絵柄。色気があって構図もわかりやすくていいと 思います。ただ、男性キャラはちょっとどうだろうと思わなくもないです。 CGはぼってりとした塗りで、どうにも野暮ったい印象があります。また、 線の処理が粗く、どうにもチープに見えてしまいます。立ち絵でジャギとか 見たの久しぶりな気がしますよ……。決して、原画レベルではそんなに悪く ないと思うんですが……。 立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。パターンは少なめです。 ちなみに、何度か立ち絵が分身することがありました。 キャラクターはミステリアスなキャラ揃い。サスペンスものということも あって、みんなどこか怪しげな雰囲気が漂います。特に男性キャラは怪しさ 炸裂です。 音声は女性キャラに関してはほぼ問題なし。マッチングも演技も特に気に なるところはありませんでした。むしろ、このテキストをよくここまで聴ける ものにしたと絶賛したいぐらいです。 ただ、男性キャラが酷い。まずキャラクターとのマッチングがでたらめ。 いかついキャラクターがやたら爽やかな声だったり、軍人の声がやたら 軽かったりと、どうにも浮きまくっている印象があります。さらに演技も 一部棒読みかと思えるぐらいのキャラもいたりと、これならない方がいい のではないかと思うぐらいでした。 音楽は独特の不思議な雰囲気の曲が多め。作品をミステリアスな雰囲気で 包んでくれます。ただ、ちょっと曲は音数が少なくチープな印象があります。 ゲームを起動すると、オープニングアニメーションが流れます。 歌はロシア語でしょうか? 独特の雰囲気がある歌で、なかなか壮大な感じで いいですね。 絵の方は映画を意識したような、シーン紹介の中に、各キャラクターが喋る シーンが入っていたりと、なかなか面白いです。 エンディングも歌あり。同じく外国語の歌で、雰囲気はなかなかいいです。 透明感のあるゆったりした曲で、落ち着いた感じです。 挿入歌も用意されています。これも外国語で、艶のあるなかなかいい歌だと 思います。ただ、ワンコーラス終わるまで、キー入力も何も受け付けずただ 聴いてなければいけないのはちょっとどうかと思いました……。 |
システム |
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。バックログ等、一部の機能のみ キーボードで操作出来ないようです。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。 バックログはマウスのホイール機能に対応しています。 ただし、バックログは、修正ファイルを入れないと搭載されません。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作はやや重め。スキップ動作もやや遅いです。 効果音が鳴っているときなど、キー入力を受け付けないことが多く、プレイ していてイライラすることが多かったです。メッセージスキップをしていても、 効果音の流れるシーンは全く同じように展開しますので。 セーブ箇所は10箇所。セーブ/ロードはメニューボタンの出ている時のみ可。 移動場所選択画面でセーブできません。アドベンチャーパートでもメニューが 表示されないことがちょくちょくあるので、思ったところでセーブできないことが 多かったです。 セーブデータはセーブ日時のみが保存されます。どれがどのシーンのものか、 日時で判別するしかないという、不親切きわまりないシステムです。 数としては、移動場所が非常に多く、空振りもあり、エンディングも複数ある というシステムだけに、こんな数では足りるはずもありません。 この10倍あってもいいぐらいだと思います。 システムは移動場所選択+選択肢決定型のアドベンチャー。 移動場所選択は、まず船内のどの層に行くかを選び、その後、その層の中の どこに移動するかを選ぶ形になっています。移動箇所は30箇所以上あります。 例を挙げると、移動可能な層は以下の通りです。 「ブリッジ層」「ボートデッキ層」「プロムナード層」「シェルター層」 「アッパーデッキ層」「メインデッキ層」「ロワー層」「ホールド層」 ……もうわけがわかりません。 こんなに細かく層を分ける必要があるのでしょうか。この層を選んでから、 さらに行き先を選ばないといけないのは、面倒以外の何物でもありません。 特徴としては、「T.M.T.(タクティカル・モーション・トーク)」があります。 これは、「姿勢」と「感情」の組み合わせから、どんな態度で話しかけるか 選択するというものです。「姿勢」はどれだけ興味を持って話しかけるか、 「感情」は強く出るか控えめに出るかを選択します。 このT.M.T.によって、その後のイベントが変わったりします。 なお、T.M.T.が使えるシーンでは、メッセージウインドウ上の「T.M.T.」 という文字が白くなり、そこをクリックすることでT.M.T.モードに入ることが 出来ます。(一部、強制的にT.M.T.になるところもあります) メッセージウインドウ上のT.M.T.をクリックしなかった場合、そのまま会話に 入らず終了してしまいます。メッセージスキップをしていると、T.M.T.に 入れるところでも止まらずそのまま流れていってしまうため注意が必要です。 また、途中で、犯人を予測するシーンがあるのですが、そこでは犯人の名前を 入力する必要があります。なので、キャラクターの名前は正確に覚えておくか メモっておいた方がいいでしょう。 ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。 主人公の名前は「ベイク・ガルフェスト」固定です。 ところで、Windowのタイトル(アプリケーション名)が設定されていないのは 何故なんですか? |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは船がアメリカを出航してイギリスに向かうところから始まります。 船内で事件が発生し、その調査を行っていくというサスペンスものです。 ストーリーはサスペンス物ということで、基本的に緊迫感の漂う展開になって います。まあ、ミリアやレイリン、ルージュあたりとの会話はほのぼのとした ものも多いですけど。 ラストは手放しでハッピーエンドではなく、むしろ次に続くような終わり方に なっています。バッドエンドも用意されています。 特筆すべき点としては、一周目はベイク視点でプレイして、二周目はミリア視点で プレイするような形になっています。 それぞれエンディングは複数ありますが、基本となるストーリーは一本なので、 一度クリアすると犯人や真相がほぼわかってしまいます。 別視点でプレイしても、あまり新しい発見がないのは、ちょっと作品の構成的に どうかなーと思いました。 そしてプレイしていて気になったのは……気になったところだらけではありま すが……とりあえず、会話やシーンの繋がり、整合性。 今まで見たことや、今起こっていることと、会話の内容が合っていないことが 多々ありました。 殺人事件の調査をしているのに「盗難事件だからといって」と言ったりとか、 まだ死んでない人を死んだと言ったりとか、もはやでたらめです。 以下、ステキメッセージの一部をご紹介します。 「俺はベイク・ガルフェスト。君は?」 「ミリア・ストレングス」 「話は変わるんだが、この船の乗客変な人間が多すぎないか?」 ……いやいやいや、話変わりすぎですから。 # 「あなたとならもう少し話してもいいかなって気になってきたわ」 # ……え? もしかして好感触? そんなバカな(^^; 『ミリアは筆を置くと、やっとこちらを向いた』……いや、さっきから何回も こっち見てたと思うんですけど……。 『来た道を戻っていると一風変わった東洋系の三人組とすれ違った』……私には 東洋系に見える人は1人しかいないんですが……。一風変わりすぎです(^^; 「日本男児がそんなことできるかっ」……に、日本人だったんだ……。 # どう見ても中国人です。少林寺とかにいそうです。 「クリフ叔父さんか。会った記憶はないけど、良さそうな人だったな。機会が あったらまた話に行ってみよう」……本人の目の前で、それ言うの? # セリフ扱いになってるんですけど……。 ベイク「ははは、俺は綺麗な女性の横顔を見るのが好きなんだよ」 ベイク「そんなこと言って、これだからナンパ男は……」……セルフ突っ込み!? ベイク「ベイク……」……自分の名前つぶやいてうっとりしてるんですか? あと、ミューリが食べているオムライス、どう見てもオムライスじゃないです。 H度は並。各ヒロイン基本的に主人公との絡みは1回。他のキャラと絡むとか、 Hシーンなしのキャラなんかもいますけど。尺は短め。描写はそこそこ濃いめ。 内容的には、何も知らない子を流れのままに抱くようなシーンが多め。 ……なんか主人公がえらい鬼畜に思えますね(^^; サブキャラは、主人公との絡みはなくて、主人公以外のキャラとのHシーンが あったりとか、凌辱っぽいシーンも1つですがありました。 # おまけにシーン回想モードはありませんのでご注意を。 テキストは誤字満載、意味不明なテキスト満載、繋がりもおかしくて、理解 するのに苦しむことも多々。ある意味楽しめました。いくつか例をご紹介。 「こんな魅力的な女性が隣にいるのなら事件なんて起らならなくたっていい」 ……何が言いたいのかさっぱりわかりません。 「ベインおじさんに感謝だな」……誰それ(^^; # クリフ叔父さんなら知ってますけど……。 「殺さない程度に首を絞めから抜け出るというのはあまりにも変な話だ」 ……その日本語自体が変な話です。 「救難ボートの乗り午後地は決していいものではない」……まあありがち。 「君のお父さんから連絡があって息子を船に乗せて欲しいって言われたときは びっくりしたいけど」……したいんだ。願望なんだ。 「その二人が同時に存在している様で、もうどうし」……続きは何ーっ。 あと、テキストと音声が食い違っているところも多々ありました。 テキストでは「少し遅れた子供」なのに、音声では「障害を持った子供」に なっていたり、テキストでは「えぇ、やっと」なのに、音声では「衣装室までは 一緒だったわよ」とか意味わかりません。 テキストでは「船を動かした途端三人も殺されたんだぞ」となっているのですが、 音声では「二人」と言ってます。この時点では実際にも二人です。 # 他にも「船内」を「かんない」と読んでいたりとか、色々。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲーム期間は1週間。1日ずつ進んでいきます。経過を意識することはないですが。 ワンプレイは4〜5時間。プレイ時間はそんなに長くないのですが、使いづらい システムと、移動がめんどくさく、さらに総当たりをしないといけないので、 プレイ時間以上に疲れました。テキストは読んでいて脱力しますしね……。 難易度は高め。移動場所が非常に多く、また、訪れる順番か時間帯かわかりま せんが、タイミングによってイベントが起こったり起こらなかったりするため、 イベントを見つけるのが非常に難しいです。せめて時間の経過か何かを示す ようなものがあればいいんですけど、それもありませんし。 また、ルージュやレシュのHシーンは、T.M.T.でうまく会話を進めないと見られ なかったりもします。 さらに、ベイクルートで条件を満たすと、ミリアルートでイベントが発生する こともあるようで、全てのイベントを見るのはかなり大変かも。 ちなみに、証拠をしっかり集めないまま進めると、犯人入力シーンで、正解を 入力しても先に進まないという状態に陥ります。ちなみに、正解を入力しないと そのシーンからは抜けられません。……どうしろと? # 久しぶりに、ハマりのあるゲームをプレイしましたよ……。 |
総評 |
お奨め度ですが、かったるいシステムや崩壊したテキストが好きな人にお奨め。 もはや、内容を楽しむとかそれ以前の問題です。 雰囲気としては決して悪くないと思いますし、話自体もそれなりには面白いと 思います。ただ、システムとテキストがあまりにも酷く、マトモに楽しむことが 出来ませんでした。 不親切な上に面倒でわかりづらくかったるいシステムと、整合性や繋がりが ズタボロで誤字や意味不明な表現が満載で音声とも食い違うテキストは、 かなり破壊力がデカいです。それはもう、プレイする気がなくなるぐらいに。 それに加えて、粗い絵、チープな音楽、ショボい男性ボイスなども相まって、 ちょっと勘弁して、という感じです。 何より、修正ファイルを入れないと途中で落ちる、立ち絵の表示やテキスト 表示、音声がおかしいなど、一度でもテストプレイをすれば気付くような 不具合が多数入っている(修正ファイルを入れても残っている)というのは、 ゲーム以前に商品としてどうかと思います。不良品は要らないんで、ちゃんと 動くものを売って下さい。 きっちり丁寧に作ってあれば、それなりに楽しめるかも知れない要素が感じ られるので、残念でなりません。まずはマトモにプレイ出来るものを作って 下さい。話はそれからです。 スタッフは結構豪華で、特に女性声優さんなんかはかなり贅沢な使い方を しているのに、どうして出来上がったものがこんなんなんでしょうね。 なんか、もう、関わった人達が可哀想なぐらいです。 ゲームとして、作品としてはとてもお奨めできるものではありませんが、 興味本位とか、面白半分とか、マゾな人はどうぞ。 ただし、プレイする前に必ず修正ファイルは入れましょう。そうでないと 発狂しても知りません。 とりあえず、体験版をプレイするだけでも充分楽しめると思います。主に おかしなテキストを。 最後に。プレイ開始5分で挫けそうになったゲームは久しぶりです(^^; しかも、かなり序盤でだいたい真相わかっちゃいましたし……。 ゲーム本編も色々突っ込みどころ満載ですが、修正ファイルが輪を掛けて凄い ですね。 「マスターROMから、スクリプト上で動作に不具合を発生させるエラーが出る 事が発覚し、このままでは正常にプレイできない恐れがあります」 ……修正ファイルを入れても正常にプレイ出来ないんですが? 「以後、二度とこの様な事の無いように、万全の体制を持ってゲームをお送り できるよう努める所存です」……まだゲーム作る気なんだ……(笑) 「今回の修正では以下のポイントが修正されています。 ・動作箇所がおかしいポイントを修正。」 ……おかしいところだらけでどこがおかしいのかわかりません。 というか、そもそもこの日本語からして何かおかしい気がします。 # 動作箇所がおかしいって何? 圧巻は修正パッチ導入法。 「Windows2000/XP の場合 (インストールフォルダがデフォルトの場合です) 1.まずWindowsのシステムが入っているドライブを選択します。(標準はCドライブ) 2.開きましたら、「Program Files」というフォルダをクリックし、開いてください。 3.初めて開く方の場合は、ウィンド左側にある「全てのファイルを表示する」を選択 して、内容を表示させます。」 ……待って待って。隠しファイルにでもなってるんですか? 「※更新前のファイルのタイムスタンプは「2008年7月11日 13:46」で、更新後の ファイルのタイムスタンプは「2008年1月4日 0:00:00」となっております。 時間が遡っていますが、支障はありません。」 ……いやいやいや、支障ありまくりますから。というか、タイムスタンプぐらい 修正しておきましょうよ。てゆーかなんで1月4日? 発売日より前ですよ? あと、修正ファイルの中に、「Concept_image1.jpg」「Concept_image2.jpg」と いうファイルが入ってるんですが、なんかあり得ない絵なんですけど。 コンセプトイメージってことは、元々この作品はこういうイメージで作られて いたってことですか? そんなバカな(^^; なんというか、こう、金返せ? (最上級の笑顔で) |