すいっチ!! 〜ボクがナツに想うこと〜
ブランド名 :co/on ジャンル スラップスティック満喫ADV
発売日 2008.02.08 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(167x230x42mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 992.3MB(DVD-ROM)
原画 しかげなぎ高瀬ひろ結城しん
たぢまよしかづなるみすずね
シナリオ かみゅ
音楽 20曲、Angel note
不知火つばさ(Angel note)、
kala(Angel note)
あり(2曲、OP・ED)、
神代あみ、kala
音声 主人公以外フルボイス、みる、春日アン逢川奈々羽高なる、楠鈴音、櫻井ありす
岩泉まい、原田友貴、島田友樹
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 100箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 99枚
おまけ CG MODE、MEMORY MODE、BGM MODE
対象属性 ドタバタ、学園物、幼なじみ、ピンク髪、ポニーテール、アホ毛、ツインテール、リボン、
オーバーニーソックス、ボクっ娘、しましま、放尿、お嬢様、金髪、ガーターベルト、
ヘアバンド、ストッキング、ボブカット、ストレートロング、スクール水着、眼鏡っ娘、
ショートカット、黒髪、和服、着物
1プレイ時間 5〜6時間 お奨め度 4

レビュー
概要
ゲームが大好きな主人公は、ゲームの中で疑似恋愛を楽しんでいた。
しかしある日、ひょんなことからゲームの中のキャラクターが現実世界に
現れたからさあ大変。果たして彼女たちは何者なのか。世界はどうなって
しまったのか。主人公の運命は……という、スラップスティック満喫ADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

月森翠(つきもりすい)。(CV:みる)
主人公の幼なじみ。おっとりのほほんとした女の子。主人公のことが大好きで、
いつもべったりくっついている。料理が得意。

楠木恵理(くすのきえり)。(CV:春日アン)
主人公の後輩。ひょんなことから知り合い、それ以降主人公につきまとう。
ただし、主人公の事は快く思っておらず、何かにつけて突っかかってくる。
口より先に足が出る。

穂高佳乃(ほだかよしの)。(CV:逢川奈々)
主人公のクラスメート。社交的で人望が厚くて上品なお嬢様。学生部の副会長。
地元の名士の一人娘。落ち着いた立ち居振る舞いの女性。

楠木理沙(くすのきりさ)。(CV:楠鈴音)
主人公のお隣さんで、あこがれの女性。ほんわかした雰囲気のお姉さん。
エッチなことに免疫がない。

二笠摩耶(にかさまや)。(CV:羽高なる)
主人公の幼なじみでクラスメート。クラス委員長でバリバリの堅物。
超絶優等生。主人公のことを快く思っておらず、いつも冷たく当たる。

蒔田小夜(まきたさよ)。(CV:櫻井ありす)
主人公のクラスメート。物静かで存在感の薄い女の子。メカに強く、プログラム
技術も飛び抜けている。

絵の方は原画家さんが複数いて、輪郭線の取り方からして違うため、統一感が
なく、かなり違和感がありました。また、立ち絵とイベント絵で雰囲気が違う
キャラも見受けられました。原画はいいとしても、塗り方ぐらいは揃えていいと
思うんですけど。
CGは上記の通り、キャラ毎、シーン毎にややバラツキが見られました。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。変化のパターンはそれほど多くない
ですが、コミカルな表情なんかもあったりと、見ていて楽しいです。

キャラクターは個性豊というか、我が強い、独特のキャラクターが多め。
どのキャラも積極的に動き回って、作品を引っかき回しているような感じです。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
裏表のあるキャラクターが何人かいますが、しっかりと演じられていて、
感情移入はし易かったです。

音楽はゆったりほのぼのとした曲が多め。静かで緊迫した感じの曲も多いです。
基本的に、あまり激しい曲はないですね。作品の雰囲気を柔らかく包んでくれる
感じです。

ゲームを開始すると、かなり長いプロローグの後にオープニングアニメーションが
流れます。なんかもう、プロローグでゲーム1本クリアしたぐらいの満足感があるん
ですけど。実際、半分ぐらい終わってるわけですが。
歌はアップテンポで爽やかな歌。およそ、直前のシーンと似つかわしくないのが
なかなかステキです。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点は無し。

エンディングも歌あり。落ち着いた雰囲気の、心に染み入ってくるような歌。
プレイ後の気持ちを爽やかにしてくれる感じです。プレイが終わった時は、結構
ささくれだった気持ちになっていますので(笑)
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。設定メニュー以外はキーボードで
操作可能です。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートプレイ搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作は高速です。

セーブ箇所は100箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とメッセージの一部が保存されます。
数としては、選択肢はそれなりにあるものの、これだけあれば足りるかと。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。
選択肢の積み重ねによってその後のイベントが変化する、フラグ型のシステムに
なっているようです。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「武多タツヤ/武多達也(たけだたつや)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公がゲーム世界で疑似恋愛を楽しんでいるところから始まります。
まさにゲームチックな学園生活や恋愛を楽しんでいて、そのキャラクター達が
現実に登場して……という話。

前半は、ゲーム世界での生活を楽しみます。何の説明もなく普通に進むので、
最初はゲームの中の出来事だなんて全く考えてませんでしたが(^^;
基本的にはコミカルで楽しい雰囲気ですが、一部ちょっと雰囲気の違う展開も
用意されています。

後半は、ゲームのキャラクター達が現実に登場して、ドタバタ劇が繰り広げられ
ます。なぜそんなことになったのかという話も含めた展開になりますが、基本的に
あまり細かいことは気にせずそのまま進みます。

最後は突然ばっさり終わるような感じで、その後のフォローもあまりなく、
どうにも尻切れトンボな印象が強いです。

プレイしていて気になったのは展開の唐突さ。ほとんどのイベントが何の説明も
なく唐突に脈絡なく発生し、イベント間の繋がりも希薄で、どうにもちぐはぐな
印象が強いです。
基本的に共通ルートの一本道があって、各キャラの個別イベントが所々に出て
くるような感じなので、個別イベントと共通イベントとの間は全然繋がりません。
たとえば、個別イベントで結ばれて、次のイベントが共通イベントで今までと
全く同じ反応・会話が展開されるとか、せっかくの気分が台無しです。
もうちょっと気を遣って欲しいところです。

また、一応謎解きとか説明っぽいものはありますが、非常にあっさりしていて、
さすがにこれで納得しろというのは無理だろう、という感じです。

H度はやや低め。各ヒロインとも複数回用意されています。尺は短め。描写も
あっさりめです。
内容的には、基本的には純愛系のシーンが多いですが、いたずらをされるような
ものがあったり、夢や妄想の中でのシーンがあったりと、バリエーションは豊か
です。そして1シーンだけですが、凌辱(寝取られ)的なシーンもありますので、
苦手な人はご注意。
また、ほとんどのキャラは初めてですが、1人初めてじゃないキャラもいます。

テキストは誤字等は気にならず、テキスト自体は読みやすいと思うのですが、
いかんせん内容が荒唐無稽であまり頭に入ってきませんでした。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。20日ぐらいでしょうか。一応、たまに何日目かというのが
表示されるのですが、表示されたりされなかったりなので……。

ワンプレイは5〜6時間。サクサクと進むため、プレイはしやすいかと思います。
また、共通部分がかなり多いため、2周目以降はスキップを使えばかなり短縮
することが出来ます。

難易度はやや高め。基本的に狙ったキャラ寄りの選択をしていればいいの
ですが、みょーに条件がシビアなキャラがいたり、どーでもいいような選択肢が
実はイベントの分岐になっていたりと、コンプリートしようと思うと結構大変だと
思います。特に、小夜のイベントを全部回収するのはかなり手間かと。
翠や理沙も、イベント発生条件がシビアな気がしました。
注意点としては、前半の選択が後半に響いてくること。結構さらっと出てくる
選択肢が重要な意味を持っていたりしますので、どうしても見られないベントが
あった場合は、最初からやり直した方がいいです。結構ハマります。
総評
お奨め度ですが、荒唐無稽なドタバタストーリーが好きな人にお奨め。
そもそもの設定からしてかなり荒唐無稽ですが、展開は輪をかけてでたらめで、
ついていくのはちょっと大変かもしれません。

設定がわかりにくく、何の説明もなしに突然ドタバタストーリーが始まるため、
まずついていくのが大変です。さらに、イベントの繋がりも弱く、共通イベントの
中に個別イベントがちょこちょこ出てくるような感じなのでとてもちぐはぐで、
スラップスティックと言えば聞こえはいいですが、ようするになんの脈絡もなく
でたらめなストーリーが展開されるだけです。
絵の方も統一感がなく、テキストもキャラによって雰囲気やノリが違ったりと、
どうにも全体的にちぐはぐさが目立つ作品でした。これではさすがに、感情移入
するのは難しいです。声優さんの演技は良かったんですけど。

どうにもまとまりのない、プレイしているといろいろなことが気になってしまい、
元々わかりづらいストーリーが余計に頭に入らなくなってしまう作品のような
気がします。もう少ししっかり筋道を立てて、全体を統一してくれれば、もっと
プレイしやすくなると思うんですけどねぇ。ストーリーの核となるシナリオすら
あっさりさらっと終わってしまうのは、さすがにどうかと思います。

プレイするときは、細かいことは気にしない、おおらかな心が必要だと思います。

最後に。眼鏡が好きとか靴下が好きとか、話に関係するとは思わなかった(^^;


以下、ちょいとネタバレ入りの感想というか疑問。

で、結局アザミって何だったんですかね?
ナツが主人公の精子を使って生み出した子供?
存在意義を全く感じなかったんですが……。

あのスイッチが何の意味があったのかすら、よくわからなかったのですが。
というか、そもそもナツが何者かよくわかりませんでした(^^;
特殊な能力を持った一族というのはわかりましたが……。
ナツシナリオは、もうちょっと丁寧に描いてもいいんじゃないかな……。



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