祝福のカンパネラ
ブランド名 ういんどみるOasis ジャンル 祝福の鐘鳴り響くAVG
発売日 2009.01.30 定価 \9,800
パッケージ 紙製パッケージ(267x194x33mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 4.07GB(DVD-ROM)、StarForce
BGM Digital Sound Track : CD-DA=643.2MB、CD-DA40トラック
原画 こ〜ちゃ成瀬未亜 シナリオ サイトウケンジ、ちゃとら、
木之本みけ
音楽 46曲、Elements Garden
Ecnemuse
あり(6曲、OP・ED・挿入歌)、
佐藤ひろ美、NANA、笶田みこ、
杏子御津、莉稲るり、
宮川なつき、春山琴巳
音声 あり、杏子御津、莉稲るり、宮川なつき、春山琴巳、佐本二厘、成瀬未亜、安玖深音、
子太明、左高蹴、雅姫乃、井伊由田那、河合春華、中野紗来、みる、紀之、九条信乃
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 10箇所(最大1000箇所)+
オートセーブ4箇所+クイックセーブ8箇所
CG枚数 108枚
おまけ Graphic Gallery、Scene Gallery、Music Gallery、Character Gallery
対象属性 純愛、ファンタジー、ドタバタ、ラブコメ、幼なじみ、帽子、金髪、お嬢様、ツインテール、
オーバーニーソックス、ヘアバンド、ストレートロング、お下げ、メイドさん、紫髪、双子、
赤髪、リボン、ポニーテール、病弱、ゴスロリ
1プレイ時間 11〜13時間 お奨め度 8

レビュー
概要
『世界の宝物庫』と呼ばれる貿易都市『エルタリア』。今年は7年に1度の『エール』が
満ちる年。流星群が見られる年。収穫祭が近づいてきたこの街で、アイテム職人の
主人公は、大聖堂の塔の中で、1人の少女と出会う。その少女は、主人公のことを
パパと呼び、主人公や冒険仲間達とともに暮らすことになる。果たして主人公は、
どんな冒険に巡り会うのか……という、祝福の鐘鳴り響くAVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

カリーナ・ベルリッティ。(CV:莉稲るり)
主人公の幼なじみで、エルタリア大公の娘、つまり、エルタリア公女。気さくで
親しみやすいお姫様。主人公が所属するクラン『Oasis』のクランマスター。
普段は大人しく気品に溢れるが、ふとしたことですぐ取り乱し、くだけた雰囲気が
出てしまう。主人公へストレートに好意を表す。

ミネット。(CV:杏子御津)
塔の中で出会ったオートマタ。限りなく人間に近く、感情表現が豊か。無邪気で
天真爛漫、好奇心旺盛で素直ないい子。主人公のことを「パパ」と呼ぶ。

アニエス・ブーランジュ。(CV:春山琴巳)
オートマタを売りながら旅をしている自称・世界一の人形師。
人懐っこく、誰とでもすぐ打ち解ける。外見はやや幼いが、頭の回転が速く、
洞察力が鋭く、空気を読むのが上手い。、甘い物が大好き。

チェルシー・アーコット。(CV:宮川なつき)
エルタリアで開かれる収穫祭のためにやってきた神殿騎士。
生真面目で、落ち着いた雰囲気を持つ、神秘的な雰囲気の女性。エーテルの
気配を感じることが出来る。方向音痴で、ちょっぴり天然さん。

ニナ・リンドベルイ。(CV:佐本二厘)
クラン『Oasis』の管理人さん。カリーナの身の回りの世話をやっていたメイド。
優しくほんわかした雰囲気で、面倒見が良く、みんなのお母さん的存在。酒豪。

シェリー・メイクラフト。(CV:雅姫乃)
主人公の母親。非常に若々しく、イタズラ大好き。お茶目なお色気お母さん

サルサ・トルティア。(CV:成瀬未亜)
『Oasis』の向かいにあるクランハウス『トルティアC(カンパニー)』の副社長。
『Oasis』とはライバル関係。双子のトルティア姉妹の姉。
考えることが苦手で、身体を動かすのは好き。リトスにいつも弄られている。

リトス・トルティア。(CV:安玖深音)
『トルティアC(カンパニー)』の社長。双子のトルティア姉妹の妹。
機械作りが得意。無表情で淡々とした口調で話すが、人をからかったりイタズラ
するのが大好き。いつも姉のサルサを弄って遊んでいる。

ガーネット。(CV:中野紗来)
ひょんな事から知り合った、竜族の少女。古風で尊大な話し方をする。
気が強く、意地っ張りで負けず嫌い。知ったかぶりでネーミングセンスゼロ。

ミリアム。(CV:みる)
ミネットが町で出会い、友達になった女の子。病弱で、杖をついて歩いている。
物静かで大人しい女の子。

アヴリル。(CV:九条信乃)
町の中で出会った、無口で無感情な謎の少女。

絵の方は柔らかいタッチの可愛らしい絵柄。表情豊かで活き活きしていて、
とても魅力的な絵柄だと思います。
CGはやや淡い色使いで丁寧に処理されており、見栄えもいいですね。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。アクションが非常に大きく、会話に
合わせてコロコロ切り替わりますし、コミカルな表情があったり、立ち絵での
演出も凝っていて、見ていて楽しく、感情移入もしやすいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。冒険仲間はみんな方向性の違うキャラで、
掛け合いがとても楽しいです。サブキャラも個性豊かで、みんなとても魅力的
だと思います。サルサとリトスはいいコンビ過ぎます。
キャラ的には、アニエスが好きすぎます。
そして、頬を染めたゴーレム萌え(笑)

音声はキャラクターとのマッチングは良し。個性的な声の人が多く、とても
印象に残ります。演技の方も、とても活き活きと演じられていて、聴き応えが
あります。特に、サルサとリトスの掛け合いは、流れるようなボケ突っ込みで
とても活き活きとしていて面白いです。このサルサとリトスの漫才(笑)だけ
でも、聴く価値あり、です。

音楽はほのぼのとした楽しい雰囲気の曲が多め。次いで、しっとりとした
優しい曲がよく使われます。作品の雰囲気を明るく、柔らかく包んでくれる
感じで、とても心地よいです。
あと、戦闘シーンや花火の音など、効果音も凝っていて、なかなかいいですね。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌は軽快なテンポで爽やかながら力強い歌。とても伸びやかで聴きやすく、また
デュエットになっていて重ね方や掛け合いが絶妙で、格好良さもあって、かなり
気に入りました。
絵の方も、キャラクターがぐりぐり動くわけではありませんが、背景や演出が
とても凝っていてよく動き、また曲とのリンクもばっちりで、非常に見応えが
ありました。
見て・聴いて、わくわくするような、とてもいいオープニングだと思います。
ただ、クオリティの高さに比例して、ビットレートも高いようで、非力なマシン
だと、再生でちょっと引っかかりがあるかも知れません。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。ただし、CPU利用率は高めで、描画や演出でひっかかる
こともあります。画面演出速度を上げたりすれば、かなり快適になります。
スキップ動作はそこそこ高速。ただし、やはり描画でちょっと引っかかります。
前の選択肢や次の選択肢に飛ぶことも出来ます。

セーブ箇所は10箇所+オートセーブ4箇所+クイックセーブ8箇所。セーブ箇所は
10箇所ずつ増やすことが可能で、最大1000箇所まで増やせます。
セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と章番号、メッセージの一部が
保存されます。
数としては、1000箇所まで増やせますから、まず使い切ることはないでしょう。
悲痛な数だけ増やせるのがいいですね。

システムはメッセージ選択型のアドベンチャー。
通常の選択肢決定の他に、引き受ける依頼の決定や、戦闘があります。
依頼の決定は、現在受けられる依頼が表示され、その中から好きなものを選ぶ
だけです。
戦闘は、2択式になっていて、正解を選び続ければ勝てるようになっています。

本作はStarForceによるプロテクトが施されており、インストール時にシリアル
キーの入力と、ディスクチェックが入ります。インストールしてしまえば
ディスクレス起動可。
バックグラウンドでの動作は可能です。
主人公の名前は「レスター・メイクラフト」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公がミネットと出会うところから始まります。そしてカリーナや
アニエス、チェルシー達と共に、冒険をこなしていく……という感じ。

前半は仲間達とクエストをこなしていき、絆を深めて行く感じ。明るく楽しく
コミカルな雰囲気で、テンポ良くサクサク進みます。

後半は、各キャラクターの目的に向かって共に歩みつつ、より絆を深めていく
という感じ。ややシリアスな展開もありますが、基本的には楽しい雰囲気で
ほのぼのと進んでいきます。

ラストはすっきり綺麗に終わってくれますし、温かい気持ちになれる、とても
いい終わり方だと思います。
ただ、シナリオによっては、「え? そういう方向に持っていくんだ?」と思う
こともあって、やや肩すかし感も。まあ、それでも盛り上がりますけど。

特筆すべきは、会話のテンポの良さ。登場するキャラクターがみんな基本的に
頭がいいので(サルサは除く(笑))、会話がとてもテンポ良く、うじうじしたり
くどい説明がないので、心地よく、プレイしやすかったです。
みんなちゃんと空気を読んでくれるので、嫌な気持ちになることがほとんど
なくて、ありがたいです。

そして、演出も非常に凝っていて、見応えがありました。ヒロインが向こうを
向いている時は立ち絵も後ろ姿が表示されたり、近づいてきた時は大きく表示
されたりと、感情移入し易く、臨場感たっぷりの演出が目を見張ります。
さらに、探索に出た時は、背景がスクロールして、森や岩場の中を歩いている
ような演出がされたりと、とても凝っていていいですね。

H度は並。メインヒロインは複数回(3回)用意されており、尺の方はそこそこ
長め。描写はそこそこ濃いめです。サブキャラについては1回だけです。
内容的には、純愛系のラブラブHがほとんど。会話が多めの、気持ちを確かめ
あうようなシーンが多いです。

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良く、読みやすいテキスト
だと思います。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。日付の経過は特に描写されません。

ワンプレイは11〜13時間。やや長めですが、テンポ良くサクサク進むので、
あまり長さは感じませんでした。共通部が6割ぐらいあり、2周目以降は
スキップを
使えば短縮出来ますが、そもそも個別ルートも長めのため、コンプリート
しようと思ったら、それなりに時間はかかります。

難易度は並。基本的に狙ったキャラ寄りの選択をすればOKですが、一部やや
効果がわかりづらい選択肢があったりしますので、狙ったシナリオには入れ
ないことがあるかも知れません。
総評
お奨め度ですが、ほのぼのとした雰囲気のファンタジーが好きな人にお奨め。
冒険を通じて仲間達と絆を深めたり、みんなで力を合わせて問題を解決したり、
とても温かい雰囲気の、楽しいストーリーが楽しめます。
また、キャラクターがみんな活き活きしており、会話はとても楽しくテンポ
良く、プレイしていて心地よかったです。
サブキャラはおろか、街の人達までもみんな優しくて温かくて、ほのぼのと
した気持ちをたっぷり楽しめます。
個別ルートに入っても、他のキャラがしっかり盛り上げてくれますし、力を
合わせて何かを成し遂げる様は、心温まります。
重苦しい展開や、うじうじした展開はほとんどなく、快適にストレスなく
プレイすることが出来て、とても良かったです。

また、演出がとても凝っていて、立ち絵の演出は勿論のこと、音楽の使い方や
デフォルメ絵の使い方、アニメーションの入れ方などもよく考えられていて、
臨場感たっぷりに盛り上げてくれます。

ただ、依頼を受けて冒険をし、敵と戦ったりするのですが、選択肢だけで
進むため、やや面白みに欠ける気はします。雰囲気的にはファンタジーRPGで、
そこからRPG要素だけを抜いたような感じです。なので、ゲーム的にはやや
物足りなさもありました。プレイしているとRPGがやりたくなります。
もう少し、ゲーム性も欲しかったなー、と思いました。戦闘が2択というのは
寂しすぎます。

でもまあ、パーツパーツは非常にクオリティが高く、雰囲気が良くテンポも
良くてプレイしやすく、最後まで飽きずに楽しめる、なかなかいい作品だと
思います。クエストや戦闘にやや意味を感じなかったのを除けば、ほとんど
気になるところはありませんでした。雰囲気が気に入った人は、是非どうぞ。
ただし、プレイする前には、必ず修正パッチを当てておきましょう。
# これがなければ、もうちょっと高い評価したかもね……。

最後に。大公、威厳ないな!(笑)
まあ、娘のカリーナからして、やたら親しみやすい雰囲気ではありますが。


サブキャラもちゃんとエンディングが用意されていて、なかなか好感が持て
ました。(まあ、Exシナリオではありますが)
欲を言えば、アヴリルエンドとか、ガーネットエンドとか……(笑)
# ゴーレムエンドとか(笑)

あと、「名前が『タンゴ』なのに黒猫じゃないなんてっ」……と突っ込もうと
思ったら、先に突っ込まれてショックでした(笑)

雰囲気はまんま『くれいどるそんぐ』ですし、塔の中で魔法と出会って話が
始まるのはまんま『ツナガル★バングル』ですね(^^;
あと、タマちゃんとか出てきてますし(笑)

それと、ミネットがいつ「こんにちは、ウンコ野郎ども♪」と言ってくれるか
楽しみにしていたんですが、言ってくれなくてがっかりです(笑)



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