姫×姫
ブランド名 Etoiles ジャンル 巻き込まれ恋愛AVG
発売日 2009.09.18 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(160x232x40mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 1.49GB(DVD-ROM)
原画 雨音颯moric、朱乃月連夜、
成瀬未亜
シナリオ 風間ぼなんざ中森南文里、二瓶しのぶ、
Hatsu、沢柾機、
久地マコト(Tプロジェクトスタジオ)
音楽 19曲、藤原もりじ、平林征児、
ソルシエール・サウンド・デザイン
あり(2曲、OP・ED)、樋口レン
音声 あり、倉田まりや、金田まひる、芹園みや、鈴田美夜子、氷室百合、佐藤あゆ、
何多慶、角川竜二、桃井いちご、御苑生メイ
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 100箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 93枚
おまけ CG MODE、SCENE MODE、MUSIC MODE、STAFF ROOM
対象属性 純愛、学園物、お嬢様、幼なじみ、眼鏡っ娘、金髪、リボン、裸エプロン、
ボクっ娘、黒髪、ポニーテール、ストッキング、ピンク髪、ストレートロング、
紫髪、ツインテール、オーバーニーソックス、緑髪
1プレイ時間 8〜10時間 お奨め度 7

レビュー
概要
全寮制の学園『桜花林学園』。お金持ちの子息や優秀な生徒の通うこの学園には、
『姫制度』という独特の制度があった。生徒の自主性を重んじるため、学園の
意向に縛られず、学園の運営をやっていく総代。代々、女性しかなれないため、
『姫』と呼ばれていた。平凡な学生だった主人公は、母親の再婚をきっかけに
桜花林学園に通うことになる。そして、姫に目を付けられ、姫の使用人として
働くことになる。果たして主人公の運命は……という、巻き込まれラブストーリー
アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

相沢美由紀(あいざわみゆき)。(CV:芹園みや)
主人公の従姉で幼なじみ。姫の従者(ヴァレット)で、純潔の青のアミュレットを
持っている。おっとりした雰囲気の優しい女性。面倒見が良く、誠実なため、
とても人気が高い。執行部では、交渉担当。

佐野峰ひかる(さのみねひかる)。(CV:鈴田美夜子)
ヴァレットの一人。知性の赤のアミュレットを持つ。IQが300を越えると言われ
ている天才。服を作るのが趣味。手先が器用で、お菓子作りも得意。
テンションが高く、ネジが飛んでいる朗らかな人。明るく元気でマニアック。
執行部では、頭脳労働専門。

長澤菜南(ながさわななみ)。(CV:氷室百合)
ヴァレットの一人。高貴の緑のアミュレットを持つ。むしろ豪気の緑と言われる。
人を食ったような、おおらかな人。大雑把。格闘技を極めており、学園で敵なし。
執行部では、ケンカの仲裁など肉体労働担当。頭脳の方はちょっと残念。

九条院咲姫(くじょういんさき)。(CV:倉田まりや)
第48代・桜花林学園生徒統括責任総代、通称・姫。気が強く、負けず嫌いで
プライドも高いが、人を見る目は確かで、行動力も統率力もずば抜けている。
主人公を使用人としてこき使う。カップ麺が好物。

篁保奈美(たかむらほなみ)。(CV:金田まひる)
タカムラ電工の社長令嬢。咲姫にライバル心を燃やし、ことあるごとに対決を
仕掛ける。咲姫の前では強気だが、いつもは優しい女の子。

城之内ミホ(じょうのうちみほ)。(CV:佐藤あゆ)
保奈美の取り巻き。いつも保奈美に無理難題を命じられている。
ホテル王の娘で、結構なお嬢様だが、全然そうは見えない。

北御門静香(きたみかどしずか)。(CV:桃井いちご)
主人公の後で学園に転校してきた女の子。理事長の娘。プライドが高く、高飛車。

絵の方は原画家さんが複数いて、ある程度絵柄の違いはありますが、それほど
違和感はありませんでした。可愛らしく活き活きしていていいですね。
CGは、キャラによりますが、線が太くもっさりした感じ。今ひとつ見栄えが良く
ないように感じます。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。ポーズ変化と言っても、手が動くとか
腕を頭の後ろで組む程度で、身体の向きなどはパターン少なめです。

キャラクターは基本的にみんなお嬢様なのですが、結構奔放なキャラが多め。
それでも、プライドが高く気が強いキャラが多いです。ミホはプライドの欠片も
ない気はしますけど。
ひかるが掴み所なさ過ぎてなんか好きです。みゆ姉ちゃんは完璧すぎる。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
保奈美が突然関西弁になってガラ悪くなるのはちょっとびっくりしましたけど。
もうちょっと可愛らしさがあっても良かったんじゃ……。

音楽はゆったりとした落ち着いた曲が多め。作品の雰囲気を優しく包んでくれる
ような感じです。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はポップで明るい聴きやすい歌。爽やかで軽快で、明るい雰囲気でいいですね。
ただ、曲のあちこちに絵と連動した効果音が入るんですが、これがちょっと鬱陶し
かったです。なんだか浮いてる感じで。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。デフォルメ絵も交えた、可愛
らしい内容になっています。

エンディングも歌あり。静かで落ち着いた曲で、じっくり余韻を楽しめるような
感じで、なかなかいいですね。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートプレイ搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はやや重め。同時に起動している他アプリのレスポンスも悪くなるようです。
スキップ動作は高速です。

セーブ箇所は100箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とメッセージの一部が保存されます。
数としては、それほど選択肢は多くないので、これだけあれば充分かと。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「日向優介(ひなたゆうすけ)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは、主人公が桜花林学園に転入するところから始まります。姫の使用人に
され、振り回されつつも、学園生活を送っていく……という感じ。

前半は、主人公が姫の従者として、執行部で活動していくところが描かれます。
いろんな無茶なことを言われつつも、みんなに助けられたりしつつ、なんとか
仕事をこなしていき、執行部に溶け込んでいきます。

後半は、体育祭や学園祭といったイベントを通じて、女の子と親しくなり、
関係を深めていきます。女の子の抱えた問題と向き合ったり、ややシリアスな
展開になったりもします。

ラストは、ちょっと切ない終わり方が多め。でも、あとでちゃんとフォローされる
ため、そんなに重い気持ちにはならない、むしろ気持ちいいかも。

まず特筆すべきは主人公。ごく平凡な学生で、陸上の特待生として奨学金も
貰っていた頑張り屋さんで、真面目で前向きで優しくて、結構万能です。
そのため、あまりうじうじしたりだだをこねたりすることもなく、とても
感情移入しやすく、プレイしやすかったです。

気になったのは、整合性。「姫はみんなに慕われている」と言いながら、
姫に悪態を吐く生徒が出てきたり、お嬢様学校という割には犯罪者まがいの
生徒がいたりと、どうにもちぐはぐさが気になりました。
「うち、父親がいなかったから」と言った直後のイベントで、「実は俺、父親が
いないんだ」と言うとか、どれだけ忘れっぽいんだ、って感じです。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回(3〜4回)。尺の方はそこそこ、描写は
比較的濃いめです。2回戦も用意されていたりします。
内容的には純愛系のラブラブH。会話が多めの、気持ちを確かめ合うような
シーンが多いです。

テキストは誤字等はちらほら見受けられ、盛り上がったいいところで出て
くることもあって、ちょっと気になりました。
テンポ自体は良く、サクサクと読めるテキストだと思います。
プレイ時間・難易度
ゲームは章立てて進んでいきます。
ゲーム期間は不明。平然と1ヶ月が経過したりするため、気にする必要は無い
でしょう。

ワンプレイは8〜10時間。テンポ良くサクサク進むので、長さはあまり感じ
ませんでした。また、全体の6割程度が共通部のため、2周目以降はスキップを
使えばそれなりに短縮可能です。

難易度はやや高め。基本的に狙ったキャラ寄りの選択をしていればいいの
ですが、選択肢の効果がややわかりにくいものがあったり、狙ったキャラ
以外の選択肢を選ぶと、狙ったキャラのイベントが潰されていたりと、
やや思った通りには進めにくいかも。特に姫は、他のキャラの選択肢を
ことごとく回避しないといけないようです。1つ引っかけっぽい選択肢も
ありますし。まあ、選択肢の数はそれほど多くないので、なんとかなるとは
思いますけど。
総評
お奨め度ですが、お嬢様との純愛を楽しみたい人にお奨め。
いろんなタイプのお嬢様とのストーリーを楽しむことが出来、展開も様々です。
個別ルートに入っても、他のキャラクターがしっかりストーリーに絡んで
来たり、ほろっと出来るような心温まるエピソードもあって、なかなかいいと
思います。

ただ、逆に言えば、シナリオ毎に展開や内容がバラバラで、やや統一感がなく、
整合性の問題もあって、若干ちぐはぐな印象も受けました。
さらに、後半に登場する静香が、シナリオによっては全く出てこなかったり、
何のために登場したのがわからないことも。
あと、システムがやたら重いのも気になりました。ゲームだけをやっている
時は気にならないんですが、他のウインドウにフォーカスを当てた時の動作が
やたら重いのは、何が起こっているのでしょうか。環境依存かも知れませんが。

ちょっと全体的に統一感が無くちぐはぐな印象はありますが、キャラクターは
とても活き活きと描かれていて、特に主人公は入り込みやすいキャラクター
ですし、ストーリーもちょっといい話があったりと、心温まるいい作品だと
思います。もう少し丁寧さがあれば、もっと良かったと思えるだけに残念です。

でも、細かいところを気にしなければ、充分楽しめると思いますので、雰囲気や
キャラターが気にいた人は是非どうぞ。

最後に。ひかる、昔とキャラ変わりすぎ(^^;
# むしろ、昔の方が……(笑)


城之内エンドきぼ……別にいいや(笑)
# 完全に賑やかしキャラ(^^;



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