りんかねーしょん☆新撰組っ!
ブランド名 りぷる ジャンル 超時空ラブコメ活劇ADV
発売日 2009.06.26 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(163x230x38mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 1.64GB(DVD-ROM)
原画 あかつきまお
松乃かねる、明誠助、山田石人
シナリオ kozakana、
神代流、穂波衛一、藤宮ひいろ
音楽 17曲、クリムゾン・ルージュ、
椎名俊介(Angel note)、
森まもる(Angel note)
あり(3曲、OP・ED・挿入歌)、
榊原ゆい中瀬ひな
音声 あり、成瀬未亜榊原ゆい中瀬ひな、高槻つばさ、桜川未央、
金田まひる、紫苑みやび、かわしまりの、春日アン、楠木鈴音
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 50箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 77枚
おまけ CG MODE、SCENE MODE、SOUND MODE
対象属性 純愛、学園物、幼馴染み、着物、和服、黒髪、ストレートロング、リボン、女教師、赤毛、
眼鏡っ娘、ツインテール、青髪、ボブカット、ボクっ娘、ストッキング、ポニーテール、金髪、
アンドロイド、お兄ちゃん、ピンク髪、オーバーニーソックス、猫耳
1プレイ時間 10〜12時間 お奨め度 5

レビュー
概要
幼い頃に両親と妹を亡くした主人公は、近藤の家に引き取られて育てられた。
しかし、自分は周りに不幸を振りまく体質だと感じた主人公は、家族達を
守るため、独り立ちして別の学校に進学する。しかし、その学校が廃校と
なり、新しく通うことになった学校は、幼い頃を一緒に過ごしたお姉ちゃん
達の通う学園だった。そして、その学園は魔物達が頻出する湧出地域で、
学園には「海援隊」という魔物退治組織と、「新撰組」という非公認組織が
存在した。魔物と戦う素質を持っていた主人公は、新撰組の一員として
魔物と戦うことになる。果たして主人公の運命は、世界はどうなってしまう
のか……という、超時空ラブコメ活劇ADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

一文字菊(いちもんじきく)。(CV:成瀬未亜)
転校初日、道ばたで倒れた主人公を助けてくれた女の子。主人公とは過去に
合ったことがあるような口ぶりで、主人公への好意を真っ直ぐぶつけてくる。
大人しく控えめで古風な女の子だが、うっかりさん。
符術を得意とし、新撰組の一員となる。まじかるガーベラ。

松平カレン(まつだいらかれん)。(CV:かわしまりの)
主人公の担任教師で、新撰組の指導者。まじかるジェネラル。明るく親しみ
やすい先生。基本的に有能な女性だが、人をからかったりお茶目な一面も。

中島昇(なかじまのぼり)。(CV:桜川未央)
主人公のクラスメイトで、新撰組の一員。まじかるガンナー。
中島昇は戸籍名で、本名は『中島のぼりん』だと豪語する。
明るくイタズラっぽい女の子。オタク趣味全開の腐女子。

土方時音(ひじかたときね)。(CV:中瀬ひな)
主人公の幼馴染み。新撰組の一員。まじかるリーダー。
一見クールで落ち着いているように見えるが、意外と頑固でプライドが高く
毒舌全開の女の子。

近藤弓枝(こんどうゆみえ)。(CV:榊原ゆい)
主人公の幼馴染み。新撰組の一員。まじかるキャプテン。
明るく元気で人懐っこいムードメーカー。ちょっぴりおバカ。幼い頃に弟を
亡くしており、主人公のことを弟のように可愛がる。

ミシュリーヌ・ブリュネ。(CV:高槻つばさ)
フランス軍に所属するアンドロイド。ひょんなことから主人公と契約し、
主人公をマスターと呼ぶ。基本的に冷静で知識も豊富だが、主人公に関する
ことにはアツくなりやすい。新撰組の一員。まじかるシュヴァリエ。

玉藻(たまも)。(CV:かわしまりの)
魔王を復活させようとしている人型の魔物。九尾の狐の名で怖れられている。
カレン先生とそっくりの外見をしている。

沖田祐未(おきたひろみ)。(CV:春日アン)
主人公の妹。名前の読みが同じなのはどーなんだ。
主人公が幼い頃に亡くなっているが、別の世界では主人公がかわりに亡く
なっている世界があり、その世界から何らかの目的でやってきた。
一見大人しく控えめだが、結構過激にアクティブな女の子。

ネフェルティティ・アケトアテン。(CV:金田まひる)
通称、ネフェル。エジプトから来た猫耳少女。獣人族最強の戦士。
明るく素直で優しい女の子。いつもクロエと一緒にいる。
海援隊に所属し、魔物退治を行う。

クロエ・ペンテシレイア。(CV:紫苑みやび)
ウクライナから来た犬耳少女(ホントは狼族)。クールで真面目で堅物だが、
優しく思いやりのある女の子。

絵の方は柔らかいタッチでとても可愛らしく活き活きした絵柄。いろんな
タイプのキャラクターがいるのですが、しっかり描き分けられていて魅力も
たっぷりです。
CGは明るめの発色で綺麗に処理されていると思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。変化はそれほどパターンはない
ものの、会話に合わせてコロコロ変わりますし、コミカルな表情があったり
アクションも大きくて、とても見応えがあります。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。獣人族やアンドロイドなど、多種多様な
キャラクターが登場し、それぞれ個性も魅力もたっぷりです。
のぼりんLOVE。いろんな意味で面白いキャラクターです。
ネフェルは空気読まない猪突猛進系トラブルメーカーだと思ったら、ちゃんと
空気読めて頭も回るキャラだったのでびっくり。とても気に入りました。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
ただ、どうにも読み間違いが多いのが気になりました。
『物見遊山』を「ものみゆうざん」と読んだり、『遵守』を「そんしゅ」と
読んだり、『露払い』を「つゆばらい」と読んだり。
収録に立ち会った人や、テストプレイした人も気付かなかったんでしょうか。
# まあ、最後のは微妙ですけど。

音楽はゆったりほのぼのした曲が多め。ただ、どこかで聴いたような曲が
多くて、ちょっと気になりました。

ゲームを開始すると、長ったらしいプロローグの後にオープニングアニメー
ションが流れます。
歌はさわやかで聴きやすい歌ですが、ちょっと歌のクセが強くて私には
合わなかったのと、最後が尻切れな感じで気持ち悪かったです。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点はなし。

エンディングも歌あり。ゆったりした落ち着いた歌で、しっとりと余韻の味わ
えるいい歌だと思います。……まあ、作品の雰囲気とは、いまひとつ合って
いないような気もしますが……。

挿入歌も用意されています。明るく軽いノリの曲なんですが、歌声がいまひとつ
曲と合っていないような気が。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定はキー
ボードで可能ですが、メニュー内の操作なんかはキーボードでは出来ません。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はそこそこ軽快。スキップ動作もそれなりに高速ですが、テキスト量が
多いため、スキップにはそれなりに時間がかかります。
選択肢までジャンプ出来れば良かったんですけど。……まあ、選択肢が1つ
2つしかないので、セーブしとけって話ですね。

セーブ箇所は50箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とシーンタイトル、メッセージの
一部が保存されます。
数としては、選択肢が2つしかないため、エンディングの数はそこそこあります
けど、それでもこれだけあれば充分でしょう。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。条件を満たすと選択肢が増える、
シナリオ追加型のシステムになっています。
また、条件を満たすと、メインメニューからおまけシナリオを読むことが出来る
ようになります。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「沖田祐実(おきたひろみ)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が学園に転校するところから始まります。なし崩しに新撰組に
参加することになり、魔物と戦いを繰り広げていく……という感じ。

前半は、主人公が新撰組に参加し、魔物と戦っていくところが描かれます。
主人公は自分のことを歩く疫病神だと言ってうじうじしており、ちょっとヘタレた
展開になったりします。
その後、ミシュリーヌやクロエ、ネフェルといったキャラも加わって、ドタバタの
毎日が展開されます。

後半は、各ヒロインの抱えた問題や、前世の話などを絡めた、様々なストー
リーが展開されます。
やや重めのシリアスな展開が多く、ドロドロした話やヘタレた展開なども
ありますが、メリハリの効いたストーリーが楽しめます。

ラストはすっきり綺麗に終わりますが、ちょっと切なさの漂うような展開も
あったりと、手放しでハッピーエンドと言えないものもあります。

まず気になったのが、ストーリーのわかりづらさ。主人公のいる現実世界の
話と前世の話、さらに主人公のいない別世界の話が平行して展開し、それが
時間軸もバラバラに進み、しかもそれらが何の前触れもなく突然切り替わる
ため、ひどくわかりづらく、プレイしづらい作品になっています。
さらに、各世界とも登場人物は同じなわけですが、各キャラの関係や性格など
微妙に違っているため、さらにややこしくなっています。

H度は並。各ヒロインとも複数回(2〜4回)用意されています。尺の方はやや
短め、描写の方も比較的あっさりめです。
内容的には純愛系のラブラブHが主ですが、本番以外のシーンやイタズラ的な
シーンもあったりと、バリエーションは豊かです。まあ、純粋なHシーンはその分
減ってるわけですけど。

テキストはちらほら誤字が見受けられます。また、前述の通り、読み間違いも
あるため、ちょっと気になります。洗濯機に潜在を入れたりとか。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。日付の経過は特に描写されず、平然と日が飛びます。

ワンプレイは10〜12時間。やや長めですが、共通部が多いため、2周目以降は
スキップを使えばかなり短縮可能です。

難易度は低め。選択肢1〜2つだけでシナリオが決定し、それ以降は選択肢は
出てこない、一本道になります。つまり、ゲーム全体で選択肢は2つだけです。
非常に潔い作りですね。
ただ、最初はプレイ出来ないシナリオがありますし、メインメニューから見ら
れるおまけシナリオでしかクリア出来ないキャラもいるので注意。
総評
お奨め度ですが、ちょっと不思議な雰囲気のドタバタラブコメ活劇が好きな
人にお奨め。前世の話やバトルを絡めつつ展開するラブコメは楽しく、
キャラクターもみんな魅力的で、会話も楽しいです。

ただ、3つの世界の話が並行して進み、それらが複雑に絡み合うため、やや
わかりづらく、なかなかシナリオに集中しづらいです。
また、世界によって微妙にキャラクターも違っているため、感情移入も
しづらく、せっかくのキャラクターが活かし切れていないように思いました。
さらに、シナリオによってはかなりうじうじしたり、嫌な部分を見せたりと、
素直に楽しみづらい部分もありました。

設定などはなかなか面白いですし、キャラクターはみんな活き活きしていて
魅力的なだけに、ストーリーのわかりづらさが勿体ないなーと思います。
もう少ししっかり3つの世界を描き分けるなり、切り替わりを明確にするなり、
いっそ登場人物をもっと変えるなり、わかりやすい工夫が欲しいところです。
題材はいいけど、見せ方に失敗しているような気がします。

最後に。菊がメインヒロインだと思っていた私の純情を返せ(笑)
# まあ、のぼりんやネフェルが攻略出来たので良しとします(^^)


ところで、『菊一文字』が沖田の愛刀というのは架空の話で、本当は加州清光が
使っていたんじゃありませんでしたっけ。
あと、『菊一文字』って、本当の名前は『則宗(の刀)』ですよね(笑)
# 色々台無し(^^;



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