スズノネセブン!
ブランド名 Clochette ジャンル ADV
発売日 2009.01.30 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(166x230x41mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 2.41GB(DVD-ROM)
原画 御敷仁 シナリオ 秋史恭、姫ノ木あく
冬雀、若瀬諒
音楽 21曲、AZ-MIX、
HIR、iyuna
あり(2曲、OP・ED)、Rita茶太
音声 あり、ヒマリ、夏野こおり、桜川未央、佐々留美子、新堂真弓、風音、水純なな歩
まきいづみ、ルネッサンス山田、永倉仁八韮井叶、胸肩腎、かめまる、町田あみ、森鈴
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 80箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 72枚
おまけ CGモード、回想モード、サウンドモード
対象属性 学園物、魔法少女、純愛、ドタバタ、ラブコメ、ストレートロング、帽子、先輩、金髪、
お嬢様、ツインテール、アホ毛、ポニーテール、女教師、ショートカット、ピンク髪、
天然娘、眼鏡っ娘、触角、オーバーニーソックス
1プレイ時間 6〜8時間 お奨め度 7

レビュー
概要
『スズノネ魔法学園』の魔法工学科に通う主人公。この学園は、毎年、成績の
悪い7人を集め、「スズノネトライアル」という合宿に参加させ、課題を与え、
課題が達成出来なければ退学になるという制度があった。主人公はその7人に
選ばれ、『誰かの大切な願いを魔法で叶えて下さい』という課題を与えられる。
魔法が使えない主人公は、どうやって魔法で願いを叶えるのか模索する。
果たして主人公は、無事「スズノネトライアル」をクリアして、退学処分を免れる
ことが出来るのか……という、合宿アドベンチャー。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

代官山すみれ(だいかんやますみれ)。(CV:佐々留美子)
魔法科一年。学園長の孫。魔法の素質は高いが、魔法を使いたがらない。
物腰柔らかく丁寧だが、イタズラ好きで人をからかったりハメたり陥れたり
追い詰めたりするのが好きなブラックガール。『スズスポ!』という学内新聞を
発行している情報通。

鷹取柚子里(たかとりゆずり)。(CV:夏野こおり)
魔法科二年。お金持ちのお嬢様。曲がったことが嫌いで、気が強く負けず嫌い。
致命的な方向音痴。高い所から登場するのが好き。背が高いのがコンプレックス。

志麻莉里(しまりり)。(CV:新堂真弓)
魔法科二年。鷹取家の使用人で、柚子里に仕えているが、柚子里からの希望に
より、友人として接している。クールで無感情、でも毒舌。

三峰美奈都(みつみねみなと)。(CV:桜川未央)
魔力工学科一年。主人公の幼馴染みでクラスメイト。明るくサバサバした性格で、
誰とでもすぐに打ち解ける。人にあだ名を付けるのが好き。成績は非常に悪い。

九条要(くじょうかなめ)。(CV:風音)
主人公のクラスの担任で、優れた魔法使い。スズノネトライアルの監督役。
大雑把で適当だが、優しく思いやりのある先生。学園長に弱みを握られている。

野々村仁乃(ののむらにの)。(CV:ヒマリ)
魔法科一年。魔力は非常に大きいが、制御が上手くできず、ふとしたきっかけで
すぐに暴走してしまう。明るく元気でほんわかした雰囲気の天然娘。

島村静穂(しまむらしずほ)。(CV:水純なな歩)
学園の卒業生で、学園付属の研究所勤め。魔導研究の第一人者。研究の傍ら、
喫茶店でも働いている。物腰柔らかく、とてもフレンドリー。

代官山桃子(だいかんやまももこ)。(CV:まきいづみ)
すみれの姉。図書館司書。神出鬼没で年齢不詳の魔性の女。おっとりのほほんと
しているが、たまに深いことを言う。きわどい写真を撮るのが好き。

絵の方は柔らかいタッチの活き活きとした非常に可愛らしい絵柄。黒目が大きく
印象的ですね。
CGは明るめの発色で丁寧に処理されていて、見栄えもいいと思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。表情は非常に豊かで、会話に合わせて
コロコロと切り替わり、1つのメッセージ中にも何度も変わるぐらいで、とても
見応えがあります。また、会話内容・音声に合わせて表情が変わるため、臨場感が
あって感情移入もしやすいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。様々な理由でスズノネトライアルに参加
してきているキャラたちなので、一癖も二癖もあります。
仁乃は素直で従順で犬可愛い、柚子里は気が強くてツンデレ可愛い、美奈都は
元気でバカ可愛い、すみれは黒可愛いという感じ。
メインキャラは当然として、サブキャラも非常に魅力的でいいですね。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
仁乃の焦った時なんかはめちゃめちゃ可愛らしいです。
ただ、音声の音量が最大にしても小さめのため、ちょっと調節か面倒でした。

音楽はほのぼのゆったりした曲が多め。作品の雰囲気を柔らかく包んでくれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポながら落ち着いた雰囲気の、優しくて爽やかで聴きやすい歌。
なかなか聴き心地がいいですね。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。キャラクター自体はそんなに
動きませんが、背景がよく動いていて、なかなか見応えはあります。
道を走っていくようなシーンや雲が流れるシーンは結構好きです。

エンディングも歌あり。歌はしっとりとした、優しく、それでいて力強さもある、
なかなかいい歌ですね。エンディングの余韻をしっかりと味わえます。
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。バックログ時の音声再生など、
一部の操作以外は全てキーボードで可能です。
設定で各キーに割り当てる機能を変更出来るので、なかなか便利です。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作は高速です。

セーブ箇所は80箇所+クイックセーブ1箇所。ページを追加することが可能なので、
足りなければ増やすことが出来ます。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とシーンタイトル、メッセージの
一部が保存されます。
数としては、選択肢が少なめで、効果も明確なため、これだけあれば充分だと
思います。万が一足りなくても、ページ追加が可能ですし。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「城戸幸村(きどゆきむら)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公がスズノネトライアルのメンバーに選ばれるところから始まり
ます。問題児7人が1ヶ月間の合宿の中で、課題をクリアするために助け合ったり
バカなことやったりする……という話。
# 「七人のバカ、結集!」(笑)

前半は、与えられた課題に悩みつつ、合宿と学園生活を送っていきます。
基本的に主人公の課題はあまり進まず、補習授業と、女の子達の課題に関する
話がメインになります。
ノリはひたすら明るく楽しい感じで、ギャグ満載のコミカルな展開です。

後半は、各ヒロインの課題をクリアするため、協力して何かを成し遂げていく
という感じ。ややシリアスなシーンもありつつ、基本的には前向きに頑張る
気持ちいい展開になります。

ラストもすっきり綺麗に終わってくれるので、プレイ後の気分はとても爽快。

プレイしていて気になったのは、説明描写。魔法が発展していて、科学との
融合も進んでいるという世界観だったり、独特のシステムを持つ学園だったり、
ちょっと非現実的な設定なんですが、それに対する描写がやや少なく、最初は
やや面食らうことも。
まあ、それはまだたいしたことはないんですが、魔導ドライブの理論とか、
仁乃の魔力を移してどうのとか、そういった話が出てくるんですが、説明が
かなり端折られている上にややこしいので、やや理解しづらかったです。
もっとわかりやすく描写するか、もしくはもっとさらっと流すか、どちらかに
して欲しかったな、と思いました。どうにも中途半端な印象が強かったです。

逆に、非常に良かったのはキャラクターの描写。どのキャラクターも個性的で
魅力的なんですが、それぞれの個性を活かしつつ、とても活き活きと描かれて
いて、プレイしていて自然と惹かれていく感じでした。
特に、キャラクターの個性と、与えられた課題がリンクしているため、より個性が
際だっていて、ストーリーにも活かされていたと思います。
さらに、個別ルートに入っても、他のキャラクターがしっかりストーリーを盛り
上げてくれて、みんなとの絆、一体感がとても良く出ていて良かったです。

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回(4回)用意されています。尺の方は
そこそこ長め、描写もそれなりに濃いめです。初体験から2回戦を平然とやって
のけます。
内容的には純愛系のラブラブH。会話が多めの、気持ちを確かめ合うような
シーンが主になります。
なお、サブキャラとのHシーンはありません。(1人だけ、それっぽいシーンは
ありますが……)

テキストは誤字等はほとんど気にならず、テンポも良く、読みやすいテキスト
だと思います。
プレイ時間・難易度
ゲームは11月25日から始まります。ゲーム期間は一ヶ月。日付の経過は特に
描写されず、イベントも週区切りのような感じなので、特に意識する必要はない
かと思います。

ワンプレイは6〜8時間。プレイしやすい長さで、テンポ良くサクサク進むことも
あって、ストレスなくプレイ出来ました。それなりに共通ルートもあるため、
2周目以降はスキップを使えばそこそこ短縮出来ます。

難易度は低め。狙ったキャラ寄りの選択をしていればいいので、特に悩む
こともないでしょう。
総評
お奨め度ですが、青春純愛ストーリーが好きな人にお奨め。
問題を抱えた7人が、助け合ったりバカやったりしながら、課題に立ち向かって
行く様はとても面白かったですし、合宿生活の中で生まれていく信頼関係や
絆といったものがとてもよく描かれていて、心温まるいいお話でした。

また、キャラクターの描写が秀逸で、どのキャラクターもとても魅力的で、
誰か1人を選べと言われても困ってしまうぐらい、どのキャラもお気に入りです。
さらに、メインキャラだけではなく、サブキャラもいい味を出していて、
作品を盛り上げてくれます。

さらに、演出もとても凝っていて、会話の中でびっくりした時は立ち絵も
驚いた顔になり、焦ると汗が流れたり、悲しむと涙ぐんだりと、非常に
表情豊かな上、それが会話の中でコロコロと変わるので、見ていて飽きず、
とても臨場感もあって、感情移入しやすかったです。

ヒロイン達に与えられた課題は、それぞれキャラクターの特徴にあったもので、
それをクリアしていくことによって、よりそのキャラクターの魅力に触れる
ことが出来るというのは、とてもよく考えられているな、と思いました。
ただ、主人公に与えられた課題については、あまりしっかり取り組まれて
おらず、ヒロインの手助けをしているうちに、なし崩し的にクリア出来ていた
という感じで、ちょっと物足りなさはありました。

全体的にとても丁寧に作られた、クオリティの高い作品で、特にキャラクターの
魅力、活き活きしたところがとても良く出ていて良かったです。演出も凝って
いて、見応え充分でした。キャラクター重視の作品として、かなり高いレベルで
まとまっていたと思います。
雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。

最後に。箱船を飛ばすのに、コーナリングとか関係ねぇ(笑)


柚子里、金髪ツインテールキャラがデカいというのは、結構新しいかも。
ツンデレなのはお約束ですか(^^;

とりあえず、静穂エンドがないのは罪だと思います(T_T)
要先生や莉里先輩、桃子さんもいい味出してるんですけどねー。



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