夢みる恋の結びかた
ブランド名 あてゅ・わぁくす ジャンル AVG
発売日 2009.07.31 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(232x167x40mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 1.33GB(DVD-ROM)
原画 天河慊人蜜桃まむ シナリオ 玉城琴也、加納京太、
壬伽凪悠也、Fuzisawa、イッコー
音楽 19曲、深雪まな、SNOW あり(1曲、OP)、榊原ゆい
音声 主人公以外フルボイス、ヒマリ芹園みや、涼貴涼、計名さや香永倉仁八クボタハルカ
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
1024x600
セーブ箇所 60箇所+クイックセーブ1箇所 CG枚数 80枚
おまけ CG MODE、音楽MODE、回想MODE、声優MODE
対象属性 純愛、学園物、幼馴染み、赤髪、ピンク髪、ツインテール、後輩、オーバーニーソックス、
巫女さん、巫女装束、黒髪、ストレートロング、先輩、アホ毛、リボン
1プレイ時間 8〜10時間 お奨め度 6

レビュー
概要
幼馴染みや仲間たちと、平凡だが楽しい学園生活を送っていた主人公。しかし
夏休みを前にして、仲間である女の子達3人から立て続けに告白をされる。
果たして主人公は誰を選ぶのか。この恋の行方は……という、青春純愛AVG。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

水森明日夏(みなもりあすか)。(CV:ヒマリ)
主人公の幼馴染みでお隣さん。真面目で面倒見が良く、クラス委員長を務める。
男女関係には潔癖で、ちょっとしたことで照れて取り乱す。運動は得意だが、
泳ぎだけは苦手。

五十鈴えみり(いすずえみり)。(CV:芹園みや)
主人公のクラスメイトで、遊び仲間。明日夏の親友。知識が豊富で頭もいい。
掴み所のない性格で、何を考えているかわからない。クールで淡々と話すが、
結構毒舌。人をからかうのが好き。

桐原小枝(きりはらこえだ)。(CV:涼貴涼)
主人公の親友、大樹の妹で、1年下の後輩。遊び仲間。園芸部所属。
明るく元気な女の子。主人公に対して真っ直ぐな好意を示す。変態全開の兄に
手を焼いている。

新良城紗々弥(あたらぎささや)。(CV:計名さや香)
山の上にある神社に住む巫女さん。主人公の1年上の先輩。大人しく控えめな
女性。やや世情に疎い。おっとりした外見と裏腹に、身体能力は高い。

真木佳奈美(まきかなみ)。(CV:クボタハルカ)
主人公の母親。若々しい外見で、気さくでアレンドリーな女性。
主人公の父親が体調を悪くしたため、看病のために家を空ける。
# 「あなたがこの手紙を見る頃、私は既にこの家にいないことでしょう……」
# ……ちょっと田舎に行くのに、なんという置き手紙。

絵の方はすっきりとした可愛らしい絵柄。原画家さんが2人いますが、それほど
大きな絵柄の差はないため、特に気にはならないかと。
CGは明るめの発色で丁寧に処理されていていいと思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。会話に合わせてコロコロ切り替わり、
コミカルな表情もあって見ていて楽しいです。
ただ、えみりや小枝はとても活き活きしていていいのですが、明日夏や紗々弥は
ちょっと表情が硬いように感じました。後半、笑顔が増えてくると気にならなく
なりますが。それに、イベント絵は表情豊かですし。

キャラクターはそれほど飛び抜けた個性のヒロインはおらず、ごく普通の
等身大な女の子、という感じですね。まあ、えみりはちょっとアレですが。
その分、大樹の変態さが飛び抜けています。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
えみりの淡々と毒舌を吐く所なんかはとてもよく雰囲気が出いていいと思います。
そして何より、大樹が活き活きとしていてとても良かったです。
前半では、大樹が一番セリフ多いような気がしますよ……。

音楽はゆったりとした落ち着いた曲が多め。綺麗な旋律の曲が多く、ベルを
多用したり、とても爽やかで澄んだ雰囲気を演出してくれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌は軽快なテンポの爽やかな歌ですが、ややクセがあるのと、曲にメリハリが
みょーに効いているのとで、今ひとつ聴き心地は良くなかったです。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点はなし。
システム
インタフェースはほぼフルキーボード操作可。ほとんどの操作がキーに割り当て
られています。ただ、ゲーム終了が「X」、クイックロードが「Shift+F1」など、
ちょっと変わった割り当てになっているので、やや戸惑うかも。メニューから、
キーボードの説明を見ることが出来るので、確認は可能です。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
バックログで戻ったところから、ゲームを再開することも可能になっています。
通常のメッセージ送りもキーボードで可能です。
次の選択肢や直前の選択肢にジャンプすることも可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは1024x600です。
動作は比較的軽快、スキップ動作はやや重め。描画で引っかかる感じです。

セーブ箇所は60箇所+クイックセーブ1箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像と自由記述のコメントが保存され
ます。コメントは、何も入力しなければメッセージの一部が入ります。
数としては、選択肢の数がそれほど多くなく、効果も明確なため、これだけ
あれば充分かと思います。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「真木智哉(まきともや)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が3人の女の子から告白されるところから始まります。
夏休みの間に、それまで遊び仲間だった女の子達との関係が変わっていく
……という感じ。

前半は、主人公が告白され、みんなで一緒に遊ぶ中で、女の子達との距離を
縮めていくという感じ。
元々遊び仲間で、恋愛対象として意識していなかった主人公が、告白される
ことによって恋愛対象として意識していき、次第に心惹かれるようになって
いく……という感じです。
基本的には明るく楽しくコミカルな展開で、ひたすらみんなで遊び回ります。

後半は、1人の女の子を選び、さらに距離を縮めていくという感じ。
3人から告白されているため、当然他の女の子の告白は断るのですが、その後の
みんなの関係なんかも含めつつ、2人の絆がより深くなっていきます。

ラストはすっきり爽やかに終わるため、プレイ後の気分は爽快です。

まずプレイしていて気になったのは、女の子からのアプローチが弱いこと。
複数の女の子から告白され、誰か1人を選ぶとなったので、女の子達による
アプローチ合戦が始まるかと思ったのですが、そういうものはほとんどなく、
普通に遊んで、いつの間にか気になっている……という感じで拍子抜け。
もう少し、誰か1人を選んでいくというプロセスを、しっかりと描いて欲しい
ところです。

そしてもう1点。複数の女の子に告白され、1人を選ぶわけですから、当然他の
女の子は振るわけで。しかも仲の良かった友達ですから、どうフォローして
いくのかと思ったら、謝罪シーンがさらっと流されたり、その後も今までと全然
変わらなかったりと、これまた拍子抜けしました。
まあ、他の女の子達が祝福してくれたり、後押ししてくれたりするのは、
青春って感じでいいんですが……。

あと、神社にある、花が咲いている時に2人でリボンを結べば、末永く幸せで
いられるという桜の木が、ほとんど有効に利用されていないのはなんとも。
数年に一度、不定期に、夏場に咲くという不思議な桜は、もうちょっと利用
してもいいと思うんですけど。

H度は並。各ヒロインとも複数回(3回)用意されており、尺の方はそこそこ長め。
描写はややあっさりめです。
内容的には純愛系のラブラブH。特に1回目は、初々しい感じがとてもよく
出ていていいですね。2回目以降は、いろんな場所で好き放題ですが。

テキストはちらほら誤字・脱字は見受けられますが、ほとんど気にならず、
テンポも良く読みやすいテキストだと思います。
ドーナツを食べるシーンで、「小枝ちゃんは黄色。五十鈴は赤色」と書かれて
いるのに、絵では逆なのはご愛敬。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は1ヶ月ちょい。夏休みの間です。途中で何日か飛んだりしますし、
特に日付の経過を気にすることはありません。

ワンプレイは8〜10時間。テンポ良くサクサク進むので、長さは感じません
でした。全体の6割ぐらいは共通部のため、2周目以降はスキップを使えば
かなり短縮可能です。

難易度は低め。基本的に狙ったヒロイン寄りの選択をしていればOKです。
選択肢は両手で数えられる程度ですし、特に悩むこともないでしょう。
総評
お奨め度ですが、甘酸っぱい青春純愛ストーリーが好きな人にお奨め。
複数の女の子から告白され、葛藤しつつも1人の女性に選び、その絆を深めて
行くところを楽しむことが出来ます。
複数の女性から好意を示される作品はよくありますけど、全員が仲良し
グループのメンバーで、常に一緒にいたり、お互いが告白したことを知って
いたりと、ちょっと変わったシチュエーションが楽しめます。
そんな状態でも、ギスギスしたり、派手な誘惑合戦などはなく、誰かを
選んだ後も、普通に友達関係が続くなど、とても爽やかで、安心してプレイ
出来ると思います。

ただ、1人を選ぶ過程が弱かったり、1人を選んだ後の他の女の子達との
関係の変化などがしっかり描かれないため、せっかくの設定がいまひとつ
活かし切れていないように感じて、ちょっと勿体ないです。

そして、女の子はみんな可愛いとは思うんですが、基本的にみんな普通の
女の子でややインパクトが弱く、やや地味な印象は拭えません。
ストーリー的にも、それほど大きな盛り上がりもなく、一山越えたらすぐ
エンディングという感じで、やや物足りなさも感じます。
もう少し、どこか飛び抜けたところが欲しいところです。
# いや、大樹はいろんな意味で飛び抜けてますけど。

まあ、真っ直ぐな純愛ストーリーで、ドロドロしない爽やかな三角、四角
関係を楽しめますし、仲間や友情などを描いた、心温まる作品だと思います。
突飛な展開はありませんが、安心して落ち着いてプレイ出来ると思います。

最後に。ハーレムエンドはないんですか? ←そういう作品ではありません(^^;


でも、佳奈美エンドはあってもバチは当たらないかと!(笑)



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