AIR〜まごころをきみに〜
ブランド名 Key ジャンル AVG
発売日 2000.09.08 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(150x256x25mm) マニュアル ブックタイプ
DISC容量 BlueDisc : 371.4MB、CD-DAなし
OrangeDisc : 1.1MB+CD-DA=646.9MB、CD-DA26トラック
Ornithopter : CD-DA=414.7MB、CD-DA10トラック
原画 樋上いたる シナリオ 麻枝准、イシカワタカシ
音声 なし
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 32箇所 あり(4曲、OP・ED・挿入歌・アレンジ)
おまけ CG鑑賞モード、音楽鑑賞モード
対象属性 感動、純愛、時代物、ギャグ、レズ、がお(笑)
1プレイ時間 4〜8時間 お奨め度 7

レビュー
ををっ、これを見る人がいるとわ(笑)
ということで、ここではAIRのネタバレレビューをお送りします。
当然のごとくネタバレの嵐なので、まだプレイしていない人は
気を付けて下さいね。


ゲームのシステムとか紹介的なことは既に書いたのでさくっと飛ばして、
今回は主にシナリオについて書いてみたいとおもいます。

それも、今までに書いてきたDREAMシナリオではなく、SUMMERシナリオと
AIRシナリオについて。


…というわけで、このゲームの最大の特徴として、最初にプレイできる
DREAMシナリオで観鈴・美凪・佳乃の3人のハッピーエンド(?)を見ると、
新たなSUMMERシナリオが追加され、SUMMERシナリオをクリア(?)すると、
さらにAIRシナリオが追加される、という点があります。
# DREAMシナリオ、あれがハッピーエンドなのか? という話もある(笑)
##SUMMERシナリオ、クリアもへったくれもなく読むだけじゃん、という
##噂もないことはない(笑)

このシナリオが増えるときの演出はなかなかいいですね。DREAMの3人の
シナリオをクリアすると、タイトルメニューの画面がいきなり夕焼けに
なって、NEW GAMEのメニューがSELECT GAMEに変わります。
これはちょっとびびった(^^;
# いきなりキー操作受け付けなくなったので、固まったかと思った(^^;

そして、SELECT GAMEを選択すると、今までなかったSUMMERというシナリオが!
このとき、正直なところ「まだ続くのかよ…」と思った(^^;
# 既にこの段階でプレイ時間20時間越えてたし(^^;

さらにSUMMERシナリオをクリアして「え? これで終わり? こんな終わり方で
いいのか? まさか…」と思いつつタイトルメニューに戻るのを待っていると…
予想通り、タイトルメニューの画面が夜になり、SELECT GAMEのメニューが
START "AIR"に…。つーか、もしかして今からがAIRの始まり? ごっつい長い
プロローグでしたね…(^^;
# この時私は、既に破れかぶれになっていました(笑)


では、各シナリオについて触れていきましょう。

まず私が一番最初にクリアしたのは順当に観鈴シナリオ。
なんかみなさん難しいだのバッドエンドに直行しただのと言っておられますが、
すんなりハッピーエンド(?)に行った私にしてみれば「どうしてそんな嘘つく
かなぁ」という状態でした(笑)
# もっとも、あれがハッピーエンドだとは私には信じがたかったですが(^^;

話としては、観鈴を無理矢理空の上の少女に見立てて不幸にしたような感じ(^^;
ちょっと展開が強引すぎるような気がしました。

で、観鈴シナリオは最後に人形がぴかっと光ってリセットがかかって終わり
なのですが(ここでホントにWindowsを再起動したら、笑うを通り越して怒る
だろうね(笑))、この時点ではまだ他の2人のシナリオをクリアしていないので、
観鈴シナリオでリセットかかったにも関わらず、その後は何事もなかったかの
ように美凪や佳乃のシナリオをプレイするのは、ちょっと演出的にどーよ、
と思ったのでした(^^;
# 観鈴を最後にプレイしたら、上手くSUMMERに繋がったかな?
##でも、SUMMERはまた全然違う話だし…。


そして、私が次にクリアしたのは美凪シナリオ。
まず一番感じたのは「長い」(^^; 観鈴シナリオの倍ぐらいに感じたぞ(^^;

話としてはまあみちるの存在が鍵になるわけですが、途中でだいたい展開が
読めてしまうので、やっぱりな、という感じでした。
ラストも予想通りだったので、本来なら泣けたかも知れないんですが、
いまいち感情移入が出来ませんでした。

特にラストは「そこでエンディングに行けよ」と思うところが3箇所ぐらい
ありました。なんか、盛り上げて落として、盛り上げて落としてを繰り返して
いるような感じがして、ちょっと蛇足だったような気がします。
# 特に、「その妹の名前は…」は絶対そのままエンディングに入ると思ったん
# ですけどねぇ。


そして次にクリアしたのが佳乃。
印象としては「で、結局何だったの?」って感じ(^^;

話としては、手首のバンダナがキーになるわけですが、いまいち弱いですね。
あんなの子供の頃からずっとつけてたらごっつい汚れるでしょうし結びも緩く
なって外れるんじゃないですか? そもそも、キツく縛ってたら成長して腕が
太くなったときに大変なことに…(^^;
それに、手首を切らないようにバンダナ…ってことは、佳乃は左利き?
バンダナ、右手にしてますよね。

ラストは、なんかうやむやのうちに終わったという感じ(^^;
羽の存在がいまいち活かされていないというか、何故佳乃に取り憑いたか
という説明がなんかてきとー過ぎる気が。
まあ、後のシナリオでそのあたりに触れるつもりだったのかも知れませんが…。


で、3人のシナリオをクリアすると、前述の通りSUMMERシナリオがプレイ
出来るようになるので早速プレイ。
# 早速といいながら、1週間ぐらい空けた気もしますけど(^^;

…びっくりしました。いきなり舞台も登場人物も違うんだもん(^^;
DREAMシナリオは何だったんだ? やっぱ夢オチなのか? って感じ(^^;

ここでは柳也が主人公で、翼人の神奈と女官の裏葉がヒロインとして出て
くるわけですが…なんか完全に別のゲームになったという感じですね(^^;
いや、選択肢がないのでもはやゲームでもなく、単なる読み物(^^;

話としては、翼人の運命と、空の少女のエピソード、そして、主人公の
生い立ちや力にまつわる話ですね。
この話、もっと早くに読みたかったよ…。
# これが1000th SUMMERの所以?

ラストはなかなか悲しい結末でしたが、まだ未来に希望を抱かせるような、
なかなかいいお話でした。


そしてSUMMERシナリオを読み終えると、AIRシナリオがプレイできるようになる。
もはやかなりヘコみつつも(^^;、とりあえず頑張ってやってみる。

最初の選択肢でじっとしているを選択。…かくして私のAIRは終わった。

………って、終わらせてどーするっ(笑)

つまらんことやってないで話を進める。

舞台はDREAMシナリオの舞台であった街。主人公は………何ぃ? カラスだとぉ?(^^;
あまりの斬新な展開に一瞬えいえんの世界をかいま見た気がしました…(^^;

そして、ここで往人が登場するのですが…こんな奴だったのか…(^^;
さらに衝撃の事実。蝉っぽいベーコンエッグの作り方がっ(笑)

話は、DREAMの観鈴シナリオを、第3者(カラス)の視点から見て描かれただけ
ですね。ただ…私が観鈴シナリオで選んだ選択肢とことごとく違うし…(^^;
# 私、よくこれで観鈴シナリオクリアできたな(^^;

しかし、このシナリオで見ると観鈴って健気でいい娘ですねー。
観鈴シナリオの時はあんまり感じませんでしたけど(^^;

で、やっぱり一番衝撃だったのは、DREAMシナリオで晴子さんが家を出て
いった理由でしょうか。まさかそーいうことだったとは思いませんでした。
# 1人称が「女」から「母」になったあたりはなかなか良かったです。


しかし…なんかもう救いのない展開ですね…。
AIRでやりたかったのって、こーいうことなの? DREAMシナリオは何だったの?
という感じ。結局主人公の追い求める空の少女は相変わらず空にいて、翼人の
呪いも消えずにそのまま残ってるってこと? なーんにも進展してないじゃん。
結局最後に残ったのって、晴子の前向きに生きる姿勢だけ…。

私みたいなへなちょこゲーマーは、例えお約束でもいいから奇跡を起こして、
なんとか神奈や観鈴を救ってあげて欲しかったです。

さらに、最後の最後はまたなんか意味不明な展開持ち出すし…。
結局、あの子供は何だったんでしょう? 女の子の方はぱっと見は神奈のように
見えなくもありませんでしたが…。
こんな結末になってるんですから、最後ぐらいすっきり終わらせてよ…。


で、オールクリアしておまけモードでCGを確認。…CGが全然埋まってない…。
そーいえば観鈴シナリオも美凪シナリオも、エンディングは流れてきたんです
けどお当番がなかった…(^^;

てことで途中からやり直して回収。観鈴はすぐに回収できたんですが、美凪は
分岐してからのまあ長いこと長いこと(^^;
回収だけで2時間ぐらいかかったっちゅーねん(^^;


とりあえずこれで無事CGも回収終了。まだ見ていないメッセージはあるとは
思いますが、さすがにそれまで全部回収するのは厳しすぎるので、とりあえず
これでコンプリートとしました(^^;


このゲームの印象としては、とにかく長い(^^;
プレイ時間的にもそうですが、ラストがおもーい展開な事もあって、精神的にも
かなりキツかったです。

各シナリオのプレイ時間は、観鈴シナリオが5時間、美凪シナリオが8時間、
佳乃シナリオが6時間、SUMMERシナリオが4時間、AIRシナリオが6時間と
いったところでしょうか。CG回収も含めると30時間ぐらいかかっていることに…。


それと、シナリオが5本あるわけですが、それぞれのシナリオ間の繋がりが
いまいち弱く、ほとんど独立したシナリオに感じました。
このゲーム、シナリオをこんなに分ける必要ってあったのでしょうか?

観鈴・SUMMER・AIRの3シナリオをまとめて1つのシナリオにして、間をうまく
繋いだ方が良かったような気がします。
# 順番としては、SUMMER・観鈴・AIRの方がいいかな?
##まあ続けるなら観鈴・SUMMER・AIRの順番で問題ないか。

美凪・佳乃シナリオでは、観鈴は完全になかったことにされてるし…。
美凪・佳乃シナリオでもいちおー空の少女の話は出てきますが、どうも
とってつけたようにしか感じられませんでしたし。
はっきり言って、この2つのシナリオはいらなかったような気もします。

ただ、シナリオとして一番うまくまとまっていたと思えるのが美凪の
しかもバッドエンドルートなので、これがなくなるとホントにただ長く
辛いだけのゲームになっていたでしょうね(^^;
# さらに、ホントにハッピーと言えるエンドは佳乃シナリオだけという(^^;
##美凪バッドエンドもみちるの存在さえなかったことにすればまあ
##ハッピーのような気がしないでもない(笑)


個人的に一番気に入ってるのはSUMMERシナリオかな?
ただ読んでいるだけでしたが、逆にそれが良かったのかも知れません。
神奈や裏葉の気持ちが痛いほど伝わってきました。

そしてやっぱりAIRシナリオでしょうか。ラストはちょっとアレでしたが、
晴子が母として観鈴を支えていくあたりはかなりよかったです。
最後の方は結構泣けましたしね。

ただ、やっぱりラストが気に入らないというのと、最初主人公だった往人が
最後は完全に傍観者に回ってしまって、感情移入もへったくれもない状態に
なってしまったのが一番辛かったですね。

それと、結局往人がカラスのままだとすると、おそらく柳也と裏葉の子孫で
あるだろう血が無くなって、誰も神奈を救えなくなるのでは…。
あの子供達がその役目を担っていくのでしょうか? そうとでも考えないと
あまりにも切ないですね。
# もしくは、翼人の呪いは観鈴で終わったということか。


ということで、今年の目玉ゲームかと思われたAIRでしたが、私的には
かなり期待はずれという感が強かったです。確かに随所に散りばめられた
ギャグはそこそこイケてますし、文章の書き方や表現・演出の方法はさすが
と思うのですが、骨格となるストーリーの軸…というか、終着点がズレて
いたように感じました。何がやりたかったのかが見えないんですよね。

SUMMERからAIRの途中まではなかなかいい感じでしたし、この2つのシナリオを
プレイすればDREAMシナリオで謎だったこともどんどん理解できてきて、まあ
さすがという感じだったのに、最後にこれかい、という感じです。

せめて何かしらの救いが欲しかったです。
私とは逆に、ONEやKanonのラストをご都合主義に感じた人にとっては、
AIRのラストは素晴らしいものだったのかも知れませんけど…。



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