Clover Heart's -クローバー・ハーツ-
ブランド名 ALcot ジャンル 対視点型恋愛コミュニケーションAVG
発売日 2003.11.28 定価 \8,800
パッケージ 紙製パッケージ(163x230x39mm) マニュアル A5ブックタイプ
DISC容量 インストールディスク : 604.4MB、CD-DAなし
データディスク1 : 624.3MB、CD-DAなし
データディスク2 : 614.9MB、CD-DAなし
原画 仁村有志 シナリオ 宮蔵大三元、板東えみし、まじか
船亀由真人、風鳥麻理、成瀬尚登
音声 あり、一色ヒカル、如月葵、楠鈴音、文月かな、乃田あす実、金田まひる、YUKI、
青山ゆかり、大久保けんたろう、間寺司、中澤歩、一条和矢
インタフェース フルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応
セーブ箇所 100箇所 あり(3曲、OP・ED)
おまけ GRAPHICS、MUSIC、EVENT、DIARY、PROLOGUE/EPILOGUE、FITTING ROOM、
EXTRA STORY
対象属性 純愛、萌え、感動、学園物、ショタ、金髪、ツインテール、リボン、ご主人様、ブルマ、
メイド服、オーバーニーソックス、幼なじみ、先輩、ヘアバンド、ストッキング、黒髪、
ストレートロング、メイド
1プレイ時間 8〜12時間 お奨め度 8

レビュー
概要
白兎と夷月。2人は双子の兄弟。しかし、とあるきっかけですれ違ったまま毎日を
過ごしている。母親を亡くし、父親は忙しくて全く家に帰ってこず、弟の夷月は
人との関わりを断ってしまった南雲家。そこにある日、双子の姉妹がやってくる。
そのことをきっかけに、動き始める南雲家。果たして、4人の物語の行く末は……
という、対視点型恋愛コミュニケーションアドベンチャーゲーム。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

御子柴玲亜(みこしばれあ)。(CV:文月かな)
南雲家にやってきた双子の妹。お転婆で好奇心旺盛で自分の気持ちに正直。
喜怒哀楽がはっきりしていて、ストレートに感情を表現する。ちょっとわがまま。
# 「あたし! 白兎好きだもん!」……ボクも玲亜好きだもん! ←黙れ

御子柴莉織(みこしばりお)。(CV:楠鈴音)
南雲家にやってきた双子の姉。大人しくて慎ましやか。控えめで、あまり自分の
気持ちを表に出さない。人混みが苦手で、方向音痴。ちょっと頑固。
# 「玲亜だけ呼び捨てなんて、ずるい……」……ああっ、もう! ←落ち着け

駒宮ちまり(こまみやちまり)。(CV:金田まひる)
幼なじみだったが転校してしまい、それ以来疎遠になっていた。
しかし、進学と同時に街に戻ってきて、白兎にアタックを始める。
# 自称・白兎の妻(笑)

榊円華(さかきまどか)。(CV:YUKI)
夷月の先輩。夷月ととある契約を交わし、見せかけの恋人となる。
優しく清楚でおしとやか、容姿端麗・学業優秀で学園のアイドル的存在。

飛鳥凛(あすかりん)。(CV:青山ゆかり)
南雲家の近所に住んでいる幼なじみのクラスメイト。一見クールに見えるが、
中身は完全に親父。笑えない冗談で有名。氷河期の女、ブリザードプリンセス、
絶対零度の酔っぱらいなど、様々な二つ名を持つ(笑)
# 「うううううっ!!」「マンボ」(爆笑)

乃木坂久遠(のぎさかくおん)。(CV:乃田あす実)
御子柴姉妹と共に南雲家にやってきたメイド。仕事は完璧にこなし、あらゆる
物事に精通している。ミステリアスな女性。

絵の方は可愛らしく、表情豊かで、感情がよく伝わってくる感じですね。
CGは、淡く繊細な色遣いで柔らかい雰囲気をもっており、見ていて和みます。
立ち絵はポーズ変化・表情変化ともにあり。表情変化はとても豊富で、会話に
合わせてコロコロ変わるため、見ていてとても楽しいです。目が輝く演出なども
あったりして、面白いですね。玲亜の屈託のない笑顔とか、すっごい好きです(^^)
# マニュアルに載っているチビキャラも可愛い☆
CGモードを見ると、CGの枚数自体は決して多くはないのですが、表情のパターン
などが非常に豊富で、また欲しいと思うところにきっちりCGが用意されていたため、
全然足りないとは思いませんでした。立ち絵のバリエーションが豊かだというのも
一因だと思いますけど。

キャラクターは、元気いっぱいな玲亜と控えめな莉織という、対照的な配置。
そして、脇を固めるキャラクター達も個性豊かで面白いヤツが多く、会話が
とても楽しいです。
莉織も玲亜も、一途で健気でとても可愛いですし、ちまりに円華、凛も久遠も、
みんなとても魅力的です。
1人を選べと言われるととても難しいのですが、どのシナリオでも一番いい味を
出していた凛が好きかも。玲亜の一途なところも好きなんですけどねー。

音声はキャラクターとのマッチングもよく、演技もばっちり。
特に、喜怒哀楽の激しい玲亜や、猪突猛進のちまりなんかは、とても上手く
キャラクターを表現されていたと思います。凛のクールかつ親父な突っ込みも
なかなか良かったです(^^)
ただ、キャラクターが2人並んでいる場合、音声を左右に振って、立ち位置を
表現しているようなのですが、立ち位置と逆の方に音声が振られていることが
ありました。というか、全部逆だったような……。もしかして、私のスピーカの
せいでしょうか?(^^;
あと、2人以上が同時に喋るシーンが結構あるのですが、声がバラバラで全然
揃っていないことが多々あって、ちょっと勿体ないかな、と。
全部きっちり揃っていたら、かなり楽しかったと思うんですけど。
# そのバラバラな時に「これ以上ないほど見事なハモり」とか言われても(^^;

音楽は静かな曲から激しい曲までバラエティ豊かで、曲単体で聴いても充分
楽しめるクオリティの曲揃い。しかし、自己主張しすぎず、きっちりシーンの
雰囲気を盛り上げてくれる、理想的なBGMかも。
個人的にはオープニング曲の「Clover Heart's」がそのままインストになって
使われているBGMが結構好きかも。いいところで流れますし。

そして、効果音の方もなかなか良かったです。走り去っていくときの効果音が、
1人で走っているときと2人で走っているときできっちり使い分けられていたり、
なかなか芸が細かいですね。
# 携帯電話の着メロが「Clover Heart's」なのもイケてます(^^)

ゲームを起動すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌の方は、ポップでスピード感のある爽やかな歌。やや薄い感じはしますけど、
メロディーは綺麗ですし、何よりコーラスが結構気に入りました。もう少し歌声に
力強さがあれば最高だったんですけど、それを差し引いてもいい歌だと思います。
曲の方も、イントロやサビの部分に入るストリングスがかなりいい感じです。
絵の方はキラクター紹介、シーン紹介的なものですが、途中でセリフが入るなど、
ちょっと面白い作りになっていますね。
そして、このオープニングは各Chapterの最初に流れるのですが、途中から、曲
自体は同じなのですが、歌詞やイントロ、そして間のセリフが変わります。
ちゃんとストーリーを考慮した内容になっているのは心憎いですね。
# そもそも、白兎シナリオと夷月シナリオでセリフは違ってますけど。

エンディングも歌あり。シナリオによって別の歌が使われています。
白兎シナリオの歌は、ちょっと可愛らしい感じのほのぼのした歌。
夷月シナリオの歌は、しっとりと落ち着いた歌で、ちょっと切なくなる感じです。
システム
インタフェースはフルキーボードサポート。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能にも対応しており、音声の再生も可能です。
各機能はキーボードにショートカットキーが割り当てられていて簡単に呼び出す
ことが可能ですし、プレイはしやすいと思います。
ちょっとバックログを出すときのホイールの反応が悪い気はしますけど。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作自体はそこそこ軽快なんですが、
メッセージ速度を最速にしても一瞬では表示されず、描画のエフェクトも切る
ことが出来ないようですので、画面書き換えの時にもたつく感じがしますね。
それと、バックで雨が降っているときは異常に重かったです。効果音のせいか、
エフェクトのせいかはわかりませんが……。

セーブ箇所は100箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーンタイトルが保存されます。
数としては、それほど選択肢も多くないのでこれだけあれば充分かと思います。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。ゲーム中に手に
入るアイテムによって、CGモードなどのオプションメニューがONになっていく
のが、なかなか面白いですね。
そして、ゲームの達成度に応じてタイトル絵のジグソーパズルが埋まっていき、
コンプリートするとパズルが全て埋まるようになっているのも面白いです。
コンプリートしたときにはご褒美もあって、なかなか楽しいシステムですね。
シナリオ・プレイ感
ゲームの方は、白兎シナリオと夷月シナリオに大きく分かれます。
白兎シナリオは白兎が主人公で白兎視点、夷月シナリオは夷月が主人公で
夷月視点となっています。最初にどちらのシナリオから始まるかはプロローグの
選択肢で決定し、それ以降は章(Chapter)立てて進む感じです。
1つのChapterをクリアすれば次のChapterがプレイ出来るようになるのですが、
白兎シナリオと夷月シナリオを交互に進めたりすることも可能です。

内容については、各シナリオ別に触れてていきます。

まず、白兎シナリオ。

このシナリオは、突然双子の姉妹がやってきて、戸惑いながらもなんとか家族と
して過ごして行きつつ、次第に玲亜に惹かれていく……という感じになります。

基本的に、玲亜に振り回される明るく楽しいドタバタ劇という感じなのですが、
かなり切ない展開があったり、辛い選択を迫られたりと、シリアスで重い場面も
各所にちりばめられていて、メリハリがあって面白かったです。

このシナリオは幼なじみの雄基、凛、ちまりが上手く話に絡んできて、会話も
とても楽しくていい感じです。友情や絆など、温かさを感じられます。
……選択を間違うと徹底的にキツくなったりしますけどね(^^;
そして、玲亜とのらぶらぶ萌え萌えな甘ったるいシーンは、見ていて溶けそうな
感じです(^^)
# 「もう……玲亜のおバカ……。でも、好きっ……」……あー、一生やってろ(^^;

ただ、白兎と夷月が疎遠になっている原因が、かなり最後の方まで語られない
ため、今ひとつ深刻に思えませんでした。
それと、前半が山場・修羅場の連続だったためか、後半はやや単調に感じて
しまいました。

それでも、玲亜と莉織の信頼関係とか、雄基や凛との友情とか、人間関係が
とても良く描かれていて良かったです。
キャラクターがみんな活き活きしていて素晴らしいです。
途中、白兎がやたらヘタレてチキン野郎になったりもしますけど、ラブラブに
なった時の萌える描写もありますし、まあ差し引きゼロかな、と。
# 「僕は玲亜とえっちしたい!!」……ををっ、男らしい!! ……のか?(^^;

そして、夷月シナリオ。

こちらは、白兎との関係を絶って、他人とも極力関わらないようになった夷月が、
莉織と出会い、触れ合うことによって徐々に心を開いていく、という感じです。

夷月は最初、円華と契約によって見せかけの恋人関係にある訳ですが、それを
軸にしたストーリー展開はなかなか興味深いです。

白兎シナリオではただ冷たくてムカつくだけだったような感じの夷月ですが、
こちらのシナリオでは案外いいヤツだったりして、別の一面が見られてなかなか
面白いです。
# 買い物というモノの限界に挑む行為……(笑)

こちらのシナリオは友人達の出番はあまりないのですが、その代わりに久遠が
かなりいい味を出しています。
そして、莉織の玲亜に対する想いが丁寧に描かれていたのも印象深いです。

ただし、白兎シナリオのように、ほのぼのとしたりコミカルなところは少なく、
ハードでヘビーな展開が目立ちます。特にラストは凄まじい展開でした。
ドキドキしながらプレイしていました。

こちらは白兎シナリオとは逆に、前半はやや盛り上がりに欠け、ラストにキツい
展開を持ってきた、という感じですね。

ただ、このシナリオを見ると、白兎シナリオChapter3の莉織の行動は、やや
解せない物がありますが。まあ、Chapter2以降はパラレルストーリーになって
いるようですけど。どうせだったら、もう少し、両シナリオがリンクしていたら
良かったかも。ただ、そうするとシナリオの幅は狭くなりそうなので、難しい
ところでしょうけど。

どちらのシナリオにも言えることですが、Chapter3がみょーに浮いていたような。
まあ、ラブラブ萌え萌えな描写をする章なのかも知れませんけど、この章だけ
メリハリがなく、ちょっと退屈に感じることもありました。

でも、全体的に見れば、感情移入度も高く、インパクトもあって、メリハリの
利いたシナリオだと思います。最後は若干駆け足気味になる所もありますが、
あまり気にならず充分楽しめました。

H度はやや高め。メインヒロインは複数回用意されており、それ以外のキャラでも
複数回用意されていたりします。ただし、おまけシナリオの中でしか、Hシーンが
ないキャラもいますけど。基本的に、サブキャラはおまけ的な扱いです。
内容は純愛系のものがほとんどで、それほどハードな描写はないのですが、
尺はそこそこ用意されていますし、変わったシチュエーションのシーンも用意
されていたりして、いろいろと楽しめるとは思います。

テキストは、誤字もあまり目に付かず、丁寧で読みやすいと思います。
ただ、雄基など一部のキャラは、文字色の関係で、メッセージ箇所の背景明度を
落とさないと読みづらいかもですね。
あと、Chapterの最後に流れる日記は、音声とテキストのスクロール速度がちょっと
合っていないことがあり、やや読み辛かったです。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は約半年。ただ、日付の経過はあまり明確にされませんし、時々
日付が飛んだりするので、あまりこだわる必要はないでしょう。

ワンプレイは8〜12時間。結構テキスト量が多く、またシナリオによっても差が
あるのですが、総じて長いです。しかも、2つのシナリオで共通部分はなく、
最初から最後まで完全に読まないといけませんから、かなりのボリュームです。
まあ、Chapterに区切られていますので、プレイしやすいとは思いますが。

難易度は比較的簡単。ただ、選択肢を1つ間違えただけでメインルートから外れる
ことがあるので、注意が必要です。さらに、メインルートから外れても、普通に話が
続くことが多いため、エンディングになるまで気付かないこともしばしば。
まあ、メインルートから外れてもイベントはありますし、そこでしか手に入れられない
アイテムもありますし、コンプリートするためにはどっちみち通らないといけないわけ
ですが。
コンプリートしたときのご褒美は、見ないと勿体ないので、どうせプレイするのなら、
出来ればコンプリートするまでプレイしましょう。
総評
お奨め度ですが、甘酸っぱい青春純愛ストーリーが好きな人にお奨め。
ただ甘いだけでなく、切ないシーンやキツいシーンも多いですが、信頼関係や
友情、そして一途な想いなど、人間関係が非常に丁寧に描かれており、感情の
動きも丁寧に描写されていると思います。
キャラクターもみんな活き活きしており、玲亜の白兎を一途に思う気持ちや、
莉織の頑なに信念を貫く所などは、とても見応えがありました。
純愛物が苦手な人や、キャラクターに魅力を感じられない人はちょっと退屈に
感じるかも知れませんけど、そうでない人なら充分楽しめるかと思います。
ただ、莉織と玲亜以外のヒロインはおまけみたいなもので、本編ではHシーン
すらないキャラもいますので、莉織・玲亜以外のキャラが好きな人には、やや
物足りないかも知れませんね。

白兎シナリオは白兎を取り巻く環境の変化を描き、夷月シナリオでは夷月と
莉織の心の変化を描くという感じで、全く違った雰囲気のシナリオが楽しめて
良かったです。
個人的には白兎シナリオの方が好きですね。サブキャラクター達が活き活きと
していることと、キツいシーンがあるにはありますが、夷月シナリオほど殺伐とは
していないので。夷月シナリオは、ちょっと私にはキツかったです(^^;

ちなみに、パッケージには「ハートフルホームラブコメディー」と書いてあるの
ですが、とてもそんなほのぼのとした雰囲気とは思えないんですけど(^^;
特に夷月シナリオなんて、どこがホームラブコメなんですか、という感じ。
白兎シナリオは比較的近いとは思いますけど、結構修羅場ありますしね(^^;
なので、これを鵜呑みにするのは危険かも知れません。

特にこれと言った欠点は見あたらないのですが、結構ボリュームがあって
コンプリートには時間がかかるのが難点でしょうか。
ただ、話はChapterごとに区切られていますし、メインルートから外れても
しっかりイベントが用意されていますので、ちょっとずつ、ゆっくり進めて
じっくり楽しみましょう。私が言うのもなんですが(^^;
# Chapter1だけで、1本ゲームをクリアしたぐらいの満足感がありますし(^^;

全体的にとても丁寧な作りで、細かいところにも拘りが見られ、キャラの描写や
ストーリーの展開なども良いと思います。時々ハッとさせられるセリフがあったり
して、最後までダレることなく楽しめました。
莉織も玲亜も可愛いですし、サブキャラも魅力いっぱいですし、青春・純愛物が
苦手でなければ、充分楽しめるかと思います。
「Clover Heart's」というタイトルからして、作品の内容を上手く表現した、よく
考えられたタイトルだなぁ、と感心しました。プレイして良かったと思える、心に
何かが残る作品でした。
# 気持ちが溢れてくる作品、とでも言いましょうか。

欲を言えば、白兎と夷月のすれ違いをもっと利用して欲しかったとか、莉織の
悩みをもっと掘り下げて欲しかったとか、2つのシナリオの関連性をもう少し
上げて欲しいとか、白兎と莉織、夷月と玲亜をくっつけてみたいとか、色々あり
ますが、さすがに高望みでしょうね(^^;

最後に。久遠さん、あんたいったい何者なんだ(^^;


冷静に考えたら、白兎があの本を読んでいた、という事実は何も変わらない
わけですが(笑)

それと、賢治、あいつぜってーまたやるって(^^;

ぶっちゃけ、なんちゃって月陽炎な訳ですが(笑)
システムからしてまんまですしねー。



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