モエかん MOEKKO COMPANY | |||
---|---|---|---|
ブランド名 | ケロQ | ジャンル | 萌えAVG |
発売日 | 2003.01.31 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(163x230x40mm) | マニュアル | A6ブックタイプ |
DISC容量 | Disc01 : 248.9MB、CD-DAなし Disc02 : 528.9MB、CD-DAなし |
||
原画 | 2C=がろあ〜、基4%、SCA-自 | シナリオ | SCA-自、NEKOBASE、 まじか、紫音 |
音声 | あり、成瀬未亜、ダイナマイト★亜美、カンザキカナリ、乃田あす実、永瀬江美弥 | ||
インタフェース | ややキーボード操作可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応、 800x600 |
セーブ箇所 | 129箇所+クイックセーブ1箇所 | 歌 | あり(2曲、OP・ED) |
おまけ | Cg、Memories、After Story | ||
対象属性 | 純愛、萌え、燃え、メイド、アンドロイド、エプロンドレス、ピンク髪、オーバーニーソックス、 ボブカット、秘書、ツインテール、リボン、ガーターベルト、ストッキング、ストレートロング、 黒髪、調教、御主人様、首輪、スクール水着 |
||
1プレイ時間 | 7〜9時間 | お奨め度 | 7 |
レビュー |
概要 |
世界を支配する大企業『萌えっ娘カンパニー』。主人公は、そのカンパニーの メイド育成島で所長をやっていた。ある日、主人公のもとに旧式のアンドロイドが 届けられ、主人公はそのアンドロイドをメイドとして育成することになる。しかし、 そこには『萌えっ娘カンパニー』の様々な陰謀が渦巻いていた。過去に諜報部で 最強の男、世界を滅ぼすほどの力を持つ『NURSERY CRYME』の1人といわれた 主人公は、その陰謀に巻き込まれていく。果たして主人公の運命は……という、 萌えAVG。この概要を見て、どこに『萌え』という要素があるんでしょうね(^^; # めちゃめちゃハードなストーリーに見えますよね……。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 リニア。(CV:成瀬未亜) 主人公のもとに、メイドの育成プログラムを受けるためにやってきたアンドロイド。 旧式でポンコツ。運動能力などは低いが、感情が豊かでとても人間らしい。 霧島香織(きりしま かおり)。(CV:カンザキカナリ) 主人公の秘書。有能で様々な仕事を的確にこなす。 「〜でちゅ」という独特の口調で話す。外見もちびっこ。 朝霧かずさ(あさぎり かずさ)。(CV:乃田あす実) 主人公を護衛するためにやってきた戦闘メイド。 シェフの資格を持っており、料理が得意。ただし調理スタイルはまるで曲芸の ように派手で騒がしい。 実相寺冬葉(じっそうじふゆは)。(CV:ダイナマイト★亜美) 図書館で司書をやっているメイド。絵本が大好きで、図書館にも大量の絵本を 持ち込んでいる。 鈴希(すずき)。(CV:永瀬江美弥) 屋敷の中をうろついていた謎の女の子。無口で感情表現に通しい。 たこ焼きが好物。 絵の方は可愛らしい綺麗な絵ですね。CGの処理も丁寧で良く栄えます。 ただ、原画を複数の方が担当なさっているようで、若干統一性には欠けている ように思える部分もありました。 立ち絵はポーズ変化・表情変化とも多彩で、特に表情変化は上目遣いになった ときの目線の変化などもあり、雰囲気がよく伝わってきます。 音声はキャラクターによく合っており、演技の方もばっちり。 霧島の「でちゅ」言葉はちょっと気になる人はいるかも知れませんが。 # 演じるのも大変そうですね(^^; 音楽はコミカルなものから緊迫感のあるものまで幅広く揃っており、シーンと よく合った曲が使われています。一部、既存曲が使われていたり、どこかで 聴いたことのあるようなメロディーが聞こえてくるのはご愛敬。 ナレーション風のプロローグが終わると、オープニングアニメが流れます。 歌はスピード感のある爽やかな歌で、聴いていて気持ちいい感じですね。 ちょっと演奏がパカパカ鳴ってて歌に勝ってる気はしますけど、まあ許容範囲。 絵の方も曲に合わせてテンポよく切り替わり、コミカルな絵もあり、見ていて 楽しいです。演出も結構凝っていて、なかなか良くできたオープニングで、 見応えがありますね。 ただ、800x600のウインドウの中に、640x480のムービーが動いていて、周りは 真っ黒なのはちょっと寂しいですけど。 エンディングも歌あり。ちょっと切ない感じの曲で、なかなか雰囲気があって 良いですね。ただ、もう少しハイトーンの澄んだボーカルだったら、もっと 雰囲気出たように思うんですけどね。高望みでしょうか。 |
システム |
インタフェースはややキーボード操作可。 メッセージ送りや選択肢決定はボードで出来ますが、メニューの操作などは キーボードで出来ないようです。 既読スキップ、強制スキップ、履歴表示、オートモード搭載。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。 動作の方はやや重め。 セーブ箇所は129箇所+クイックセーブ1箇所。 セーブデータはセーブ日時と、入力したコメントが格納されます。 数としてはこれだけあればまず足りるでしょう。ただ、選択肢の数が結構ある ため、全選択肢でセーブしたりすると足りなくなるかと思います。 システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。 セリフはメッセージウインドウで表示されますが、セリフ以外の地の文は全画面 表示になります。 システム的な特徴としては『緊急回避ボタン』というのがあって、これを押せば 画面が回避用の絵に切り替わってゲーム画面を隠せるようになっています。 ……が、その回避用の絵もかなり怪しいですし、音声はカットしてくれないため バックで変な音声が流れていたらアウトなわけですが(笑) 音声もカットしようと思ったら、『MUTE』ボタンも押さないといけないですし。 まあ、お遊び的な機能としては面白いです。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲームは、まず舞台背景を説明するナレーションから始まります。 結構特殊な設定のため、しっかり読んでおかないとあとあと話が飲み込めなく なるかもですね。このナレーションは音声が欲しかったかも。 そして、メイド訓練所所長の主人公のもとに、リニアが連れて来られます。 リニアの訓練(ひたすら掃除させていただけのような(^^;)を行っているうち、 『萌えっ娘カンパニー』に様々な動きがあり、主人公はそれに巻き込まれて いく……といった展開になります。 前半はコミカルな展開。ポンコツアンドロイドのリニアや、傍若無人メイドの かずさなどとどたばたを繰り広げます。主にかずさ(笑) 後半はカンパニーの陰謀に巻き込まれつつ、各ヒロインの抱えた問題と直面 するシリアスな内容。緊迫した駆け引きや戦闘もあったりして、ハードな燃える 展開になっています。 ラストの方は、やたらと小難しい言い回しを使ったり、回りくどい説明をしたり、 やや読みづらく、テンポが悪いように感じました。 もっと分かり易い表現を使った方が、感情移入しやすいと思うのですが。 ただ、エンディングは私が一番好きな演出が用いられていて良かったです。 どんな演出かはネタバレっちゃうので書けませんが(^^; # 最後に隠しでちらっと触れておきます。 あと、ややイベントの整合性がおかしい部分が見受けられますね。 初めて図書室で紅茶を飲んだのに以前飲んだことかあるようなことを言ったり、 リニアをタンスに閉じこめたのに平然とお茶を入れてきたり。 それほど複雑にイベント分岐しているわけでもないと思いますので、もう少し きっちり整合性を取って欲しいところです。 そして、説明不足も気になりますね。主人公はなぜあんな能力を使えるのか、 冬葉のあの能力は何なのかとか。かなり特殊な世界設定であるにも関わらず、 それに関する説明がほとんどないため、やや疎外感を感じます。 ゲームをプレイしているときは「そういうものだ」と思ってプレイするので特に 気にはならないんですけど、クリアした後、冷静に考えてみると「なんで?」と いう感じでしょうか。説明不足が悪いというわけではないですが、もう少し説明 してくれた方が親切じゃないかな、と思いました。 『NERSERY CRIME』って結局何なのか、今ひとつよくわかりませんでしたし。 1人で世界を滅ぼせるとか、5人しかいないとか言われてもねぇ(^^; それに、リニアの頭に付いているリニアハンドとか、社長直属部隊N GIRLとか、 面白そうな設定はいくつもあるのに、それを使い切れていない感じですね。 上手く利用すればもっともっと面白く出来たような気がします。 リニアシナリオ以外では、リニアの話やカンパニーの話がほったらかしにされて いる感もありますね。リニアシナリオではうまく利用されていると思いますが。 H度は……なかなか評価が難しいですね。まず、キャラによってはハッピーエンド ルートではHシーンがなかったりします。そういうキャラはバッドエンドルートで 調教シーンがありますけど。そして、おまけでもHシーンが用意されているため、 シーンの数としてはそこそこありますし、描写の方も調教シーンなどはそれなりに 濃いです。ただ、殆どのHシーンはおまけみたいな位置付けのため、どうしても ゲームからは浮いているような印象を受けます。 テキストは、やや誤字が目立ちますね。そして、『」』や『!』、『、』などの記号が 行頭に来ることもかなり多いです。 あと、セリフではない地の文が、1人称の場合と3人称の場合があるため、若干 読んでいて混乱します。 他にも、平仮名と漢字の使い方がまちまちでやや読みにくいなど、テキストと しては読みやすいとは言えないですね。もう少し気を遣って欲しいところです。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲームは11月25日の金曜日から始まります。ゲーム期間は約1ヶ月。 ワンプレイは7〜9時間。結構長いかもです。ただ、共通部分が多いため、2回目 以降のプレイではスキップを使えば半分以下に出来ると思います。 もう少しスキップが早いと良かったのですが……。 難易度は並。基本的に狙ったキャラクターと逢い続ければいいのですが、やや 選択肢の数が多く、イベントを1つ見逃しただけでクリアできなくなったりします ので、ちょっと注意が必要です。移動場所選択では、セーブ/ロードを駆使して、 どこに誰がいるかを把握する必要があるかもですね。 |
総評 |
お奨め度ですが、『萌え』と『燃え』を求める人にお奨め。 可愛らしいキャラクターとよく出来たシナリオ、そして特殊な世界背景や複雑に 絡み合う設定など、『萌え』と『燃え』を両立させた作品になっていると思います。 さらに『笑い』や『感動』の要素も盛り込まれていますので、盛りだくさんの内容で 幅広く楽しめる作品だと思います。 キャラクター同士の絡みも上手く、前半は会話がとても楽しいですし、個別 シナリオに入っても、他のキャラクターがシナリオに絡んで来たりしますし。 特に霧島は、本人のシナリオよりも他のキャラのシナリオでの方が、いい味 出してるかも。 ただ、『萌え』と『燃え』を両立させようとした結果、どちらも若干中途半端に なってしまったような印象もあります。それでも充分楽しめますし、感動も 出来るとは思いますけど。 私は『モエかん』というタイトルから、萌え萌えラブラブなストーリーを想像して いたのですが、そんなに『萌え』に偏るわけではなく、後半はむしろ『燃え』の 方が強かったので、最初はすこし戸惑いました。まあ、のっけからなにやら 小難しいハードなやり取りが展開されていましたが……。 そして『萌え』や『感動』の部分ですが、シナリオや音楽から「明らかにここは 狙っているな」というのがありありとわかってしまうので(^^;、ちょっと構えて しまう箇所がありました。あからさまというかあざといというか……。 まあ、感情移入していればそんなに気にはならないとは思いますが。 私もなんだかんだいって、全てのシナリオでうるうるしましたし。 あと気になったのはシステム周り。このゲームはかなり共通部分が多く、2周目 以降はスキップを多用すると思うのですが、このスキップの動作が遅く、バック グラウンドでは動作しないため、ちょっと辛いですね。 結構長いゲームですから、このあたりには気を使って欲しかったです。 それとおまけのCGモードですが、1枚ずつ順番に見ていくようなタイプなので、 非常に使い勝手が悪いです。もうちょっとなんとかならなかったんですかねぇ。 まああくまでおまけなので強くは言えませんが……。 ともあれ、これらを差し引いてもメリハリのある、楽しめる作品だと思います ので、気になった方は是非。 最後に。浦島太郎で学ぶ確定申告(笑) # 題材の選択、かなり間違ってると思う……(^^; 以下、結構ネタバレしてますので未プレイの人は注意。 主人公は昔リニアの母体である千歳と逢っていた。リニアはもう1世紀も前に 作られたアンドロイド。……主人公、何歳だよ(^^; かずさシナリオではこのあたり綺麗に処理されているんですけどねー。 それとリニアシナリオはすっごい大変なことになってましたが、冷静に考えて みると、時計の中から設計図さえ見つけることが出来ていれば、簡単に解決 したのでは(^^; まあ、かずさの設定とかシナリオによって違うようなので、この設定も違って いるのかも知れませんが……。 しかし、Kanonの『last regrets』やら『風のたどり着く場所』に似たフレーズの ある曲があって、ちょっと気になりました(^^; あ、ちなみに私の好きなエンディングの演出というのは、エンディングテーマが 流れて、その後にエピローグが入って、その後にまたエンディングテーマが 流れるというものです。余韻が残るので好きなんてすよねー、これ。もちろん、 取って付けたような終わり方じゃダメですけどね(^^; # ぶっちゃけ『ONE』に似たような構成なのですが(笑) |