SNOW | |||
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ブランド名 | Studio Mebius | ジャンル | AVG |
発売日 | 2003.01.31 | 定価 | \8,800 |
パッケージ | 紙製パッケージ(307x217x30mm) | マニュアル | 縦長ブックタイプ(120x270mm) |
DISC容量 | Install Disc 1 : 595.5MB、CD-DAなし Install Disc 2 : 605.8MB、CD-DAなし Install Disc 3 : 592.0MB、CD-DAなし Game Disc : 295.4MB、CD-DAなし |
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原画 | こぶいち、飛鳥ぴょん | シナリオ | 望月JET、まちゃ吉、Klein |
音声 | なし | ||
インタフェース | メッセージ送りのみキーボード可 | 描画 | Window・フルスクリーン両対応 |
セーブ箇所 | 64箇所 | 歌 | あり(4曲、OP・ED・挿入歌) |
おまけ | CG MODE(CG鑑賞、シーン回想)、SOUND MODE | ||
対象属性 | 純愛、歴史物、時代物、萌え、感動、ピンク髪、ツインテール、リボン、ロリ、茶髪、 触角、お下げ、着物、黒髪、ストレートロング、帽子、うさ耳、ボブカット、金髪、妹、 ショートカット、緑髪、ボクっ娘、うさ耳、青髪、オーバーニーソックス、巫女装束、 ポニーテール |
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1プレイ時間 | 6〜7時間 | お奨め度 | 7 |
レビュー |
概要 |
老舗旅館を経営している従姉にバイトを頼まれ、万年雪に囲まれた村に行く ことになった主人公。しかし村について早々、落石事故に巻き込まれ瀕死の 重傷を負う。そして目を覚ましたとき、何故か傷も殆ど治って無事に生きて いた。しかしその日から、主人公は見えない運命に翻弄されることになる。 過去に一度だけ訪れたことのあるこの村に伝わる、悲しい伝説が動き出す ……という、純愛アドベンチャー。 |
キャラクター・CG・音声・音楽 |
キャラクターは以下の通り。 若生桜花(わこうおうか)。 主人公が落石事故に巻き込まれたときに出逢った少女。 主人公にトドメを刺す(笑) 自分のことをわらわと呼び、いつも飢えている不思議な女の子。 雪月澄乃(ゆきづきすみの)。 過去に主人公がこの村を訪れたときに出逢ったことのある少女。 「えう〜」「だよ〜」が口癖。 あんまんを愛している(笑) あんまんは命の源で、世界も救うらしい(^^; # あんまんは澄乃を中心に回っているのか(^^; 日和川旭(ひよりがわあさひ)。 突然主人公の前に現れ、主人公にまとわりつく女性を悪撲滅運動の名の 下に成敗しようとする(笑) 北里しぐれ(きたざとしぐれ)。 主人公が山道に迷い込んだときに出逢った少女。無口で感情表現に乏しい。 佐伯つぐみ(さえきつぐみ)。 主人公の従姉で主人公をバイトのためにこの村に呼んだ張本人。 使えるものは壊れるまで使う(笑) # お年寄りのお世話で疲れている(笑) 雪月小夜里(ゆきづきさより)。 澄乃の母親。さっぱりした性格でとても気の利く優しい女性。 ちょっぴり悪のりするのが玉に瑕。 橘芽依子(たちばなめいこ)。 澄乃の親友。病院の娘で主人公に死亡宣告をした張本人(笑) いつも主人公をからかっている。この村に伝わる伝説に詳しい。 未確認動物(UMA)で主人公と意気投合して盛り上がる(笑) # 「大変、有意義だった…」(笑) 絵の方は非常に可愛らしいですね〜。CGもなかなか丁寧でとても見栄えが いいです。 立ち絵も表情豊かで、シーンにもマッチしていて見ていてとても楽しいです。 特筆すべき点は、視点の移動がアニメーションで表現されていて、下を向いた 時は実際に下を向いているように感じることが出来ます。ちょっと遅いけど(^^; キャラクターの身長差がはっきりわかっていいですね。 そして、キャラクターを抱っこした時はそのキャラの絵が近くに表示され、 本当に抱っこしているような構図になります。なかなか面白いですね。 他にも雪が降っているアニメーションや、転落したときの画面効果など、 視覚的な演出は非常にすぐれていると思います。 キャラクターはなんかみんなやたらとハイテンション。 落ち着いてるキャラってしぐれぐらいではないでしょうか(^^; 特徴的な口癖をもったキャラクターが多く、非常に個性的ですね。 ここまであからさまな萌えは久しぶりです(笑) どのキャラも非常に魅力的なのですが、芽依子がとてもいい味を出して いてかなり好きです。旭もとってもいい娘です(T_T) 音声はなし。ちょっと残念な気もしますが、かなり特殊な口調のキャラが いますから、音声が入ると違和感が生まれるかも知れませんしね。 私としてはなくても別にOKです。 音楽は比較的ほのぼとした曲が多いですね。緊迫したシーンではしっかり 緊張感のある曲が流れますが。曲のクオリティもなかなか高いと思います。 あと特筆すべき点は効果音ですね。扉が開く音とか雪を踏みしめる音、 風の音などかなりリアルで臨場感があります。 ただ、BGMはCDから読み込んでいるようで起動するためにCDが必要に なるのですが、それだったらCD-DAで収録して欲しかったです。 BGMの切り替わりの時CDから読み込むため一瞬引っかかるんですよね。 ゲームを開始すると、短いプロローグの後、オープニングアニメーションが 流れます。歌はなかなか力強い、しかし綺麗な旋律の歌で盛り上がりますね。 ちょっと幻想的な雰囲気の広がりのある曲もなかなかGOOD。 絵の方は基本的にキャラクター紹介なのですが、絵が非常に綺麗で演出も 良いので見応えはあります。ラストシーンは何か意味深ですね。 エンディングも歌ありなのですが……シナリオによっては呆然としていて あんまりゆっくり聴いている余裕がありませんでした(^^; シナリオによって終わり方が全然違うので全く印象が変わるのですが、 雰囲気としては合っていると思います。未来に希望を抱かせるような、 非常に清々しい歌ですね。結構好きです。 挿入歌も効果的に使われていて、なかなか良かったです。 |
システム |
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。 既読スキップ、強制スキップ、バックログ搭載。 バックログはマウスのホイール機能にも対応。 描画はWindow・フルスクリーン両対応。動作は比較的軽快。 ただし、BGMをCDから読み込むためそこでちょっと引っかかります。 セーブ箇所は64箇所。セーブ/ロードは随時可能です。 セーブデータはセーブした日時とそのシーンの画像が登録されています。 画像の読み込みにやたら時間がかかるため、使い勝手としてはいまいち。 最新のデータのページが自動的に開くのはいいんですけどね。 数としてはこれだけあれば充分かと思います。 システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。 |
シナリオ・プレイ感 |
ゲーム開始早々、いきなり殺されかける主人公。そして流れるオープニング アニメーション。……てっきり主人公が死んでエンディングが流れたのかと 思いました(笑) オープニング終わった直後のシーンもステキですし(^^; 前半はもうこれでもかと言わんばかりのコミカルな展開。 瀕死の重傷だったはずの主人公が復活して旅館で水汲みのバイトをする わけですが……物価安すぎ。てゆーか、日給200円て(^^; 断れよ……。 # 土日休みの旅館って一体……。 ##しかも、従業員はつぐみさん1人!? 婦女子にモテなそうな、出世しなさそうな名前の主人公(笑) ……ちなみにこのゲーム、主人公の名前変更可能なんですけど……(^^; そして後半、この村に伝わる伝説と絡んでシリアスなストーリーが展開して いきます。なかなか重い展開で、プレイしていて切なくなることもしばしば。 そしてその後怒濤のエンディングへ……という感じなのですが、イベントの 切り替わりがちょっと唐突ですね。苦しんでいたかと思えばいきなり元気に なっていて、しかもその理由が示されなくて着いていくのがやっと……という 感じの部分が何ヶ所かありました。 # つぐみの行動とか、意味不明なところもありますし。 そしてラストは……なんか、狐につままれたような終わり方というか、 「は?」という感じですね。何がどうなったのかさっぱりわかりません(^^; ちょっとヘコみつつタイトルに戻ると、何やら「Legend」というメニューが 追加されていたので見てみることに。どうやら村に伝わる伝説にまつわる ストーリーのようですね。選択肢の一切ない読み物なのですが、なかなか 読み応えのある面白い話でした。 今まで謎だった所もある程度理解できて、気持ちも晴れました(笑) そしてこれを見た後で再びゲームを始め、オープニングを見たとき、思わず 涙が出ました。このオープニング、非常に良く出来ていますね。 セリフや構図までもが計算し尽くされている、それぞれのシーンが意味を 持ったアニメーションとなっています。痺れました。 そしてサクサクとそれ以降のシナリオを進めていく。 伝説の真相が分かっていますから、シナリオにもすんなり入り込めるのが いいですね。ただ、Legendを読んでいないとわからないことが多いのですが、 逆に読んでいると先の展開が読めてしまうのが難しいところですね。 Legendを見ることによって、プレイヤーと主人公の間に情報格差が生まれて しまって、ちょっと感情移入はしづらくなってしまったかも知れません。 でも、それを差し引いてもなかなか読み応えのある面白いシナリオだったと 思います。先の展開が読めていても、面白い物は面白い、という感じですね。 私はそれほどだくだく泣くところまではいきませんでしたが、各所でうるうる したり、某シナリオのラストあたりではちょっぴり泣けました。 Hシーンはあっさり。というか、Hのないシナリオ結構あるんですけど?(^^; Hシーンを見たらバッドエンド直行だったりとか……。 はっきり言って、Hシーンいらないじゃん! と思ったり。 テキストは比較的読みやすいですね。口癖とかはちょっと気になりますけど。 誤字もほとんど見あたらず、非常に丁寧に作られているように感じました。 ただ、三点リード(……)が1つだけで使われている所が多々見受けられます ので、細かいところを気にする人は気になるかもです。 |
プレイ時間・難易度 |
ゲームは2月2日の土曜日から始まります。ゲーム期間は……シナリオ毎に 全然違います(^^; まあ、約1ヶ月と考えれば目安になるでしょう。 たまにいきなり時代すら超越しますけど(笑) ワンプレイは6〜7時間。音声なしのゲームですから、読む速度によってかなり 違ってくるとは思いますが。 難易度は比較的簡単。クリアするだけなら特に悩むこともなくクリア出来るかと 思います。選択肢は比較的ゆるく、間違ったかな? と思っても後でリカバリー 出来るみたいですし。まあ、一部必須の選択肢はあるにはありますが。 ただし、一部クリア順の決まっているシナリオがありますので、それに気付かず プレイしているとちょっと手こずるかも知れません。 私も最初狙っていたキャラが最後にならないとクリアできなかったのでちょっと ヘコみました。……誰を狙っていたかは察してください(笑) # 次に狙っていたキャラはクリアすら出来ませんでした(^^; あと、某シナリオをクリアするとタイトルメニューにLegendというのが現れる 訳ですが、これをおまけだと思って放っておくと一生クリア出来ないかも(^^; ちょっと注意が必要ですね。 |
総評 |
お奨め度ですが、シナリオ重視の純愛ストーリーが好きな人にお奨め。 村に伝わる伝説に絡めた時を超えた想いを非常に丁寧に描いてあり、かなり 読み応えがあります。 そしてそのストーリーを盛り上げる演出が素晴らしいです。 画面効果や絵の構図、音楽、効果音にいたるまで非常によく計算されていて、 話をとても盛り上げてくれます。 気になった点としては、ややシステムに動作の重い箇所があること。 具体的にはBGMの切り替わり時とセーブ/ロード時なのですが。 まずBGMは、どうしてわざわざCDから読み出すような仕様にしたのでしょうか。 全てHDDに入れればこんなことはなかったと思うのですが。もしくは、CD-DAに して貰えればもっとありがたいんですけど。 セーブ/ロードについては、シーンの画像の読み込みにやたら時間がかかって いるようですね。ちょっと残念です。 そしてシナリオに関して言えば、ちょっと無駄な部分が多くてだらだら長く なっている印象がありますね。元々結構ボリュームのある話なので、もう 少し無駄な部分を省いても良かったのではないでしょうか。 夕食のメニューとか、別に気になりませんし(笑) そして最大の問題は、Hシーンの薄さですね。ぶっちゃけ、なくてもいい ぐらいです。 というか、そういうシーンの描写がないのに妊娠してるのは反則です(^^; いや、あそこでそーいう描写されたらされたで嫌かも知れませんけど……。 なので、エロ重視の人は悪いことは言いません。回避してください。 ともあれ、私が最初にプレイしたシナリオはちょっとラストが感じ悪かった ですけど(^^;、それ以外のシナリオはどれも良くできていたと思いますし (Legendを読んでいたからというのもあるかも)、凝った演出は素晴らし かったです。全体的に見ればとてもよく考えられ、丁寧に作られた作品で、 上手くまとまっているなー、という感じですね。 最後に。どこに1.8GBも容量使ってんスか?(^^; # いや、ほとんどCGなんでしょうけど、なんでこんなに……。 ……とまあ、ここまでが客観視点で見たレビュー。いや、もちろん評価は 主観でしてるんですけど。 で、ここからは主観バリバリの視点で言いたいことを言わせて戴きます。 ネタバレ……というほどでもないですが、とりあえず色消しときます。 ぶっちゃけた話、Kanon・Airを参考にしすぎです(^^; まあ、開発のコンセプトがそうだったようですので仕方ないと言えばそれ までですが、キャラクターの設定から絵の構図、シナリオの構成まで非常に 似通っているのはちょっとどうかと(^^; 「うぐぅ」が「えう〜」に変わっただけとか、真琴シナリオまんまの展開が あったりとか、1本シナリオをクリアしてLegendを読んで元の話に戻るという のはあからさまにAirと同じ作りですし、クリアしたらタイトルの画像が変わる あたりもそうですね……。 確かに話としては非常に面白いんですけど、どうしてもこれらの作品が頭を 過ぎるため、いまひとつ感情移入が出来ませんでした。 たぶんこの2つの作品を知らなければ、もっとだくだく泣けたと思うんです けどねー。ちょっと残念かも。 CGや演出面では突出した素晴らしいものがありますから、是非オリジナルの 作品をプレイしてみたいな、というのが集直なところです。 いや、充分面白かったんですけど、面白かっただけに、ね。 KanonやAirに酷似しているというのを気にしない人であればオススメ。 てゆーか、芽依子エンドを要求する!(笑) |