FairlyLife
ブランド名 HOOK ジャンル 重力無限大! 全力どたばた
ミラクルラブコメADV
発売日 2008.10.10 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(168x232x40mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 3.58GB(DVD-ROM)
手当たり放題に心を癒されまくる大変ありがたいCD : CD-DA=428.0MB、CD-DA14トラック
原画 松下まかこらっこ、山根呂兵 シナリオ 川波無人、モーリー、
風雅、なたけ、Hatsu
音楽 34曲、松浦貴雄 あり(4曲、OP・ED・挿入歌)、橋本みゆき、
土屋実紀、NANA、沢渡弓月(細田なな)
音声 あり、桃井穂美、木ノ下やや、北野妙、細田なな、星咲イリア、静野ももか、
歯粉崎みどり、大波こなみ、桜川未央、浅倉四季、柳沢降臨、長谷川かのん、
新堂真弓草柳順子藤森ゆき奈、白石めぐみ、桃川京子、千川くりこ、黒川百合、
空野ほし、のむらちょこ、ゆうきめろん、久里りん、栗モナカ、ジェニファー那須、
NOBE、寺井智之、野村勝人、越田直樹、宮田正造、上條博之、板倉和樹、横山貴文、
阿部川大空、荒瀬公幾、金田まひる、楠鈴音、角川一本松
インタフェース ややキーボード操作可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 99箇所+クイックセーブ1箇所+
オートセーブ1箇所
CG枚数 110枚
おまけ Extra Scenario、CG&MUSICギャラリー、シーン回想、立ち絵ギャラリー
対象属性 ドタバタ、ラブコメ、学園物、銀髪、ストレートロング、ヘアバンド、アホ毛、スクール水着、
青髪、黒髪、白衣、女教師、ボブカット、金髪、ピンク髪、サイドポニーテール、眼鏡っ娘
1プレイ時間 6〜8時間 お奨め度 7

レビュー
概要
ごく平凡な学生生活を送っていた主人公。ある日、学園に人工衛星が落下し、
その現場に居合わせた主人公は、謎の女の子と出会う。なんでもその女の子は
落ちてきた人工衛星で、主人公に会うためにやってきたとのこと。さらに、
携帯電話が女の子になったり、小型冷蔵庫が女の子になったりと、主人公の
周りで次々とモノが擬人化してしまう。果たして主人公の生活はどうなって
いくのか……という、重力無限大! 全力どたばたミラクルラブコメADV。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

山南南(やまなみみなみ)。(CV:桃井穂美)
生徒会長。主人公とはご近所で、とても仲がいい。むしろ主人公ラブ。
恐ろしいほどのポジティブシンキングの持ち主で、常に明るく前向き。
楽しければ全て良しという考え方をする。ポジティブキング。

高岡あさがお(たかおかあさがお)。(CV:木ノ下やや)
人工衛星の擬人化。主人公に会うために地上に落ちて女の子の姿になった。
主人公を危険から守ることを使命としている。正義感が強く、助けを求める
声をキャッチするとすぐに駆け付ける。素直で優しい女の子。

中里結花子(なかざとゆかこ)。(CV:大波こなみ)
主人公の従姉で同居人であるマッドサイエンティスト。怪しげな研究を行って
おり、主人公に脳髄を研究材料として提供しろと迫ってくる。主人公をからかう
のが大好き。

有栖川京華(ありすがわきょうか)。(CV:静野ももか)
主人公の担任教師で、生徒会顧問。カウンセリングもしている。
宗教じみた偏狂思考の持ち主で、そのカウンセリングは人格を破壊し、受けた
人を病院送りにすると言われる。……ダメじゃん。通称・ラストカウンセラー。

高岡未来(たかおかみく)。(CV:北野妙)
主人公の携帯電話の擬人化。生徒会会計。無口で感情表現に乏しいが、とても
有能で、生徒会の仕事もそつなくこなす。主人公の役に立ちたい一心で頑張る。

あゆみ。(CV:長谷川かのん)
募金箱の擬人化。募金を増やすため、商店街をうろうろしている。
大人しく控えめな女の子。

自販子(じはんこ)。(CV:新堂真弓)
自動販売機の擬人化。お色気たっぷりのお姉さん。売り上げが思わしくない
ため、買ってくれる人を求めてさまよい歩く。露出度の高い過激な衣装を身に
まとい、みんなの目を引く。

小冷(おれい)。(CV:桜川未央)
主人公の小型冷蔵庫の擬人化。飄々としていてクールで毒舌。めんどくさがり
ながらも主人公の言うことを聞いてくれたり、案外優しい一面も。

ちり。(CV:草柳順子)
ティッシュ箱の擬人化。おっとりのほほんボケボケ娘。朝に弱い。泣き虫。

五味優(いつみゆう)。(CV:星咲イリア)
主人公のクラスに転校してきた女の子。犬使い。生徒会に敵対し、生徒会の
秘密を暴くため日夜活動している。でも、根は優しくいい子。

頼子(よりこ)。(CV:浅倉四季)
生徒会の美品であるコピー機の擬人化。ちょっぴりドジだが真面目で優しくて
面倒見のいい女の子。頑張り屋さん。

沢渡弓月(さわたりゆづき)。(CV:細田なな)
主人公のクラスに転校してきた女の子。国民的アイドル。優しく素直でほんわか
した雰囲気を持つ。人気アイドルでありながらそのことを鼻にかけず、誰にでも
優しく接する。

ランタン様。(CV:歯粉崎みどり)
南が持っているカボチャのアクセサリの擬人化。南に騙され、自分のことを
神様だと思い込み、尊大な態度を取る。

加奈子(かなこ)。(CV:藤森ゆき奈)
学園に置き忘れられた傘の擬人化。物静かで覇気がなくてネガティブ。
でも、本当は普通に明るく振る舞いたいと思っている。

曽我部冬子(そがべふゆこ)。(CV:歯粉崎みどり)
風紀委員長。真面目で厳しく公平な女性。副委員長のインパクトが強く、また
あまり表に出て来ないため印象は薄いが、しっかりした委員長。

絵の方はとても可愛らしく表情豊かで活き活きとした絵柄。原画家さんが2人
いますが、ほとんど絵柄の差もなく、全く気にならないと思います。
CGは明るめの発色で丁寧に処理されており、見栄えもいいと思います。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。アクションが大きく表情豊かで、
コミカルな動きも用意されていたりと、見ていて楽しいです。

キャラクターは個性豊かな面々揃い。女の子の大半が擬人化したモノという
のが一風変わっていて面白いですね。(攻略キャラに限って言えば、半分以下
ではありますが)
頼子さんらぶ☆ 優しくて健気でいい子でステキすぎます。
メインキャラでは、未来が可愛すぎます。健気っ子LOVE。

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方もほぼ問題なし。
一部、やや物足りなさを感じることもありましたが、まあ許容範囲。
ただ、名前もないようなモブキャラの声は、一部ちょっとどうかと思うような
ものもあったりしましたけど。
あと、メインキャラよりも、名前のあるサブキャラの方が、安定していた気が
しました。

音楽はほのぼのとした雰囲気の明るく楽しい曲が多め。ドタバタな日常を
旨く盛り上げてくれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はスピード感のある爽やかな歌で、とても聴き心地がいいです。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なものですが、曲に合わせてすごい
勢いで絵が流れていく感じで、勢いがあって面白かったです。

エンディングも歌あり。爽やかで聴き心地が良く、またとても優しい雰囲気の
曲で、ラストの雰囲気をしっとりとまとめてくれます。……まあ、その直後に
またドタバタのエピローグがあったりするんですけど。

また、挿入歌もあり。通常の挿入歌の他、キャラクターの歌う歌も入っていたり
なかなか面白いです。
システム
インタフェースはややキーボード操作可。メッセージ送りや選択肢決定、各種
メニュー内での操作はキーボードで可能ですが、各種メニューを開くのはキー
ボードでは出来ないようです。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作は比較的軽快。スキップ動作はそこそこ高速です。

セーブ箇所は99箇所+クイックセーブ1箇所+オートセーブ1箇所。セーブ/ロードは
随時可能です。セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とシーンタイトル、
自由記述のコメントが保存されます。
数としては、選択肢がそれほど多くなく、効果も比較的明確なので、これだけ
あれば充分でしょう。

システムはオーソドックスな選択肢決定型のアドベンチャー。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
主人公の名前は「高岡晃範(たかおかあきのり)」固定です。
シナリオ・プレイ感
ゲームは人工衛星のあさがおが落ちてくるところから始まります。主人公の
まわりのモノがどんどん擬人化していき、ドタバタの毎日が展開される……
という感じ。

前半は明るくコミカルなドタバタ劇が繰り広げられます。
主人公の周りのモノが続々と擬人化し、さらに主人公は生徒会に引きずり込ま
れて南に振り回されるという展開になります。
ギャグ満載の楽しいイベントを楽しめます。

後半はシナリオによって雰囲気は異なりますが、総じてほのぼのとした、
心温まる展開になります。ちょっとしんみりしたりシリアスになったりする
こともありますけど、基本的にはコミカルな展開なので、安心してプレイ
することが出来ると思います。

最後は明確に終わりという感じではないのですが、これからも楽しい日常が
続いていくような感じの終わり方が多く、すっきり爽やかです。

まずプレイしていて感じたのはキャラクターの個性。擬人化したモノが多い
という時点で個性バリバリなんですけど、それぞれがとてもよく特徴が出て
いて、活き活きとしており、会話も楽しいです。

そして、突然モノが人間になったりするわけですが、主人公が最初ちょっと
戸惑ったぐらいで、他の人はすんなりと受け入れ、あまつさえ普通に学校に
通ったりするのは、もはや清々しかったです。順応性高すぎ(^^;
# さすがに、犬がクラスメイトはないんじゃないかな(^^;

ただ、どうしてモノが突然擬人化したのかとか、説明がないわけではないの
ですが、かなり強引で、人によっては納得できないかも知れません。
でもこれは、そういうものだとして受け止めることが肝要だと思います。

そして、個別シナリオに入っても他のキャラクターがしっかりストーリーに
絡んできて、自然で広がりのある、ほのぼのとした楽しい雰囲気を演出して
くれます。

H度は並。各ヒロインとも複数回(4回)用意されており、尺の方はそこそこ、
描写はややあっさりめです。
内容は純愛系のラブラブHで、気持ちを確かめ合うようなほのぼのしたものが
多いです。まあ、平然と2回戦に突入したりもしますけど。

テキストはちらほらと誤字等が見受けられますが、それほど気にはならないかと
思います。ただ、さすがに「公正明大」はないと思います(^^;
あと、文字を拡大表示したりするんですが、たまに表示枠からはみ出しています。
このあたりはきっちりして欲しい気がしました。
また、地の文が『()』で囲まれているんですが、これがなんだか気になりました。
別に括弧なしでそのまま書いてもいいような気がするんですけど……。
プレイ時間・難易度
ゲーム期間は不明。2ヶ月ぐらいでしょうか。日付の経過は特に描写されず、
平然と何日か飛んだりしますので、意識することはないと思います。

ワンプレイは6〜8時間。テンポが良くサクサク進められますし、プレイしやすい
長さでした。

難易度は低め。基本的に狙ったキャラを選択肢続けていればOKです。
攻略に関係する選択肢は、片手で足りますし。
総評
お奨め度ですが、ドタバタラブコメが好きな人にお奨め。
モノが擬人化するという設定からして突飛ですが、出てくるキャラクターは
輪をかけて個性的で、一風変わった独特の展開を楽しむことが出来ます。
ストーリー展開も様々で、いろんなシナリオを楽しめます。逆に言えば、
まとまりのない、バラツキのあるシナリオとも言えますが、元々バラエティに
富んだ作品ですから、それほど気にならないかと思います。

突拍子もない展開が、ほとんど何の説明も無しに繰り広げられるため、やや
プレイする人を選ぶかも知れませんが、細かいことさえ気にしなければ、
魅力的なキャラクターやメリハリの効いたストーリーはとても楽しめると
思いますし、みんなで力を合わせたり支え合ったりという、ほのぼの出来る
心温まる展開もあって、安心してプレイできると思います。

特にビジュアル面のクオリティは非常に高いですし、システム的にも問題なく
プレイしやすいと思いますし、絵柄や雰囲気が気に入った人は是非どうぞ。

なお、この作品は、2004年5月に同ブランドから発売された「Like Life」と
似たような設定、雰囲気、内容の作品になっています。なので、「Like Life」が
好きな人は同じように楽しめるかと思います。
Like Life」と直接の繋がりはありませんので、未プレイの人でも問題なく
楽しめると思います。

最後に。この学園、懐深いな!(笑)
モノとか犬を当たり前のように迎え入れたり、無茶なイベントを許可したり……。


せっかですから、もっと「Like Life」とのリンクをしても面白かったんじゃ
ないかなー、と思ったり。



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