姫巫女 繊月
ブランド名 縁-yukari- ジャンル 幻灯奇譚ノベル
発売日 2008.09.19 定価 \9,240
パッケージ 紙製パッケージ(152x216x36mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 1.38GB(DVD-ROM)
原画 浅賀葵 シナリオ 有島悠也、モーリー
音楽 25曲、春日森 なし
音声 女性のみボイスあり、金田まひる、大波こなみ、未来羽、深井晴花、井村屋ほのか、
芹園みや榎津まお草柳順子
インタフェース ほぼフルキーボードサポート 描画 Window・フルスクリーン両対応、
800x600
セーブ箇所 30箇所 CG枚数 76枚
おまけ 閲覧、鑑賞、視聴
対象属性 触手、陵辱、巫女装束、ボブカット、オーバーニーソックス、ストッキング、ポニーテール、
ツインテール、スクール水着、ショートカット、ガーターベルト、ストレートロング、ヘアバンド、
金髪、お下げ
1プレイ時間 2〜10時間 お奨め度 5

レビュー
概要
1つの戦いが終わり、束の間の平和を謳歌していた姫巫女達。しかし、1人の
姫巫女が消息を絶ち、また物語が動き出す。果たして姫巫女達は、鬼を倒し、
みんなを護ることが出来るのか……という、幻灯奇譚ノベル。

この作品は、2006年2月にRaSeNブランドから発売された「姫巫女」(以下、前作)
の続編にあたる作品です。ブランドは違いますが。
主要なキャラクターはそのまま登場しており、設定の説明等はかなり省かれて
いますので、前作を先にプレイしておいた方が良いでしょう。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

藤沢美由(ふじさわみゆ)。(CV:芹園みや)
穂乃香とすずりのクラスメイト。いつも明るく元気いっぱいな女の子。
勉強が大嫌い。見た目がバカで中身がメガバカ。

小原幸(おはらさち)。(CV:草柳順子)
穂乃香とすずりのクラスメイト。上品で落ち着いた雰囲気の女の子。
美由の保護者役。見た目がお嬢で中身がオバさん。

土岐穂乃香(ときほのか)。(CV:大波こなみ)
白兎隊に所属する姫巫女。まだまだ新人で、実力が伴っていない。
真面目で友達思いの優しい女の子。美由に甘い。

綾文すずり(あやふみすずり)。(CV:金田まひる)
白兎隊に所属はしていないが、穂乃香と一緒に戦ったり、訓練を受けたり
している女の子。姫巫女にはなっていないが、鬼と戦う力を持っている。
無愛想でぶっきらぼうだが、根は優しい。

鶴来真魚(つるぎまな)。(CV:深井晴花)
白兎隊の副隊長。頭も良く、戦闘能力も高い優れた姫巫女。生真面目で、
何事にも手を抜けない。スイッチはONとOFFしかない。
優しく真面目な女性だが、訓練の時は羅刹と化す。鬼教官と呼ばれる。

雀宮小鳥(すずみやことり)。(CV:未来羽)
白兎隊の隊長。あっけらかんとした大雑把な性格。大の酒好き。呼吸する
ようにビールを飲む。いつも飄々としているが、麗愛に対しては敵意を
むき出しにする。

綾文沫莉(あやふみまつり)。(CV:草柳順子)
すずりの姉で、小鳥と麗愛の友達。白兎隊に所属していたが、過去に鬼との
戦いで命を落としている。おっとりのほほんとした女性。おしるこが好物。

来長麗愛(きながれあ)。(CV:井村屋ほのか)
虹鶏隊隊長。昔は小鳥と仲良くしていたが、あることをきっかけに仲違いし、
今は顔を合わせると喧嘩する間柄。真面目で規律に厳しい。必要があれば
仲間を切り捨てる冷酷さも持つ。

各務此葉(かがみこのは)。(CV:芹園みや)
虹鶏隊副隊長。治療に特化しており、戦闘力は皆無。先頭に出ることを禁じ
られている。感情の起伏に乏しく、いつも冷静。

烏丸咲夜(からすまさくや)。(CV:榎津まお)
虹鶏隊の斬り込み隊。戦闘能力は非常に高い。

絵の方は可愛らしく動きのある絵柄。ただ、前作とは一部雰囲気の違うキャラが
いて、ちょっと違和感があることも。
CGはややべったりとした印象のある処理。作品の雰囲気が暗めのため、それに
合わせている感じでしょうか。
立ち絵は表情変化・ポーズ変化ともにあり。それほどパターンは多くなく、さらに
絵の上にメッセージが被るように表示されるため、あまりじっくりと見ることは
ないかと思います。

キャラクターはやや控えめで地味なキャラクターが多め。
真面目なキャラや無口なキャラが多く、作品の雰囲気も重苦しいため、あまり
活き活きとした印象は受けません。
そんな中、美由のバカっぷりがオアシスです(笑)

音声はキャラクターとのマッチングは良く、演技の方も問題なし。
戦闘シーンや陵辱シーンも臨場感があっていいですね。
基本的に前作と同じキャストですが、一部変更があるようです。

音楽は緊迫感のあるおどろおどろしい曲が多め。静かで重苦しい雰囲気の曲が
多く、作品の雰囲気をどんよりと盛り上げてくれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はなく、アップテンポでビートの効いた曲が流れます。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。特筆すべき点はなし。
システム
インタフェースはほぼフルキーボードサポート。バックログ中の音声再生等、
一部の操作以外はキーボードで出来るようになっています。
強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能です。
スキップはスキップボタン等はなく、Ctrlキー押下による矯正スキップのみ
対応しています。非常に不便です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは800x600です。
動作はそこそこ軽快。スキップ動作はやや遅め。
メッセージは全画面表示のビジュアルノベルタイプです。Hシーンなど、
一部のイベントシーンのみ、メッセージウインドウ表示に変わります。

セーブ箇所は30箇所。セーブ/ロードは随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、章番号とシーンタイトルが保存されます。
数としては、それほど選択肢の数は多くないですし、これだけあればなんとか。
なお、セーブはどこでしても、ロードするとそのシーンの先頭から始まるので
注意が必要です。見たいシーンの直前でセーブしても、ロードするとシーンの
最初から始まってしまいます。

システムは選択肢決定型のアドベンチャー。というか、行動を決定するような
選択肢はなく、下記の「リュウイチファイル」を見るかどうかの選択肢がある
だけです。
特徴としては「裏言システム」。メッセージ中に色が異なる文字があって、
それをクリックすると小窓が開き、そこでその言葉の解説が表示されます。
中には説明になっていないものもありますが。この裏言を見ているかどうかで
展開が変わったりするようです。
また、条件を満たしていると、「リュウイチファイル」なるものが見られることが
あります。これは、主に姫巫女達の陵辱シーンで、見るとバッドエンドになる
ものも多いです。
この「リュウイチファイル」を一切見ずに進めると、ほとんどHシーンのない
ゲームになってしまいますが。

ディスクレス起動可。バックグラウンドでの動作も可能です。
本作には明確な主人公はいませんが、とりあえずは穂乃香でしょうか。
すずり視点で進むことも結構多いですが。
シナリオ・プレイ感
ゲームは虹鶏隊の隊員が白兎隊の担当区域で消息を絶ち、虹鶏隊が白兎隊に
調査協力を依頼してくるところから始まります。隊長同士が仲が悪いため、
色々と問題を起こしつつも調査して行く中で、さらに事件が起こっていく……と
いう感じ。

ストーリーは終始やや重苦しく、緊迫感のある雰囲気で進みます。
もちろん、コミカルなシーンやギャグも多いんですが、どこか陰がある感じが
つきまといます。

最後は一応すっきり綺麗に解決はするんですが、みんな鬼に襲われたりする
ため、何も問題なくハッピーエンドとはいきません。
また、バッドエンドも多く、きっつい終わり方も多いです。

まずプレイしていて気になったのは、視点切り替えの多さ。
シーンによって視点が異なり、今、誰の視点なのかがわかりづらく、読み
にくかったです。セリフに誰が喋っているかという記述がないため、音声を
OFF(最小)にすると、誰が喋ってるのかわからなくなってしまあうのでは……。

H度は並。キャラによって回数はまちまちです。尺の方は長め。描写はそこそこ
濃いめです。ただ、内容的には痛めつけるようなシーンが多いので、H度としては
やや微妙な気が。
なお、ほとんどのシーンは「リュウイチファイル」の中で見られるため、リュウイチ
ファイルを「見ない」を選択すると、ほとんどHシーンがないまま終わってしまい
ます。

テキストは各所に誤字・脱字が見受けられます。
また、メッセージウインドウの文字の出方がおかしくて、1つのセリフが表示
されて、1行空けて次のセリフが表示されたりします。挙げ句の果てに、最後の
2〜3文字は次のページに表示されたりとか。1行空けるんじゃなくて、改ページ
すれば読みやすいと思うんですけど。
プレイ時間・難易度
ゲームは章立てて進みます。ただし、章の切り替わりは明示されないため、
意識することはありません。
ゲーム期間は不明。日付の経過は特に描写されず、気にする必要もありません。

ワンプレイは2〜10時間。やたら幅がありますが、2時間というのは最初の選択で
バッドエンドに直行した場合なので、最後まで行けば7〜8時間、見てもバッド
エンドにならないリュウイチファイルを見つつ最後まで行けば10時間程度、という
感じでしょうか。
基本的に一本道のため、2周目以降はスキップを使えばかなり短縮できるかと
思います。まあ、スキップ機能というのはないんですけど。

難易度はやや低め。ストーリーは基本的に一本道なので、何も考えずプレイ
してもエンディングにはたどり着けると思います。ただ、途中で出てくる
裏言を見ないと出て来ないリュウイチファイルがあったりしますので、
イベントを全て見ようと思ったらそこそこ面倒です。
文字の色の違いはそんなに激しくないですし、スキップをしちゃうとそのまま
流れていってしまうので、1周目は注意深く文字を見ながらプレイする必要が
あると思います。ちょっと疲れます。
# バックログでは、裏言は見られませんし。
総評
お奨め度ですが、触手陵辱物が好きな人にお奨め。
主に孕ませに特化した触手陵辱シーンが展開され、数もそこそこ多いので、
たっぷり楽しめると思います。
そういったシーンが苦手な人は、リュウイチファイルを見なければほとんど
目にすることはなくなりますが、いまいち面白味に欠ける気はします。

まず、前作からの続きということで、設定や説明はかなり省かれており、
今作を初めてプレイする人にはちょっと敷居が高いのと、視点がコロコロ
変わってプレイしにくく、ちょっとプレイする人を選ぶ気がします。
また、裏言を探しながらプレイしなければならないため、ストーリーに集中
しにくく、また、Hシーンを見ながら進めようとするとバッドエンドに直行
したりもするため、これまたストーリーを追いにくいです。

そして、基本的に一本道のストーリーのため、2周目以降はイベント回収の
作業となり、しかしイベントを回収するためには裏言を見なければならない
のでスキップが出来ないという、なんともユーザフレンドリーでないシステムに
なっています。もうちょっと、プレイしやすい工夫が欲しかったところです。

ストーリーはわかりやすいのですが、序盤で展開が読めてしまったり、
ご都合主義が満載だったりと、やや物足りなさがありました。

全体的に荒さが見え、ややプレイしにくいですが、前作が気に入っている人は
どうぞ。裏言システムは、もう少し何とかならなかったのでしょうか……。

最後に。「ユッケ。美味。多くは語らない、感じろ」……ストーリーに何か関係
あるの?(^^;



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