ティンクル☆くるせいだーす
ブランド名 Lillian ジャンル どきどきワクワクラブコメ
発売日 2008.09.26 定価 \9,800
パッケージ 紙製パッケージ(184x259x37mm) マニュアル B6ブックタイプ
DISC容量 GAME DISC : 5.57GB(DVD-ROM)、Alpha-ROM
KIRA-KIRA SOUND FESTIVAL : CD-DA=394.2MB、CD-DA10トラック
原画 かんなぎれい シナリオ しげた、丸谷秀人
音楽 51曲、アメディオ、中沢伴行、
菊田大介(Elements Garden)、
Shigetoshi Yamada
あり(4曲、OP・ED・挿入歌)、
KOTOKO榊原ゆい、NANA、NAO
音声 あり
インタフェース メッセージ送りのみキーボード可 描画 Window・フルスクリーン両対応、
1024x614
セーブ箇所 81箇所+クイックセーブ9箇所+
オートセーブ9箇所
CG枚数 103枚
おまけ CGギャラリー、SCENEギャラリー、MUSICギャラリー、ヘレナのお部屋♪
対象属性 学園物、ドタバタ、コメディ、魔法少女、幼馴染み、ピンク髪、ポニーテール、金髪、
ツインテール、オーバーニーソックス、ツンデレ、お嬢様、天使、羽根、先輩、
ストレートロング、リボン、ストッキング、黒髪、ショートカット、巫女装束、巫女さん、
赤髪、眼鏡っ娘、女教師、猫耳、尻尾
1プレイ時間 14〜16時間 お奨め度 7

レビュー
概要
主人公は流星学園生徒会長に立候補し、見事選出された。キラキラの学園生活を
目指す主人公は、生徒会を盛り上げ、楽しい毎日を過ごしていく。そんな中、
魔族が街で悪さをするようになり、生徒会メンバーは魔族を倒すクルセイダース
として活動することになる。果たして主人公は、魔族を撃退し、キラキラの学園
生活を守ることが出来るのか……という、どきどきわくわくの学園バトルラブコメ。
キャラクター・CG・音声・音楽
キャラクターは以下の通り。

夕霧ナナカ(ゆうぎりななか)。
主人公の幼馴染みでクラスメイト。生徒会会計。明るく前向きでハキハキした
女の子で、ちゃきちゃきの江戸っ子気質。実家がそば屋で、そばを打つのが
得意。趣味はスウィーツの食べ歩きで、スウィーツ同好会所属。牛乳が嫌い。

聖沙・ブリジッタ・クリステレス。(みさ・ぶりじった・くりすてれす)
生徒会副会長。生徒会長選挙で主人公に負け、副会長に甘んじている。
主人公に対してライバル心を燃やし、ことある毎に勝負を挑んでくる。
リアの事が大好きで、神聖視している。他にも、可愛いものが大好き。

ロロット・ローゼンクロイツ。
主人公の後輩で、生徒会書記。マイペースで人の話を聞かない金持ちのお嬢様。
30の部活に入って出た部活クイーン。いつもブタの貯金箱を持ち歩いている。
「天使」という単語に過剰反応し、たまに背中に羽が生えたりする。しかし本人は
かたくなに天使ではないと言い張る。

九浄リア(くじょうりあ)。
主人公の先輩で、元・生徒会長。現・生徒会には相談役として参加する。
理事長の妹。面倒見のいい優しい先輩。お姉さんぶろうとしてちょっと無理を
することもある頑張り屋さん。趣味は絵を描くこと、好きな食べ物は和菓子。
和菓子倶楽部所属。

九浄ヘレナ(くじょうへれな)。
流星学園理事長で、リアの姉。いたずら好きでいつもおちゃらけているが、
締めるところはちゃんと締めてくれるかも知れない気がしないでもない。
不可能を可能にする特攻理事長。

メリロット。
学園図書館の司書。無口で物静かだが、非常に威圧感があり、ただ者では
ないオーラを放っている。ヘレナとはとても親しい。

リースリング遠山(りーすりんぐとおやま)。
ロロットに仕える執事。本名は民子。ロロットには「じいや」と呼ばれる。
非常に有能で、どんな頼み事でも難なくこなす。神出鬼没。

高橋サチホ(たかはしさちほ)。
主人公のクラスメイトで、ナナカの親友。スウィーツ同好会所属。
通称・さっちん。むしろそっちが本名というぐらい、本名は呼ばれない。
明るく脳天気でポジティブ。マロンペースト並みにゆるい頭を持つ。
いいところのお嬢様らしいが、とてもそうは見えない。

飛鳥井紫央(あすかいしお)。
主人公の後輩で、聖沙の妹。神社の娘で、武道をたしなんでおり、魔族を
見つけては退治するため戦いを挑む。ただし、魔族に通常の攻撃は通じない。
真面目で一途な堅物。古風な口調で話す。

アゼル。
シャロ=マ公国から来た留学生。無口でぶっきらぼう。騒がしいのが苦手で
人の輪に入ろうとしない。授業にもあまり出ず、いつもふらふらしている。

サリーちゃん。
魔界からやってきた魔族。魔界のアイドル伝説。本名はすんごい長い。
七大魔将の一人であるオデローク率いる美味しいもの食べ隊に所属し、
牛丼を求めて日夜頑張る。

御陵彩錦(みささぎあかね)。
主人公の先輩で、リアの親友。和菓子倶楽部所属。おっとりのほほんとした
女性で、京都弁で話す。リアの事が大好き。

姉小路冬華(あねのこうじふゆか)。
ショコラ・ル・オールの店長。ナナカとは顔見知り。
ぱじゃまソフトから2003年2月に発売された「パティシエなにゃんこ」の
ヒロインの1人。

千軒院清羅(せんげんいんきよら)。
教育実習生として学園にやってきた。物静かだが、口調は厳しい。
よく夜の学園をうろついている。

パスタ。
七大魔将の一人。元気いっぱいの猪突猛進娘。同じく七大魔将のバイラスを
慕っている。

エミリナ。
ロロットの幼馴染みである天使。……ロロットも天使と言っているのと同義な
気もしますが、バレバレなのでいいです。大人しく控えめな女の子。

絵の方はとても活き活きした可愛らしい絵柄。柔らかいタッチで、見ていて
和めます。
CGは明るい発色でとても綺麗に丁寧に処理されており、見応えばっちりです。
立ち絵はポーズ変化・表情変化共にあり。目パチもあり、他にも汗が飛んだり
羽根がぴこぴこ動いたり、演出も凝っていて、アクションも大きく、見ている
だけでも楽しいです。

キャラクターは明るく元気なキャラクター揃い。みんな自己主張が強く、我が
道を突き進んでいるような感じです。エミリナの控えめさがオアシスです。
キャラ的にはさっちんがすんごい好きですけど。そしてもちろん冬華LOVE。

音声はキャラクターとのマッチングはいいのですが、演技の方はやや微妙。
リアやロロットあたりは、ちょっと物足りなさを感じました。
サリーちゃんも、ちょっと声がハスキーすぎて、聞いていて苦しくなるような
印象を受けました。
逆にナナカは、独特のちょっと鼻にかかったような声がめちゃめちゃ印象に
残り、かなり得をしているような印象が。
彩錦先輩の嘘くさすぎる京都弁もステキです。

音楽は明るくほのぼのとした曲が多め。次いで、勇ましく激しい曲が多いです。
もちろん、静かな曲やコミカルな曲なんかも多数用意されていて、シーンに良く
合った曲が使われ、とても盛り上げてくれます。

ゲームを開始すると、プロローグの後にオープニングアニメーションが流れます。
歌はアップテンポで爽やかな歌。とても聴き心地がいいです。
絵の方はキャラクター紹介的なもの。あちこち動いていて、結構見応えがあり
ました。

前半が終わると、中オープニング(セカンドオープニング)が流れます。
歌はちょっと落ち着いた雰囲気の曲で、でも爽やかで聴きやすいです。
ただ、一部、曲と歌をたぶんワザとずらしている部分があって、それがちょっと
聴いていて気持ち悪かったです。
絵の方はキャラクター紹介・シーン紹介的なもの。アゼルが追加されている
以外は最初のオープニングと大差なく、どちらかと言うとイメージ映像的な
ものになっています。

エンディングも歌あり。歌はクリスマスの雰囲気がある、優しく楽しい感じの歌。
ラストの雰囲気をしっとりまとめてくれて、なかなかいいですね。

変身シーンはアニメーションが使用されます。……が、ほとんど動かない、
ちょっとショボめの変身アニメです。
システム
インタフェースはメッセージ送りのみキーボード可。
既読スキップ、強制スキップ、バックログ、オートモード搭載。
バックログはマウスのホイール機能に対応しており、音声の再生も可能です。
通常のメッセージ送りもホイールで可能、音声のリピート再生も可能です。

描画はWindow・フルスクリーン両対応。画面サイズは1024x614。
動作は重め。特に戦闘シーンの前は、いったい何をやっているのかと思える
ぐらい待たされます。スキップ動作もやや遅めです。

セーブ箇所は81箇所+クイックセーブ9箇所+オートセーブ9箇所。セーブ/ロードは
随時可能です。
セーブデータはセーブ日時の他、シーン画像とシーンタイトル、メッセージの
一部が保存されます。
数としては、移動場所選択が多いものの、効果は明確ですし、クイックセーブや
オートセーブもありますので、これだけあれば足りるでしょう。

システムは移動場所選択型のアドベンチャー+バトルアクション。
移動場所選択画面には誰がどこにいるのかが表示され、どんなイベントがある
のかもある程度わかるようになっていますので、迷うことはないでしょう。
バトルパートは、行動順に「霊術」か「詠唱」、「ユニゾン」の3つからどれを実行
するか選びます。
「霊術」は、相手を攻撃するもので、各キャラの属性とレベルによって、攻撃の
ダメージが決まります。攻撃をしたり受けたりすると、行動順が下がります。
「詠唱」は、攻撃を溜めることによってレベルを上げるものです。「霊術」より
行動順の下がり方は小さい場合が多いです。ただし、溜めている間は無防備に
なるので、攻撃を喰らうとスタンしてしまう諸刃の剣ですが。
「ユニゾン」は、2人以上が同時に行動することで、「霊術」を使った場合、
個々の攻撃に加えて、合体攻撃が行えます。「詠唱」を行った場合は、一緒に
詠唱をした人の中で一番行動値の下がりが小さい人に合わせます。すなわち、
短時間で詠唱を行うことが出来るようになります。
他にも、敵と同時に行動をすると「ランブル」になり、攻撃のレベルと属性を
考慮して勝った方が一方的に攻撃を加えることが出来ます。さらに、攻撃を
受けたキャラは全員スタンしてしまいます。
言葉で説明してもわかりづらいと思いますし、体験版をプレイしてみて下さい。

本作品はAlpha-ROMによるプロテクトが施されており、初回起動時のみディスク
チェックが入ります。2回目以降はディスクレス起動可。
バックグラウンドでの動作は可能です。
主人公の名前は「咲良シン(さくらしん)」固定です。

あと、この作品、私の環境だと何故か起動にめちゃめちゃ時間がかかります。
いったい何をやっているんでしょうか……。
さらに、戦闘前もめちゃめちゃ待たされますし、全体的に重いですし。
もうちょっとなんとかならないものでしょうか。
シナリオ・プレイ感
ゲームは主人公が生徒会長になるところから始まります。そして、魔族との
戦いもすることになり、キラキラの学園生活に向けて頑張っていく……という
感じです。

前半は新しい生徒会が右往左往しつつ、リア先輩に助言をもらい、チャリティ
バザーを開催していくという感じ。平行して、魔族と戦うために、天使の力を
使いこなせるよう特訓していきます。
明るく楽しくコミカルな展開……というか、やたらテンション高くてはしゃぎ回る
ような展開で、ちょっとプレイしていて疲れました。

後半は、聖夜祭に向けて頑張っていくことになります。強力な魔族も出てくる
ようになり、主人公は秘めた力を使いこなせるよう特訓したり、周りの人も
それに付き合って力を上げていったりします。

最後は全てすっきり解決して大団円という感じの、爽快な終わり方です。

まずプレイしていて気になったのが、主人公。見た目と言動がどうにもマッチ
してない感があり、さらに今ひとつ言動も幼稚で、感情移入しづらかったです。
貧乏なのはいいですけど、牛乳配達のバイトをしていたり、財布の中に320円
入っていたりするのに、500円を大金とあがめ奉ったり、ちょっとやり過ぎな
感がありました。また、キラキラな学園生活を目指して真っ直ぐなのはいい
ですが、周りを見ず一人で突っ走ることもあるので、さらに感情移入はしづら
かったように思います。

あと、周りのキャラクターも、非現実的すぎて感情移入しづらかったです。
天使だの魔族だのがいる時点で非現実的ではあるのですが、なんというか、
天使とか悪魔を、主人公他、みんなあっさり受け入れて驚きやしない。
もう少し、人間味というか、リアリティがあってもいいと思うんですが……。
リア先輩を呼び捨てにした時の方が驚かれるのってどうだろう(^^;
# というか、七大魔将大安売りだな!(笑)

H度はやや高め。各ヒロインとも複数回(3回)用意されており、尺の方は結構
長め。描写も結構濃いめです。2回戦も用意されています。初めてから平然と
2回戦に突入したりします。
内容的には、純愛系のラブラブHがほとんど。純愛系の割にはかなり頑張って
いると思います。ただ、前戯はとても丁寧で描写も濃いのですが、いざ挿入
するとあっという間に終わります。主人公、早すぎです。

テキストは誤字等はほとんど目に付かず、テンポも良く、読みやすいテキスト
だと思います。
プレイ時間・難易度
ゲームは10月1日(月)から始まります。
ゲーム期間は3ヶ月弱。基本的に1日ずつ進みます。

ワンプレイは14〜16時間。結構長いです。全体の7〜8割ぐらいが共通シナリオ
なのですが、共通シナリオでも個別イベントが多いため、スキップを使っても
思ったほど短縮出来ません。したがって、コンプリートしようと思うと、かなりの
時間がかかると思います。
第二部に入ったら個別シナリオだと思ったら、まだ共通シナリオが続いて軽く
絶望しました。10時間プレイしても、全く終わりが見えなかったので……。

難易度は並。基本的に狙ったキャラクターと会い続けていればOKです。
ただし、トロフィーを集めるとおまけシナリオが見られたりしますし、その他
細々としたイベントを見ようとすると、それなりに大変ですが。
戦闘シーンは、霊術や詠唱、ユニゾンのタイミングを計算して、出来るだけ
敵に行動をさせないよう、こちらは詠唱とユニゾンで高レベルの攻撃をする
ように計算して組み立てれば、大抵は勝てます。
ただ、最後の敵は結構大変ですし、HARDモードだと最初の配置で全てが
決まることもあり、運の要素も絡んできます。まあ、EASYにすれば、大抵の
戦闘は楽勝だと思いますが。
なお、一度クリアしたバトルはスキップすることが出来ます。
総評
お奨め度ですが、明るく楽しいドタバタラブコメが好きな人にお奨め。
主人公を含め、ほとんどのキャラクターが明るく元気いっぱいで、目的に
向かって一致団結して真っ直ぐ突き進む様は、見ていて気持ちよくもあります。
キャラクターはみんな活き活きしていますし、演出も凝っていて、掛け合いを
見ているだけでも楽しいです。

バトルパートはゲーム性もあって、戦略を考えながら遊べたり、それなりに
楽しめると思いますし、必殺技の演出なんかは派手で、迫力があります。
トロフィーを集めたりも出来ますし、楽しめる要素が色々と詰まっていると
思います。

ただ、テンション高いキャラクターだらけで、しかもみんな好き勝手に行動
するため感情移入しづらく、プレイしていて疲れますし、主人公は見た目と
言動に違和感があったり、演技が物足りないキャラがいたりと、どうにも
ちぐはぐな面も目立ちます。

さらに、ストーリーは基本的にみんな同じ流れで、設定も統一されています
から、シナリオ1本クリアすると、ほとんどのことがネタバレしてしまいます。
なので、2周目以降は長大なイベント回収プレイになり、途中で挫けそうに
なることもしばしば。
しかもこれといった盛り上がりはなく、たいしたメリハリもないまま最後まで
突っ走るようなジェットコースターストーリーなので、これまたプレイていて
疲れます。

そしてバトルパートも、戦略さえ分かってしまえばほとんど労せず勝てて
しまい、いまいち緊迫感がありません。HARDにすれば簡単には勝てなくなり
ますが、逆に最初の配置で決まってしまったりと、戦略的要素がなくなって
しまうのはもったいないなと。

CGや演出など、ビジュアル面は非常にクオリティが高く凝っていて、
キャラクターは個性的で活き活きしていますし、みんな前向きで、力を合わ
せて一つのことを成し遂げるのは見ていて気持ちよかったです。
ただ、システムがやたら重い、戦闘が単調であっけない、キャラクターが
ややちぐはぐ、テンション高くて疲れる、展開がほぼ同じで広がりがない等、
気になる点が多いのが残念です。
全体的に良くできているとは思うのですが、ややプレイする人を選ぶ作品
だと思います。プレイ負荷も高めですし。
雰囲気やノリが気に入って、多少システムが重くても気にならない人であれば
是非どうぞ。

最後に。聖沙の負け数って、次のシナリオにも持ち越すんだ(笑)


天使とか魔族がめちゃめちゃ軽く扱われているのはまあいいとしても、天使と
魔王が結ばれるのすらもさらっと流されるというのはどうにも(^^;
もうちょっと葛藤とか何かあるだろう……。まあ、そもそも魔王がヒーローと
扱われている時点で何でもありですが。



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